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1977-04-01 第80回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年四月一日(金曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 稲富 稜人君    理事 阿部 文男君 理事 西銘 順治君    理事 本名  武君 理事 上原 康助君    理事 斎藤  実君       熊谷 義雄君    篠田 弘作君       田中 正巳君    村上 茂利君       池端 清一君    美濃 政市君       安井 吉典君    市川 雄一君       玉城 栄一君    甘利  正君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      室城 庸之君         防衛施設庁長官 斎藤 一郎君         防衛施設庁施設         部長      高島 正一君         沖繩開発政務次         官       國場 幸昌君         沖繩開発庁総務         局長      亀谷 礼次君         沖繩開発庁振興         局長      井上 幸夫君         労働大臣官房審         議官      谷口 隆志君  委員外出席者         外務省アメリカ         局外務参事官  浅尾新一郎君         食糧庁総務部長 小野 重和君         運輸省港湾局参         事官      石月 昭二君         特別委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ————————————— 本日の会議に付した案件  沖繩復帰に伴う特別措置に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第二一号)      ————◇—————
  2. 稲富稜人

    稲富委員長 これより会議を開きます。  沖繩復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審議を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。
  3. 上原康助

    上原委員 きょうは、明日から本委員会沖繩現地をいろいろ調査をするという日程もあって、政府から提案されております復帰特別措置法の一部改正関連をして、ぜひ現地を見る前にいろいろ政府考え方お尋ねをしておかねばいかないというようなこともあって、関係大臣が参議院の予算委員会との関係もあっておいでいただけませんが、先ほど申し上げたようなことで、政府当局の御見解を聞いた上でさらに今後の審査に役立てたいと思いますので、ひとつ関係者の誠意ある御答弁をまずお願いをしたいと思います。  そこで、復帰特別措置法改正全般につきましては、現地関係者の御意見なり御要望ども承って、さらに後日お尋ねをしたいとも思うんですが、これまで開発庁で集約した内容は、沖繩県当局なりあるいは各関係団体の御要望ども大方取り入れた形で、見直しをするもの、期間を延長するものが集約をされているような感も受けます。しかし、具体的には、格差是正とか、あるいは県民生活と密接にかかわり合う問題等について、まだ幾つか納得しかねる面もないわけでもございません。そこいらの点については後日項目ごとにできるだけ明らかにしつつお尋ねをしますが、とりあえずきょうの段階で、まだ決定を見ない米麦見直し、その価格の問題、据え置きの問題あるいは期間問題等について、これは特にお米の問題については県民生活に非常に関係いたしますし、現在の物価高の折、本土並みに一挙にとは言わずとも、なだらかな方向でこれが引き上げられていくにしても、相当影響を与えます。  そこで、私は予算委員会分科会でもこのことを食糧庁当局にもお尋ねをしたんですが、遅くとも大方四月一ぱいには結論を出したい、そういう御答弁でした。また、価格の問題にしても、できるだけ県民要望に沿うような形でこの是正をしていく、格差を徐々に縮めていく方向解決をするように努力をしたいという御答弁があったんですが、そういういきさつもあって、特に農林省はほかにもありますのできょうは来ておりませんが、開発庁としてはこの問題に対してどういうふうにお考えなのか、また見通しとしてはどうなっておるのか、この点をまず明らかにしていただきたいと思います。
  4. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 お答え申し上げます。  今般、沖繩復帰に伴う特別措置法の一部改正法案を本委員会お願いをして御審議を煩わしておるところでございますが、先生の御質問にもございましたように、米麦特別扱いにつきましては復帰特別措置法の中の政令の事項ということで、予算関連のもとに、現在、農林省及び大蔵関係方面と鋭意折衝中でございます。  御指摘のように、沖繩本土復帰する際、それまでの沖繩米麦の生産、流通並びに消費等の事情が本土と大きく異なっておりましたために、この食糧管理制度の適用に当たりましては、県民生活に急激な変化を与えることのないように、ただいま申し上げました特措法におきまして五年間にわたる特別の措置、それから後三年間における是正措置、こういう制度が現在講じられておることは御案内のとおりでございます。  いま申し上げましたように、この特別措置法と同法の施行令では、米麦値段につきまして、復帰前との連続性考えまして、五年後、すなわち本年の五月十五日以降三カ年間で本土価格にスライドするといいますか、水準に合わせるということになっております。しかしながら、先生から御指摘もございましたように、この制度を五年やりました結果、現在の沖繩本土とにおきますところの価格関係は、ほぼその差がいわゆる倍近くに隔たっておる、こういう現象が生じておりまして、これを一挙に本土並みにすることにつきましてはいろいろと大きな影響があろう、こういうふうに開発庁でも考えております。したがいまして、この調整期間取り扱いにつきましては、すでに沖繩県からも相当の期間に延長してほしいという要望もございまして、県の要望を踏まえた上で、私どももそれぞれ食糧庁あるいは大蔵にも現在折衝中でございまして、先般先生の御質問食糧庁から御答弁したと聞いておりますが、われわれといたしましても、他の法案審議が並行して行われておりますことにもかんがみ、できるだけ早く結論を出しまして、県民に不安を与えないように措置をしたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  5. 上原康助

    上原委員 せんだっての食糧庁の御答弁の域は出ませんが、いずれにしましても、県民生活に重大な影響を与えないことを考慮に入れて、この問題については農林省、すなわち食糧庁とよく御相談をして早目結論を出したいということだと思います。したがって、改めて念を押しておきますが、確かに、いまも御答弁がありましたように、この食管制なりいろいろな面からすると、五カ年もたったのだから、お米の値段沖繩ではきわめて安い、半値ぐらいだというような、国民感情からすると何か非常に釈然としないものを与えかねない面もあるわけですね。しかし、なぜそういう格差が出てきたのか、価格になったかという歴史的な背景というものがあるし、また現実問題として、その他の面での格差是正というものが当初予定したような方向でなかなかなされていないということなどもあわせて考えますと、この問題はもう少し期間を延長して、なだらかに本土並み価格に持っていくということをやっていただかないといかない問題だと思うのですね。その点くどくど申し上げませんが、ぜひ特段の御配慮をいただきたいと思います。  それといま一点、この特別措置法との関連で今後の法案審議の参考にもしたいと思いますので、私はいつでしたか以前にも少しお尋ねをした記憶があるのですが、特別措置法なり特別な措置を講じたことによって、一体沖繩経済にどのくらいのメリットを与えているのか。このことは一説には年間約三百億程度ということも言われておりますし、また、いやそんなにまでいかないんだ、せいぜい百四、五十億、百五十億前後じゃないのかという見方もあるようです。これなども詳細には分析できないかもしれませんが、少なくとも政府復帰を進める段階特別措置を推進してきたということによって、どの程度沖繩経済にそういった面でのメリットというものがあるのか、また将来これをなだらかに調整をしていく、是正をしていくことによってどういう影響を与えていくかというようなある程度の根拠というものも分析をしていただいて明らかにしないと、なかなか納得しかねる面、あるいはまた非常に何か恩恵がましくやられているんだというような政治的発言などがあっては私はいかないと思うのですね。そういう意味で、このことはぜひ開発庁当局で十分御検討いただいて、できれば資料として提出をしていただきたい、こう考えるのですが、この点についてもし数字的にすでに御検討いただいておるならば明らかにしていただきたいし、まだ検討過程でしたら、いま私が申し上げたようなことに対して資料なりをおつくりになって提出できるかどうか、御見解を賜っておきたいと思います。
  6. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 お答えします。  この復帰特別措置は、先生も御案内のように、あらゆる方面にわたっておりますのと、それから毎年の税制あるいは関税制度取り扱いあるいは予算措置、いろいろな仕組みがまじっておるものでございますから、年度によりましても著しく差が出てまいりますし、それから、ただいまの御質問の御中心にありました米麦のごときは、本土食管制度によるところの米価の改定に合わせてさらにオンしますので、だんだんいわゆる特恵措置もふえてくる、こういう問題もございまして、この数値のとり方が非常にむずかしいわけでございますけれども、私どもが県を通じて概数で聞いておりますといいますか、正確な数字ではございませんけれども、ただいま先生の御質問中心にありますたとえば米麦、この食管制度によるところの価格差と申しますか、これは率直に言いまして五十年ないし五十一年では百億を超えておるというふうに私も理解しておりますし、そのほか沖繩電力のいわゆる原料燃油関税免除でございますとか、ガソリンその他のいわゆる油類燃料油特別制度その他相当金額の大きなものもございます。県のはじきました数字では、先生がおっしゃいましたように、正確には言えませんけれども、ほぼ二百数十億ないし三百億という概数になるという数字も私ども持っておりますが、何分いま申しましたように、個々の品目につきまして算定の数値が非常に微妙でございますので、一度私どもで検討させていただきまして、できる範囲で御提出できるものであれば提出したい、そういうことで少し検討させていただきたい、こういうふうに考えます。
  7. 上原康助

    上原委員 ぜひそうしていただきたいと思います。これは何もこの法案との関係だけでなくして、振興開発計画等のいろんな基礎的数値見通しとも関連いたしますので、この際、県なりあるいは関係団体などが掌握したものではなくして、できるだけ政府独自のお立場でこれなどをやってみるのも私はやはり必要かと思いますので、検討していただいて、できる限り詳細なところを明らかにしていただきたいと思います。  それで、法案関係は、冒頭申し上げましたように、ほかの関税面いろいろありますので、後日またお尋ねをしますが、次に交通問題について少しお聞かせいただきたいと思うのです。  実はこの問題はいろいろ重要な面もあって、できるだけ運輸大臣なりにあるいは政治的な判断をしていただかなければいかない分野もありますので、そういう場で取り上げてみたいと思ったのですが、どうもいま総理府なりあるいは関係省庁で進めているいわゆる交通方法変更といいますか、これについては余りにも事務的な面だけが先行しているような感じを私は受けないわけにはいかないのですね。そこで、すでに閣議決定どもかなり前になされて、来年の七月後半から八月にかけて交通区分変更するという準備を進められておりますし、また現に五十二年度予算においてもそういう交通区分変更に伴う措置予算どもかなり計上されております。  そこで、まあ名称にこだわるわけではないのですが、当初は交通区分変更だということだったのですが、最近では交通方法変更というふうに、方法ということで何か言い方も統一されているような感じを持つのですね。なぜそうなったのか、そこいらはどう違うのかわかりませんので、少し政府考え方といいますか、ただ右から左に方法を変えるだけのことなのか、あるいは道路のいろんな面も、区分的に右から左に変えるだけでなくして、それに影響するいろんな問題が出てくるわけですね。そこいらはどうとらえておられるのか。そのいきさつ等について、ちょっと細かいみたいな感じを受けるかもしれませんが、私は、実はそういう言い回しに変えてきたところにも何か重大な政府考え方変化なりがあったんじゃなかろうかという感じを持ちますので、そこいらのいきさつから少し説明をしてみてください。
  8. 室城庸之

