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米田委員 次にもう
一つ、私は、
外務省の方では問題にされておりませんけれ
ども、朝鮮民主主義人民共和国との
関係につきまして、この
協定に
関係して皆さんの方でどういう受けとめと
理解をされておるのか、お聞きをしておきたいと思います。
あなたの方のこの
文書にもありますが、「北朝鮮は、この
協定が「チョソン人民の利益に全面的にそぐわず、
我が国の自主権と利権を侵害するものである。」と非難していますが、この
協定は、
日韓間に隣接する
大陸棚の
境界画定及び
共同開発を規定し、
日韓両国の管轄権が国際法上及び得る範囲の問題について
処理したものであり」、北朝鮮はこの
協定の対象外だ、こういうふうに一刀両断におっしゃっておるわけであります。
そこで私は、もう一回お聞きしたいのでありますけれ
ども、確かにここにおっしゃっておりますように、朝鮮民主主義人民共和国は、この
協定が
ソウルで調印されました翌日、一九七四年一月三十一日、
外交部スポークスマンが直ちに声明を出されました。この
協定調印は朝鮮人民の利益に反し、
わが国の自主権と利権を侵害するものである、
わが国政府と全朝鮮人民はこれを無効と宣言するという趣旨の抗議の声明を出されて、以来繰り返しておるわけであります。
冒頭に私の質問でも申しましたように、国際法上からいきまして、
韓国との国交の樹立という
関係、それから
日韓条約を問題にするのはとにかく別といたしましても、
外交関係を樹立しておるということは肯定せざるを得ません。そういう
関係を一応是認するといたしましても、現実的に私
どもがやはり無視できないのは、
朝鮮半島は分断されておるということであります。
一つの
民族が人為的に二つに分断されておる、
一つの国土が人為的に二つに分断されておる、この現実だけは私は否定することはできない。したがって、法的には、国際法上の観点で
韓国との
関係が優先するし、そことの
条約、
協定は私は何の違法はないと思うのですけれ
ども、
政治的には、この
朝鮮半島の分断された
状態、そうしていま
一つの北の方の朝鮮民主主義人民共和国は、今日すでに独立してやがて三十年になろうとする、そしてそれは、
日本は非
承認でありますけれ
ども、世界的に独立
国家として存在が認められてきておる、世界で約六十数カ国の国々が朝鮮の独立
国家としての存在を認め、国連の加入を期待されておる、そして現に国連
においてはオブザーバーとして加入が認められておる、こういう国際的な地位か高まっている
状態というものも私は否定できないと思うのであります。
日本の
外務省といえ
どもこれは認めざるを得ないと私は思う。
そういう
政治的なアジア
情勢が変化しているこの事態というものを、
日本の
外務省は全く無視して、法的には誤りがありませんよ、法的には
関係がありませんよと言って、
外交部スポークスマンの声明を一蹴して、一体朝鮮人民の未来にかかわるこの
協定を結んでよろしいのかどうか、私は
政治家としてこの問題についてやはり考えざるを得ないのであります。
そういう
意味では、
日本の
外務省は、ここに書いてありますように一刀両断で切り捨てるべきではない、この朝鮮民主主義人民共和国のスポークスマンの言っていることについても耳を傾けざるを得ないのじゃないか。現に
朝鮮半島については統一の機運が高まっておる。
早い話が、一方の当事者である
韓国の
朴政権、一体
外務大臣、これはいつまでもつと思っていらっしゃいますか、仮にこれが三年なりもつといたしましても、さっき
答弁がありましたが、このような国際的な債権債務の
関係は継承される、そうでしょう。しかし、全く政権がかわって一方的宣言をされれば一体どうなるのですか。これはどうにもならぬじゃないですか。無効だと言われればどうにもならぬじゃないですか。
国際信義に反すると言ったってどうにもならぬじゃないですか。しかもこの
協定は、発効すれば直ちにもうこの
開発地域に
日本の
国民の税金が投資されていくのであります。少なくとも九カ月後には投資されていくのであります。取り返しがつかないような事態になるのであります。そういうときに、
朝鮮半島のこの
状態というものを、
日本の
外務省も私は一蹴するということは許されないと思うのであります。
したがって、
朝鮮半島のこの
関係を考えますときに、繰り返し繰り返し朝鮮民主主義人民共和国が主張していることについてもう少し耳を傾ける、そして
情勢についてできるだけの
情勢判断をされた上で、これに対する対処の仕方を
外務省は考えられたらどうか、こういうふうに思うのでありますけれ
ども、これは
大臣からはさっき
答弁いただきましたが、直接の
局長であるアジア
局長からひとつ
答弁をいただきたいと思います。