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前田委員 非常に御配慮願っておって、言いがいがあったと思いますけれども、私の体験したところでは、もうしょっちゅう不満たらたらの人がおるわけで、あの
ボデーチェックは何とかならぬのかというような不平を私の知人から再三再四聞いております。私も実は普通の人と同じように、あれをくぐって
乗りおりするということをやってまいりましたけれども、
羽田空港の二階の
検査所の
突き当たりの、きのう見てみたら、
警察官詰め所と札が張ってあったけれども、あの
部屋へ引っ張り込まれて、しこたましごかれた
人間なんです。
人間のくぐる門がありますが、私はいつもそこで立ちどまるかのようにして通っておるが、そうすると、そばにおった
ガードマンが、結構です、どうぞ、こう言うのです。だからすっと歩いていくと、二、三メートル奥におった
人間が、こちらへどうぞ、
ボデーチェックをと、こう言うから、何だい、どうぞと言うたじゃないか。それでもやらしてもらうと言う。君、感情に走ってはだめだよと言うと、
ボデーチェックさしてくれませんか。いまの
段階ではいやだね。じゃ、こちらへどうぞと、あの
部屋へほうり込んだがね。それで、私が、こんなことをするんだったら
責任者呼びなさいと言うたんだが、どうしても呼ばない。
警察官が入ってきたが、あなたはなぜ
検査をさせないかと言うから、言い分があるからさせないのだよ、君もぼくに話があるんだったら、君じゃ困るので、もう少し
責任のある署長かだれか来てもらってくれと言うたけれども、それもできなかった。私は、
責任者呼べと要求したけれども、結局だれも出てこずに、そのために十分、十五分、とうとう
飛行機の方から早く乗ってくれという迎えが来たもので、やむを得ず、
飛行機が急いでいるから、じゃ
検査をさしてやろう、
かばんも見たまえ。
かばんも全部ひっくり返して見せて乗りましたがね。
ああいうときに
責任者が出てくると、すぐ話がつく。
ガードマンなんかでは話がつかない。
警察官は直接タッチしてないのだから、これに対して物を言うのもおかしいでしょう。そういう点で、
大変欠陥があると私は考えておりました。きのうまた
高松空港で、わりあいにずさんなことがなされておるということをちょっと
小耳にはさみましたけれども、(「
小耳じゃないですよ」と呼ぶ者あり)大変明確に発言がありましたけれども、あれは
高松空港を抜けると
大阪へ来てしまうでしょう。
大阪はロビーで乗りかえがきくでしょう。決して
検査所通りませんよ。そうすると、あの
高松空港をうまく利用すれば、ピストルでも何でも持ち込むことができると私は思う。そういうふうな盲点がある。これはやはり
運輸省としては、克明に各
空港をチェックして平等、厳格な
検査方法を立てておかなければいけないと思うのでございます。
そこで、こんなふうな
ボデーチェックを幾らなさっても、この間も
全日空で一日に二回も続けざまに
ハイジャックが起こりましたね。ああいうことがあるじゃありませんか。だから、一生懸命に
検査をしておるけれども、ああいう
ハイジャックがいともやすやすと行われるということは、やはり現在の
検査機構というか、この中に
欠陥があるのだと私は思う。一つの
欠陥は、私
ら素人だから直感したもので申し上げますけれども、ネコもしゃくしも、みそもくそもといいますか、千編一律、だれでもかれでも同じ
状態で
検査を執行しておる。全然
検査の要らない人にもそれだけの
手間暇かけておる。だから、入念に
検査をしなければならぬ者に時間の割り当てが少ないということで見逃してしまうのじゃないかと私は思う。
航空券というものは、船の
切符と同じように
住所、
氏名をちゃんと書かせるのでしょう。それを書いた
段階で
購入者がわかるでしょう。それは全部の人がわかるわけじゃないけれども、しょっちゅう
飛行機に乗っておる人とか、あるいはあなたが
航空会社の方にお聞きになったらわかるけれども、
VIP扱いというのがあるらしい。
羽田空港でも
会社のえらいさんなんかだったら、
VIPの
部屋を通ってすっと行くと、
ボデーチェックも何もなしに乗れるようになっているそうじゃありませんか。私は、そんな
VIPとかなんとかというふうな特別
扱いじゃなしに、この人は信頼できると発売のときに見た場合は、信頼できる印を入れて、そんな人は、そういう
手間暇のかかる
検査なしにすっすっと通すような
措置を講ずる方が、より賢明であると思う。
いずれにしても、平等な
扱いをしようとするところに、
ガードマンは何も知らないからそれをやって
手間暇かけて、それで
大変渋滞をさせる。
全日空の二件連続の
ハイジャックのあった直後は
行列、
行列で、
飛行機全体が十分なり二十分なり出発がおくれておったじゃありませんか。そういうふうなおっ取り
刀主義のことをおやりになるということで、私は、その
辺三つの
航空会社が思い思いにやるからなのか、あるいは
運輸省からの指示によってそれをやっておるのか知らないけれども、もう少し実態に即した
行政指導というものがあってしかるべきだ、こう思うのです。
だから、幸いに、
切符を発売するときに
住所、
氏名も聞くのだから、その
段階で
予備観察と申しますか、できるでしょうが。私はできると思う。
会社なんかの非常に著名な人とかしょっちゅう往復しておるような人は、
航空会社の方でチェックできるはずだと思う。そんなのは特別にすたこらすたこらと通すような
措置を講じてもいいのじゃないかと思うのだが、これは
警察的見地から言えば、あるいはそれをやると危険であるとおっしゃるかもしれぬけれども、私は、むしろそれをやって、その他の一般の
人々、特に、俗に言ううさん臭い
人々には時間をかけて
検査をするというような
方法を講ずることの方がより適切ではなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。