    室城政府委員 お答え申し上げます。  いまおっしゃいました交通方法変更というのは、実は私ども最初から交通方法変更という言葉を使っておるわけでございまして、通常交通方法といいますのは、非常に大きな形で交通あり方をどう律するかというような場合に交通方法ということでとらえておるのではなかろうかというふうに私思います。通常交通区分と申しますと、そういった大きな問題でなくて、たとえばこの道路でこの車線をどういう車に走らせるかというようなことで、ここは大型車両だけだというような場合には、交通区分というような言葉を用いておるんじゃないかというふうに考えます。したがって、この右から左へという交通あり方そのもの変更ということにつきましては、当初から交通方法変更という言葉を使っておるように存じております。
  9. 上原康助

    上原委員 そうであれば、私のとらえ方なり県民のいまいろいろ提起をしている面に若干誤解といいますか、受けとめ方の違いがあるわけですが、しかし実際にはそこいらのいきさつ等についても全くPRもされてないし、ほとんどわからないままなんで、そういう見方も出ているということを指摘をしておきたいと思うんです。  そこで、この交通方法を右から左に変えるといういまの政府の、これは総理府中心になって進めておられるというんですが、せんだっても交通関係労働組合皆さんとも総理府に私も一緒にお訪ねをしましたが、あのときにも少しだけ指摘しておきましたが、どうも警察行政的の対応あり方という面が先行している感が、正直申し上げて強いんですね。したがって、右から左に変えるんだ、信号灯をつけ直さにゃいかぬとか、あるいは車の照明灯を、右側をいまは重点にされているものを左側に置きかえるとか、こういうきわめて当然といえば当然の事柄なんですが、そういう面だけに非常に重点が置かれている。交通方法変更とかあるいはそういった変更する場合に一番大事なのは、安全対策だと思うんですね。そこに住んでいる住民なり市民なり、人間生命尊重というもの、安全というものをどう確保していくかということについては、今日までのところ、残念ながら政府にしてもあるいは県側も、なかなかまだそこまでは具体的にお考えになっていない面もあるかもしれない。そこが一番問題、肝心のところが忘れられているということ。  もう一つは、沖繩に行かれた方はおわかりだと思うんですが、やはり現在の輸送面で、一番輸送の動脈になっているのは自動車ですね、バスからみんな路面交通ですから。鉄軌道全くない。モノレールもない。そういう中で、旧一号線、いまの五十八号線というものは、ラッシュ時になりますと非常な渋滞が出てきている。それだけに人間安全面をどう確保するかということと、いま一つは、沖繩交通体系をこの際どのように改善をしていくのか、整備をしていくかということなどもあわせて交通方法変更というものは考えていただかないと、右から左に変えればいい、ハンドルを左のものを右にすればいいというような単純なものでないと思うんですね。一体ここいらのことについては、政府としてどのような方法で十分な安全対策なりあるいは道路交通施設改良整備とか、要するに交通体系全般整備というものをあわせてやっていこうとするお考えがあるのかどうか、その点御見解を賜っておきたいと思います。
  10. 室城庸之

    室城政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘いただきました交通基本政策といいますか、こういったものも交通方法変更とあわせて考えるべきではないかというお話でございますけれども、確かにそういうことができることが最も好ましいというふうに考えます。  ただ、当面私ども全般調整に当たっております交通方法変更というものは、端的に現在右側通行の車を左側通行に変える、それに伴って歩行者対面交通といったような問題が出てくる、その点をとらえておるわけでございまして、基本的に沖繩交通体系というものは、交通方法が右であろうと左であろうと、現在すでにそういった問題は基本的に考えるべきものではなかろうか。したがいまして、これはこれとして、御指摘のように大変必要な、また重要な問題であると思いますけれども、これと交通方法変更を絡めて考えなければならないかどうかということにつきましては、これは一応並行して考えてよろしいんではないかというふうな観点に立っておるわけでございます。  したがって、交通基本体系といいますか、基本政策というものは、今後とも今日時点においても重要な問題で、解決を図るべきものであり、その中に時期的に交通方法変更というものがはさまれてくるというふうに考えてしかるべきではなかろうかというふうに思うわけでございます。  そこで、私ども交通方法変更考えております第一の理由は、何と申しましても沖繩本土との間に交通方法に大きな差異があるということからきます交通上の混乱、危険といったようなものを防止するということが第一の眼目でございまして、したがって、おっしゃいますように、このことのために交通の危険がふえるとか混乱が生ずるというようなことは本来の目的にも反するわけでございますので、私どもといたしましては、この実施に当たって十分に交通環境というものを整備し、その中で交通の安全、人身事故等につきましては最大限の考慮を払いながら、円滑な実施を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  ただ、いまも御指摘ありましたように、沖繩県人たち実施方法等について、十分にPRが行き渡ってないではないかという御指摘がございますが、この点につきましては、実は御承知のように、政府といたしましては四十八年ごろからこの問題を真剣に考えてまいっておるわけでございまして、五十年の六月の閣議で、一応来年の七月末をめどに交通方法変更実施しようという決定を見ておるわけでございまして、四十八年ごろから具体的にこの沖繩における交通方法変更をどういうふうになすべきかということで、すでにそういった変更をやりました経験のある国等につきまして、過去においてどのような準備をし、どのような点について苦心をし、実施の結果がどうであったかというようなことについて、細かく調査等を進めてまいっておるわけであります。  いよいよ来年度の予算に初めて具体的な施策並びにそれに要する経費等を計上することになったわけでございますけれども、こういつた問題はやはり県民日常生活に深くなじんでおります習慣を一挙に変えなければならないというような、事業といたしましては非常に容易ならざる事業であるというふうに考えておるわけでございまして、どの時点からどのような対応をしていくかということにつきましては、ほかの国の例などもにらみ合わせながら、余り早い時期から具体的な方法について教育を始めるということのためにかえって混乱が生ずるというようなことのないように、どの時点から具体的な左側通行の訓練に入っていくかというようなこと等も十分考え合わせながら、五十二年度において初めてそういった予算の裏づけを伴う施策実施することが最も適当ではないかということで、実は五十二年度予算に初めてこういった具体的な施策が盛られてきたということでございまして、決していままで無意味に時間を費やしておったというわけではございません。  しかしながら、やっていこうといたしますと、これは大変な問題でございますので、これからもこういった交通方法変更必要性、その意義というようなものにつきましては、県民の方々に十分に理解をしていただき、また、それぞれの立場で御協力をいただかなければなりませんので、こういった点についての事前の広報等につきましても徹底してやってまいりたい。  なお、実施に当たりまして、交通安全施設等整備につきましてはもちろんでございますけれども交通安全教育といったようなものにつきましても、県民皆様方に十分徹底するような方法で進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  11. 上原康助

    上原委員 長々と御答弁があったのですが、要するに私が申し上げたいことは、この交通方法変更というのば、まさに政府の国策によって変更されることなんですよね。私は、現在でも変える必要はないという主張者の一人です。あえてそういう無理なことをすべきでない。なぜなら、これまで復帰記念事業というようなことでいろいろなことをやってこられた。海洋博等の問題もあった。しかし、あのときもいわゆる物価対策部会とかいろいろなことを設けて対策をやるということを皆さんは言ってきたのだが、実際問題として、これはそう功を奏しなかったのですよね。ようやく海洋博ショック復帰ショックも何とか乗り越えて、海洋博もああいう外因、いろいろな要因があったことも認めますし、また全然沖繩メリットがなかったとも私は言いませんが、しかし県民生活全般に与えた影響というものは、まさに期待を裏切られたのです。その後遺症も何とか乗り越えようという段階なんですね、沖繩は。ようやく本土制度になじんで、ここいらで本当の沖繩の歩むべき姿というものをみんなで形づくっていこうという段階に曲がりなりにもいま私は来ていると思うのです。だのに三たび、来年の七月から八月にかけて交通方法変更することによって、これは単なる、先ほどから言いますように、車を右通行を左に変える、あるいはそれに伴って人間左通行を右に変えるとか、そういうものでないのですね。戦後三十年、まさにもう三十二年ですよ、三十二年目に入る。これだけ三十年余にわたる人間のいわゆる慣習、経済的な環境というものをもう一遍全部変えてしまうわけです。皆さんはただ行政的に、条約だからということで、無理をすれば何でもできると思うかもしれませんが、実際問題としてバス停留所に位置しているお店の皆さんとか、あるいはドライブインにしても、現に営業を営んでいる石油スタンドにしても、この国の政策によって大きな不利益をこうむるのですよ。それによってまた沖繩経済がめちゃめちゃにされないとも限らない重要問題があるということを、果たして政府皆さんがどれだけ理解をしているか、私は疑問なんですよ。これによって、三たび沖繩経済なり沖繩県民生活というものをめちゃめちゃにして、ごたごたさせちゃいかぬ。やるならばそれなりの政治的な判断なり対策というものを綿密にやった上で実施をしていただかないと、何とか軌道に乗せようとしているさなかに、もう一度大きなダメージというものを県民生活に与えてはならぬということは、私は厳しくこの段階で注文をつけておきたいと思うのです。  そこで、最近報道されているところによりますと、沖繩現地にいわゆる現地連絡会議というものを設置をして、いま御答弁ありましたように、そろそろ五十二年度予算見通しがほぼついたので、それに伴う対策を講じていくということでのことだと思うのですが、この連絡会議の規模なり構成はどういうふうになるのかということ、あるいは連絡会議の権限ですね、任務は一体どういうものをやるのか、また、すでに事務次官を中心に各省庁連絡会議というものも本庁ベースでもやっているということなんですが、これとの関連性というものは一体どうなるのか、こういうものを明確にしてもらいたい。  先ほど私が言ったような県民生活に与える影響の問題、さらに、すでに那覇市は、来年七月から八月にかけての実施には反対を表明しておりますよね。沖繩県知事平良さんも、いまさっき言うような交通体系整備の問題なりあるいは安全確保というものが綿密になされない限り、来年実施というものは返上  返上という言葉をお使いになっていないが、ちょっと考えざるを得ないという見解をお述べになっておられる。バス協会にしてもしかり、タクシー協会にしてもしかり、また、いまさっき私が言ったように、商売をしている方々はまだそこらまでわかりませんが、かりに現在三十万か五十万、百万くらいの収入が一日にあるところもあるでしょう、ところによっては。一日というよりも一週間くらいにですね。しかし、それが方法変更されることによって、一方はぺしゃんこにされて、一方の方がメリットを受けるということになる。そういう問題が次から次と県民の間にわかってきた場合に、どういうような対策をするのか、こういう問題については何ら明らかにしていないわけでしょう。  私たちも、これからは皆さんのきょうの見解を聞いた後に対策を講じなければいかぬ、県民生活に与える影響というものを。事実問題としてこうなりますよということを、政治家の立場でもあるいは政党の立場でも言わざるを得ない段階に私は来ていると思うのですね。これに対しては、皆さんはどういうふうに対処していこうとされるのか、いわゆるこの交通方法変更によって起きる県民の損失に対して、具体的にどういう措置をするのか、この際開発庁を含めて明確にしてください。
  12. 室城庸之

