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渋沢委員 ふやしている、ふやしていると言うのだけれども、毎年一疾病程度、ことしだって何か事前に配付された
予算の
概要説明を見れば、特定疾患の拡充と大見出しになっているのだけれども、五十二年度では一疾病しかふやさない予定になっているでしょう。自治体は自治体で勝手に判断をしておやりになるので、国は国だと言うんだけれども、しかし、本気に国がこの
難病対策に力を入れようというのは、いまの国の難病政策の中では
医療費補助が一番の柱でしょう。ほかに何をやっていますか。少なくともその点だけでは、自治体のこの認定とのこんな大きなずれを放置しておるということでは、これは
難病対策に対してまじめな姿勢を持っているということにはならぬと私は思います。
この
医療費だけを見るということで離病の問題が片づくという問題では実はないのです。ないのですが、それにしてもやはり難病患者の皆さんにとっては、その認定を受けてこの
医療費が補助されるかどうかというのは非常に重大なことなんで、しかも難病というのは、私が言うまでもありませんけれども、原因が定かでないということでその治療の方法も確定しない、大変困難な
状況にある。しかももうおしなべて長期化する。しかも、原因が定かでないということの中で、この体の苦痛とあわせて、まあ表現のしようもない心の不安という二重の、さらに生活苦、だからほとんど就職放棄というような状態に追い込まれる。重症者は仕事なんかできるわけがないのですから、しかも原因不明の、しかも治療方法の必ずしも確定しないこういう難病に取り組んでおられる立場から言うと、これはどうも国は国、都は都、自治体は自治体ということで、補助対象にするかしないかは、ずれがございますといういまのあなたのような答弁で済まされることではない。そういう事態が続く限り、都道府県ももう
財政上これ以上、この目の前の難病を専門家は認定をしてもふやしようがありません、こういう、現実に難病患者の
医療費補助を打ち切らざるを得ない、縮小せざるを得ないというような、そういう
状況をつくっているわけですよ。だから難病患者の自殺や心中事件がこの一月の間に二件も三件も起きている。
厚生大臣はごらんになったかどうか知らぬけれども、感想を聞きたいと思うんだけれども、そういう事態ができておる。この間心中事件を起こした方なんかは、国がちゃんと指定をしていますね、補助をしているんですよ。それでも長い治療の中で、いろいろな不安と生活苦との中で一家心中に追い込まれる、こういう事態があるわけです。まして、いまあなたの言ったような判断で、実際自治体が認定をしているこの難病患者の補助指定というものを認めないというような事態は、これは私は納得ができない。
そこで、時間がないので、これは都道府県が認定をしているが国は外しているという
理由を、いま
理由はお金と医学的な科学的な診断だと、こうおっしゃるんだから、それを文書で出してください。たとえば国が認めておらぬ中で都道府県が実際に処置をしているものに、いまも話があったと思いますが、パーキンソン病とか難治性の慢性肝炎、難治性の肝硬変ヘパトーム、悪性関節リューマチ、悪性高血圧症、ネフローゼ症候群、ウイリス輪閉塞症、点頭てんかん、リピドージスとか、一
かなりの数のあるものも少ないものもありますが、大小にかかわらず、この難病というのはいま言ったような二重、三重の困難と取り組んでいる方々の問題なので、これはいま少しまじめな取り組みをしていただかなければならないと、こう私は考えているわけです。そこでそれはぜひ文書で、
一つ一つの病気について、これが国、
大臣が補助対象にしがたい医学上の
理由を資料として出していただきたいというふうに思うわけです。その点はいいですね。