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1977-02-24 第80回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年二月二十四日(木曜日)     午前十時十八分開議  出席委員    委員長 山田 太郎君    理事 佐々木義武君 理事 中村 弘海君    理事 宮崎 茂一君 理事 石野 久男君    理事 日野 市朗君 理事 貝沼 次郎君       玉生 孝久君    森山 欽司君       与謝野 馨君    安島 友義君       上坂  昇君    近江巳記夫君       宮田 早苗君    瀬崎 博義君       甘利  正君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      宇野 宗佑君  出席政府委員         科学技術庁長官         官房長     小山  実君         科学技術庁計画         局長      大澤 弘之君         科学技術庁研究         調整局長    園山 重道君         科学技術庁振興         局長      福永  博君         科学技術庁原子         力局長     山野 正登君         科学技術庁原子         力安全局長   伊原 義徳君  委員外出席者         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ――――――――――――― 委員の異動 二月二十三日  辞任         補欠選任   中馬 弘毅君     加地  和君 同日  辞任         補欠選任   加地  和君     中馬 弘毅君 同月二十四日  辞任         補欠選任   小宮 武喜君     宮田 早苗君   中馬 弘毅君     甘利  正君 同日  辞任         補欠選任   宮田 早苗君     小宮 武喜君   甘利  正君     中馬 弘毅君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  科学技術振興対策に関する件(科学技術振興の  基本施策)      ――――◇―――――
  2. 山田太郎

    山田委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  最初に、宇野国務大臣より科学技術行政に関する所信を聴取いたします。宇野国務大臣
  3. 宇野宗佑

    宇野国務大臣 第八十回国会に当たり、科学技術庁長官としての所信を述べさせていただきます。  御高承のとおり、わが国は、今日、安定成長経済の時代を迎えておりますが、資源の乏しいわが国において、今後、国民生活の安定、向上を期するためには、国民の英知を結集して、科学技術振興を図ることが、最も必要であります。  私は、昨年末科学技術庁長官に就任いたしましたが、自来、当庁の施策はもちろん広く科学技術振興のための施策推進重要性につき、改めて、強く認識いたしますとともに、原子力開発利用の円滑な推進宇宙海洋等の新技術分野の開拓、あるいは防災科学技術等国民生活に密着した科学技術推進等多くの課題があることを痛感いたしております。  このため、昭和五十二年度政府予算案編成等を通じ、積極的な努力を傾注いたしたところでありますが、今後とも、全力を挙げて、懸案の解決に取り組んでまいる決意であります。この機会に、委員各位の一層の御協力をお願い申し上げる次第であります。  以下、昭和五十二年度における当庁施策につきまして所信を申し上げたいと存じます。  まず、第一は、原子力開発利用推進であります。  海外石油に大きく依存しているわが国においては、石油にかわる新エネルギー確保が必要でありますが、そのための方策としては、原子力開発利用推進が最も重要であります。  このため、政府といたしましては、安全性確保に万全の配慮をいたしつつ、その推進努力いたしているところでありますが、必ずしも、期待どおりの進展を見せていないのが実情であります。私といたしましても、この際、開発目標について検討を加え、整合性実効性のある計画のもとに、国民理解協力を得て、原子力開発利用を円滑に推進してまいる考えであります。  原子力開発利用を円滑に進めるためには、何よりも、昨年七月原子力行政懇談会から提出された「原子力行政体制改革強化に関する意見」を実現することが必要であると存じます。