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国務大臣(
福田赳夫君) まず、
自民党総裁になるつもりなのかならないつもりなのかと、こういう
お話でございますが、私は、こういう重要な職は、これはかき分けておれがおれがと言って、そうしてそれに、その地位につくという、そういう行き方、これはもう排撃しなければならぬ、こういうふうに考えております。しかし、推されて、そうしてあなたでなければならぬ、ぜひ頼むと言われた場合に、これはたじろぐ、引っ込むという姿勢もまたよくない、こういうふうに思いますので、私は、全党員が
福田やれということになればこれは
勇躍してその任につく、こういうふうに申し上げます。
それから第二は、今後の私の行動、これは
挙党協を踏まえてやるのか、あるいは自分
自身でやるのか、こういう
お話でありますが、もし私がただいまのように、ただいま申し上げたように、全党から推されて
自由民主党総裁になるといいますれば、この
総裁としての
立場において私の識見をもってやっていく。もとよりこれは、
自由民主党全体の支持を得なければならぬということは、これはもう当然でございます。
それから第三に、
党大会は、これは人事
大会にするのかどうか、こういう
お話でございますが、私は、この
党大会というものは、これは田代さんも御承知と思いまするけれ
ども、これはまあ非常に重大ないきさつを経てこれを開催する、こういうことになってきたんです。いわゆるこの
党大会をシャンシャン
大会なんかに終わらしちゃ相ならぬ、こういうふうに考えております。つまり、この
大会の性格というものは、
ロッキード事件の後を受けまして、この
ロッキード事件は
自由民主党の連帯
責任である、
自由民主党全体として
国民に謝罪する、その謝罪として
自由民主党は再出発するんだ、こういう性格のものにすべきである、こういうふうに考えております。
それから、私の
内閣における
立場、つまり私はいま党の
大同団結のための運動、これの代表者にはなりましたけれ
ども、同時に、
内閣副
総理大臣兼企画庁長官であります。私は、まあそういう党の
立場ではありまするけれ
ども、同時に、国政につきまして大事な
立場にあるわけでありまして、この国政につきましては、これはあくまでも国政が順調に進むようにということを念願をいたしておるわけであります。ただいまこの時点において私は
内閣における
立場を去るというような考えはありません。まあ党内における状況はこれからいろいろ変転すると思いまするけれ
ども、その変転する環境の中で私の進退は慎重に決めていきたいと、こういうふうに考えております。ただ、その私の進退がどういう
立場に置かれようとも、いま当面する国政の大問題は何といってもこの
国会に御審議をお願いいたしております国鉄、電電の両法案、この法案につきましては全力を挙げて努力をするということをはっきり申し上げます。
それから、私が記者会見で
三木総裁に対し七〇%の人の信頼が動揺しておると、こういうふうに申し上げたが、
福田さんも七〇%
三木さんに対して
不信を持っているのかと、こういう御
質問でございますが、ただ、そのちょっとパーセントの置き方が、何というか、つり合いがとれないような感じがするんですがね。まあ、いろんな意味で
三木さんに対する信頼が動揺しておると、それを総合しますと全党員の中の七〇%ぐらいの人が
三木さんに対して疑いを持っていると、こういうことを申し上げたわけなんですがね。私は、その七〇%に及ぶ人々がいろんな
立場から、まあ信頼動揺ということになっておるんですが、それを集計すると七〇%になると、七〇%の人の信頼が揺らいでいるということを申し上げておるんで、その七〇%に及ぶ人、その個々の人がどういう気持ちでそういうふうになってきたかということについては、私は、私の
所見は申し上げませんけれ
ども、その結果においてとにかく七〇%に及ぶ人の信頼が党
総裁として揺らいできたと、これはもう重大な問題だと思うんです。まあ
政党政治、これはやっぱり
政党を基盤として
施策を実行すると、こういう
立場ですよ。ですから、やはり党内の人心、これを背景として
政治施策を進めなきゃならぬ。それをまた進めることが、これが民主
政治だと、こういうふうに思うんですが、まあそういう圧倒的に多数の人の信頼が揺らいだということ、この事実です。この事実につきましては、私は非常にこれを憂えておる、こういうことでございます。
それから、
派閥解消は総論だけでなくて実行するのか、こういう
お話ですが、これはもうね、私はもう本当
派閥解消というのはきのうも演説しましたが、これはもう明治維新の版籍奉還、廃藩置県にも似た、これ重大にしてかつ困難なことだと、こういうふうに思うんです。これはもうぜひ、しかし困難であるけれ
どもやってのけなきやならぬ。これができなけりゃ
自民党は再出発と言えないと、こういうふうに思うんです。まあそういうことを提唱した以上、私は
自由民主党の
総裁に仮に選ばれるということになれば、私はもう率先して
福田派というものの解散をすると、こういうことはここにはっきり申し上げておきます。
それから、私が私の
立場について党サイドの
立場と
閣内における
立場を分けておるが、たとえば
灰色高官なんかの問題につきましては、
総理にこれは十分進言、補佐をしなけりゃならぬ
立場じゃないかと、こういうようなことですね。私は
灰色高官問題、これにつきましては、これは
政府としてこれを積極的な
立場でその氏名の発表等をするということはなかなかむずかしいんじゃないかと思うんです。
事件の
解明、これはもとより
政府がやるべきことで、もうやっております。しかし、このいわゆる
政治責任——刑事
責任を超えて
政治責任の問題とすると、まさに私は国政
調査権の発動としてこの問題を明らかにするという性格のものじゃないかと、こういうふうに思うんです。国政
調査の必要上、
政府に御要求があるという場合におきましては、
政府はこれはできる限りこの
調査に協力すべきであると、そういうふうに考えておりますが、その協力をどういうふうにするかということにつきましては、私はまだその内容を申し上げることはできません。できませんのは、この問題の具体的な内容というのは私
どもに全然知らされてないんです。これは
総理大臣と恐らく法務大臣が御承知なんだということかと思いますがね、私などは
事件の捜査結果の具体的内容というものは全然つんぼさじきに置かれておるわけですから、これはお答えすることができないと、こういうふうに申し上げておきます。