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瀬崎委員 やはり、
政府側としても大臣としても、
国会での
発言については責任を持ってほしいし、首尾一貫してほしいと思うんです。われわれは広く学識経験者、それは反対、
賛成、中立、いろいろ
意見があるわけですが、そういう
意見を結集する、つまり、われわれは
国民の英知を結集という言葉を使っておりますが、こうしないと
原子力行政の信頼は回復されませんよ、こう言えば、まずは政党政治だから各党の御
意見からくみ上げていきたい、こうおっしゃるわけです。だから、私はきょう各党の
意見をどのように
政府はくみ取っているのかということをまず問題にしているわけですね。
そこで、決して安全
委員会の中身がどうなるか、こうなるかということに一足飛びに論議を進めるんではなくて、もっと大枠でどういう点に一致点があり、どういう点に相違点がある、まずここからつかむ必要があると思うんです。私自身も他の党派の内部問題に干渉したりする気はありませんし、また、すべきではないと思うんで、あくまで各党の公式の
意見が発表されている
国会の論議の特徴からその傾向というものをつかんでみたいと思う。
まず、社会党について言えば、
石野久男議員がこういうふうな
発言をしておられます。「
原子力委員会の中に、安全
規制ということで、いわゆるアメリカのような、
規制委員会のような性格のものにしていくべきでないか」「
原子力委員会は、
開発の側面と
規制の側面とを明確にしていくということが大事だと思います。」、こういうことを述べていらっしゃいます。同じく社会党の和田
貞夫議員は、これは
内閣委員会でありますが、こう述べていらっしゃいます。「安全性確保の行政面を強化させるため、
原子力基本法、
原子力委員会設置法及び
核原料物質、
核燃料物質及び
原子炉の
規制に関する
法律の抜本的
改正を行い、現行
原子力委員会を改組して、安全
規制の機能を持つ行政
委員会的な
原子力規制委員会に独立させ、
原子力安全局に属する部局はむしろその事務局とし、安全
規制を第一義的な
原子力行政を行うべきであります。」こういう御
発言があります。
だから結局、私がこういう
発言から察するところ、社会党の
方針としては、現在の
原子力委員会を
開発を受け持つ
委員会と
規制を受け持つ
委員会、とに分けるべきである、こういうことが
基本ではないかと思っております。
では、公明党の方はどういうお
考えかというのを見てみますと、本
委員会で
近江巳記夫議員がやはりこういう
発言をしていらっしゃいます。「現在の
原子力委員会というものは、
開発と
規制の二面性を備えておるわけでありますから、少なくとも当分は、安全性の確保と
国民の信頼性回復に最重点を置くという
態度を明確にする必要があろうかと思うのです。」ということで、明確に分けろとはおっしゃっていませんけれども、この矛盾する二面を同じ機関でやるのは少し無理がある、そういう点を明確にしないと
国民の信頼を回復できませんよ、こうおっしゃっているんですね。
それから、民社党のお
考えはどうなのか。これは衆議院の
予算委員会で河村勝議員がおっしゃっていることであります。「いまの
原子力委員会というものは」「
原子力局の諮問
委員会にしかすぎない。」「
原子力委員会は
基本設計の
審査しかやらないのですね。それで発電の方になれば、設計、施行、
運転等に至るまで全部通産省、
原子力船になれば運輸省ということになって、
基本設計以外にはタッチできないのです。しかも運輸省、通産省というのは
開発主体ですね。安全を独立して担当しているものじゃないのです。」「だからこの際、
原子力委員会を独立させて行政
委員会にすべきであると思います。行政
委員会にして、それで安全に関する限りは、
基本設計から施工、
運転、検査、立地、ここに至るまで一貫して責任を持つ
体制をつくる」必要がある、こうおっしゃっている。これで見る限りは、安全
規制を通産や運輸に移すことには明確に反対だという
態度が出ておりますし、むしろ安全
規制は、
原子力委員会の安全
審査部門を強化して、ここで首尾一貫やるべきだ、こういうふうな御主張に受け取れます。
さらに、同じく民社党の受田新吉議員は、
内閣委員会で、「
わが国の
原子力開発利用体制が、まず
原子力委員会の独自性が欠如されておること、専任の安全
審査委員が
不足しておること、
原子炉の安全
審査とそれ以後の
規制監督行政が
科学技術庁と通産省その他の官庁とに分離して一貫性が欠如しておることなど、安全確保
体制が、こういうところで
確立されていない
現状を指摘いたしました。」「安全確保対策の
基本としては、
原子力委員会を独立の行政
委員会とする、つまり
原子力委員会を、特に安全性の点において強力な一元的行政の
立場に置こうとするわけです。その業務は、事前の安全
審査から運営までの安全
審査及び放射線の監視について専管をする、一貫した
審査監視
体制を
確立する。」このようにおっしゃっている。これも大体河村勝議員と同
趣旨の御
発言だと思うのですね。
そういう点でも、民社党の御
意見も、社会党、公明党の先ほど私が紹介した御
意見とほぼ共通していると思う。
そこで、与党である自民党がどういうふうにおっしゃっているか。これは昨年の
予算委員会、不破質問に答えてのものであります。「やはり
開発と安全の確保というものに対しては、一緒にするのでなくして、別個の
考え方で安全の確保を図ってまいりたい。」つまり、やはりいま
原子力委員会が
開発と
規制の両方を扱っているのを分けていくのが筋ではないか、こういう御
発言です。
いま申し上げましたこの
原子力委員会が矛盾した
開発と
規制の両面を受け持っておる、これを分離すべきである、独立した
規制委員会あるいは安全
委員会、こういうものをつくるべきであるということについては、わが党も同じような
意見を持っておるわけです。
こう見ていきますと、新自由クラブさんはいらっしゃいませんでしたが、その他の党についてはっきり言えることは、とにかく
原子力委員会の機能を安全と
規制の部分に分けるべきである、そして少なくとも安全
審査だけはその分けた
委員会で一貫させるべきである、こういう点だけはまぎれもなく共通をしているのです。したがって、私が思いますのに、
政府が
原子力行政の改革を
考えるならば、少なくとも、まず第一段階として、この各党の共通した
意見に基づくべきではないか、そうするのがまた現実的な対処ではないか、このように思うわけなんです。この点の大臣のお
考え、いかがですか。