このような見地から、政府といたしましては、昭和五十二年度において、新たに原子力安全委員会の設置、原子炉安全規制一貫化等実施することとし、今国会関係法律改正案を提出し、御審議いただくこととした次第であります。  次に、原子力船むつ」の問題でありますが、造船、海運国たるわが国といたしましては、原子力船開発を進める必要があることは言うまでもありません。かかる観点から、政府といたしましては「むつ」の改修等を行うこととし、これを佐世保で行うべく、長崎県及び佐世保市に受け入れにつき、協力を求めてきているところであります。  「むつ」の改修の着手は、原子力船開発再出発の第一歩であります。政府といたしましては、地元の方々を初め、関係各方面の御理解がいただけるよう今後とも最善の努力を尽くす所存であります。また、原子力船開発を担当する日本原子力船開発事業団につきましても、その開発業務推進を図るため、根拠法たる日本原子力船開発事業団法改正が必要であります。このため、同法の一部改正法案をすでに国会に提出いたしましたが、その早期成立につき、各位の御協力をお願いする次第であります。  また、原子力開発利用を進めるためには、核燃料サイクル確立が不可欠の課題であります。しかし、核燃料サイクル問題をめぐる昨今の国際情勢は、たとえば、米国では核拡散防止観点から国際規制強化を図るなど厳しい動きがあります。こうした動向は、わが国核燃料サイクル確立に影響を及ぼす可能性もありますので、関係諸国と十分協議してまいる必要があります。このため、国際機関等での検討に積極的に参加するとともに、原子力委員等米国に派遣し、密接な意見の交換を行わせることといたしました。  このような核管理強化する国際情勢動きの中において、その基本となるべき核兵器不拡散条約に基づく保障措置完全実施が一層重要な意義を有していることは言うまでもありません。すでに、昨年六月、条約は批准されておりますが、政府はこれに伴う保障措置実施するため、国際原子力機関保障措置協定を締結することとし、この協定国会承認とあわせて、協定実施のための原子炉等規制法改正につきまして、今国会で御審議いただくこととしております。  核燃料サイクル確立につきましては、従前に引き続き、ウラン濃縮使用済み燃料の再処理放射性廃棄物処理処分等技術開発体制整備推進することといたしておりますが、特に昭和五十二年度においては、ウラン濃縮技術確立を図るため、濃縮パイロットプラント建設に着手することといたしました。  さらに、長期的観点から、エネルギー問題の解決に寄与するため、新型転換炉高速増殖炉核融合等研究開発を強力に推進していく所存であります。  このほか、原子力発電所等立地促進のため、いわゆる電源三法の運用を改善し、周辺地域住民福祉向上に資するよう措置いたしますとともに、原子力開発推進について広く国民協力を得るため、エネルギー問題における原子力開発重要性原子力安全性等について、十分理解が得られるよう努力してまいりたいと考えております。  第二は、宇宙開発及び海洋開発推進であります。  宇宙開発は、気象通信放送等分野経済社会国民生活に大きく貢献するとともに、最先端のシステム技術として、わが国技術水準を引き上げる効果が期待されるものであります。わが国宇宙開発は、多年の研究開発により、実用分野科学研究における幅広い利用に向かって、着実な成果を挙げつつあります。  当庁といたしましては、本年度、静止衛星打ち上げ技術を習得するための技術試験衛星II型の打ち上げを行い、昭和五十二年度には、米国に依頼して、気象通信放送の三静止衛星を打ち上げるほか、第二号電離層観測衛星の打ち上げを予定いたしているところであります。  さらに、当面、昭和五十年代中ごろに、自力による実用静止衛星の打ち上げを行うことを目指し、実験用静止通信衛星衛星制御技術の習得を主目的とする技術試験衛星Ⅲ型等の開発及び第二号静止気象衛星、その打ち上げ用のN改良型ロケット開発推進することとしております。  次に、海洋開発につきましても、新海洋法をめぐる動きが急速な展開を見せている情勢に対処し、周辺大陸だなを中心にその開発利用を積極的に推進する必要があります。海洋開発には、石油等鉱物資源開発水産資源の培養、海洋空間利用等多岐にわたる分野があり、海洋科学技術研究開発は、これらの開発利用等促進する上で、重要な役割りを果たすものであります。  このため、当庁といたしましては、海洋科学技術推進中核機関である海洋科学技術センター拡充強化に努めるほか、大陸だな及びその斜面域における多様な開発利用を可能とする技術確立目的として、関係省庁協力し、二千メートルまでの各種海洋調査を可能とする潜水調査船研究開発大陸だな等における有人潜水作業システム研究開発黒潮総合調査研究等推進することとしております。  