○小宮委員
大臣が逃げるものだから、私の質問となかなかかみ合わない点もありますが、それでは私は
意見として言います。
大臣、佐世保はこの一年二カ月、地元では賛成、反対が対立して感情問題にまで発展しておるわけです。あらゆる問題が出てきておる。そういう中にあって、あえて四月一日の市議会では徹夜市議会をやって、会期も三日間延長して、それで罵声と怒号の大混乱の中で決定をしたわけです。私は、もう先は読めておると思うから言っておるわけです。
そうすると、もし知事との調整の中で燃料棒抜きということになった場合に、先ほど言うような、改めて手続を要請するということになった場合に佐世保市民の感情はどうでしょうか。仮に、初めからそういう要請をするならばまた市議会の様相も市民の受けとめ方も大きく変わっておったはずです。それを四月一日に決定をして、まあ回答がいつごろになるか、今月中になるかどうか知らぬけれども、一カ月もしない間にまた改めて要請するようになってきたら、これは佐世保市民の感情として大きな問題が起きます。恐らく佐世保市長も、もし燃料棒抜きということになった場合は改めて
政府から要請があるはずだということを市議会の質問の中で
答弁しておるわけですね。また一方では、知事との調整の問題でそういうことも
考えざるを得ないのではないかというようなことも言っておる。見通しは大体ついておると私は見ておるのです。
しかし、
大臣は逃げ道として、県が
態度を出しておらぬから何とも言えぬということを言えるけれども、しかしながら、問題がそこに来てからそういうようなことをやったって、それでは何のために一年二カ月間、ただもう市長は政治生命をかけてやってきたか、市議会でもそういうような大混乱の中でやってきたか。
政府が要請したこと、それは佐世保と長崎でひとつ決めてもらえばいいことだと言ってみたって、迷惑するのは佐世保市民だけじゃないですか。ばかにするなという気持ちが起きますよ。そうすれば、仮に賛成した人でも、
政府に対してばかにするなというような感情が出てくることはもう明らかなんです。そうした場合に、皆さん方が、燃料棒つきで受け入れるぐらいだから燃料棒抜きだったらもっとすんなり簡単に受け入れられるであろうというような見方をしておったら、それは大変なことですよ。やはりそういうことを常に念頭に入れておいてもらわぬと、これはいずれそういうような機会がまた来ます。もし長崎県側の
態度が佐世保市側の
態度と変わった、いわゆる燃料棒抜きということになった場合に出てくる問題は、燃料棒をどこで抜くかという問題でしょう、それもまだ決まっておらぬから言えませんなんて言って。しかし、現に四月十四日はあと一週間後に来る。それからまた改めて
交渉を青森県側とするのか、あるいは青森県側じゃなくてほかのどこでやるか知りませんが、そうしたらいまの問題はどんどんどんどん経過をして、簡単に決まると思いますか。
そういうことを
大臣は
考えて、ただ、県側はこうしてきますから私
たちはそれを見て判断しましょうということじゃなくて、むしろ
政府も、何とかひとつ受け入れてください、
政府の要請どおりに受け入れてくださいという努力ぐらいするのはあたりまえじゃないですか。ただ
向こうにげたを預けた、あとは両方がどういう結論を出すのか、それを見てからしましょうというような受け身の
立場、他人のふんどしで相撲を取るようなかっこう。回答があってから改めて動き出すということだったら、その期間はずっと延びますよ。もし燃料棒抜きになった場合に、それがまたうまくいくかどうか。青森県だっていろいろ動きがあるようですけれども、しかしながら、それも結果は佐世保の闘争を青森に移すだけなんだ。それに対して
政府としてどうするかということを、やはりもっと前向きに努力をすべきだと思うのですよ。
だから、
長官が
考えておるように、佐世保と長崎に任せておけ、
お互いが調整してくれるだろう、それに従ってわれわれは動けばいいんだというようなことでこの問題が簡単に解決すると思ったらとんでもないことですよ。だから、この点で特に
長官は、むしろそういうようなことであればもっと事前に、どうでしょうか、ひとつ何とかしてくださいというぐらいの働きかけがあってしかるべきじゃないですか。それは、こう言うと反対する人もおりますよ。しかし、
政府としては受け入れてもらいたいということで要請しておるわけだから、そういう違った結論が出ないように、
政府の要請にこたえてくれるように努力をするのはあたりまえじゃないですか。そうしないと、佐世保市民の感情は
長官が
考えておるようにはいきませんよ。今度改めて燃料棒抜きで提案した場合に、すんなり通るかどうか、これもおぼつかないですよ。そのことを十分
長官は頭に入れておいてください。
だから、そういうようなことを
考えながら、ぼくらは、もしそうなった場合に燃料棒をどこで抜くかということですよ。しかし、そのことも
長官の頭の中には
考えられておると思うのですよ。そうでなくて、どういう受け入れ方をしてもらおうとそれで結構ですというようなことであれば—燃料棒抜きだということはもうすでに知事が
長官に会われたときも言うておるわけでしょう。その
方向に決まるということも大体想像がつく。そうすると、やはり次善の策を
政府は
考えておかぬと——青森で抜くのかどこで抜くのか知りませんけれども、青森だってなかなか抜くような状態じゃないでしょう。だから
長官として、そういうような和戦両様というか、両方からどういうような回答が出てきてもそれに対応するだけの対策を講じておくべきだと思うのですが、まだ
政府は何もやっていないということですか、結果待ちということですか。