○小林(政)
委員 この問題について姿勢を正して、
行政のあり方はかくあるべきという方向を目指して懸命に努力をしていくということについては、本当にそれはもう当然のことでありますし、やらなければならないというふうに私は思いますけれ
ども、
運輸省当局が国会でずっとこの問題について
答弁をされてきた、それと、検察側の冒頭陳述というもの、これは膨大なものですから、全部が全部比較するというようなことまではまだ私
自身としてはやっているわけではありませんけれ
ども、少なくとも大型ジェット機の導入の問題と、それから大型ジェット機の導入延期の
決定という問題について
運輸省当局が国会で責任を持って
答弁をしてきたそれと、冒頭陳述とが、全く
余りにも大きく食い違っておるんじゃないか、こういうことで、実は非常に私
自身大きなショックを受けました。結局、大型ジェット機の導入の方針につきましては、これは木村元
運輸大臣が五十一年六月三十日のロッキード特別
委員会で「四十七年に
航空会社の方で大型機を導入したいという一応の五カ年計画があったということでございまして、
運輸省として四十七年に導入するという方針は決めていないわけでございます。したがって、」「四十七年という導入の時期というものを
運輸省は別に明確な方針として持っていないということが前提でございます」、こういうふうに答えている。そしてまた、五十一年の七月七日のロッキード特別
委員会でやはり木村元
運輸大臣が、「四十七年度に導入するというような方針はないわけですから、方針を変更するということもなかったわけでございます。」このようにきっぱりと
答弁をされているわけです。ところが今回の冒頭陳述によりますと「
運輸省は、昭和四四年ころ
航空旅客
需要の動向を分析した結果、昭和四七年度ころを目途として両社同一時期に大型ジェット機の導入を認める方針で臨むこととした。」こういうふうに書かれておりますし、また、「
運輸省は、昭和四七年度に大型ジェット機を国内幹線へ就航させるとの方針でのぞんでいたところから、昭和四五年一二月二日、同年一一月三〇日付で」
——日航から四十五年十一月二十七日付で
運輸大臣に対してジャンボ機四機の取得認可
申請が出ておりましたね。これを認可したということがはっきり冒頭陳述では言われているわけです。私はこれはやはり大きな食い違いであるというふうに思いますし、また導入延期の
決定についてということでも、これはまたもっと大きく基本的な違いが出てきているのです。これはやはり元木村
運輸大臣ですが、「四十五年の十一月ごろから、
航空局としては万博後の予想した情勢とは大分
航空需要が違ってきておるということに気づいておったわけでございます。」「両会社が競って四十七年というのは適当ではないではないかというふうな、そういういろいろな要素を含めて検討をして、四十五年の暮れごろからこの計画は少し大き過ぎるんじゃないかというような感じを持って指導してまいったわけでございます」、これは五十一年九月八日のロ特の
委員会での発言でございますし、それから山元監理部長も五十一年七月八日のロ特の
委員会で「四十六年の二月時点におきましては、日航、全日空の両社の長期計画がまとまり、大型ジェット機を含めまして導入テンポが速過ぎるのではないかというような、いろんな問題について意識を持ったわけでございます。それで、その時点におきましては、私
ども事務当局では、全日空からどうこうという話は聞いていないわけでございます。」「全日空から初めからそういう働きかけがあったということではなくて、やはり私
どもとしては、あの状態のもとで、全日空としては、技術面を中心にして体制が、」「果たして安全面から見て大丈夫であろうかという点に危惧を持ったというのが事実でございまして」と、一貫して
航空局の態度あるいは
運輸大臣の態度というのは、
運輸省の自主的な判断に基づいてやられてきたものなのだ、こういうことで、いま私が読み上げた発言は特徴的ですから、はっきりとその点がうかがわれるわけです。ところが検察側の冒頭陳述は、実際に橋本は「四六年二月上旬ころ事務次官町田直に右意向」「日航の計画している昭和四七年度大型ジェット機国内幹線導入を全日空との導入時期についての
話し合いがまとまるまで延期」させるということで、橋本元
運輸大臣の指示でこれを延期したんだということをはっきり言っているわけです。また、「橋本の意を受けた町田事務次官は、内村
航空局長、
住田監理部長と大型ジェット機国内幹線導入につき種々協議し、」「従来の同四七年度導入の方針を転換して日航に対し大型ジェット機を同四七年度から国内幹線に導入する計画を中止させ、日航及び全日空両社の協議によって合意に達した時点に導入するよう
行政指導を行うことに決した。」このように書かれているわけです。これはやはり
運輸省が自主的判断に基ついていままで
行政指導を続けてきたんだという態度に対して、橋本
運輸大臣の意を受けてということが、はっきりと冒頭陳述ではうたわれているわけです。
そこで私は、きょう法務省のどなたか来てもらっていると思いますけれ
ども、この冒頭陳述というものは単なる作文とか何かとは違って、相当の根拠を持ったものであろうというふうに思われますが、その点について冒頭陳述というものは何を根拠に、どのようにしてつくられたものであるのか、その点をまず明らかにお聞かせをいただきたいと思います。