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古田政府委員 現在、わが国の長期エネルギー政策は、昭和五十年に行われました総合エネルギー
調査会の長期エネルギー需給計画に基づいて立てられているわけでございます。
この長期エネルギー需給計画によりますと、昭和六十年度に、昭和四十八年度の実績で七七・四%を占めておりました
石油に対します依存度を六三・三%まで減少させたい、これが第一の柱になっております。
第二の柱としまして、国産及び準国産エネルギーの開発ということで、国内におきます水力、地熱あるいは国内の
石油、天然ガスの開発促進、国内の石炭、さらに準国産エネルギーとしましての原子力開発といったふうなものを促進するということが第二の柱となっているわけでございます。
第三の柱としましては省エネルギーの促進、第四としましては新エネルギー源の開発ということになるわけでございますが、こういうふうな方向で
努力したとしましても、昭和六十年度におきましては、先ほど言いましたように輸入
石油に対します依存度がなお六三・三%、数量で言いますと四億八千五百万キロリットルというふうな数字になっておるわけでございます。
これに対しまして、世界的な
石油需給の見通しにつきましては、従来、世界的に発見されました
石油の
埋蔵量が約一兆バレル、このうち三千四百億バレルがすでに使用されている。現在確認
埋蔵量として残っておりますのが六千六百億バレル、現在の世界的な消費水準でいきますと三十年ちょっと分しかないというふうな計算になっております。
今後の
探鉱努力は世界的な規模で大いに進められる必要があるわけでございますが、
資源的な限界というふうなことも
考えますと、現在各機関あるいは国際的な見通し等からいきますと、一九八〇年代の後半ないし一九九〇年代の初めには、
石油需給につきましては世界的に見てかなり窮屈な姿になるのではないかというふうな見方が一般的になっているわけでございます。このような情勢を踏まえまして、かつ、ただいま申し上げましたわが国におきます長期エネルギー需給計画の達成のために、私
どもとしましては、従来から
石油の安定供給の確保のために各種の施策を講じてきたわけでございます。
その第一の柱は、何といいましても
石油の自主開発の促進でございます。これは昭和四十二年度に発足いたしました
石油開発公団の機能の拡充強化を通じて、従来から海外
石油開発の促進、わが国近海
大陸だな
石油開発の促進を図ってきたわけでございます。この結果、昨年におきましてわが国に持ち込まれました自主開発原油の総量は約二千六百万キロリットル、全輸入量の九・五%を占めております。これは昭和四十二年度に打ち立てられました自主開発原油三割目標に比べますとまだ不十分ではございますが、数量的にはかなり増大してきた実績になっております。
二番目の、安定供給確保策としましては、わが国の輸入供給先の多角化ということでございます。
先生御存じのとおり、全体の八割が中東
地域に集中しておりまして、
地域的にも非常に偏ったこの姿をできるだけ分散化していきたいということが
一つの
努力目標でございますし、それから供給ルートとして見ましても、直接間接合わせますと約七〇%程度がいわゆる
メジャーの手を通じて
日本に入っているという形になっておりまして、このような供給ルートにつきましても、できるだけ産油国との直接取引の促進といった形で多様化を図っていきたいということを、従来から進めてきたわけでございます。
それから第三が
石油供給体制の整備、これは国内の
石油製品の計画的な供給とか、あるいは製品価格の是正、わが国
石油産業の構造改善等々が
内容となっております。
それから第四としまして、緊急時の
石油の供給確保策ということで、これは
一つの大きな柱が
石油備蓄の増強でございます。すでに西欧諸国におきましては九十日備蓄は数年前から達成されているわけでございますが、現在私
どもとしましては、昭和四十五年度末に九十日備蓄を達成するということを計画として掲げて、そのための諸施策を講じているところでございます。
それから第五番目としましては、多面的な国際協力の推進ということで、IEAあるいはCIECという国際的な
会議の場、さらには産油国との直接的な
話し合いの促進、経済協力の促進といった形で、
石油の安定的な供給の確保のための環境といいますか、基盤といいますか、そういうものを形づくっていきたいというふうな
努力をしていきたいというところでございます。