    室城政府委員 いろいろな点の御指摘をいただいておるわけでございますが、まず最初に、先ほどもお答え申し上げましたように、この交通方法変更というのは、何といっても本土沖繩交通方法の一体化ということによって、生命、身体、財産の安全を図るという、そういうところに一番の眼目があるわけでございまして、国際条約云々というのも一つの要素ではございますけれども、何といっても沖繩県民の、また日本国民の交通上の危険防止という観点から進めていきたいという強い信念を実は持ってやっておるわけでございます。  それからもう一つの、どういうような権限のあり方でこれに対処しようとしているのかということでございますけれども、従来、閣議決定に基づきまして、総理府総務長官が沖繩県交通方法変更対策部長という立場で全体の統括を行っておるわけでございますが、そのもとに本部会議並びに幹事会あるいはそれぞれの専門部会というものが置かれておりまして、そのいずれの会議にも現地の方々の参加が求められておるわけでございます。本部会議におきましては、沖繩県の側で言いますと副知事、それから幹事会には沖繩県企画調整部長、さらにそれぞれの部会につきましては、管理部会に県教育長、県警察本部長、県総務部長、県企画調整部長、県土木部長といったような形で、それぞれの部会に県の責任ある方々にメンバーとして参加していただいておりまして、従来もそれぞれの会議現地の方の御要望をいろいろ承る手だてはできておるわけでございます。  さらに、これからだんだん実施段階に入ってまいりますので、現地連絡会議という組織をつくってもらいたいということで、総合事務局、あるいは県、あるいは県の教育長、警察本部長、警察本部、それから市町村、こういったところにお集まりいただいた連絡会議を設けまして、そこで現地のいろいろな問題を御検討いただく、私どももこちらからそれに参加いたしたい。もちろんもともとこの沖繩交通方法変更につきましては、一人の大臣が全体の事業を遂行する権限と責任を与えられておるというものではございませんで、全体の復帰事業の中の一部として、これを各所管大臣がそれぞれの部分について責任を負っておりますので、あるいは県知事は県知事という立場で、県の公安委員会は公安委員会という立場で権限と責任を持っておられるわけでございますので、それがばらばらにならないように調整していこうという機能をただいま申し上げましたような組織でカバーしようとしておるわけでございます。したがって、それぞれの所管大臣の所管行政に関する権限と責任というものは、一切これによって一カ所に集まってしまうというようなものではございません。そこで、そういったものがばらばらにならないような調整を加えながら、今後とも鋭意一体的な事業としてこれが進められるように図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、補償等の問題につきましては、それぞれの事業について、当然補償すべき問題につきましては、それぞれの所管行政に応じて考えられるわけでございますが、いずれの行政にもなかなかなじみにくい、そういった問題もいわゆる不利益という形でかなり出てまいろうということは十分推察されるわけでございます。したがって、そういったものについても、私ども全体の調整の中でできるだけ具体的な問題としてこれを検討し、解決のつくものにつきましては当然解決を図るとして、それ以外のものにつきまして、いろいろまた県民要望にこたえ得るような手だてを考えてまいりたいというふうに考えております。  なお、この事業自体は、全体の沖繩県のいわゆる復帰事務の一部であるということを先ほども申し上げておるわけでございますけれども、したがって沖繩県本土復帰という全体の量の中で、いろいろこれについてのまたプラス、マイナスというようなものをお考えいただきませんと、交通方法だけで何かマイナス面が出たらすぐそこでカバーしろというようなこともなかなかむずかしいのじゃないかというふうな感じも持っております。私どもそういったことで、交通方法の具体的な実施については、全責任を持って当たりたいというふうに考えております。
  13. 上原康助

    上原委員 もう少し具体的にお尋ねしますが、たとえばバス協会の方々は、現在保有しているバスを、この交通方法変更によって新車に切りかえるべきだという要求を出しておりますね。これに対して政府の方は、五十二年度予算では一部は新車切りかえ、一部は中古車を本土から持っていく、あるいは一部は改造だというような計画を出している。いま全然意見がかみ合っていないわけでしょう。こういう問題はどうするのかということですね。たとえば政府がいまやろうとしている補償額の範囲では利用者サービスの質を低下させるか、運賃値上げに転嫁しなければならない、こういう指摘をしている。公益事業としてのバス経営が困難になることは必至である。また、バスを新車購入した場合、現在のところ千八百台が必要となり、その購入費は少なくとも首七十億から百八十億くらいはかかるだろう。その場合、このうち国からの補助はわずかに三割ないし四割、多く見積もっても四割程度、これではとうていやっていけない。こういうことを押しつけられるくらいならば、交通方法変更はまかりならぬという。交通労働者の皆さんだって、これに伴う合理化の問題が出てきはせぬかという強い不安といろいろな御意見を出しておられる。  タクシー協会の場合も、実際問題として、現在沖繩のタクシーというものは、御承知のように約九割、四千九百台くらいですか、四千八百から四千九百くらいのタクシーは左ハンドルなんですね。九割は左ハンドル。それを右ハンドルに変えねばいかないわけでしょう。ドアだって、乗降口を変更せねばいかない。  こういう措置をやろうとすることに伴う費用というのは全部国で負担してもらえますね。そういう問題、具体的にさっき挙げたような個人の私的な損失というものも出てくる。これに対しても今後調査をした上でやっていくのかどうか。  もう一つは、いま県の県知事さんとかあるいは企画部長ということ、これは当然でしょう。当然なんですが、バス協会とかタクシー協会とか、あるいは交通関係労働組合交通労働者の皆さんの意向は聞くのか聞かないのか。ここがもっと大事なんです。あるいは教育関係者の意向はどうなのかということ、こういうことなどもあわせて総合的にいまから着手をしないと大きな混乱が起きますよということを改めて私は念を押しておきたいのですが、いま申し上げたことに対して具体的にお答えください。  それと、時間もありませんのでもう一つ、外務省来ていると思うのですが、一体米軍施設内の交通区分変更についての措置はどうするのか。現在、米軍の軍用車両、あるいは約三万二千から三万五千くらいいる米軍の軍人軍属の持っている自家用、こういう米軍に対する教育問題等はどうなっているのか。あるいは施設内の方法変更に伴ういろいろな措置をやらなければいけないと思うのですが、まさかこの負担等は日本政府が持つのではないと思うのですが、ここいらのことについても明らかにしていただきたい。いま沖繩で一番交通事故を起こしているのは米軍の軍人軍属なんです。御承知のように、アメリカは車は一貫して右通行なんです。彼らに対する十分な教育をやっておかないと、交通方法変更したことによって、ますます沖繩県民自体が被害を受けないとも限らない。単なる本土の一県の交通区分の問題じゃないわけです。あれだけの軍事基地とあれだけの米軍の軍人軍属が現におるという実態の中でのこの問題に対しての対応の仕方というものは、余りにも私は事務的過ぎると思うのです。このことについても、この際明確にしておいていただきたいと思います。
  14. 室城庸之

    室城政府委員 前段の点についてお答え申し上げます。  まず、自動車等の補償についてでございますが、これは先ほども申し上げましたように、運輸大臣が責任を持ってこの解決に当たるという立場はございます。したがって、運輸当局といたしまして、現在いろいろ具体的な点について御要望等も承りながら予算措置等について努力をしておると思います。全体としてそれで解決がつかないような問題が生じた場合に、これは私ども全般調整をいたしますので、運輸省の方とも十分連絡をとりながら、どういう問題があってそれが運輸省の責任、権限で処理できないのかというような点も確かめながら、なおその上で県民皆さん要望にできるだけ沿うような努力をしたいということでございます。  さらに、現地のいろいろな各界の要望をどういう形で聞くのかという御指摘でございますが、これは先ほど申し上げました現地連絡会議が発足いたしました際の会議の運用の方法の中で検討してまいりたいというふうに考えております。
  15. 上原康助

    上原委員 運輸省、来ていますね。運輸省はいま言ったバスの問題とかタクシーの件とかはどのように予算措置をやろうとお考えなのか、これについて少し御見解を明らかにしていただきたいと思います。  それと、外務省の意向を聞く前に、関連しますので。  たしか五十二年度の予算で五十四億三千二百万円が計上されておりますね。その内訳は総理府が二百五十万、警察庁が六億八千万、交通安全施設実態調査などの計上分のようですね。沖繩開発庁が二十七億一千九百万、これは道路施設変更事業などをやる。文部省が七十九万円、これは主に児童生徒の指導、PRの問題でしょうね。運輸省は二十億二千八百九十万、営業バス、前照灯の代替対策、切りかえの対策、こういうことになっているわけですが、五十二年度は五十四億余で計上されているわけですが、この交通方法変更することによって、五十三年なり全体をいま私が指摘をしたような問題なども含めて、完璧とは言わないでも、まあまあこの程度はやらなければいかぬと政府考えている予算の見積もりというのはどのくらい考えておられるのか。これと、これは私の資料でこういうふうにいま申し上げたのですが、実際五十四億三千二百万円の使途とか内訳はどういう対策をしようとするのか、そういう内容についてもう少し具体的に資料として提出をしていただきたい、これを含めてお答えください。
  16. 石月昭二

    石月説明員 私、港湾局の参事官でございまして、本日、自動車局の関係の者が来ておりませんが、これからお呼びいたしましょうか。
  17. 上原康助

    上原委員 では、後回しにします。あなたは後で港湾労働者のことを答えてください。  交通対策室、いいですね、いま私が申し上げたことは運輸省とも協議して資料など提出していただけますね。
  18. 室城庸之

