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倉成国務大臣 五十一年度の
物価につきましては、新指数と旧指数とがございます。それからまた、年度中の上昇率と年度平均の上昇率、この四者が入り乱れておるものですから、なかなか専門の方でも御理解がしにくいという
状況がございます。
せっかくの御質問でありますから、これをもう少しかみくだいて申しますと、五十一年度の見通しを
政府が立てたときには、四十五年の基準の指数しかなかったわけでございます。それが、消費者
物価について、年度途中において五十年の新指数に切りかわったわけでございます。しかし
卸売物価については、まだ四十五年の指数であるということでございます。それで、本来ならば、やはり年度平均の
物価を比較するというのが筋かもしれません。五十年度の平均、五十一年度の平均を比較することが筋であろうかと思うわけでございますけれ
ども、非常にわかりやすくするために、年度中ということで前年同月比という比較をしたわけでございます。そしてそれが旧指数で、四十五年基準の指数で、ということでございまして、そのときに、
政府が八%
程度という
言葉を使った。八%
程度というのは、四捨五入して八%になるというような
考え方でございますけれ
ども、小数点以下を示せということになれば、八・二%
程度というのが
政府の見通しだったわけでございます。
ところが、八%
程度と言うと、どうも八%だというふうに一般の方が理解されておる。官庁用語なものですから、なかなかその辺がちょっと理解が食い違った点があろうかと思うわけでございます。決して八%を八・二%にしたというわけではないわけでございます。八・二%といたしまして、これが新指数になると八・六%に自動的になる、これが
政府の見通しであったというふうに御理解いただきたいわけでございます。この八・六%に対応するものが、三月の東京都の指数は九・三%でございますけれ
ども、東京都は若干衣料費が高く出るものですから、全国では九・二%
程度になるのじゃなかろうかということが新指数では
考えられるわけですが、これを旧指数に直すと八・九。したがって新指数で申しますと、八・六が九・二になり、それから旧指数で申しますと、八・二が八・九になる、こういうこと。これが年度中の上昇率、すなわち前年同月に対する
物価上昇になるわけでございます。
そこで、どうしてそうなったかということになりますと、この中の
要素の
一つとしては、公共料金があるわけです。公共料金は、当初私
どもは二%強、狂乱
物価時に非常に低く抑えました公共料金を、いつの時期にかやはり調整をしていかなければならない、これを余りおくらすと、非常に大きな形で値上げをしなければならないので、いつの時期にか、やはりやっていかなければならないというので、五十一年度において二%強、二%強という
言葉が余り明瞭でないわけですけれ
ども、二%強というのは、二%
程度と少し違って、少し二%のところで高いところというような
感じのものを
考えたわけでございます。結果的に申しますと、旧指数八・九の中で二・六%、公共料金の寄与率がございます。新指数の九・二と予想されるものの中では、約三%ちょっとというのが公共料金の寄与率でございます。ただ、これをずっとやっておりまして、昨年の十二月までは、まあ何とかいけるんじゃなかろうかという
感じでわれわれ来たわけでございます。
もちろん、季節商品の問題等にも相当頭を悩ましておったわけでございますけれ
ども、一月、二月というのが本当に異常寒波、これは十数年来の寒波でございまして、各地の雪害等も非常に出て、関係の
委員会等でも、これについても
対策をやれということが皆様から
お話があるほど非常に大きな寒波が参りまして、急速に季節商品が値上がりをいたしました。一−三月の間で野菜だけで五〇%も上がりました。そういうことが響きまして、年度中の上昇率が食い違ったというのが実情でございます。
ただ、年度平均、すなわち、そういう季節的な要因であるとか一時的なものであるとかいうことでなくて、年度と年度と平均したという点から申しますとへ新指数におきましても旧指数においても、ほとんど食い違いがないというのが実情でございます。しかし、年度中、年度中ということを言ってきておりますから、いま年度平均では、
政府の見通しがいったんだということになると、いかにも言いわけになるものですから、あえて申しておりませんけれ
ども、ざっくばらんな
お話しをいたしますと、そういうことでございますし、一表ができておりますので、必要があれば差し上げても結構だと思います。