○
松本(操)
政府委員 お答え申し上げます。
まず
大阪の件でございますが、先生操縦の方は御専門なので、私大変
お答えしにくいのでございますけれ
ども、32、南側からテークオフをいたしました場合に正面に六甲山がございますので、どうしても左へ曲がらなければならない。どこで曲がるのかという問題がございまして、もう大分古くから通称泉コースと言われておるコースが設定されております。久代NDBア・ビームで左旋回をする、そして二百度に乗るのだ、淀ポイントまで出る、そこからライトターンする、これが西行きでございます。それからア・ビームで同じようにレフトターンをいたしまして二百度に乗りましてから、一たん乗りかけたところでそのまま旋回を続けます。そして九十九度の線に乗ってコアへ出る、これが東行きでございます。このコースにつきましては、実は私
どものフライトチェッカー、これはYSでございますから、YSでできてもジェットはだめじゃないかという御議論もあろうかと思いますので、さらに一般のパイロットにもいろいろ飛んでもらいましたし、それからフライトシミュレーターも使ってチェックもいたしました。各社の方はまたフライトマニュアルと申すのでございましょうか、各社それぞれに細かに決めたものを持っておりまして、ある一定の幅の中で飛ぶようにしております。これが、私が午前中
お答え申し上げましたV2ブラス1〇で行きました場合に、バンク角二十度で中国縦貫道の北へ出ず、武庫川の西へ出ないという形でうまく二百度の線に乗れるはずなんでございます。ところがYSでありますとか737の場合に、特にこれは東行きの便に多いようでございますけれ
ども、少し早目に旋回をいたしまして小回りをする。これはいまも先生から点の真上を飛ばぬじゃないかというお話でございます。私自身
テストフライトのときに久代小
学校の上で小一時間、すべての
飛行機のフライトを観察しておりましたが、いま申し上げたコースで飛ぶとすれば、久代小
学校の屋根の上で真っすぐ上を向くような形で機影が通過しましてから左に旋回をしていくということになるはずなんでございますが、明らかに久代小
学校の上に立っている人間に
飛行機の腹を見せて左旋回をしている、これは大体737あるいはYSといったのに多うございます。Aランの方から出てきた連中に多いようでございますけれ
ども、これはわりあいに早く回ってしまう。したがって二百度のビームに乗ります場合に西側から乗らないで東側から乗ってしまう、こういう乗り方をしている
飛行機があるようでございます。これは推奨の乗り方ではございませんので、この点、たまたま今度の
テストフライトによって私自身が気がついたわけですが、実は、これは各市ともお話し合いをしながら、どこを通っているかという飛行コースの観察を年に何回かやっておりますし、特に今度の場合にはレーダーの連続写真をとりまして飛行コースを押えてございますので、そういう点については問題があれば十分注意をしなければいけない、こう思っております。
ただ、このコースそのものにつきましては、日航と全日空と、今度の
テストフライトでたしか十二、三名の相当のベテランのキャプテンが一日置きに飛んだわけでございますが、非公式コメントをいただきました限りにおいては、特に
在来機と比べて泉コースと申しますか、デパーチャーのプロシージャーに特にむずかしいというふうな点は全く感じられない。ただ上昇が非常に早うございますので、コックピットからは空しか見えなくなってしまう時期が一時出てくる。そこで構内にVOR/DMEがございますので、DME二マイルをリファレンスにとってレフトターンをする、こういう形をとればもっと正確に飛べるのではないだろうか、こういうふうな
意見を、非公式
意見ではございますけれ
ども、私
どもは聴取いたしました。したがってこういうふうな問題は今後の飛行コースの指導に当たっては大いに生かしてまいりたい、このように
考えております。
それから東京の方についてでございますが、これはいま改良を試みております。というのは、同じバンク角でそのまま回り込んで33Lに入る、こういうふうな形をとっておりましたが、これはやはり先生御
指摘のとおりに、ファイナルコンフィギュレーションに入る直前にバンクをとっているというのは非常にやりにくい。ドッグレッグ方式に直しました。それと同時にあそこのガイダンスライトが乱ぐい歯になっておりますので、これは五十二年度からの
予算でこの乱ぐい歯を直し、シークェンスライトをつける、こういう方向でいま鋭意土地の選定その他をしております。
それから最後に、午前中にもお話がございました二段進入につきましては、これは非常にむずかしいのでございまして、地上に置いておきますILSの性能もさることながら、エアボーンのいろいろな仕掛けも積まなければなりません。そこで私
どもは開発の研究をいま継続はいたしておりますけれ
ども、いまのところいつからこれを
実施に移すというはっきりしためどは持っておりません。米国においては一部行われたようでございますけれ
ども、わが国においては二段進入は現在は研究の段階でございまして、まだ
実施には移しておりません。