    室城政府委員 可能な限り御指摘のように運輸省と相談してみたいと思っております。
  19. 上原康助

    上原委員 それと、どのくらい予算が必要なのかも含めて——いまの五十二年度は五十四億三千二百万円というのは間違いないですか。もっと計上されているのですか。それに、この交通方法変更に伴う事業全体をやるのに、政府考えている範囲の予算措置というものはどの程度今後見通されるのか、これも含めて資料をお出しになっていただきたいと思うのです。
  20. 室城庸之

    室城政府委員 五十二年度予算案に計上されておりますのは、御指摘のように、五十四億三千二百万余でございます。  なお、五十三年度につきましては、五十二年度の予算というのはなるべく早くから手をつけておかなければ間に合わないというものを計上しておりますので、五十三年度の方にむしろ大きな金目が必要だというふうに考えておりますが、具体的にどこをどうするというような点はなお勉強しながら詰めておるという段階でございますので、現在の時点での各省庁の大まかな見積もりを寄せてみますと、五十三年度約百億円余の予算は絶対に必要だというところでございまして、いま具体的にどういう中身についてどうだという点につきましては、なおこれからの検討の課題でもございますので、資料等につきましては御猶予をいただきたいと思います。
  21. 上原康助

    上原委員 そこで外務省、先ほど私がお尋ねしたことについてどういう対策をアメリカ側と話し合っておられるのか、これに伴う費用の措置についてはどういうふうにアメリカ側は言っているのか、また政府としてはどういうふうな考えでやっているのか、明らかにしておいてください。
  22. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 米軍の軍人軍属、家族等が一般の道路を通行する場合は、わが国の交通法規を守ることは当然でございます。他方、基地内については、施設、区域の中では米軍が管理権を持っておりますので、外務省としましては、アメリカ側に対して合同委員会を通じまして、今後予想される交通方法変更関連して基地内と外とで交通方法等が異なるということであれば非常に困難が予想されますので、その交通方法変更等を含めて所要の措置をとるよう申し出てございます。  なお、費用の点につきましては、まだ米側と詰めた話をしておりませんけれども、一般的に申し上げれば、この費用は日本側が負担するということはあり得ないのではないかというふうに考えております。
  23. 上原康助

    上原委員 きょうは外務省の御見解はその程度承っておいて、今後推移を見ながらまたさらにお尋ねをしていきたいと思います。  そこで、次に行きますが、この交通方法変更は、政務次官もいらっしゃいますが、いま私が指摘したような問題、もう一度混乱の起きないように最大のなすべき措置開発庁としてもぜひやっていただきたいということを重ねて念を押しておきたいと思います。  そこで次に、三月四日でしたか、本委員会で取り上げたのですが、例の軍港湾労働者の問題なんです。あのとき石月さんですか、私も当時の情報では三月十日くらいまでに大体決着がっくのではないかということを申し上げて、またそういうふうに承っておったのですが、なかなか米側とのネゴシエーションがうまくいかないで、今日まだ解決のめどが立っていないわけですね。そこで、いろいろ沖繩県の副知事など、あるいは県知事もそうですか、関係労働商工部の皆さんも外務省なり運輸省なり開発庁要望をしておられるようですが、どうもむずかしい問題になると、基本的には労使間の問題だということで、なかなか米側との折衝も、中をとって積極的にやろうという姿勢でないと承っているのです。これはそうではいかぬと思うのです。確かに労使間のいわゆる請負業者とその雇用されている労働者との関係かもしれませんが、アメリカ側が契約高をめぐってうまくいかない面があるからこうなっているわけですね。二百五十名前後の労働者が解雇されて、しかももう四ヵ月たっている。同時に、アメリカの方は二百名近くの米軍人を入れて仕事をやっているわけでしょう。失業率七%とかなんとか言いながら、こういう事態というものは私は避けるべきだと思うのです、政府のいろいろなあの手この手を尽くしてでも。  きょうは外務省も来ていただけましたので、一体その契約担当官との話し合いというものはどうなっているのか、この問題の解決見通しは立つのか立たぬのか、政府として打つべき手はないのかどうか、お答えください。
  24. 石月昭二

    石月説明員 お答え申し上げます。  三月四日に先生に本件につきまして質問を受けまして以来、私どもといたしましても、米軍貨物の荷役につきまして、沖繩の港湾の労働事情もございますし、現地事業者にぜひやってもらいたいということは全く同感でございまして、終始その点につきましては私ども同じ考えでございます。  しかしながら、確かに先生が御指摘のように、本件につきましては米軍と港湾運送事業者という形の契約関係になりますので、私どもとしましても積極的にはなかなか介入できない。したがって、この前の後を申し上げましても、すぐ先生のお話の後、米軍の横須賀の調達本部でございますか、そちらの方に、こういう質疑もあったことだし早く契約をまとめてくれるようにというような依頼をいたしましたほか、再三にわたりましてそういう要望は米軍側にいたしております。最近に至りまして、先生お話ございましたように、三月二十八日でございましたか、沖繩の副知事さん並びに労働部の方がおいでになりまして、私どもの方にも陳情がございました。その後、私の聞いておりますところでは、沖繩の港運協会の会長もそのとき一緒に来ておりましたので、港運協会の会長と全国港湾の労働組合の方が横須賀の調達本部の方に参りまして、大分突っ込んだ話し合いが行われたようでございます。  私どもいま得ております情報によりますと、最近に至りまして、港湾運送事業者の側と、最終的な決定にはまだ至っておりませんが、かなり具体的に、委託金額等についても話が煮詰まっておるというぐあいに聞いておりますので、遠からず解決するのではないかというぐあいに考えている次第でございます。
  25. 上原康助

    上原委員 そんなまるで第三者みたいなことを言ってはいけませんよ、あなた。これは港湾運送事業の一部じゃないですか。そういう感覚がどうも合点、納得がいかないのです。  それで、外務省は、横須賀の調達本部とどういうふうにやっておられるのですか。新聞などを見ますと、何か大使館を通して、早目に業者との契約ができるようにしてもらいたいという要請をしたとかしないとかいうことも言っているのです。これはかって復帰前にも長い争議に発展したこともあるわけです。あのときもいろいろ政府の方にもお願いしましたが、要するにこれは一年契約で更新できないということになると、即その犠牲はそこで働いている労働者にしわ寄せをしているところに問題があるのですよ。  そういう点と、もう一つは、これは施設庁も来ておりますので、直接は関係ないかもしれませんが申し上げますが、確かに荷役は減っております。ベトナム戦争の時期より、現在の荷役量というのは相当というより三分の一ないし四分の一程度に減っているでしょう。その事実は私たちは認めます。だが、依然として二百名前後の労働者を必要とする荷役量はあるのですよ。そうであるならば、いまのように労使紛争を毎年繰り返すよりも、いっそのこと直接雇用にしたらいいのじゃないですか、アメリカ側の港湾労働者という立場で、MLCか何かに。そういうことも含めて、外務省なり施設庁なりは検討してもらわないと、この問題は年じゅうごたごたしますよ。中間マージンを業者が取ろうとする。利益がなくて仕事をやる人がいまのこの世の中にいますか。そうであるなら、むしろアメリカ側としても、請負をさせるよりも直接雇用にした方がある面ではいいかもしれない。そういう点を含めて、外務省も運輸省も検討してみるに値する問題だと思う。そこいらを含めて、ひとつ御見解をお聞かせください。
  26. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 ただいま先生指摘の点につきましては、外務省としてもできる限り早期に解決を図りたいという気持ちを持ちまして、累次にわたりまして、在京米大使館を通じて、この問題を解決するように現在申し入れ中でございます。方向としては、やはり業者と米軍との間の契約でこの業務を行っていくという方向解決してほしいということを求めております。ただ、在京大使館を通じてでございまして、横須賀の方には、その大使館の方から外務省の気持ちというものは伝わっているというふうに私は理解しております。
  27. 斎藤一郎

    斎藤(一)政府委員 ただいまのお話の件は、先生もちょっとおっしゃいましたが、直接わが方の所管の従業員の問題ではございませんが、私どもとしてもひとつ関心を持ちまして、われわれの立場でできることがあれば、また関係省庁ともよく相談してやってまいりたいと思っております。
  28. 上原康助

    上原委員 外務省の浅尾参事官、もちろんいまおっしゃったような側面的な交渉といいますか、お話し合いしか外務省の立場でできないかもしれません。しかし、こういう問題について一歩踏み込んだらどうですか。直接雇用にするようなことなども含めて、もう一度誠意をもってこの問題の早期解決のために外務省としても当たる、また運輸省としても、米側なり業者とも話し合って解決をするということをやっていただけますね。これはもう少し誠意ある答弁をください。
  29. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 先ほど御答弁いたしましたように、外務省としては直接その契約の内容を詰めるという立場にございませんけれども、先ほど申し上げましたような気持ちで、本件の解決で側面的に何かできないかということで、在京米大使館に申し入れている段階でございまして、先方の回答を待ちまして、先生指摘の基本的な問題について何がなし得るかということは改めて検討していきたいと思います。
  30. 石月昭二

    石月説明員 先生の御趣旨をよく踏まえまして、外務省とも十分連絡をとりまして、もしそのような方法が可能であれば、また沖繩の組合の人たちが望むことであるならば、できるだけその御趣旨に沿って努力したいと思っております。
  31. 上原康助

