○石野委員
両論併記をしなかったということの見方はいろいろあると思うのですよ。いま
大臣の言われるように、
わが国の
立場からも非常に
評価できるものだというのが外交辞令上の言葉ということでなく真実であれば、
日本の意図は相当程度その中に入り込むわけですね。しかし、そうでなく、やはり
両論併記しなかったことを
評価するということか
一つの外交辞令的言葉として出てくるとすれば、
日本の
主張はやはり
日米原子力協定等を踏まえて一定程度枠がはめられているというふうに見ざるを得ない。どちらであるにせよ、
代替案がその中に幾つか出ておるということになりますれば、
ホットランなり何なり実際の運開ということになりました場合に、それを無視して
ホットランなり何なりに入り得るということは考えられない、これは私
どもはそう思う。そこで私は、
大臣が言うように
日本の方に非常に有利に進んでいるんだということになれば、運開はずっと進んでいくと思いますけれ
ども、私はなかなかそう簡単にはいかないように思います。これは
報告書を見ていないのだから、推測だけで言うことですから、何か雲をつかむようなことでどうにもなりませんけれ
ども、
交渉の過程や、それから特に急転直下、七月再開について、これはならないという
大臣の見解表明等を見ますると、その
交渉は必ずしも
日本に有利には進んでないように私は思う。
こういう問題は、再
処理工場の問題について基本的に私
たちが考えていることは別としまして、
外交交渉の側面におけるその実体を
国民が見ようとする場合に、もっとはっきりしないと過ちを犯しますし、それから人々の
判断が非常に混乱を生ずることになると思うのです。ですから、私はなるべくやはり
——選挙中でわれわれもこの問題をずいぶん論議しましたが、その間
政府の
方針は七月運開だけで押し通してきたわけですよ。選挙が終わった途端にがらっと変わった、百八十度変わった
方向の見解表明になってきた。この点私は何だか非常に疑問を持っております。卒直に言いますと。選挙運動との
関係もあるのじゃないかなと思ったりするぐらいの疑義を私は持っておるのです。
それはさておきまして、まあ現状からいたしますと
報告書に基づいて対処しなければならないことだけは明らかになった。それはなかなか道は近くないのだ、遠いのだという感じもいたします。
そこで、先ほど
大臣は、というよりも私は茨城ですから非常に
関係も深いのでございますけれ
ども、原研から動燃の方へ核
燃料の運搬をするということが、やはり協定などが結ばれて、そしてしかも
大臣の
指示によってこの十四日か十五日に運搬されるのだということも聞き及んでいるのです。
大臣の言うように今月中とか来月中に
ホットランへ入っていくということならば、この運搬はその方面からする必要性の問題について出てくるだろう。だけれ
ども、
日米交渉の中で、それが簡単に来月や再来月ではないのだということになったときに、早急に地域住民との協定を結んで強引に原研の責任において運搬しますというようなこと、われわれがびっくりするような形でぱっと出てきたこの問題について、私は、地元住民から見ると
一つの驚きがあるのです。むしろ
方向が明確でなければ、やはりこの運搬は一定の
方針が出るまで
原子力研究所の中へそのまま置いておいたらいいじゃないか。
合意に達した上でやってもちっとも遅くないことだ、持っていっても何も
作業が行われないのですからね。先ほどお話しのように切断も何もできないのです。そんな急ぐ必要はないじゃないか。急ぐという理由は、むしろ
政府の
原子力政策なり何なりというものを住民にアピールしたり
国民にアピールすることのねらいがあるのじゃないだろうかというように私は疑問を持ちます。
大臣、これは
合意が早急にできないという
段階であるならば、この核
燃料運搬は、もう少し
合意に達するまで運搬することを急がないで、そのままにしておくという意思はございませんか。