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斉藤(正)
委員 私は、火災
災害について伺いたいと思ったのでありますけれ
ども、せっかく今次の
寒干害対策について方針の
説明もございましたので、冒頭その点に触れてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。
先ほど
津島雄二委員からお尋ねがございました。私は余り
津島委員を知りませんでしたけれ
ども、名簿で拝見いたしますと、ごく最近まで大蔵省にお勤めになって、本来ならばそこから答弁をする立場にもあったわけですが、立場が変わるとあれほど違ったことになるのかと思って、実は驚きもし、また、それが
災害対策の真実であろうというようにも思ったわけであります。
すなわち、総論、各論にわたってきわめて適切な
質問が行われました。
災害対策については与党も野党もないわけでございまして、主張は全く同じであります。
そういう点からいきますと、やはり
天災融資法の
適用にいたしましても、あるいは激甚地
指定につきましても、あるいはまた自
創資金の貸し出し等につきましても、私は
津島委員の
質問は、全く
被害者、罹災者を代表して言っているというように思ったわけでございまして、
天災融資法を
適用するとか激甚地に
指定するとか、いろいろ配慮いただいていることはわかりますけれ
ども、縦横十文字にがんじがらめの
条件があって、それに該当をしないというようなことが、過去往々にして多かったわけであります。
今回の
寒干害につきましても、たとえば私は静岡県でありますけれ
ども、御承知のように、園芸作物、ミカン、茶が
被害を受けております。ところが、各県、
各地方からの
報告を求めて集計をしたとおっしゃっておりますが、東海地方はそれほどの
被害でないような数字であります。
県へ問い合わせをいたしました。ところが、ミカンについては、アマナツやナツカンについては直ちに
被害額が出るけれ
ども、これから芽を出し、花をつけ、実をつける温州ミカンについては、その
被害の
程度なんというものはわからない。したがって、実際の
被害がどういう形になってくるかについては疑問だということが一点。
もう
一つは、お茶であります。このお茶は、
生産と流通においてきわめて複雑な商品、
農作物であることは御承知だと思うわけであります。特に、かつては
生産者と流通業者とは真っ向から対立をし、
生産者にいいことは流通業者には悪い、流通業者の便を図れば
生産者には大変な負担がかかるというようなことで、いろいろな機構の整備も行われましたし、今日は単協を初め、あるいは
生産協同組合、あるいは茶商工
会議所といったようなものがっくられて、これらが渾然一体の体制をとりつつありますけれ
ども、それとても素人はお茶に手を出すなという言葉がありますように、むずかしい商品であります。したがって、静岡のお茶が激甚な
被害を受けたということになりますと、これは一番茶はだめだな、
収量が少ないようなときには製品もおのずから品質が劣るという宿命的な、
災害の二重
被害といいますか、あるわけであります。収穫量も少ないし製品も悪いというダブルパンチを受けるのが
災害の特色であります。したがいまして、この統計を出そうと思いましても、
生産者が、静岡のお茶は大打撃を受けたということで、
生産量もとにかくとして、その商品価値に
影響するところを恐れているという面も、人心の機微を御推察をいただいて、温情ある配慮もぜひお願いをしなければならぬというように思うわけであります。
先ほど自
創資金の貸し出し枠について、四十九年まで五十万のものを百万にして今日に至っているというお話がございましたが、もう百万を百五十万なり二百万にする時期が来ていると私は思う。検討をしたいというようなお話がございましたけれ
ども、その時期が来ていると判断をされているかどうか。
もう
一つ、お話にありましたように、きわめて厄介な手続のもとに申請をするわけでありますが、その窓口である農協が、この金が実際に行った場合、あなたは肥料の代金が残ってますよ、あなたは農機具の売り掛けが残っていますよというようなことで、この
災害で来た金をそちらへ振り向けて、実際には
被害農家に渡らないという
実態が非常にあるわけであります。このようなことは金融機関としての単協が、これはもう
災害というものの認識を全く履き違えている、全く
金利で利ざやをかせぐ純粋の金融機関に成り下がってしまっているというようにも思わざるを得ないわけでありますが、これらの
指導につきましては最も厳格にやっていただいて、いやしくも窓口である単協が、これをほかの借金の返済に充当するとか、あるいはそれを単協に積んでおいて利子をかせがせるとかいうようなことの絶滅を期していただきたいというように思うわけでありますけれ
ども、お尋ねが長くなりましたが、二点についてお答えをいただきたい。