    上原委員 これはもう昨年十二月からの争議でありますし、非常に重要な問題ですから、ひとつ開発庁もぜひ御努力をしていただいて、いま私が指摘したような問題、もちろん必ずしもそういうことで十分とは言えないかもしれませんが、一つ方法でもあると思うのですね。それを含めて解決に御努力をいただきたいと思います。  次に、このこともすでに何回かお尋ねをしてきたのですが、VOAの職員の問題なんです。来月の五月十四日で現在のVOAが閉鎖され、それに伴って、そこで働いておられる職員の皆さんが必然的に解雇になる。外務省なり開発庁にも何回か私的にもお願いをしてきたのですが、なかなか今日まで色よい御回答なり、またその問題解決のために政府が積極的にやっておられるというような感じも受けません。  そこで、率直に言って、この問題は政治判断の問題だと思うのですね。要するに、復帰前は、ここに働いている職員は、第一種なり軍雇用員と同等の扱いをしてこられたのです。復帰というこの歴史的な変化と、さらに政府政策によって一つ事業が閉鎖をされて、今日多数の失業者が出ているさなかで職を失わざるを得ない職員に対して、単に政府機関の雇用員でないからということで見過ごしていい問題ではないと私は思うのです。このことについても、五月十四日というタイムリミットもありますので、開発庁、施設庁、外務省、改めていま少し関係者が協議をしていただいて、何らかの措置を講じてもらう、関係者から要望を出されている問題について真剣にお考えになっていただきたいと思うのです。私は正直に申し上げて、ここで言いっ放し、聞きっ放しの問題にしたくないのですよ。幾らわれわれが調査をして具体的に問題提起をしても、その場限りで何とか言い逃れをされたのでは、ちっとも問題解決にならない。そういうものが積もり積もって、ますますいろいろな違和感というものも出てきているわけですから、ここら辺をひとつよくお考えになっていただいて、再検討をしていただきたいと思うのですが、そのことに対する御答弁を改めてお聞かせをいただきたいと思います。
  32. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 先般衆議院の予算委員会等を通じまして、先生初め各委員の方からの御質疑の中で、このVOA問題についての政府の取り組みの御質疑があったと承知をしております。  繰り返しになりまして恐縮でございますけれども先生も御案内のように、このVOAの問題につきましては、いわゆるこの御要望が一昨年来ございました当初には、私の理解が間違っておらないといたしますと、従来わが国の雇用保険に加入をしていないというために、いわゆる関係機関におきまして、この問題の処理のために米国側と協議をいたしまして、やっと昨年の四月から雇用保険にも加入することとなり、失業後は雇用保険法によりますところの失業給付等を受給することができるようにいたしたことは先生も十分御案内のとおりでございます。離職者につきましては、当然沖繩振興開発特別措置法の規定によりまして、離職者の申請がございましたならば失業者求職手帳が発給されるわけでございますので、失業の日から三年間は就職促進手当が支給されるわけでございます。なお、県とも数次にわたりましていろいろその後協議をしておりまして、離職者の再就職のための紹介あるいは再就職訓練等についても十分遺漏のないよう取り計らうよう協議してまいりました。  ただ、端的に申しまして、先生の御質問の趣旨はやはり離職者の退職手当の問題であるわけでございましょうが、この退職手当の問題につきましても、先般私の方の大臣からも御答弁をいたしましたように、これまでいろいろと外務省その他関係機関とも相談をいたしたのでございますけれども、何といいましてもこのVOAの正規の従業員ばアメリカ合衆国広報庁の職員ということで、雇用労働条件等が当事者の間の雇用契約あるいは労働契約によって決定されておるということで、国内法令に抵触をしない限り第三者といいますか、国が介入をすることがむずかしい、こういうこともあるわけでございます。  そういう非常に困難だということを前提の上で、先般の委員会等におきましても私の方の大臣から検討をいたしたいという御答弁を申し上げた経緯を踏まえまして、私ども事務当局としましてもなお関係省庁と協議を続けたいと思っておりますが、いま申し上げたような非常にむずかしい状況にあるということを、非常にくどいようでございますが、御理解を賜りたい、こういうふうに考えております。
  33. 斎藤一郎

    斎藤(一)政府委員 ただいまの件につきましては、さきの港湾労務者と同じ立場にございまして、先生の御案内のように、直接雇用者ではございませんが、施設庁の立場で御協力申し上げることができるものがあれば、また関係省庁と御相談してやりたいと思っております。
  34. 上原康助

    上原委員 むずかしい問題であるからこの委員会で何回も取り上げて、むずかしいことを承知の上で解決してもらいたいと言っているわけです。むずかしくなければいままでとっくに解決しているのですよ。したがって、はっきり申し上げて、国の政策によって失業をする、失業せざるを得ない立場に追い込まれでいる方々に対しては、やはり政府としてはそれなりのめんどうを見ろということなんですよ。単なる離職者の問題の一環として考える問題じゃないんだ。したがって、政府としてば特別給付金の問題など、第一種雇用員にいまのMLCあるいはIHA、諸機関労務者に支給されている程度の特別給付金ば私は支給してしかるべきだと思うのです。現にそれだけ長い間VOAの職員として、あるいは沖繩の軍事基地という取り扱いを受けてきたのですよ。ただアメリカ広報庁の、別人格の雇用であるというだけで差別をすることはまかりならぬ。この点を改めて御検討いただけますね。
  35. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 ただいまも答弁申し上げましたように、先般の委員会等で私の方の大臣が御答弁した趣旨に基づきまして、事務当局としても今後進めてまいりたいと思います。
  36. 上原康助

    上原委員 労働省もうお見えになっていますね。先ほどの軍港湾の問題とこのVOAの問題、これは開発庁中心になっているようですから、開発庁と外務省、労働省、ひとつ御協議の上でやっていただけますね。
  37. 谷口隆志

    ○谷口(隆)政府委員 先ほど御指摘のありました軍港湾の荷役作業の労働者の方々の問題につきましては、運輸省の方から話がありましたとおり、最近私どもが聞きましたところでもある程度の進展が見られたということでございますので、できるだけ早く解決いたしまして再雇用が進められることを期待しておるわけでございます。ただ、契約内容によりまして、従来雇用されておられました方々が全員再就職されるということが困難なこともあろうかと思いますが、もし万一離職されるようなことがございましたら、沖繩振興開発特別措置法に基づきます沖繩失業者ということで、就職促進手当、訓練手当の支給等、その他各種の就職援護措置によりまして再就職には最善の努力をしてまいりたいということで考えております。  それから、VOAの従業員の方々の退職金の問題につきましては、先ほど沖繩開発庁の方から御説明ありましたとおりでございまして、私どもといたしましても、退職金制度が本来労使の間で決定される問題でございますので、先般私どもの方の大臣からも、関係省庁協議して努力してまいったけれども非常にむずかしいという御答弁をしておりますけれども、そういう事柄の性質上なかなかむずかしい問題だろうかと思います。さらに関係省庁と十分協議を続けてまいりたいと思います。
  38. 上原康助

    上原委員 最後に、防衛施設庁にお尋ねをしますが、防衛施設庁には何から聞いていいかわからないほど問題があるのですが、きょうは一、二点だけお尋ねをしておきたいと思います。  せんだって私も沖繩に行っておったのですが、現地まで行く時間はありませんでしたが、キャンプ・シュワブの海兵隊が、名護市内の福地川の上流と辺野古川の上流で新たな軍事演習道路を、非常に無残な形でいまブルドーザーを四台ぐらい使ってやっているということなんですね。しかも、この地域というのは沖繩県の広葉樹林などがあって、県の林業試験場などもある。先ほど言いましたように、辺野古川あるいは福地川の上流近くになっておって、名護市民の、辺野古部落ですか、現に簡易水道としての水源地にそこはなっているということですね。こういうところを、施設内には違いないかもしらないが、あるいは演習場だということで、市にもあるいは県にも、また私の聞いているところによりますと、那覇防衛施設局も全く連絡を受けなかった。無残にも森林などを破壊した形で敷きならしてやっているということは、本当に占領意識まる出しだと思うのですね。一体こういうことを政府は放任するのかどうか。全くけしからぬ行為だと思うのです。どういう調査をなさって、どういう対策をやったのか。アメリカ側に抗議なり、そういうことを直ちにやめさせるようなことをやるのかどうか。防衛施設庁としてとった措置、今後とろうとしている措置について少し御見解を聞かせていただきたいと思います。
  39. 斎藤一郎

    斎藤(一)政府委員 ただいま御指摘のキャンプ・シュワブの中の米軍の行為でございますが、これは事前に私どもに対して何の連絡もなかったのでございます。遺憾ながら、三月二十五日に名護市の方から御連絡があって初めて承知したという経過になっております。  で、先生案内のように、米軍に提供した施設にあっては、地位協定の第三条で、米軍がこの施設の設定、運営あるいは警護、管理、そういった面の必要なすべての措置を執るということにたてまえ、原則がなっておるものですから、米軍としてはこのような道路も施設の中で建設することが認められるというたてまえでやったことかと思うのでございます。しかしながら、同時に三条の中に、米軍の作業は、公共の安全に妥当な考慮を払って行われるべきであるということが規定されておりますので、まさにいまのような場合は、大変大切な地元の水源地になっておるところでございますので、そういう意味合いでは十分な考慮を払ってやるべきである。したがって、このような周辺地域に影響を及ぼす行為をやる場合には、日本側に何らか事前に連絡をして行うのが当然である、そういう意味で、事前連絡がなかったことは大変遺憾であると私ども思っております。今後こういう工事をする場合には、事前に日本側に連絡をして、そして所要の必要な調整を行ってそれからやりなさいということを、とりあえず三月三十日に申し入れをしてございます。  もう一つは、これに基づいて、わが方ではすぐに関係市の名護市の担当者とわが防衛施設局の担当者が現地調査を行っております。その結果、ただいまのところ、御指摘の水源地にある簡易水道についてすぐに汚濁を生じておるというふうには認めておりませんが、今後降雨時に汚濁が生ずるおそれがあるのではないかということが判明しておりますので、防衛施設庁としては市当局と十分協議いたしまして、必要な障害防止の工事を、これは何をさておいても実施する、そして地元の方々に御迷惑のかからないような措置をとりたいというふうに思っております。
  40. 上原康助

    上原委員 少しは前向きのといいますか、やるべきことはできる範囲でやったというような、やろうとしておるというお答えだと思うのですが、全くけしからぬですよね、幾ら軍事用地内だといったって。こうやるところに、いまの沖繩の基地問題のむずかしさといいますか、あるいは米軍の占領意識でやっている。しかもまた、そのことを政府としてもなかなか十分対処し切れない弱さを持っている。これではますます基地問題なり地域問題等をめぐる県民の要求というものは強まる一方で、基地に対する県民感情というものは、とてもじゃないが解決するどころか、反対運動が高まることになると私は思うのですね。したがって、いま幾つかの点については対処をするということをお述べになりましたが、綿密に調査をしていただいて、被害については政府立場で十分補償をする。また、この県の試験場なり水源地に影響を与えるような工事は、今後拡大をさしていかない。アメリカ側に対してもそういう無謀な形での基地内での道路工事というものはやめてもらう、そういった、一歩踏み込んだ形で対策を講じていただけますね。
  41. 斎藤一郎

    斎藤(一)政府委員 先ほどもお答えしましたように、この種の工事が今後再び同じような状態で行われることのないように、私どもとしては最善の努力をしたいと思っておりますし、すでに行った工事で出てきた障害に対しては、できる限りの措置をとりたいというふうに思っております。
  42. 上原康助

