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津川委員 そこで農林
大臣、私もたばこのむからじっくり
話し合いましょう。
いま私、外務
大臣に、二百海里時代に入って巌しい情勢になった、私たちもこの状態には正しく対処しなければならぬ、そこで
政府に向かって、要求もするし、提言もするし、
話し合いもする、
政府のやることを激励する場合もたくさん出てくる、こういうことを申したわけです。
そこでいま外務
大臣は、
日ソ暫定協定をつくるときに、
漁獲量を決めるときに時間がなかった、はしょられた、それで残念であった、こういうことだったわけで、私は重ねて、それならば
ソ日の
暫定協定、本
協定、この場合には時間があるので、いまから十分に国民とともに問題
解決に当たるように要求したわけです。
そこで、御苦労してきた農林
大臣に、少し疑い深いまた質問をして
確認しておきたいことが
一つあるのです。
それは、十二海里
領海で
ソ連に
操業させないということ、私もさせてはいけないと思うし、農林
大臣も重ねてこのことは言明しております。四月十四日、あのモスクワの
日本大使館で
大臣の苦労を聞いたときに、
大臣は、この点ではどんなことがあっても
日本の
領海内で
ソ連に
操業させてはいけないし、イシコフ氏も原則的にはこれに賛成している、認めている、こう言われて私は安心したわけ。
ソ連から帰ってきて四月十九日の
議事録を見たら、またモスクワでわれわれに話したと同じことを言っている。
大臣の決意のほどかよくわかった。五月十二日のあの
交渉でイシコフ氏が、十二海里内でとらせなければ決裂させるとまでおどかしてきたときにも、よく持ちこたえて
主張した。だが、
鈴木大臣の話を四月十六日に聞いて、十八日にイシコフ氏に会ってみた。あなたからの報告だと、イシコフ氏は引っ込めたと言っている。何とイシコフ氏はしつこいんだな、引っ込めてない。そこのところで正直なところ心配になるわけ。今度の本
協定の中でも、二条でやはりとりようによっては心配な個所が出てくるわけですね。二条ではこうなっている。
日本国の
地先沖合いにおける
ソ連の伝統的
操業を継続する
権利を維持するとの
相互利益の原則に立って、そして八条で、
見解と
立場を拘束するものではないと言っている。
ソ連のいままで、
日本の
領海十二海里でとりたい、とらせろ、とらせるんじゃないか、十二海里以外では投資しても採算成り立たない、かなり執拗な
主張であります。
この間、朝日新聞見ましたら、朝日新聞でもこのイシコフ氏との会談をやっている。それを見たらイシコフ氏かはっきり言っている。これはあなたを激励する
一つの大事な材料だ。私たちもあれはよかったと思っている。だが、あなたとイシコフ氏の間の話がどこかの
議事録に残っているのか、ここのところが心配なんです。私たち
向こうで聞くと、これは他国のことに干渉する腹は
一つもないけれ
ども、イシコフさんが政策を誤った、二百海里時代に突入するということに必ずしも深い
前提を置かなかった、そのために七百万トンの
漁獲量を一気に一千万トンにやって
漁業を拡大した、
漁船を大きくした、機械施設をした、
漁業労働者をつくった、そしてこんな目に遭うとやがてイシコフさんが責任をとらされるのじゃないか、そのときに
鈴木さんとイシコフさんの
話し合いはほごになるんじゃないか、朝日新聞でそうインタビューした。私とイシコフ氏はこうやった、
鈴木さんか懸命に話している、それはわかる。その言辞たるやいいから、われわれもこれを材料に使ってがんばるが、そこで、本当に
向こうが十二海里に入らないという確証、
確認の
手続的なもの、法的なものがあるのかということが心配なんです。あれば私たち、あなたの言明をさらにまた深く信ずることができる。というのは、繰り返しますけれ
ども、十六日にあなたから話を聞いて、十八日にイシコフ氏に会ったら、がらっと違っておったという、それでこういう心配を持ったわけですが、この点はいかがでございますか。