○三井説明員 まず最初の
金炯旭氏が公の席で
発言し、
証言をしたというので、そのニュースソースである
金在権氏について話を聞きたいというようにわれわれが
考えておる、こういうふうに受け取られたかと思いますが、そういう
趣旨ではありませんで、いままで文明子氏の話として今回と同じような
内容が出ておりました。それは本人が
金炯旭氏から聞いたのだ、その
金炯旭氏は
金在権氏から聞いたのだ、それを文明子氏が
文書にしたとか、記事にしたとか、こういうような話でありまして、二重の
伝聞ではどうしようもない。今度は本人が一歩前に進みまして、
金炯旭氏が
自分は
金在権から聞いた、あるいは
自分で調べたというようなところになりましたので、それでは
金在権氏から聞けばわかるのだろう、こういうふうになったという
趣旨でございます。
それから船の名前等はいままでも答弁しております。
それから、それでは先へなぜ進まないのか、こういうことでありますが、そしてまただれに聞いてどうだった、どういう聞き込みや
捜査をしてそれでストップしておる、あるいは行き詰まっておるというところまで言わなければ納得できないとおっしゃるわけですが、それをするのが困るのだ、だから中間報告は差し控えさせていただきたいと言っておるのはそこのところでございまして、
捜査というのはいろいろな方の協力を得ます。その協力を得た人の名前とかその
内容とかそういうことを詳細申し述べますと、そのことがあからさまに名前が出ないといたしましても推測される、つかまれる、こういうようなことになりますと、警察は聞き込みに来るときには外には出しませんと言っておるけれ
ども、いざというときにはいろいろなルートで外に出てしまうということになりますと、
捜査一般に大変な支障が生ずる、こういう
意味で申し上げておるわけでございます。
それから第二の秘密
協定云々という点でございますが、まず秘密
協定というのはございません。
伝聞でないから本当だろうというふうにそう単純にもまいらない点もあろうかと思うわけでありまして、秘密
協定などというのは全く存在しないわけでございます。
またその中で、それの一つのあらわれとして金圭南
事件について、これは御本人が報道で言っておるわけでありますが、金圭南
事件について金圭南が
日本に留学中、その学資を朝鮮総連から出してもらった、これが端緒で
北鮮スパイであることがわかった、こういうふうに、なるほど
金炯旭氏は言っておると伝えられておるわけであります。しかしながら、金圭南
事件というものを見ますと、実はそうではありませんで、金圭南氏がイギリスに行きまして、イギリスにおる
北鮮スパイの
韓国人の大物、この人にいわゆる包摂をされて、東ベルリンに行ったりあるいは平壌、
北鮮へ行ったり、そこでは
北鮮労働党に入党をして資金を多額にもらい、あるいは暗号の教育を受け、そしていろいろ帰ってきて活動したんだ、こういうことによって反共法、国家保安法ですか、それから機密を漏らす罪ということで有罪とされたのだ、こういうふうになっておるわけでございます。
なおその前段として申し落としましたけれ
ども、金圭南氏がそういう学資を朝鮮総連からもらっておったかどうか、私たちはそういうことは存じません。したがってそういうものを提供するというようなことももとよりないわけでございます。
なるほど、いま申しましたが、
伝聞でないという点はそのとおりでございますけれ
ども、だから直ちにそれが真実かという点について申しますと、ただいまわれわれがそれにタッチしておるところから見ましても、いま申したような
問題点があるという点から御
判断をいただくべきものではなかろうかと
考えるわけでございます。