    上原委員 これで終わります。
  43. 稲富稜人

    稲富委員長 玉城栄一君。
  44. 玉城栄一

    ○玉城委員 ただいま上原先生から万般にわたる質疑が交わされたわけでございます。昼食時間をはさみまして、私、大急ぎで質疑を交わしてまいりたいと思います。  ただいまの上原先生の御質疑の中で、例のVOAの問題がございました。これは関連がありますので、ぜひ私も一言お伺いしておきたいわけであります。  実は、先日の予算委員会分科会で労働省とこの問題について私も質疑を交わしたわけでありますけれども、大臣の御答弁では、何としてでも前向きに、開発庁中心にして、ぜひこの問題を解決するためにがんばっていきたいという意味の御答弁も承っておったわけであります。しかるに、先ほどの政府側の御答弁は、いままでの答弁の全くの繰り返し、もうそういう話は何回も聞いておるわけでありまして、一歩も前進しておらない。先ほども指摘がありましたとおり、来月、五月の十四日であります。四月に入っておるわけでありまして、こういう状態では果たしてできるのかできないのか、問題は一点です。その退職金のかさ上げができるのかできないのか、その一点が問題になっておるわけでありまして、その見通しについて、これは政務次官の方が詳しいと思いますので、ひとつぜひこの問題に対する前向きのお答えをいただきたい。よろしくお願いします。
  45. 國場幸昌

    國場政府委員 おっしゃるとおり、VOAは国策によってこれが撤去され、従業員の待遇関係において要請があるわけでございますが、長官のおっしゃったという、これからも鋭意努力して、今後、見通しはないといえども最善の努力をする、こういうことをおっしゃっておりますので、政務次官としましてもその点に対しましては最後まで努力していきたいと思います。  私は沖繩選出の議員でもあるし、いま沖繩開発庁の重責を帯びる政務次官になっておりますが、そこに折衝の中で見解の相違が、沖繩の議員の一人として、利益代表としてここで考え方に対してちょっと申し上げますと、VOAはなるほど広報庁の、アメリカの国務省に所属するものである。(玉城委員「次官、事情はよくわかっておりますので見通しを」と呼ぶ)そこが、質問の中から、いまありませんでしたので申し上げておきますが、復帰のときのその問題からしましても責任のあります関係上、一言だけは申し述べさせていただきますが、恩給制度によってそれを基本にするところのいわゆる雇用契約を結んでおるわけなんですね。でありますので、恩給が国策によってあと一年、二年にするとこれがなくなってしまう。ことにこういう人たちに対しての救済策をどうするか。しかし、陳情の中でもこの方に対しましては、私どもはかようなることに対しても要求はいたしておりません、ただ軍雇用員と同一なるところの退職手当だけは支給していただきたい、こういうことでございますので、それを体しまして、法制度にありては、現行法に対しては、その保障というのは国家がやるべきかどうかというような疑問の点もありますが、しかし最後までそれに対して、できるだけ目的達成のために努力していきたいと思います。
  46. 玉城栄一

    ○玉城委員 これは政務次官も事情をよく御存じのとおり、また関係も深いわけでありまして、本当にかわいそうです。問題は退職金のかさ上げの問題でありますので、ぜひ何らかの解決をやっていただきたい、強く要請をしておくわけであります。  先ほど上原先生の御質疑の中にもありました来年七月末の沖繩交通区分変更の問題、これは県民にとってきわめて重大な多くの問題を含んでおります。私は、後日また改めてこの問題はお伺いをしてまいりたいと思います。  時間もございませんので、私は与えられた時間全部というわけにはまいらないと思いますので、ただ、この復帰特別措置の延長の問題、それともう一点は食管制度特別措置の延長の問題、それから例の戦後処理の問題、復帰処理の問題に関連しまして、旧読谷飛行場の国有地の問題、公庫の運営の問題についても、時間があればちょっとお伺いをしておきたいわけであります。  まず最初に、沖繩復帰をいたしましてこれまで、いわゆる県民生活に重大なショックを与えない、あるいはあの特殊な環境の中で育ってきた地場産業の発展にブレーキをかけない、マイナス面を与えない、あるいは二十七年にわたる沖繩のそういう特殊な施政権下の中においての各面にわたる格差是正を早急にしなくてはならない、いわゆる国民的標準を確保しなくてはならない等々の目的を持って、沖繩本土復帰する際に復帰特別措置が行われて、今日まで五年を経たわけであります。しかし、その目的が果たしてそのとおりできていたかどうか、この点につきましては、政府の御認識もあるとおりでありまして、この今回の沖繩復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の説明の中にも、「政府は、その後の沖繩県を取り巻く社会経済情勢の変化等に顧み、」したがって、あと五年間延長する、こういうふうにして今回法律改正が提案をされておるわけであります。したがいまして、この「その後の沖繩県を取り巻く社会経済情勢の変化」ということをどのように認識しておられるのか、その点を局長の方からぜひ御説明をいただきたいと思います。
  47. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 先般、復帰特別措置法の一部改正法案を本委員会に御提案をさせていただきました際、開発庁長官からも提案理由の説明の中で述べさせていただいておりますように、この復帰特別措置法は、先生もよく御案内のとおり、五年前の沖繩復帰に際しまして、当時の沖繩県のいわゆる行政、財政、経済、諸制度万般にわたりまして本土との間に大きな懸隔があったことにかんがみまして、同時にまた、これを直ちに本土の枠組みに組み入れるには余りにも沖繩の経済及び県民生活に大きな影響があるという前提で、おおむね五年を目途にこれを逐次本土並みに組み入れる、こういうための特別措置法であったことは御案内のとおりでございます。  この五年たった現時点において考えてみますと、やはり提案理由の説明で長官から申し述べさせていただきましたように、当初予定をしておりませんでした沖繩を取り巻く社会経済情勢の変化、それから沖繩県におきますところの県民生活の安定、経済動向等の実態から、やはりしばらくの延長をする必要があるということでございまして、具体的に申し上げますと、何といいましても復帰後、沖繩県民所得あるいは経済成長は本土を上回る伸びを続けてきたのでございますけれども、ちょうど御案内の石油ショック等が、沖繩のみならず、本土全体において大きな影響を及ぼしたわけでございまして、これに伴いますところのいわゆる物価問題あるいは沖繩における中小企業の収益の悪化、こういった問題が惹起をいたしたわけでございます。  なお、これに加えまして、先ほども上原先生の御指摘にもございましたけれども海洋博につきましてはいろいろ評価及び見解がございますけれども、とにかく海洋博後におきまして、かなりの沖繩県経済における不況という状況が横たわっておることは否めない事実でございます。  こういつたことを総括をいたしますと、沖繩県経済及び県民生活に相当大きな影響が出ておるというふうに政府としても考えざるを得ません。  このような状況の中で、復帰特別措置を現時点で打ち切るには、県民生活の現状あるいはいま申し上げましたような脆弱な県経済を考えますと、余りにも打撃が大きいと考えられますので、当面、県民生活の安定と地元産業の維持振興を図るために、復帰特別措置をさらに原則として五年をめどに延長せざるを得ない、こういうふうに判断をいたしたわけでございます。
  48. 玉城栄一

    ○玉城委員 それに関連をいたしまして、先ほども上原先生の御質疑にもありました例の食管制度特別措置の延長の問題、したがってこの問題も、ただいまの政府の御認識のとおりに、やはり当然五年——今回のこの法律は税制関係特別措置でありますけれども、その基本的な認識に立つならば、当然やはり食管制度特別措置の延長という問題につきましても、そういう方向で延長されていくべきものだと私ば理解をしておるわけでありますけれども、その点について、農林省の方いらっしゃいますか、どのようなお考えを持っていらっしゃるのか、お伺いします。
  49. 小野重和

    ○小野説明員 米の政府売り渡し価格につきましては、御案内のとおり、沖繩県におきましては、復帰時の価格をベースにいたしまして、その後五年間は、本土の米の政府売り渡し価格のアップ率にスライドしてアップさせる、こういうことで現在に至っております。  その格差は、比率としては復帰時と現在と同じでございますけれども、絶対額としましては、当時はトン当たり六万七千円でございましたが、現在は十二万四千円ということで、相当大幅なものになっております。したがいまして、これを一気に本土並みにするということは慎重な態度で臨まなければいけないというふうに私ども考えております。  いずれにしましても、調整期間取り扱いにつきましては、沖繩県当局その他から、現行の三年を八年にするようにという御意向を私ども十分承っておりますし、また沖繩県民生活あるいは経済動向等の実態も十分考慮いたしまして、今後関係省と協議しながら検討してまいりたい、かように存じております。
  50. 玉城栄一

    ○玉城委員 私の場合は、先ほどのトン当たりのものではなくて、消費者米価、標準米十キロ、復帰時の四十七年沖繩が八百円、本土が千五百十円、七百十円の開き、いまの時点では、同じく沖繩が千四百五十円、本土が二千七百四十円で千二百九十円、当時七百十円の差といいますか、これが現在千二百九十円、額にしまして開いているわけですね、率は同じでありますけれども復帰しましてこの四年間、同じ消費者米価のアップ率で沖繩もアップはしてきましたけれども、金額そのものについては大きな開きが出ているわけですね。したがって、この三年間において本土並みに統一価格調整しようということですね。  それで、これは大ざっぱな数字ですけれども、消費者米価のアップが四十九年約三〇%、五十年が二〇%、五十一年が一〇%、トータルして六〇%、三で割って二〇%。したがいまして、この三年間で消費者米価が毎年どういう形でアップしていくか、これは予測しがたいことです。しかし、この三年間のトータルを単純にしましたときに、二〇%ですか、そんなに上がっては困るわけですけれども本土の米価と沖繩特別措置の米価との差が四五%、この三年間で毎年約二〇%消費者米価が上がっていく、そして四五%の開きがある。金額においてはもっと開いておるわけです。それをこの三年間で本土価格に統一して引き上げようということになりますと、これは県民生活にきわめて重大な影響を及ぼすことはもう当然です。米の値段というものはあらゆるものに波及していきます。したがいまして、今回の特別措置の延長に対する政府の基本的な認識というものが、県民生活に重大な影響を及ぼすものについてはいわゆる五年間は延長するんだということで、この税制関係またほかのものについてもそういう基本的な認識の上に立って延長しておられるわけです。このように米について、県民生活にきわめて重大な影響を与えるものについては、同じような認識の上に立って、県の要請している五年延長という問題、したがいまして合わせて八年になりますか、そういう形で年数を延ばして、できるだけショックを与えない形で沖繩の米価というものを本土の米価と同じ水準に引き上げていく、これはもう当然そうならなくてはならないと私は理解しておるわけですが、もう一回その点について御答弁お願いします。
  51. 小野重和

