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後藤(茂)
政府委員 先生御
指摘のシーランド社のマルプラクティス問題につきましては、本年の一月五日に米国の連邦海事
委員会がこの件に関する公表を行っております。その公表によりますと、シーランド社がアメリカの
法律に違反してリベートを払っておった事実に関連して四百万ドルの罰金を支払うという点について、連邦海事
委員会とシーランド社の間に和解が成立した。何か
日本にはそういう制度はないようでありますが、四百万ドルの罰金を支払うことになったということでございまして、その機会に、この連邦海事
委員会の新聞発表は、この種の事案についての連邦海事
委員会の基本的な
考え方というものをるる説明しておりますが、その説明は三つの項目からなっております。
〔
宮崎委員長代理退席、増岡
委員長代理着席〕
その
一つは、現在のバッキー長官が就任以来、精力的にアメリカ
関係の定期航路におけるこの種の不公正なるやり方を根絶するために、第一に船主を説得をして、そして自今そのような行為を絶滅するというふうなことを話をした、彼はこれは昨年四月に京都でやったと言っております。これは事実私も承知しておりますけれ
ども、京都アコードと言っておりますが、太平洋に就航しております米国、
日本その他の船主が京都で
会議をしておりますところにみずから出てまいりまして、その人たちとひざを交えて、こういうことをやらぬようにしようではないかという話をしたということが
一つうたい上げられております。
第二に、連邦海事
委員会は事務局の中に法令執行局とでも訳する新しい局を新設をいたしまして、この種の取り締まりに専念をする新たなる
組織をつくっております。
第三に、この連邦海事
委員会はファクト・ファインディング・インベスティゲーション・ナンバー9、これは
法律に基づいて広範な、事件捜査ではございませんが事実の調査を
組織的にやる、そういう計画を立てておりまして、そしてアメリカ
関係の定期航路の全部について精力的にこの種の事項の調査を昨年から始めております。
これらのことがるる述べられておりまして、今回のシーランドのリベートのケースがそういう物の
考え方の一貫として行われたものであるかのごとく説明をされております。
なお、このFMCの発表は、最後に、今後もこの種の事案を取り締まると申しますか規制するについては、アメリカ船であるかアメリカ船でないかということについては全く
意識せず均等に扱うのである、ユニフォーミティー・オブ・エンフォースメントと言っておりますが、つまり
外国の船主あるいは
関係者であってもアメリカの船主と同様に扱いますという
考え方が述べられております。
この件についての
日本の
考え方でございますけれ
ども、いまも御説明申し上げましたバッキー連邦海事
委員会委員長が一昨年の十一月に就任して以来、非常に精力的に
運賃同盟の中で、ときどきうわさに出ておりますこの種の行為の絶滅のためにいろいろと
努力をしておるということはわれわれも承知をしております。また、そのために彼はこれまで二度にわたって
日本に参りまして、
日本でいわばちょうど対応する官庁である
運輸省の人とひざを交えて懇談する機会をつくっておりますが、私
どもは、現在アメリカの連邦海事
委員会がとっておりますこの種の不公正なる行為の絶滅を期することによって航路の安定、
運賃同盟の健全なる運営を図るという
考え方には全く同感でございます。また、そのような
方向に沿って、私
ども日本の中でもこの種の行為が
日本関係の定期航路で行われておるということがもしありとせば、それは非常に望ましくないことでございます。また方法のいかんによっては
日本の法に触れることでもございます。長年にわたって私
どもは、このようなやり方というものはしないようにということで行政指導を行ってまいっておりますけれ
ども、アメリカにおけるそのような
動きというものと呼応いたしまして、
日本の
政府では、昨年の秋に
日本の
関係の船会社に対して、これまでやったことのない強力なる行政指導を行っておりまして、その結果、実際問題といたしましては、ことしの一月以降はこの種のことはうわさにも出ない状態になっている、私
どもはそのように
考えております。