第三は、防災科学技術ライフサイエンス等国民生活に密着した科学技術推進であります。  地震予知問題を初めとする防災科学技術国民の健康、安全に係る科学技術など国民生活に密着した分野における科学技術振興が必要であることは言をまちません。私といたしましては、関係省庁と十分協力し、この分野研究開発総合的推進に一層力を注いでまいる所存であります。  防災科学技術研究開発推進は、災害や事故の防止を図る上で、重要な課題であります。特に、地震予知につきましては、駿河湾周辺地震予知問題と関連し、その研究必要性が強く認識され、昨年十月、地震予知推進本部が発足し、関係機関の総力を結集し、これに対処していくこととなりましたが、昭和五十二年度予算においても重点的にその施策強化を図った次第であります。  また、ライフサイエンスは、健康の増進、環境の保全等人間福祉向上に大きく寄与するものであります。このため、当庁といたしましても、理化学研究所における老化制御等プロジェクト研究推進する等の施策を講ずることといたしております。  なお、これらの科学技術分野における研究開発推進につきましては、特に、各省庁協力が必要でありますので、特別研究促進調整費を増額し、その積極的活用を図ることといたしました。  第四は、各種科学技術振興施策推進であります。  以上申し述べました施策のほか、科学技術振興基盤強化充実を図るため、当庁所管特殊法人及び付属研究機関における研究開発推進筑波研究学園都市における研究交流センター業務の開始、オンライン情報検索システム開発等科学技術情報流通システム整備等施策を講じますとともに、科学技術全般にわたる普及啓発活動拡充科学技術分野における国際協力推進資源総合的利用方策調査等各種振興施策推進を図ることといたしております。  以上、昭和五十二年度における当庁施策の概要について述べてまいりましたが、これらの諸施策実施するため、昭和五十二年度予算案においては、原子力開発利用のため千百七十億円、宇宙開発のため八百六億円等、総額二千二百四十三億円の予算を計上いたしております。このほか、原子力発電等立地対策を積極的に推進するための電源開発促進対策特別会計として、総理府大蔵省及び通商産業省の共管により、三百七十五億円の歳出予算を計上いたしました。  最初に申し上げましたとおり、科学技術振興は、当面する各種の問題を解決するとともに、国民の将来を築く基礎となるべき重要な国家的課題であります。  私といたしましては、以上申し述べました方針に沿って、施策推進を図る所存でありますが、その推進に当たっては、研究開発の長期的な方向づけを行い、研究投資の効率的、重点的配分に配慮いたしますとともに、関係省庁はもちろん、大学における研究等とも密接に協力して、研究開発能力の結集を図り、研究開発を効率的、効果的に推進することといたしたいと存じます。  さらに、各種科学技術振興施策推進に当たっては、広く国民理解協力を得ることが何よりも必要であります。このため、科学技術国民生活の安定、向上と密着したものであることについて十分理解を得て、科学技術問題を国民の身近なものとするよう一段と努力してまいりたいと存じます。  以上、昭和五十二年度における当庁施策についての所信を申し述べましたが、重ねて委員各位の一層の御支援と御協力をお願い申し上げる次第であります。
  4. 山田太郎

    山田委員長 次に、昭和五十二年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。小山官房長
  5. 小山実

    小山政府委員 昭和五十二年度一般会計政府予算案におきまして科学技術庁予算要求額は、  歳出予算額二千二百四十二億六千三百万円、国庫債務負担行為限度額九百七十一億一千二百万円を計上いたしております。これを前年度の当初歳出予算額に比較いたしますと、二百八十一億一千八百万円の増額となっており、その比較において一四・三%の増加となっております。  次に、歳出予算要求額のうち重要項目につきましてその大略を御説明いたします。  第一に、原子力開発利用の推進といたしまして一千百七十億二千三百万円を計上いたしました。  一、まず、日本原子力研究所におきましては、反応度事故実験装置等を用いた原子炉施設安全性に関する試験研究を積極的に進めるとともに、臨界プラズマ条件の達成を目指した臨界プラズマ試験装置の建設を本格的に進めるなど、核融合の第二段階の研究開発を強力に推進することとしております。また、多目的高温ガス炉について、所要の研究開発を推進するほか、各種原子炉による研究開発を行うなど、これらに必要な経費として、同研究所に対する政府出資金補助金を合わせ三百八十五億四千八百万円を計上いたしました。  