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大木参考人 東亜国内航空の専務取
締役をしております
大木良孝でございます。
担当は、安全
推進委員会の
委員長それから
整備関係、技術関係を
担当しております。
東亜国内航空は、現在使用機YS11とダグラスのDC9、両機種を使っております。YS11が三十一機、それからDC9十五機を使用しております。
YS11につきましては、すでに使用し始めてから十二年、DC9につきましては三年六カ月経過いたしまして、すでに長年の実績によりまして
運航面、
整備面につきまして、双方とも技術的な知識経験も豊富に蓄積されまして、
パイロット並びに
整備員の技能面でも質的、量的において大幅に向上いたしております。人材の幅につきましても相当厚みができてまいっております。現在わが社の総人員は五月一日で二千五百八十五名、そういう人員でございますが、このうち
乗員が、
機長及び副
操縦士の総計が三百五十八名、
整備員は間接人員を含めまして八百三十名、
スチュワーデスは三百八十名おります。
整備員の八百三十名のうち現場の直接人員が約六百名、このうち百八十二名が
整備確認者でございます。
日常の
運航の安全につきましては、
社長以下全員が日夜心を砕いているところでございますが、安全を支えるものは、何と申しましても、まず人間でございますので、第一の
安全対策は
教育訓練の
徹底ということで進めております。
まず、
パイロット等乗務員につきましては、さらに
日常業務面での技術向上に努めておりますが、そのほか、なれによるミスの防止ということについて、特に精神教育並びに実地教育を重視して行っております。また通常の定期
審査に加えまして、緊急
事態におけるとっさの
対策に、シミュレーター、模擬装置によって
徹底的に
訓練を
実施いたしております。
次に、
整備部門につきましても、従来から
整備士の国家
試験の
資格という面で教育に力を入れてまいりましたが、現在ではこれに加えて機械、エンジン、電子機器等の専門コースごとに
社内にグレードを定めて
訓練を行うほか、実地指導を行い、技能の向上を図っております。この結果、
整備能力の面でも大きく飛躍をいたしまして、
当社のジェット機の一年間における
整備要因によるおくれや欠航は、昨年平均で〇・五九%にとどまりまして、これはDC9のユーザーの世界的水準の中で一番高い部類に達しております。
運送関係につきましては、単に
旅客に対するサービスの向上のほかに、
空港における
旅客の安全確保ということにつきましても重点を置いてまいりまして、
業務を行う上の
規程類にも安全
管理に関する
項目を逐次追加改定しております。
社内の
業務監査の機会には細かい点について
点検を行っております。
その他職員の安全意識の高揚につきましても、安全サービス向上月間を設けて、全社的行事で安全
管理体制を自主
点検し、安全意識の啓蒙を行う等の
努力を払っております。特に昨年十月八日には、羽田において
社長陣頭
指揮のもとに、実機によって大がかりな
事故処理演習を
実施いたしてきております。
安全
確認のための
会社の
組織としましては、安全
推進委員会を設けまして、
運航の安全面の問題の解決に当たっております。そのほか社の内外の
事故の事例、時々の
事件をニュースとして取り上げて、全社員に
注意を喚起する等の安全意識の啓蒙を図っております。安全
推進委員会の
委員長は私が
担当しております。おかげをもちまして、現在のところ
安全運航の実績を上げているところでございますが、今後とも物心両面からさらに万全の
対策を考えていく所存でございます。
以上が、
東亜国内航空の安全につきましての基本的な考え方でございますが、次に、
事故防止のために
フライト前の
機体の
検査体制の
概要、それから
運航管理体制の
概要、それから
ハイジャックの
防止対策の現状について
概要を御説明申し上げます。それから
最後に、
航空機の
安全運航のための航空施設についての
当社からの
要望を申し上げたいと存じます。
これから申し上げますことは、お手元の資料に、一応現状並びに
要望事項について御説明しておりますので、それの
概要を申し上げたいと思います。
フライト前の
機体の
検査につきましては、まず、
整備面では、
飛行機の発着
整備といたしまして、
飛行前
点検、
飛行間点検、
飛行後の
点検、こういうもので、主として燃料、それからオイル、それから油圧系統、それから空気関係、こういうものの補充の
状況、それから
機体内外の外部から見える部分の
状況をまず
点検いたします。それから着陸装置あるいは
フライトコントロール関係について主要な
点検を
整備面でいたします。そのほか、
航空日誌に記載されている
乗員から
指摘されている問題について特に
注意して
点検をするということでございます。
それから
機長は、
運輸省令で定めます、
航空法七十三条に基づきまして
出発前に
機体の内部並びに外部についての
点検をいたしまして、そのほか重要システムについての作動
点検をいたします。それから
操縦室の内部
点検を行います。経由地において特に問題がない場合は、その部分をある程度省略するということがございます。
それから、
運航管理者の
飛行前の
パイロット等に対する
ブリーフィングについて申し上げますと、
航空法並びにこれに基づき
会社が定めております規程に基づきまして
機長及び
運航管理者の合意を得る手段として、
出発の一時間前に
機長に
運航管理者から
ブリーフィングを行いまして、気象
状況、保安施設の
状況、それから危険品の搭載、
運航の安全にかかわるもの、その他の
もの等について
情報を
提供いたします。
