○山原
委員 もう一つの問題として
質問をいたしますが、これは私がこの
委員会でしばしば取り上げてまいりました早明浦ダムに
関係をする
災害の問題です。
昨年、一昨年と
災害を受けまして、いまだその修復がなされておりません。特に
農家の受けた
被害、田畑の流失というようなことについても今後どうするかという方針もない
状態のときに、この早明浦ダムの上流に、
高知県土佐郡本川村でありますが、ここに本川揚水発電所の建設計画が立てられております。揚水発電でございますから下池から上池に水を揚げるわけです。そしてまたおろして発電をする、こういう計画でありますが、そのために、さらに水の汚濁とかあるいは
災害とかいうものが非常に深刻な事態になっておるのです。
ところが、この問題で大変奇怪な問題が起こってまいりましたので、警察庁並びに法務省に対しましてお尋ねをいたしたいのです。
私が最初に五分
程度経過を御
報告をいたしますが、この本川揚水発電所の建設計画で、地元の土佐町町議会が四国電力に対して
調査費を要求をしたというわけです。その金額は百万円でございます。これが昭和五十年の八月二十六日に同町町議会の由井利正議長名で提出をされております。その中身は、貴社、四電のことでありますが、貴社が建設を
予定している揚水発電所について、町内各地区、特に瀬戸川下流地区の協力を得る必要があると思われ、町議会、全部落長、瀬戸川沿い地区有志による関西電力喜撰山発電所の視察を計画しているが、町財政に余裕がないため、必要経費の半額、百万円を四電側で負担してほしいという中身であります。そうして、これには視察日程あるいは人員、金額が出されております。
これに対しまして、四国電力は同九月四日に決裁書を出しまして、「本川発電所建設に伴う地元
対策費の支出について」という題記で、この視察は、本工事着工に当たって地元の了解を得るために必要なもので、決裁後直ちに西村勝仲土佐町長を立会人とし、土佐町議会へ百万円を支払うという決裁書が出ているわけでございます。私はその決裁書と請求書を持ってきております。
ところが、この百万円の金額は、町議会も町長も全く受け取っていないという問題が起こりまして、事態は大変な紛糾を呼んでいるわけであります。特に由井議長のごときは、私の名をだれかが悪用したとしか思われないという発言をされておりまして、町議会は自治法百条を
発動しまして本川発電所
関係調査協力金問題
調査特別
委員会を設置いたしております。この中で明らかになったことがございます。
この
調査特別
委員会には四国電力の立地部長岡川健治、当時の立地部次長菊地明、立地部次長谷本光信、当時副長でありました小野山隆之、職員の宮地正隆、小倉克雄、これらの人物が証人として議会に出席いたしておりまして、それぞれ証言をいたしておりますが、驚くべきことには、この百万円の金は徳島県阿南市火力発電所の三号機、四号機の増設のため、地元
対策費として百万円が必要となり、この
対策費の領収証がとれぬため他の勘定科目から捻出方法を考えましてこれに流用したという証言がなされているわけであります。
ところで、この証言の中で次のようなことが出ているわけでございます。
まず第一番に、決裁時におきまして岡川立地部長は菊地明に対しまして露見する心配はないか、こう言っております。これに対して菊地明は絶対大丈夫と言っているわけであります。これも特別
委員会において岡川、菊地両氏の証言で明白になりました。
さらに、これに使われた請求書のけい紙、これは何と土佐町が出しておるけい紙でございますけれども、このけい紙は土佐町が昭和四十四年、四十五年に使用しておったものでございますが、なぜこれを使ったかというとこの請求書の信頼性のために使用した、どうして入手したかというと小野山氏が土佐町
高知分水事務所でメモ用紙としてもらったと証言をいたしておるのであります。
さらに、領収証は小野山の命令で宮地が浄書し、支出決裁書は小野山の命令で小倉が浄書をいたしております。
では、町
会議長由井氏のこの印鑑はどうしたのかと尋ねてみますと、この印章はゴム印で小野山が高松市五番町文教堂で購入したものである、こういうふうに言っておるわけであります。
簡単に申しますと、これが事件の経過でございます。
災害に悩み、ダムの問題で、昨日もこのダム下の本山町議会挙げて
政府にいろいろの要請がなされておる、こういう
状態でありますが、そういう中で四国電力という四国における最大の独占資本、大企業が、まさに町議
会議長、町長の名前をかたって文書を偽造し、そして印鑑を購入をしてこのような請求書を出し、しかもそれに対して決裁を行い、しかもその金を阿南市に出した、こう言う。
私は昨日、阿南市の漁業協同組合を初め
調査をいたしましたところ、阿南市はそんな金を全く受け取っておりません。第一そんな必要はないというわけです。私たちは公然と漁業補償金を当時四十数億もらっておるのであって、正規の手続をやっておるので、百万円ごとき金額、それを受け取るなどという情勢ではなかったのである、こういうことが
現地の阿南市でも言われておるわけであります。そうしますと、この百万円の金額は一体どこへ消えたのかという問題が出てくるわけであります。
この事件の
概要につきまして、まず法務省にお伺いをいたしますが、私が申し上げましたこの歴然たる事実に基づきまして、これは四国電力側による公文書偽造になるのではないかという点でございます。もう一点は、議長名を使い、あるいはまた町長名を立会人として使ってこのような決裁が行われたことは、町長、議長に対する名誉毀損罪が成立するのではないかと思いますが、この点につきまして最初に伺いたいのであります。