二、次に、動力炉・核燃料開発事業団におきましては、高速増殖炉実験炉性能試験及び新型転換炉原型炉の建設を進めるとともに、高速増殖炉原型炉に必要な研究開発を行うなど、動力炉開発に必要な経費として四百三十五億五千九百万円を計上いたしました。また、使用済み核燃料処理施設の試運転及び同施設に関連する安全性研究開発等に必要な経費として八十四億九千八百万円を計上いたしました。  さらに、同事業団核燃料開発関係の事業につきましては、遠心分離法によるウラン濃縮技術研究開発を進めるとともに、その成果を踏まえて、パイロットプラントの建設に着手するほか、海外ウラン資源調査等を推進することとし、これらに必要な経費として百七十五億三千五百万円を計上いたしております。  以上、動力炉開発使用済み核燃料の再処理及び核燃料開発に必要な経費として同事業団に対する政府出資金補助金を合わせ六百九十五億九千二百万円を計上いたしました。  三、また、原子力船「むつ」の開発につきましては、原子力船の総点検及び維持管理等に必要な経費として日本原子力船開発事業団に対する政府出資金補助金を合わせ十七億六千万円を計上いたしました。  四、さらに、放射線医学総合研究所におきまして、サイクロトロンによる医学利用に関する研究、低レベル放射線影響研究等を行うため二十九億千二百万円を計上するとともに、国立試験機関及び理化学研究所における原子力試験研究放射能測定調査研究並びに民間に対する原子力平和利用研究の委託に必要な経費として二十八億四千五百万円を計上いたしております。  五、また、原子力行政体制の改革、強化につきましては、原子力利用における安全の確保に万全を期するため、昨年七月の原子力行政懇談会の意見に沿って、原子力安全規制を担当する原子力安全委員会を新設することとし、これに必要な経費として七千九百万円を計上いたしております。  このほか、原子力委員会運営費原子力関連各種行政費等として十二億八千七百万円を計上いたしました。  第二に、宇宙開発の推進といたしまして八百六億三百万円を計上いたしました。  一、まず、宇宙開発事業団におきまして、第二号電離層観測衛星の打ち上げ、実験用静止通信衛星及び技術試験衛星III型の開発と、これらの衛星を打ち上げるためのNロケット開発並びに打ち上げ関連施設整備等いわゆるN計画の推進を図るとともに、静止気象衛星実験用容量静止通信衛星及び実験用中型放送衛星を米国に依頼して打ち上げるほか、第二号静止気象衛星開発N改I型ロケット開発液酸液水エンジンを採用した高性能ロケット研究開発などを進めることとし、これらに必要な経費として、同事業団に対する政府出資金補助金を合わせ七百九十一億七千四百万円を計上いたしました。  二、次に、航空宇宙技術研究所における宇宙開発関連研究につきましては、イオンエンジン及び液酸液水エンジン要素研究等宇宙開発の基礎的、先行的研究を行うために必要な経費として八億八千六百万円を計上いたしました。  第三に、海洋開発の推進といたしまして十六億六千百万円を計上いたしました。  一、まず、新海洋法時代に対処し、海洋科学技術に関する研究開発を強力に推進するため、第一期大陸だな計画として、深度二千メートルまで潜航可能な潜水調査船システム研究開発、三百メートルまでの潜水作業システム研究開発、黒潮の開発利用調査研究等を行うために必要な経費として五億七千三百万円を計上いたしました。  二、また、海洋科学技術センターにおきまして、消波発電システム研究開発を引き続き実施するとともに、新たに高速曳航式海洋観測システム研究開発海域制御システム調査研究等を行うために必要な経費として、同センターに対する政府出資金補助金を合わせ十億八千八百万円を計上いたしました。  第四に、防災科学技術の振興といたしまして十四億九千百万円を計上いたしました。  まず、地震予知技術研究として、首都圏南部の三カ所における深層観測井による観測研究等を実施するための経費五億五千三百万円を、また、耐震防災関連研究として、耐震実験及び軟弱地盤振動挙動に関する研究等を実施するための経費八千六百万円を、その他、雪害対策研究防災科学技術資料収集等のための経費八億五千二百万円をそれぞれ国立防災科学技術センターの予算を中心に計上いたしました。  第五に、重要総合研究等の推進といたしまして百七十億二千百万円を計上いたしました。  一、まず、ライフサイエンスの振興としまして、理化学研究所ライフサイエンス推進部において、老化制御等研究開発プロジェクト及び研究支援業務を実施するため二億七千万円を計上し、その充実を図ることとしております。  