○原(茂)
委員 そうですか。前進ですよ。いまおっしゃったように、五十三年
調査の結果、これに適用するかどうかを考えるべきものというのは非常に前進ですよ。これは帰ったら
林野庁長官にもよくここでそう言ったことを責任を持って伝えてもらうし、それから
環境庁長官も、文化庁
関係も、いまのことを覚えておいていただいて、私はこれ以外にないのじゃないかと思うから、五十三年
調査が終わったところで、これに適用させるかどうかを考えるということは非常にいいことですから、これは忘れないでやってもらいたいと思います。ほかにいまのところ救いようがないと思います。
余り根本的なものだけ言ってもどうかと思うので、もっと具体的にいろいろな問題に入っていった方がいいかもしれませんが、ひとつここでお伺いしたいのは、先ほ
ども言っているように、ある特定の地域を設けて、そこに押し込めるというか入れて、そうして保護育成をしていくという
考え方は、いま研究もしているし、実際に小さな地域でやってはいるのですが、将来でかいものをやはりよかったらやるのだ、そういう
方向をまず非常に大きな
一つのテーマとして考えているのだというふうに考えてよろしゅうございますか。大きな地域を指定して、そこにやはりある程度入れなければいけないというような考えを持っているかどうか。
方向として、そういうものがないといけないだろうと思うし、急速にその方はやるべき手があったらやらなければいけないと思うのです。
これは私が言わなくても、アメリカなんかでも、非常に大きなエリアを自然公園にして保護していますよ。メリーランド州なんかにも、でかいのがございますね。これはわれわれの想像を絶したでかいものですけれ
ども、そういうようなものを、いわゆる国立の何とかセンターを置いて、そこに保護するということを基本的にいまから相当突っ込んで考えておかないと、やがてそのことが必要になってくるだろうと思うのです。
そういう
方向というものは、いまわずかに十三ヘクタールのところに、さくをつくって入れております。それで二頭、三頭入れていま研究しています、見ていますというようなことは、もう一年半もやっているのだけれ
ども、そんなことだけで恐らく大したものはつかめないだろうと私は思うので、近い将来の
方向としては、その生態
調査を全部終わってからどうのこうのじゃなくて、いまから大きな大胆な
方針の
一つとして、これは絶対なければだめだというものの
一つに、非常に広大な地域を指定して、そこに自然公園なり、あるいは国立動物何とかセンターなり、ニホンカモシカセンターなりというものを置いてやらなければいけないという
方向だけは、もういまから決めて、土地の選定なりその他もやったって、あしたに選定なんかできっこないのですから、一年も二年もどうせかかるのですから、その方はその方でやはり研究をどんどんして、実際にどんなところがあるかという土地を考えていくということを国として第一に考える。
それから第二には、これほど
日本全国に分布してしまって、相当の県に
被害を与えているということになれば、一県ごとに、やはりこのニホンカモシカを保護する何とかセンターというものを置くということをしなければいけないのじゃないかと思いますが、これは何かあと三年も四年もたって、生態研究が終わりました、それからでございますというようなことにやはりなるのか。そうではなくて、基本的な
方針としては、すでに国全体で大きなこういう自然公園センターをつくります、それから県は県単位で、この種のものをさくをつくって、あるいはどういう
方法か知りませんが、大きな地域の中に何とかセンターとして県ごとにこういうものを置くというような
方針ぐらいはいまから持って、これもやはり三
関係省庁で相談をしながら
検討をしていくというふうにしなければ、これだって手おくれになる。二年も三年もたって、
結論が出ました、それからやりますというようなことではなくて、県ごとに、いまからもう
検討していいのじゃないですか。いない県なんかやったってしようがないのですし、ごく希薄な県は隣の県と一緒になっても結構でしょう。しかし、相当いる県に関しては、そのセンターを置いて、そこへ置くというような
方針がいまから出されて、それも
検討を同時にしていく、むだになってもいいのですから。
しかし、われわれの考える範囲では、そのことが必要だということはわかっているのです。いまやっている皆さんの全く微々たる研究が二年も三年もかかって
結論が出ました、その後になってから、さて長野県に何とかセンターを一ヵ所つくったらどうか。
審議会にかけました、それも必要だということになりました、そこで一年。また二年目ごろから
予算がつきました、
調査費がどうのこうのというようなことで、まず七、八年かからなければ、土地の選定ですらできないようなことをずっとやっているんですよね。ここまでも
被害をかけ、迷惑をかけたニホンカモシカの問題に関しては、大体の
方針としては、メリーランドではありませんが、やはり国として大きなものを
一つつくります、県単位で必要なものはセンターをつくって、そこへ置く必要があるから、その土地選定あるいはそれに
関係したものを研究もいたしますというような
方針が、いまからあっていいのじゃないか。その
二つに対して、
大臣から答えてもらいます。
あと事務
当局には、一体三十二条の二にあるように、法律では決まっているのだけれ
ども、依然として管理者は指定されていない。管理者の指定をしないままに、この種の問題が論議されていることもおかしい。特別天然記念物に指定をしました、それではその管理責任者はどこだ。いっぱい全国にいる。全
地方自治体に対して、一人もまだ管理責任者という指定を文化庁
長官はしていないままで放置されていることにも大きな穴があるし、矛盾があるのですが、これを一体いつになったら、どう指定をしますか。この三つ目は
当局でいいですけれ
ども、
一つ、
二つ目は
長官から答えてください。