それから
運航管理者は、
パイロットの
心身状態が
運航の安全に
支障を及ぼす点があるかどうかということを一応
確認いたしまして、もし異常がある場合には必要な
処置をとるということにしております。
昭和五十二年四月二十五日に、この分についての規程を改定いたしまして明文化いたしました。
運航の承認か発効した場合には、
機長は
指揮下の
乗務員に対して、さらに
運航管理者から受けた
情報を
提供して
ブリーフィングを行います。
それから次に、
パイロットの
服務基準でございますが、
パイロットは、多数の人命を預かる重大な責務があり、常に高度な技量・能力の維持向上が要求されますから、
航空法並びにこれに基づく
会社の関係規程により、航空身体
検査証明の維持、乗務前
所定時間内における
飲酒・薬品使用・潜水の禁止、視力の保護のための外出
制限等、
健康管理のため、
日常生活において厳しい自己規制を課しております。
乗務に際しては、このほかに、乗務時間の
制限、勤務時間の
制限、着陸回数の
制限等、安全確保のための諸施策が講じられております。
そのほかに、今日のように
航空機の非常な大型化並びに高度化のために、
パイロットの技量的な問題のほかに、
人格、品性についての情操の向上、そういうものも必要でございますので、定期的に
機長研修を行い、そういう面を特に重点的に高揚を図っております。
パイロットの
採用並びに
昇格についてでございますが、
昭和四十六年以降五十二年までの
状況を申し上げますと、
採用のソースとしては航空大学生、それから自社養成、防衛庁割愛、民間養成、その他ということでございますが、航空大学卒業生が三〇%、自社養成が二〇%、防衛庁割愛が一五%、民間の養成所が一五%、その他が二〇%というような割合になっております。
操縦士の
昇格につきましては、航空大学卒業生を例として申し上げますと、
採用後、学科教育、それからシミュレーターによる
訓練、YS11による実機
訓練、副
操縦士実習等で約十一カ月の
訓練を経まして副
操縦士となります。副
操縦士として約五年間、
飛行経験としまして約二千七百時間以上の経験を必要としまして、その後、
操縦士の
昇格任用
試験を受けまして、
機長になるためには三千時間以上の
飛行経験を有している者から
操縦士を任命する、こういうことでございます。
次に、
ハイジャックの
対策でございますが、
当社はジェット機と
プロペラ機と合わせて三十八
空港及び休止しております
空港が一つございまして、全部で三十九になりますが、お手元の資料で十八ページ、十九ページに挙げてございますが、そのうち十五
空港がジェット機の就航しておる
空港でございます。二十四の
空港につきましては、
プロペラ機が就航しております。
ジェット機就航の
空港十五のうち十四につきましては、国庫補助によりましてエックス線の透視
検査装置、
金属探知器による
ハイジャック防止
検査を行っております。あとのジェット機の残りの一つの三沢につきましては、本年度の予算で国庫補助を受けまして、目下エックス線の
検査装置を
設置すべく準備中でございます。これは八月から一応使える
状況になる予定でございます。
プロペラ機の就航の
空港につきましては、現在、
金属探知器と
携帯用金属探知器を備えて
ガードマンもしくは総代理店の職員により
検査を行っております。
ハイジャック防止の
検査に
当たりまして、私どもは大体三つ重点を考えております。
ハイジャックの絶対発生しないように厳重な
検査を行うということ、それから
検査の
徹底を図る余り
利用客に不快感を与えないようにすること、それから三番目に、
出発便がおくれたりしないようにするということ、この三点に
注意を払って、現在、
ハイジャック防止のために十分
注意をしてやっております。
最後に、
航空機の
安全運航のための
空港施設に対するわが社からの
要望を申し上げたいと存じます。
資料の二十七ページに挙げてございますが、わが社は現在全国三十九の
空港に
飛行しておりますが、ジェット
空港はそのうち十五
空港にすぎません。残りの二十四
空港はYS11型機が就航しており、また二十四のうち離島
空港というのは八
空港ございます。ジェット
空港に比べまして千二百メートル〜千五百メートル級の
空港は、関係施設がすべて不十分でございます。つきましては、ジェット化の早期実現をお願いするとともに、現状につきましても
改善を図っていただきたく、次のように御
要望申し上げたいと思います。
第一番目、
空港の
整備について。
現在までに
整備された大型
空港については、地域的な偏在が見受けられます。全国的な視野に立った
空港整備をお願いいたしたいと存じます。
二番目に、地方自治体の
設置、
管理になる第三種
空港の大型化につきましても、国がその
促進について積極的な指導及び施策を講じていただきたいと存じます。
三番目に、ジェット
空港の
滑走路は、今後原則として、
みぞ切り、グルービングを行うように聞いておりますけれども、YS11型機用の
滑走路についてもグルービングをお願いいたしたいと存じます。
次に、
航空保安施設の
整備についてでございます。
YS11型機で就航しております
空港に最低限VASIS、VOR/DMEを
設置していただきたい。
二番目に、ジェット機用に
整備する
空港には、ILS、アプローチライト、VOR/DMEの
設置をお願いいたしたい。
三番目に、
航空交通管制の自動化
推進並びにVOR航空路網及び航空路レーダー網の完備を早急に実現をお願いいたしたいと存じます。
そのほか、
空港における救難及び消防体制を
充実、
強化していただきたい。
以上が
空港施設についての
要望でございます。
時間、少し超過いたしましたが、終わります。