○福岡
委員 決定はまだですね。だから最終決定をするときには、ただいまの趣旨を踏まえて御
努力をいただくように強く要望しておきたいと思うのです。
それから、それができないにいたしましても、この
予備費の取り崩しというものは最悪の場合でも八〇%から九〇%くらいは
建設省の意思によって発動できる、取り崩せるというようなことに、ぴしゃっとしておいてもらいたい、そういうことを強く要望しておきたいと思います。
それから、次は
事業遂行上の問題でございますが、私が過去の実績から一番大きく問題にしておりますのは、水源地域というものが常に犠牲にされておる。また水源地域の諸問題があるために
計画自体が進められないということになっておると思う。現在、御
承知のように水特法が制定されておるわけですが、これが運用上、あるいは、この法律の改正を必要とするような問題が
相当あるように思うのですね。それを二、三申し上げて
見解をただしたいのですが、
一つは水源地域の指定の時期です。いままでの例からいきますと、予備
調査が済んで
実施調査が大方、終わった段階で県知事が水源地域
整備の指定を申請してくる、こうなっておるわけですね。結論から言いますと、それでは遅い。予備調の段階から、ある
程度の水源地域
整備計画の作業を進めて現地に、こういう
ダムを
建設させてくれれば、こういう地域
整備をしたいと思いますというように、両面並行的に進めていくべきだと思うがどうか。必要な法改正はやればいい、あるいは運用上、私はできぬこともないと思うのですね。これが
一つの問題です。
それから、もう
一つは水源地域の
対象区域であります、これは水特法の三条一項で「基礎条件が著しく変化する」地域という規定がございまして、さらに五条一項で、特に必要とする場合は水源地域外の
整備計画を策定することができる、こうなっておるわけですね。私は幾つもの
ダム建設予定地の事情を知っておりますけれ
ども、ある地域は、その町自体の四割も五割もが水没する、町の経営そのものができなくなる、そういう広範囲にわたる
ダム建設地域があることも
承知いたしております。したがって、その町村だけの
整備計画ではどうにもならない。二ないし三の市町村を含めた
整備計画を立てなければならぬ場合がある。あるいは大きく言えば、その地域、
相当広範囲に数カ町村、場合によっては七カ町村も八カ町村も含めた
整備計画を立てなければ、その地域経済が保てないという場合もあるので、この水特法に言う水源地域の
整備計画を策定する
対象区域を
相当、広範囲にする必要がある、こう思います。
それから、もう
一つは
対象事業であります。いま現在、水特法によって
整備計画がされておりますのが二十一地区ございます。この二十一地区で見ますと、たとえば農地の水没面積が千九十五ヘクタールあるわけです。今度、水没する地域の中で農業を継続してやりたい、そういう人が
相当あるわけであります。ところが、この水特法の
対象事業としては土地改良法に基づく
事業しかできない。これは地主が持っておる土地を持ち寄って組合をつくって、そして、やるという手法なんであります。水没地区の人は、おおむね、その地区に自分の所有地があるわけですから他に土地を持っていない。組合をつくって土地改良法の適用を受けようとしてもできない。そこで、たとえば水特法の中で宅地造成と同じように農地造成ができる、そういうように
対象事業の再
検討をする必要があるように私は思います。
それから、生活再建の問題であります。この、あっせんの義務は確かに水特法によって規定されておる。あっせんの義務はあるけれ
ども、具体的に
事業の責任はない。これはある
程度、責任を国なり地方公共団体が持つような方向に考えていくべきである。
次の問題は、
ダム建設などは集中的に、そこへ
投資するわけであります。それで水特法によって地域
整備をするのですが
相当の
投資をしなければならない。その
ダム建設の当該市町村は
整備計画に基づいて補助裏を持たなければならない。
相当の
財政支出を必要とするわけですね。確かに
財政上、金融上の援助をすることに水特法では規定されておりますけれ
ども、では、どこまで国が責任を持って、やっているかということになりますと、
相当、問題がある。そういう意味で地方
財政の裏づけをどう、してやるかということも深刻な問題であります。
それから、さらに地域
整備計画は立てるけれ
ども、そして
事業の遂行はするけれ
ども、問題は、それに見合う
予算措置がされていない。御
承知のように
一般枠なんですね。ですから一千億の道路
予算があるとすれば、
ダム建設のために仮に二百億使ったとすれば、
一般枠を二百億食うわけであります。したがって、私はかねてから主張しておるのでありますが、この水源地域
整備計画に見合う
予算措置を講じておくべきである。いろいろ
予算制度上、問題があることも
承知をしておりますが、
一般枠をもろに食うというやり方は適切でないのじゃないか。したがって
予算書の目ぐらいは設けまして、
整備計画に見合うものを計上しておくべきであろう、こう思います。
それからもう
一つは、やはり
財政上の問題で、
整備計画に入れば補助のかさ上げをする規定がなされておる。しかし、この補助のかさ上げも、そう大幅なものではない、こころもち配慮されておるという
程度でありまして、私は、この補助率のかさ上げを、もう少し再
検討すべきではないかと思うわけでございます。
以上、水特法を中心にして、この
事業実施上の諸問題を提起したのですが、時間がありませんから簡単に、それぞれ
建設省なり
大蔵省から
見解を聞かせていただきたいと思います。