○安藤
委員 賃金の問題は、労働条件の中で
相当大きなウエートを占めるわけですね。これは申し上げるまでもないと思うのです。
そこで、いまおっしゃったようないろいろな問題があろうかと思いますけれ
ども、統計的に見た場合でも、先ほど私が
指摘しましたように、
相当な格差があるわけですが、これは同じ職種で同じ職場で働いておっても、女性なるがゆえに差別を受けているというような事態がある点については、後から具体的に申し上げて御見解を
伺いたいと思うのですが、そういうようなものについては、もちろん女性なるがゆえにということで、いろいろな指導の問題、あるいは職場の配置転換の問題、あるいは同じ職種でも仕事の中身の問題で差別をつけられる、そのことによって賃金にはね返ってくるということもあるわけですからね。そういうような点についても、しっかり
配慮してい
ただきたいというように思うのです。
そうすれば、そういうことを是正することによって、賃金にはね返ってくるような問題も、原因の事実を是正することによって、賃金そのものの格差を是正するということもできるわけですから、それは
政府部内の職員については、もう早急にやっていかなければならぬというふうに思うわけです。
と言いますのは、この行動計画の中に、これは一般の民間の使用者に対しまして、採用とか、職場の配置、あるいは研修訓練、それから「昇進昇格等において、婦人に男性と同等の機会と待遇を与えるよう、雇用管理の積極的改善」を提案するというふうに、民間企業に対して、こういうようなことを言っておられるわけです。だから、そのためには、まず
政府自身が率先してこれを行われないと、
政府の方はやっていないじゃないか、うちの方が、どうしてそんなに一生懸命やらなくちゃならぬのだという議論だって出てきかねないと思うのですね。だから、そういうふうに国家公務員の
関係につきましては、前向きに積極的に先頭を切ってお願いしたいというふうに思うのです。
それで、具体的にどういうふうに第一年度の
昭和五十二年度に改善されているかと思いまして、私、これは電話ですけれ
ども、幾つかの省庁にいろいろ確かめてみたのですよ。特に省庁の名前は挙げませんけれ
ども、これは口頭で婦人の採用については
配慮するようにというようなことを聞いているにすぎないというのが、私が聞いた範囲のすべての回答だったのです。それから、これは
各省庁の人事課の任用担当者の人に聞いてみたのですけれ
ども、婦人行動計画の問題についてお尋ねしますと、あああれですかという程度で、余り強い関心を持っていないという
印象を私は受けました。
それで具体的な回答の
内容は、一、二例を挙げますと、任用について前やっていたことと、今年度特に変わったことはない。それから、欠員が女性であるものについては、女性を補充をするということにはしている。それから、タイピストあるいは秘書などは、女性を採用するということになるけれ
ども、そのほかの職種で下から男性を希望する
——秘書なんかも入ってくると思うのですが、男性を希望するというような声が上がってくれば、男性を採用せざるを得ないというような回答がきているわけなんです。
こうしますと、せっかく計画をおつくりになったけれ
ども、なかなかしっかりした指導がなされていないのじゃないか、口で言っているばかりじゃないかというような
印象を受けざるを得ぬと思うのです。先ほど採用の問題についてもお話がございましたし、それから行動計画については
「政策
決定への参加」という項目がございまして、そこに「公務員については、婦人の登用等について、十分
配慮する。」ということもうたってあるわけなんですが、私がいまお聞きするところでは、先ほど御紹介いたしましたような回答しか戻ってこない。そうすると、まさに旧態依然たるものではないか。これでは、民間
会社の方に女性を差別しないでほしいということを言われても、効果は上がりっこないのじゃないかと思うのですが、この点について、どういうように考えておられるかお
伺いしたいのです。