○篠原
説明員 お答え申し上げます。
国鉄の
出資会社は、最近六社いたしましたけれども、四月になってからでございますので、昨年までの実績で申し上げますと四十六社ございます。ただ、私どもが
出資いたしました四十六社は少し性格が違っておりますので、大別いたしますと二種類に分けることができるかと思います。
国鉄の輸送と一体となりまして、荷主あるいは旅客にサービスを提供して、ひいては
国鉄の輸送を
確保し、
運賃収入の
確保を図るというのが第一のパターンでございまして、いま
一つのパターンは、それはもちろんでございますけれども、そのほかに用地を活用いたしましたりいたしまして客貨の
運賃収入以外の収入の
確保を目的としたものの二種類に分けられると思います。
後者のものは、最近四十六年に
政令で追加していただきましてからできました駅ビルでございまして、その他の大半のものは第一のパターンに属するものと思います。
したがいまして、その裏の、
出資会社のメリットと申しますか、成績を論じます場合には、配当金とかそういうものではなくて、その
会社の設立の
趣旨に沿ってどれだけの目的を果たしたかということで評価すべきものであろうと考えます。
第一のパターンは、四十六社のうちの大半でございますけれども、たとえば旅客におきましては二社に
出資いたしておりますが、これらはいずれも
国鉄の旅客の増倍と申しますか、旅客収入の獲得に非常に大きな寄与をいたしております。なお、二社とも八%の配当をいたしておりますので、われわれはこれは最上の部類だろうと判断いたしております。
次に、
貨物関係でございますけれども、これは臨海
鉄道と物資別ターミナルでございまして、合計十四社ございます。これらはいずれもとは申し上げませんけれども、これからは
会社の配当でございますとかあるいは地代でございますとか、そういうものの
確保よりも、むしろ輸送の
整備と申しますか、によりまして近代的な輸送サービスを提供いたしまして
国鉄の
貨物輸送を
確保する、ひいては
運賃収入の
確保に努めるということが目的でございます。
したがいまして、その効果でございますけれども、
貨物の方は、最近相当輸送量が減っております中にありましても、これらの
会社の扱いに属しますものにつきましては減ってもおりませんので、まずまずの成績であろうと考えます。ただ、遺憾ながら二十四社のうちで配当いたしておりますのは一社だけでございまして、あとの
会社は配当に至りません。ただ、先ほど申し上げましたようにいろいろな
会社の設立の経緯、目的がございますので、これらの
会社すべてにつきまして配当なり地代なりをすぐ求めるということは困難であると思います。ただ昨年の
運賃値上げの効果というのがございまして、だんだん経常収益の方は上がってまいっておりますので早晩配当に至るであろう、ただ全部と申し上げる自信はございません。
次に、バスターミナルが三社ございますけれども、これも少し性格が違っておりまして、
利益と申しますよりも
交通政策と申しますかそういう観点、あるいは都市の
交通の問題、発着の場所の統合という問題からスタートした問題が多うございまして、その中に
国鉄の発着場所を
確保するということでスタートしてまいりました。したがいまして、三社ともまだ配当に至っておりませんけれども、二社はそれぞれ
利益を出しておりますので、これも早晩配当に至るであろう。ただ所期の目的はおおむね完遂していると考えます。
最後のパターンでございますけれども、これは旅客駅の近代化をいたしまして、お客様方にサービスいたしますとともに
国鉄の関連
事業収入を
確保する、あるいは配当収入を期待するという性格のパターンでございますが、四十六年に初めてお認めいただきましたものでございまして、それから
会社をつくりまして工事をやった関係でもございますので、まだまだ開業いたしまして一番古いものでも三年でございますので、まだ配当に至っておりません。ただかつてからありますものに
国鉄が後から
出資いたしました一社については配当いたしておりますが、
国鉄が四十六年以降
国鉄主導と申しますか、
国鉄の
責任によってつくりましたものは配当には至っておりませんけれども、いずれも所期の
計画どおりの成績を上げておりまして、五十一
年度決算から配当が始まるであろうとわれわれは期待いたしております。
なおまたこれは配当とは別でございまして、構内営業料金と申しますけれども、いわゆる地代的なものがございます。われわれは固定的な地代という観念ではなくて売り上げに応じた地代をいただく、それをちょうだいいたすということでございまして、それが五十
年度で十億円、五十一
年度はまだ確定いたしておりませんけれども、多分十四億円くらいは構内営業料金をいただけるであろうと考えておりますので、まず所期の成績を上げていると考えます。
ただ概括的に申し上げましたけれども、いずれにおきましても決して十分ではございませんので、
会社にはそれぞれの設立の目的、経緯がございますので、各社一社ずつ設立の
趣旨に沿った効率的な
経営が行われているか、あるいは
企業的な
経営が行われているかということをもちろんわれわれは一社一社つぶさに検討し、トレースをすべきだろうと考えております。