    ○小野説明員 これから三年間に本土政府売り渡し価格がどうなるかということは、現段階では何とも申し上げられませんし、いずれにしましても、過去の三年間の、たとえば四十九年、五十年、いわゆる狂乱物価の影響を受けたようなそういう大幅な売り渡し価格の引き上げということはないかと思いますが、いずれにしても、沖繩における米の政府売り渡し価格の扱いにつきましては、おっしゃるとおり、急激なショックを与えるということは、これは問題だという認識におきましては、私ども全く同様でございます。  いずれにしましても、具体的な取り扱いにつきましては政令を改正する必要がございまして、その政令改正につきましては、五月の十五日から調整期間が始まるわけでございますから、その前の四月中には最終的な結論を出したい、かように思っております。そういうことで関係省と協議しておる段階でございまして、具体的なことはちょっと申し上げられませんけれども、今回の特別措置法改正の趣旨等も十分踏まえまして私どもとしては対処してまいりたい、かように存じております。
  52. 玉城栄一

    ○玉城委員 開発庁にお伺いしますが、ただいまの食管制度特別措置の延長につきましては、先ほども局長の御説明がありましたとおり、そういう特殊な沖繩の経済社会情勢の変化にかんがみ、この税制関係については五年延長するんだ、また、したがいまして、そういう認識に立つならば、当然県民生活に重大な影響を与えるところの米の値段の問題につきましても、私どもは当然そういう五年の延長ということを理解をしておるわけでありますけれども、そのように理解していいかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  53. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 先ほど上原先生にも御質問でお答えいたしましたように、開発庁といたしましては、県を初め関係方面からの要請を踏まえまして、できるだけ県民生活影響が、激変といいますか、強いショックの形で及ばないように、そういった御要請を踏まえて、農林省初め関係方面にも現在折衝といいますか、働きかけておるということだけ御報告しておきたいと思います。
  54. 玉城栄一

    ○玉城委員 次の問題に移ります。  この問題も沖繩の戦後処理、また復帰処理の大きな問題の一つであります。同時に、その問題だけではなくして、やはり憲法の二十九条の財産権に関する重大な侵害問題である、このように私ども考えておるわけでありまして、開発庁考え方をぜひお聞かせいただきたいと思うわけであります。  三月十七日の予算委員会での五十二年度予算案の審議の中において、これは締めくくり総括質疑であったわけでありますけれども、例の旧読谷飛行場の国有地の問題、この問題の不当性あるいは不法性についての質疑が交されたわけであります。その中で総理が、調査をして、国有財産台帳から消す必要があるものについては消すという発言をされておられるわけであります。このことについては、沖繩開発庁としては御存じでしょうか、お伺いします。
  55. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 読谷の国有地の問題につきましては、私、個人的になりますけれども、二年前現地の総合事務局長もいたしておりますし、土地調査、いろいろな関連の問題の中で、この問題は沖繩現地で非常に大きな問題として取り上げられていることは十分認識をしておるつもりでございます。  先般の予算委員会におきまして大蔵当局の方からも御答弁がありましたように、この読谷の国有地の問題につきましては、その後大蔵省を中心関係省庁が集まりまして、今後のこの問題に対する調査と申しますか、検討等につきましても含めて協議を行ったわけでございます。これまでに行われました調査の結果の整理検討を現在行っている段階でございます。  いずれにしても、開発庁としましても国有財産そのものについては直接の所管ではございませんけれども沖繩現地における大きな問題であるという認識のもとに関係省庁と十分協議をいたしまして、この問題に対処するつもりでございます。
  56. 玉城栄一

    ○玉城委員 いま関係省庁と言われたが、これはいつ、どういうメンバーでどういう省庁あるいはどういうクラスの方々がお集まりになって、どういう話し合いをされたわけですか、お聞かせください。
  57. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 私が承知しております範囲では、大蔵、法務、防衛施設庁、自治省、それから沖繩開発庁等の関係省庁が、主に担当課長クラスだと私理解しておりますが、三月の二十四日に集まりまして、先般、委員の御指摘にございました予算委員会での新井議員あるいは近江議員等の皆さんから御質問のありました国有財産に編入された当時の経緯あるいは土地所有権証明書の発行等の問題を中心に、従来、大蔵におきますところの国有財産関係部門で調査されました結果の資料と突き合わせをいたしまして、検討が行われた、こういうふうに承知しております。
  58. 玉城栄一

    ○玉城委員 そうしますと、従来の問題の資料の整理という会合を三月二十四日に持たれておるわけですけれども、この問題は実は沖繩開発庁は所管ではないという御認識のようでありますが、しかし非常に重大なかかわり合いがあるわけですね。といいますのは、御存じのとおり、復帰時点で国有財産土地台帳というのですか、これにこの読谷の飛行場地については国有地であると記載をされたのは沖繩開発庁が記載をされておられるわけです。これは読谷飛行場だけではなくして、まだ多くのこれに類する旧日本軍接収地の国有地として扱われたものについて記載がされておるわけであります。したがいまして、これは沖繩開発庁とされてば非常に重大なかかわり合いのある問題であるわけでありまして、先ほど最初に申し上げました三月十七日の予算委員会において調査をする、調査の結果消すべきものについては消すんだという御発言で、総理の考え方が正式に述べられておるわけです。したがいまして、この調査をするということは、この問題については非常に重要な問題になってくるわけです。  沖繩開発庁とされましてこの問題について調査をどのようにされるのか、あるいはまたいつごろされるのか、それについてお伺いをいたします。
  59. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 先ほど私が御答弁をいたしました中で、沖繩開発庁が全くこの所管でない、あずかり知らないというふうな印象を与えた答弁を申し上げたとすれば、私も訂正をさしていただきますが、沖繩開発庁としては、当然沖繩における大きな問題の一つでございますし、土地につきましてはいろいろ関連の問題も抱えております。そういう意味で、私どもが全然あずかり知らない問題だという意味で申し上げたわけではございませんで、たまたま問題の中心が国有財産台帳に記載された読谷等のいわゆる旧買収用地の問題でございますので、一応、一義的に大蔵省の国有財産担当部局が司掌をされまして、関係省庁が集まり、この問題に対処するという意味で申し上げたつもりでございます。したがいまして、関係省庁がこれらの調査検討の後、さらに現地につきまして調査をするということになりますかどうか、私はまだ当時の会議の内容につきまして詳細を担当課長から聞いておりませんが、いずれにしましても、先般の予算委員会等を通じまして政府といたしましてそういう御答弁をしておる趣旨もございますので、早急に事案の解明が関係省庁の間でなされるというふうに理解をしております。
  60. 玉城栄一

    ○玉城委員 詳しいそのときの模様をお聞きになっていらっしゃらないということでありますけれども、私はこの問題につきましては事前に質問通告もいたしておりますし、当然御存じの上だという前提で私はお伺いをしておるわけでありますが、大蔵省の事務当局では四月の中旬に現地調査団を派遣するということをすでに明らかにしておるわけですけれども開発庁としてはどうなんでしょうか、お伺いします。
  61. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 先般の大蔵省、関係省庁会議の席上におきましては、私の聞いておりますところでは、いま先生から御指摘のありました四月以降現地調査団を派遣すると申しますか、調査に行くということにつきましては、関係省庁横並びの議題としてそういうお話はなかったように聞いております。ただ、大蔵省におかれましても、国有財産の大きな問題でございますので、内部で検討はされておるかと思いますが、現在の時点では関係の機関の方からそういう具体的な調査の日程あるいは編成等についての連絡申し入ればないというふうに聞いております。
  62. 玉城栄一

    ○玉城委員 そうしますと、開発庁としても、いつ調査団を組んで、これがどういう関係省庁間の一つのチームになるのか、あるいは各省ばらばらでやっていくのか、その点はまだはっきりしないわけでありますけれども、先ほど申し上げましたとおり、あの予算委員会で総理が、調査をする、調査をして、その結果によって国有財産として外すべきものについては外すんだということをおっしゃっておるわけです。したがって、この調査をするということはこの問題の解決においてはきわめて重要なポイントになるわけですね。したがって、開発庁とされてはその調査ということについてどのように考えていらっしゃるのか。  これに関連しまして、ちょっと飛びますけれども、その調査の結果、いろいろな問題が出てくると思います。その結果に対して、総理が御答弁された国有財産台帳から外すべきものについては外すということについて、開発庁とされてはどのようにお考えになっておられますか、お伺いします。
  63. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 冒頭御答弁申し上げましたように、旧読谷のケースに見られますような国有財産の取得の問題につきましては、その取得の経緯について非常に大きな御質疑といいますか、御質問がありましたような問題があるというふうに私ども理解をしておるわけでございまして、この点につきましては、先般の予算委員会等におきましても大蔵の国有財産当局からしばしば答弁がありました点の中のいわゆるかみ合わないと申しますか、基本的な問題、たとえば土地所有権証明の問題等のあることを十分理解しております。しかしながら、開発庁が率先をしましてこの問題の処理に当たるということにつきましては、やはり問題が国有財産の台帳に登記といいますか、記載をされている国有財産のいわゆる取得をめぐる問題でございますので、あくまでそういった観点からは大蔵省の国有財産当局あるいはまた法律的な問題としては当然法務省等そういった登記の問題も出てくるわけでありますので、そういった関係の機関が中心になっていただきまして、もちろん先生指摘のように、開発庁としてはその他の土地調査、いろいろな土地に関する問題は沖繩自体の問題として持っておるわけでありますので、側面といいますよりもむしろ協力をいたしまして問題の処理に当たるということについてはやぶさかではないわけでございますが、何と申しましてもそういった関係もございますので、大蔵あるいは法務省当局とも十分連絡をとりまして、先生が御指摘のような線で、今後なるべく早く検討ないしは調査というものが進むよう、先生の御質疑の意も体しまして今後の会議開発庁としても臨む所存でございます。
  64. 玉城栄一

