○井沢
説明員 お答えいたします。
五十年の台風五号や五十一年の台風十七号の出水によりまして鏡川が非常に大きな
災害になったわけでございますので、高知県としましては、特に鏡川の場合につきまして、総合的な治水計画について
調査をしたりあるいは審議をしたりするために、鏡川水系治水
対策技術会議というものを
設置したわけでございます。
この
技術会議の委員は、学識
経験者及び
関係する国及び高知県の職員によって構成されておりまして、昨年の十月二十二日の第一回の
会議以来三回にわたりまして
会議を開催いたしております。
そのメンバーにつきましては、
委員長としましては佐藤博士でございますが、この方は土研におられた水理の大家でございます。副
委員長としましては
東京大学の高橋裕教授、あるいは委員としましても京都
大学の石原教授、それから気象台であるとかあるいは土研、高知
大学、そういう方々の学識
経験者等とともに私
どもの河川
局長な
ども入っておりますが、そのようなメンバーでいろいろ検討をいたしたわけでございます。
その内容につきましては、まず第一番に、台風五号あるいは十七号による降雨及び出水の
状況、
被害の実態でございます。この台風等によります出水につきましては、鏡川水系の宗安寺の辺で大体百五十万キロぐらいございます。そうしまして、あの地点で大体二千立米ぐらい出たのではないかというふうに言われております。そういたしますと、比流量で申し上げますと大体十三から十四というふうな数字になります。そういう数字というのは、あれくらいの川でございますと余り例のないような非常に大きな出方でございまして、特に
関東、東北の方でございますと十以下、五から六あるいは大きいところで八ぐらいというのが一般でございまして、私
どもも十四というふうな数字になったので非常に驚いたわけでございますが、このような大きな水でございます。そういう
被害の実態であるとか、あるいは今後河川改修の
基本となる
基本高水、これをどんなふうに決めたらいいかという問題、それから第三は、あそこに鏡川のダムがございますが、これは多目的ダムでございますが、多目的ダムによる洪水調節計画を再検討する必要があるんじゃないか、ではどんなふうにすればいいだろうかというふうなこと、それからさらに鏡川の下流の河道の改修の計画でございますが、これをどんなふうに計画をして、どんなふうにやればいいんだ、それから費用としてはどれぐらいかかるのかというふうなこともいろいろ
技術的な面について検討を願っておるわけでございまして、河道の改修につきましてはおおむね三百億弱ぐらいはかかるのじゃないかというふうにわれわれも予想いたしておるわけでございますが、大体私
どもとしましては数年、四、五年ぐらいで何とか概成をいたしたいというふうに考えております。
こんなふうなことを踏まえながら、現在、来年度の雨期を目指しまして何とか
被害を極力少なくするような工事を急いでおるわけでございます。
さらに、こういうふうな審議を前後三回にわたりまして行ったわけでございますが、近く、三月の末というふうに聞いておりますけれ
ども、再度この
技術会議を開催いたしまして結論を得たいというふうな意向であるというふうに聞いております。