○山花
委員 基準については、この条文を素直に読みましても、まず原則は人口に比例してということだと思います。そして、これに対する修正の原理として地域間の均衡、特殊性ということが入ってきているということではないかと思います。そういたしますと、人口増によって
議員定数の若干の増員は原則として認める
方向というのが
考えられなければならないのではないか、私はこの条文を素直に読んで、そういう気がするわけであります。
具体的な問題で
考えてみますと、自治省の方でもお調べになっておると思うのですけれ
ども、たとえば
議員一人当たりの人口が一体どうなっているのかということについて、もう私が言うまでもなく、何といっても東京が最大の人口ということになっているわけであります。私
どもが
調査したところでは、五十年度の国勢
調査の結果によって計算いたしますと、東京の場合には
議員一人当たり人口が九万三千人、大阪の場合には七万四千人、神奈川の場合には五万七千人、埼玉の場合には五万六千人、愛知の場合には五万六千人、これが上位の五つの府県であります。逆に最下位の方から見てみますと、鳥取の場合には一万五千人、島根の場合には一万九千人、山梨の場合には一万九千人、福井の場合には一万九千人、徳島、高知、佐賀の場合にそれぞれ二万人ずつ。
これが
議員一人当たり人口ということでありますけれ
ども、こうした
議員一人当たり人口についての配慮というものが、こうした
選挙法上どうなっているのかということについて振り返ってみますと、先ほどの
公職選挙法十五条と地方自治法九十条の
関係になってまいりますが、人口に応じて
議員の定数をふやし、そして最高百二十をもって定限とする、こういう仕組みで配慮しているのだと理解することができると思うのです。
また、同じ傾向で
考えてみますと、たとえば神奈川県の場合には、四十六年四月の統一地方
選挙におきましては、四十年十月の国勢
調査に基づいて、人口が四百四十三万七百四十三人、まあ余り細かい
数字を申し上げるつもりはありませんけれ
ども、当事は条例によって定数が九十五名と定められていました。それが五十年四月の統一地方
選挙の場合には、人口増に伴いまして百二十名にだんだん近づいてまいりまして、九十五名から百九名になりました。そして五十四年四月、予定ということで計算してまいりますと、上限いっぱいに百二十名までなるわけであります。
こういう
関係を六大府県の県会
議員について見ますと、愛知県の場合には九十八名から百十六名になります。京都府の場合には六十一名から六十六名になります。大阪府の場合には百十名から百二十名に、兵庫県は九十名から百三名に、福岡県は八十六名から九十三名にと、人口増に従って定数が最高百二十まで
増加しているわけであります。
ところが東京の場合には、
昭和四十四年七月に行われた
選挙のときには、人口一千八十六万人で百二十六議席。ところが四十八年七月の
選挙のときには、東京の場合には、人口が一千八十六万人から一千百四十万人に
増加しているにかかわらず、百二十五と定数が
一つ少なくなっております。そして、このままでいきますと、五十四年四月の統一地方
選挙のときには、人口が一千百六十七万まで
伸びるわけですけれ
ども、やはり百二十五ということになるわけであります。すなわち、他の都道府県では、人口増に従って一定程度
議員の定数がふえて、一票の価値について格差、不公平の問題が出ないようにという配慮が働いてくるわけでありますけれ
ども、東京の場合には、人口はどんどんふえるのだけれ
ども、定数が減ってしまう、こういう仕組みになっているわけですが、この点の問題についてどうお
考えになっているかをお答えいただきたいと思います。