○渡部(一)
委員 大臣、それはいままでのことを述べられたにすぎないのであって、中国側が何回にもわたって抗議をしてこられておる、
日本政府は何回も説明しているというだけでは問題の
解決にならない。中国と
交渉する場合には、改めて言うまでもないが、原則を明示しなければ中国側とは
交渉にならないわけでありますね。その原則が明快でない。だから、まず中国側が言っているのは、
大陸だなの中に境界線を引くなり何なりするということは、原則として少なくとも朝鮮の二国と中国と
日本、それらの
関係諸国が集まってここのところに線を引きたいということで、その原則を向こうが言っているのに返事をしない、まず私はこれは最悪だろうと思う。少なくとも、現在の
日本政府の言い方でも、本
協定において、そこのところに境界線を画定しているのじゃない、
部分的な
共同開発の
部分についてのみとは言ったけれ
ども、将来私
どものその
立場は同じであると説明することは可能なはずです。それすら言うてない。だから、先方は原則的
立場から
日本側は誤っているというふうに
理解するのは私は当然だろうと思う。
もう一つは、この中国側の声明なり説明なりの中で、これらの
大陸だなに関しての所属というものは、先方は尖閣列島を初めとする諸問題を抱えておる。むしろ
大陸だなは中国
沿岸から四百七十キロも離れる
部分が南の海面にあるわけですから、先方としては重大な関心を持たざるを得ない状況にある。その中国側の意見というのをまるっきり聞いてないのではないかと私は思いますね。だから私は、そういう問題についての
日本側の原則が一体どこにあるのか明示されなければならない。
〔毛利
委員長代理退席、
委員長着席〕
中国側に最も原則が不明確であると思われているのは、日中平和友好
条約を結ばないでおいて、
部分的な、こそどろのようなやり方で勝手な開発をどんどん進めていくというその姿勢そのものが中国側を不快にさせている。要するに、現実的処理について中国側が常に多くの譲歩なり現実的な妥協をするにもかかわらず、当初の原則を譲ってないという外交的特性について
考えられなさ過ぎていると私は申し上げている。
だからまずやらなければならないことは、
大陸だなの説明でない。日中平和友好
条約を進め、
締結する、それを明示することである。第二は、
大陸だなの問題についての最終的な
解決は、いろいろな不幸ないきさつは幾らあったとしても、最終的にはこれらの
関係国で必ず扱いますと
意思を明示することである。それがその二つともできてない。日中平和友好
条約はいつになってやるかわからない。ぶわっとした話だ。そのうち満足のできる結果がお話し合いで何となくできましたら、そのうちに何となくいたしましょう。まるでコンニャクを相手に
交渉しているみたいじゃないですか。原則がはっきりしてない。平和友好
条約は結びます、
大陸だなの最終帰属はともかく、全部一遍御相談いたしますとなぜ言えませんか、この二つぐらいは。そして、後
交渉したらいいじゃありませんか。それを言わないのです。ぶわぁ、もやもや、むにゃむにゃ、何にもわからない。そんなことでは中国を相手には
交渉できません。
ソ連と
交渉しているのと違うじゃありませんか。いい原則を提示しない限りは中国側は
交渉に応じない。それは日中共同声明の
交渉の際に明らかじゃありませんか。それぐらいできませんか。なぜ言わないのですか。それとも福田さんがこわくて言えないのですか、それは。私は、その原則が明示されてないところに、本
協定の問題も含めて大混乱をし始める一つの原因があると強く申し上げたい。
もう一回
外務大臣に伺いますよ。この二つの原則について
外務大臣の御見識を私は伺いたい。少なくとも、いま言えないのでしたら、早急にその問題について総理とお打ち合わせの上がっちり御返事させていただきますというぐらいは、あなたの見識として当
委員会にお話があっていいものと私は思います。それは悪くない。それこそ
外務大臣の見識と言われて差し支えない問題であると私は思う。いかがですか。