    ○玉城委員 局長は大分アウトサイダー的な、協力する、側面的なということをおっしゃっておられますけれども、この経緯の中では開発庁は重大なかかわり合いがあるのです、先ほど申し上げたとおり。開発庁の総合事務局の財務部がこれを国有財産として記載されたわけですね。記載していらっしゃるわけです。ですから一皆さんが国有財産だとして記載された、そこにまた大きな問題があるわけです。皆さん、どういう根拠でこれを国有財産だと認定をして、その国有財産台帳ですかに記載をされたわけですか、お伺いいたします。
  65. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 何分、国有財産台帳記載の非常にシリアスな問題でございますので、私、的確なお答えはできませんが、別の方面から、ちょっと弁解がましくなるかと思いますが答弁をさせていただきますと、沖繩総合事務局は沖繩開発庁の総合出先機関であることは御指摘のとおりでございますけれども、国有財産の管理、処分につきましては、端的に申し上げまして、総合事務局の財務部は大蔵大臣の指揮監督を受けておりまして、実は開発庁長官の指揮監督を受けてないわけでございます。これはもちろんこの大蔵の国有財産部門だけではございませんで、総合事務局の機関そのものが、それぞれ本土におきます各ブロック単位の行政機関の総合的な機関になっております。もちろん総合事務局長というものの調整権といいますか監督権を踏まえて、開発庁が無関係であるということを申し上げるつもりはございませんが、第一義的には、それぞれの法律に基づく権限の行使については、大蔵大臣あるいは通産大臣等所管の大臣の指揮監督を受ける、こういう形になっておることを御理解いただきたいと思います。
  66. 玉城栄一

    ○玉城委員 その問題について私はここで詳しく皆さんと議論するというつもりはありません。ただ、そういう事実であることには間違いないわけです。それが例の三月一日の予算委員会の一般質問並びに三月十七日の締めくくり総括質問の中で大きな議論が展開されたわけであります。もう御存じのとおりであります。したがって、その問題をずっと掘り下げて、皆さん方の責任問題とかいろいろな問題もあるかとは思いますけれども、それは別にしましても、実は二十九日に沖繩県の方で、旧日本軍が接収をした旧読谷飛行場に類する土地についての一応の県内の実態を調べて発表したものがあるわけですね。これは十三市町村、十五カ所です。筆数にしまして六千百九十九筆ですか、地主の数が二千百名、総面積が一千三十四万七千五百五平方メートル、その中には飛行場関係が九カ所というようなおおよその実態をまとめて、県側の方で二十九日発表しておるわけです。したがいまして、開発庁とされては、当然この旧読谷飛行場に関連をしまして沖繩における国有地問題について調査をされるときには、ただいま私が申し上げましたように県の調べたものについても調査をされると思いますけれども、いかがでしょうか。
  67. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 ただいま先生指摘の県の調査の概要といいますか、現地の新聞によってそれも私拝見はしておりますが、正式に県からこの問題につきまして直接まだ話の内容を詳しく伺っておりません。いずれにしましても、先ほどからしばしば御答弁申し上げておりますように、大蔵、法務を初め関係省庁会議が今後数次持たれるでしょうし、必要に応じて現地調査もあることかと思いますので、県からそういうまとめられました資料の提示がございましたら、関係省庁とも十分協議検討さしていただきたい、こういうふうに思っております。
  68. 玉城栄一

    ○玉城委員 開発庁とされまして、この問題についてこれから関係省庁と協議を進めるということでありますけれども、再三申し上げておりますとおり、予算委員会でも大きな議論が交わされて、総理もそのような答弁もされておるわけであります。開発庁とされて、この問題について積極的に調査をしていくのだという方向で、方針で、そういういろんな関係省庁との連絡会議などに臨むのかどうか、その点お伺いいたします。
  69. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 現地の総合事務局の中には、先ほど御答弁いたしましたように、財務部という、くどいようでございますが、大蔵大臣の指揮監督を受ける国有財産管理部門もあるわけでございますので、総合事務局を含めまして、全体として開発庁にかかわりがあることは御指摘のとおりでございますから、どの部署でどういうふうにやるという具体的な問題についての表明は避けたいと思いますが、いずれにしましても現地サイドを含めてそういった機関を通じて適切な調査検討がなされるよう、われわれとしても十分先生の御質問の趣旨を体してやりたいと思います。
  70. 玉城栄一

    ○玉城委員 この問題は皆さん何かはっきりおっしゃれない性質のものであるかもしれませんけれども、戦後きわめて長い間、本来の地主はこの問題についていまこそ何とかしてこの問題を解決しなければならないということで、いま真剣に関係者準備も進めておるわけです。それに呼応して政府も早急にしっかりした調査団を派遣されてそしてこの際実態を明らかにして、早く返すべきものについては本来の地主に返してあげるということをしないと、このままの状態が一日でもずるずる延びていくということは、先ほど申し上げましたとおり、いわゆる憲法二十九条に関するきわめて重大な問題なんです。といいますのは、確たる土地の代金の支払いという証拠もなくして、それを国家権力によってそういう一定の土地というものを占有することができるのかどうか。これはきわめて憲法に関係してくる重大な問題であるわけですね。したがって、政府がそういうことが許されるということはないわけでありまして、一日も早くこの実態が明らかにされて、すっきりこの問題が解決されるように積極的に取り組んでいただきたい、このように強く要請をしておきたいと思いますし、私はまたこの問題が一日も早く解決できるまで、あらゆる発言の機会をとらえて政府の姿勢をただしてまいりたい、このように決意もしておるわけであります。  それでは次に、沖繩振興開発金融公庫の運営状況につきましてお伺いしたいわけでありますけれども、最近各種資金の貸し付けの回収の状態が、本土に比べて何か三倍ないし四倍沖繩は延滞率が高いんだというようなのがちょっと一部報道があったわけであります。そのことに対応して、開発庁は主務官庁でありますので、その回収業務を強化するために管理部に第三課を新設されるというようなことも何かその記事の中にあったわけであります。回収業務の強化のためにそういう対応する部門を強化するということは、それなりにわからないではないわけですけれども、同時に並行して、なぜ沖繩の場合本土に比べて三倍ないし四倍も延滞率が高いかという原因の究明、それに対する解決策が並行してとられないで、ただ回収率が悪いから回収をよくするためにその部門を強化するんだということだけであっては、これはまたひどい結果になるわけでありまして、その点なども含めて、同時に沖繩については特別金利、特利、これがあるわけですけれども、今後の方向と申しますか、その点についてもあわせて御答弁お願いしたいわけです。
  71. 亀谷礼次

    亀谷政府委員 先般、現地紙だと存じておりますが、沖繩公庫の延滞という問題に関連しまして、今後の貸し付けの回収等についていろいろの記事を私も拝見しております。  先生も御案内のように、沖繩振興開発金融公庫は、本土復帰しました際に、本土の各政府金融機関の業務を一元的に取り扱う、いわば沖繩における政府金融機関の窓口的な公庫でございますが、やはり沖繩の公庫といえども本土政府金融機関と同様政府からその基本となります原資、それから金利としての体系を維持するための一般会計からの利子補給、万般の財政措置を講じておる金融機関であることには変わりがございません。そういう意味で、また他方、公庫の運営が経営として健全に行われることが沖繩の県経済に対する公庫の寄与の仕方としても望ましいわけであるわけでございます。  私が承知しております現在の公庫の債権管理の状況から申し上げますと、率直に言いまして、復帰前からの継承の債権を含めてでございますけれども、回収の状況が必ずしも思わしくない。計数的にははっきり申し上げることは差し控えたいと思いますが、一般的に資金の滞留といいますか焦げつき、こういったものが本土の一般金融公庫に比べて相当高い倍率になっておるというふうに理解をしております。もちろん先生指摘の意味も、その中で特に復帰後の経済のいろいろな変動、ただいま私どもがこの法律の一部改正法案を出しておる趣旨も、まさに御指摘のとおりでございます。そのほか海洋博後の落ち込み等含めまして、企業主の万般の方々の中には相当苦しい方も多いわけでございますので、そういった面を配慮しながら債権管理を行うことは国策金融機関として当然のことでありますけれども、どうも私が率直に受ける印象としましては、こういうことを申し上げると先生のおしかりを受けるかわかりませんが、やはり沖繩県民の方といいますか、お借りになった方もわりにのんびりしていらっしゃるといいますか、元利の償還についてお忘れになるという言葉は、表現は適当でございませんが、厳格な債権償還について必ずしもおなれになっていない。また、かたがた本土公庫としてあの公庫ができましたときのいきさつもございますが、いま御指摘のありましたように、債権管理部門としての公庫側にも必ずしも十分な体制がなかった、こういう面も率直に言わせていただきますならばあったことは否めない事実だと私は思います。  そういう面で、繰り返しになりますが、公庫の健全な経営を図るということが間接的にはやはり沖繩における政策金融機関としての公庫の位置と申しますか、機能にも重大な影響があるわけでございますので、今回五十二年度予算でただいま御指摘のような公庫の機能の強化を図ったわけでございます。しかしながら、くどいようでございますが、そういうことによって、現実の経済の落ち込みに伴う個々の債権の管理につきまして、これを厳しく取り立てると言いますか、実情に合わない運用をするということでは毛頭ないわけでございます。  なお、金利等につきましても、世上いろいろ新聞等でも拝見をしておりますが、五十二年度現在の私どもの運営計画の中で、沖繩の県経済に非常に重大な影響のあります項目につきまして、目下のところ、この金利を改定をするというふうには考えていないわけでございます。
  72. 玉城栄一

    ○玉城委員 延滞率が沖繩は高いというのは、そういう認識というのは、私きわめて意外に感じたわけです。なぜ延滞率が高いのか、その理由の一つ局長さんは全然次元の違う話を持ち出しておられるわけですけれども、決してそうじやないわけでしょう。沖繩の深刻な、特に海洋博後のいわゆる経済の落ち込み、これはそういう経済的に重要な要因がそこに絡んでおるわけです、中小企業関係にしましてもあるいは宿泊関係にしましても。そういう理由が絡まっておるという認識ならば私は理解できるわけです。ですから、そういう皆さんの認識を延長していくならば、当然この沖繩特別についても打ち切るんだという結論が出てくるんじゃないかという感じがするわけです。ですから、そういう認識について、これはもう少し深刻に、真剣に開発庁としてはしていただかないと、これは沖繩を所管する官庁としてはきわめてまずいと、私は初めて出てきた議員でありますけれども、本当にそういう感じが強くしてならないわけであります。したがって、その沖繩特利の問題にしましても、たとえば住宅資金が〇・五%確かに沖繩は安いわけです。なぜそう安くしなくてはならなかったのか、その理由というものをやはりしっかり踏まえた上で対処していかないと、ただ形だけ、制度だけはどんどんどんどん一本化していく、しかし実態はどんどんどんどん離れていく、格差はひどくなっていくというような結果がこれからもどんどん出てくると思うわけでありまして、時間もありませんので、ひとつ真剣に、そういう甘い認識ではなくして、もっと実態を厳しく認識した上で対処していただくことを強く要望して、私の質問を終わります。
  73. 稲富稜人

    稲富委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十四分散会