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馬場(昇)
委員 組織づくりをするということを言われましてあの悲惨な
患者も期待をしておるわけですから、
長官はあのときも冗談めかしに、おれにタカ派、タカ派と言うけれ
ども、そういうことを実行するのはタカ派だぞということも言われて笑わせてもおられたのですが、ここではぜひ実行するためのタカ派ぶりを発揮していただきたいと思うのです。
次に、認定
制度の改善についてお伺いしておきたいと思うのです。今日の認定
制度というのは、私さっきもちょっと言いましたけれ
ども、針の穴のようなものですよ。そしてこれは
被害者の
救済になっていないのです。言うならば
被害者の切り捨てになっているんじゃないか、私はこういうぐあいに思います。
考えてみてもわかります。
患者にとって全然わけのわからないところで決まるのですから、
患者側にとってみますとこれはもう暗黒
裁判ですよ、あの認定
審査会というものは。暗黒
裁判によって振り分けられ切り捨てられておる、
患者救済になっていない、今日の
審査会は。私はこう思います。そして認定
審査会を見てみますと、
補償法によりましても、
医者だけではなしに
法律家など学織経験者が入っていなければいけないんだ、
補償法には
審査会のメンバーはそうなっているのです。ところが熊本の
審査会は
医者だけですよ。
法律家とか学識経験者は入っていないのです。大体
補償法で決めております精神というのは、
医者というのは認定の手助けであって、
審査会というものは、
行政がこの
法律によって
救済するかしないかを判断すべきものですよ。それが、あの
審査会というのは純粋な
医学上の判断になってしまっている。いわんや純粋な
医学上といいましても、
水俣病像がまだわからないという中ではお
医者さんの主観になってしまっているのです。このことは、現行法でさえも
審査会は運用を誤っておる、行き過ぎておる、
患者救済になっていない、私はこういうぐあいに思います。いわんやこういううわささえあるのですよ。これはうわさでしょうけれ
ども、
患者を見て、これは
補償金千六百万、千八百万、いろいろすると二千万円平均になるのですけれ
ども、この
患者は二千万円に値するだろうか値しないだろうか、そういうことがやはり
医者の頭のすみにある、
審査委員の頭のすみにある。こういうことさえ批判もされておるわけでございます。そういうことでございまして、この認定
審査会というものの運営、あり方ということについてやはり検討を加えなければならない、こういうぐあいに思っておるわけでございます。
そして認定基準、これを判断条件と言いますけれ
ども、野津さんはさっき言いましたけれ
ども、いまだもって、この場所で
患者を代表し住民を代表し国民を代表して私が質問しているのに、中身を言わないのですよ。あやふやなんですよ。これはなぜそういうことになっているのか、全く秘密主義でございます。だからこそ、秘密主義でやるからこそ、そういう案を出してごらんなさいよ、秘密にやって。
患者は反発しますよ、絶対に進みませんよ。そういうことがあるわけでございますし、私はもう認定基準はさっき質問いたしましたので多くを申し上げませんけれ
ども、少なくともあの次官通達で、水銀の
影響を否定し得ないものを認定するんだとなっておるのですから、それを発展させなければならないということは当然でございます。
そして
補償法でも、第一種と第二種がありますけれ
ども、これは第二種で
因果関係を見なければならぬとなっておりますけれ
ども、結局、たとえば
公害、大気
汚染のあの四日市だとか川崎とかそこでぜんそくが起これば
因果関係はないのです。みんな認定するわけですよ。第一種的な認定というような
考え方、このことが次官通達を発展させることになるんだ、そういうような判断条件というのをぜひ出していただきたいと思うのです。
そこで私が提案したいのですけれ
ども、これはこの前も提案いたしましたけれ
ども、私は地域集中検診、集中
審査方式を採用せよと提案するのです。これは先ほど野津さんも言いましたけれ
ども、やはり検診医をずっとふやさなければだめなんですよ。だから、たとえば極端に、この夏休み期間中に検診医をふやす。この間、自主検診しましたら、お
医者さん方が延べ百三人来たんですよ。それで十日間ぐらい検査をしたのですけれ
ども、それ以上のお
医者さんを集められると思うのです。
厚生大臣にそれを協力させてください。それで
審査会というものを回数を、少なくとも新潟大学、熊本大学の協力を受けて、夏休み中は毎日
審査をやっていくんだ、こういうふうな体制をとったらどうですか。そういう人たちには予算をよけい組んで報酬もたくさん出してください。そして地域に出向いていって、たくさんの検診医がそこで検査をする。いまの認定
審査会というものは、検診医が検査をしたら、書類だけですよ、
審査会にいくのは。人が診たのを
審査会では書類で見ているのですよ。これじゃだめなんです。だから
審査会も現地に行って、多くの検診医が検診して検診したのを
審査会に持ってきて、検診した人がそこで説明して、そしてそれをそこで認めていく、こういうようなことをやるべきだ、こういうぐあいに思うのです。そうしたら、極端に言うと、夏休み中で全部は終わらないでしょうけれ
ども、ほとんど終わってしまう、こういう条件さえも出てくるのです。
しかし、ここで
患者の協力が必要なんですよ。しかし、
患者が協力はすると言っているのです。というのは、判断条件だとか
行政の姿勢が前向きであれば協力すると言っております。ただし、ここでは粗すくいというようなかっこうになるかもしれません。だから、残った部分については棄却をしてはいけない。これは追跡
調査をしていくんだという条件をつけてやれば、
患者は協力すると思うのです。そういうぐあいにして、一日も早く違法
状態なりいまの
状態を解消していただきたい、こういうふうに思うのですけれ
ども、どうですか。