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宇野国務大臣 私の年頭所感、ただいまおっしゃったとおりでございますし、それと
予算との関連はいかがかということでございますが、何と申し上げましても、やはり
科学技術は、
開発をして
国民経済に寄与しなくちゃならぬというのがわが庁といたしましての最大の使命でございます。今日、その問題から一番その解決を迫られておるのは何かということを
考えますと、やはり
エネルギー問題だろうと思うのでございます。勢いそうした面で、
石油依存度を低めんがためには
原子力の
開発以外になし、そうしたことから
原子力開発、そのためには、
国民の信頼を得るために安全を
確保しなくちゃならぬ、そういうふうな思想が
原子力行政に対する私の根本的なものでございます。
もちろん、本年は
核燃料サイクル元年と言われまして、
予算の面におきましてはそれぞれ重要な部面が頭を並べておることは村山
委員も篤とごらんになって御了解賜っておると存じます。その中には、確かに
高速増殖炉あるいは
新型転換炉等々が出ておらないじゃないかという仰せであるかもしれませんが、特にわれわれといたしましては、
ウランの
濃縮、この問題、さらには再
処理において
プルトニウムを製造する、この二つに本年度
予算は重点を置いておる次第でございます。そうしたことが、
資源に乏しい
わが国といたしましても、これまた
資源有限であると言われておる
ウラン鉱を最も効率的に使う
高速増殖炉のための大切なサイクルの一環でございまから、そうした意味におきまして私の年頭所感にもそのことにアクセントが置かれておる次第でございます。
第二番目の宇宙
開発に関しましても、相当
予算が大きいがとおっしゃいますが、これは明らかに各国、特に米ソよりはおくれておりますけれ
ども、しかし、
国民生活ということから
考えますと、災害の場合にも、あるいはまたいろんな場合におきまして、これは
国民生活に大きく寄与する部面があるわけでございます。先日幸いにいたしまして世界で第三番目の
国家になりましたが、いわゆる静止衛星の準
段階において成功いたしました。宇宙
開発事業団が三発目で静止衛星を上げたということは、世界におきましても非常に関心を持たれておる次第でございまして、このことはやがて
国民生活に密着する重要な問題であると
考えております。
しかしながら、海洋
開発あるいはまたそのほかの
サンシャイン計画であるとか、あるいは地熱とか地震対策とか、そうしたものはどうなんだという御
質疑も私はもっともだろうと思います。決してわれわれはこれを軽視いたしておるわけではございませんが、
科学技術庁のプロパーの分野といたしましては
原子力と宇宙あるのみと申し上げてもあるいは過言でないかもしれません。もちろんそうした面は、学術面におきましても大学を初めいろんな
研究所がいろいろの立場で
研究は推し進めておりますが、やはりその主軸は
科学技術庁において相当大きな部面があるわけでございますので、勢い重点
政策となっておるわけでございます。
そのほかの、地震、さらにはまた海洋
開発、こうした問題に関しましてはただいま各省庁がいろんな立場で
研究開発に臨んでおります。したがいまして、
科学技術庁は、そうした各省庁間の調整をしながらその
目的を果たさしめるべく鋭意
努力いたしておるところでございますが、特に海洋
開発におきましては確かに御
指摘の面があろうと存じます。しかし、もうすでに二百海里時代を迎えまして、魚をほとんど
わが国は海外に仰がなくてはならないという立場に立ちますと、これまた当然それに重点を置いておかなくちゃなりませんので、実は潜水
調査船以外にも湧昇流を今後どういうふうに
考えていくか。領海問題あるいは二百海里問題に関して湧昇流という非常に——これは特に
政府委員から
説明さした方がよくわかっていただけると思いますが、そうした面におきましても、わずかではございまするが、しかしながらやはりその
開発を急がなければならないということでございます。特にこの
予算は、まあ金額は非常に少ないので恐縮でございますけれ
ども、伸び率というものから
考えていただきますならば、本年度は特に
科学技術庁の平均よりも大きな伸び率あるいはまた一般
予算の平均よりも大きな伸び率をそれぞれ持っておるということもひとつ財政通の村山
委員には御了解を賜りたいと思う次第であります。