二、次に、レーザー科学研究の推進につきまし    理化学研究所におけるレーザー誘起化学等プロジェクト研究の実施及び研究棟建設着手のため、三億二千三百万円を計上いたしました。  また、リモートセンシング技術総合的推進につきましては、同技術環境保全国土利用資源探査等の広範な分野にわたって有効な探査手段であり、わが国に適した技術を確立していくことが必要でありますので、米国の衛星からデータを受信、処理する施設の整備、リモートセンシングによる海洋調査技術に関する研究等のための経費として七億五千三百万円を計上いたしました。  三、特別研究促進調整費につきましては、関係省庁の協力のもとに、地震予知技術研究を初め、医療科学技術極限科学技術等に関する研究を総合的に推進するとともに、不測の事態に対処し緊急に行うべき研究の円滑な実施を図るために必要な経費として十八億三千万円を計上いたしました。  四、新技術開発の推進につきましては、新技術開発事業団開発委託契約限度額を三十三億円に引き上げ、同事業団に対する政府出資金補助金を合わせ十三億三千三百万円を計上することにより、その業務の拡充を図ることといたしました。  五、資源の総合的利用方策の調査につきましては、将来の資源問題に関する総合調査など資源調査所による調査を実施するとともに、太陽熱の家庭用エネルギーへの有効転換技術に関する実証的な調査、食生活の向上、改善の基礎データを提供するための日本食品標準成分表の改訂を行うこととし、これらに必要な経費として二億九千三百万円を計上いたしました。  六、試験研究機関の充実につきましては、百二十一億八千七百万円を計上いたしておりますが、これは当庁付属試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所航空技術部門金属材料技術研究所及び無機材質研究所における研究施設の整備と、各種試験研究の実施に必要な経費のほか、理化学研究所研究運営等に必要な政府出資金及び補助金であります。このうち、航空宇宙技術研究所においては、国情に合った短距離で離着陸が可能なファンジェットSTOL機研究開発を行うこととしております。  第六に、科学技術振興基盤の強化といたしまして四十三億九千七百万円を計上いたしました。  一、まず、科学技術基本計画策定等研究基盤の強化につきましては、わが国における科学技術を長期的な観点に立って、計画的、かつ、総合的に推進するための基本的な計画策定の一環として行う各種調査及び優秀な人材の養成確保を図るための国内及び海外への留学等に必要な経費として四億四千七百万円を計上いたしました。  二、次に、筑波研究学園都市建設及び研究交流活動の推進としまして、研究交流センターの業務を開始するとともに、金属材料技術研究所国立防災科学技術センター及び無機材質研究所の施設の整備を引き続き行うため七億七千万円を計上いたしました。  三、また、日本科学技術情報センターにおける内外科学技術情報の収集、整理、提供業務の充実を図るための同センターに対する政府出資金及び補助金など科学技術情報流通の促進に必要な経費として二十七億一千七百万円を計上したほか、科学技術に対する国民の理解を深め、科学技術の知識の普及を図るための経費として二億三千七百万円を、また、国際協力の推進としましてアジア科学協力連合への協力、経済協力開発機構に所属する原子力機関共同研究への参加等に必要な経費として二億二千六百万円を計上いたしました。  以上、一般会計歳出予算につきましてその重点項目を御説明いたしましたが、このほか、一般会計予算予算総則におきまして、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を四百六十一億円にするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額を四十二億円とし、これを使用済み核燃料処理施設建設資金の一部に充てることといたしております。  最後に、電源開発促進対策特別会計につきましては、原子力発電所等周辺地域住民の福祉の向上を図ること等を通じて、発電所立地対策を積極的に進めるため、総理府大蔵省及び通商産業省の共管により、電源開発促進税を財源とする三百七十四億八千二百万円の歳出規模をもって、関係地方公共団体公共施設の整備及び原子力発電安全対策事業などを行うことといたしております。  以上、簡単でございますが、昭和五十二年度予算につきましてその大略を御説明申し上げました。よろしく御審議のほど、お願いいたします。
  6. 山田太郎

    山田委員長 以上で説明は終わりました。  本日は、これにて散会いたします。     午前十時四十二分散会