○
秦豊君
防衛局長ね、あなたは
防衛局長であってもちろん
装備局長ではないけれ
ども、やはり
防衛局長の私はミニマムな
一つの職能というのは、
空幕が持っている情報と同じ水準と量でなければいけない。量質ともに完備しなければならない。最も最新の情報と、そうしてORの結果と各国の趨勢と
日本の
運用と、これがなかったら、ぼくは
防衛局長の
一つの責任が全うできないと思うんですよ。いまあなたの
質問にはどうも答えられませんと。
空幕はもう答えられるのですよ。そうじゃありませんか。答えられると思うから
上申するんですよ。一本にするんですよ。15なんです。あなた
防衛局長として、何か
空幕と
防衛局の間がまるで海の向こうのような隔たりを感じますね。こんなことではぼくは不安でしようがない。しかも、まだこの
段階でとあなたはおっしゃるけれ
ども、
国防会議は、
長官のおっしゃるようにあした
FXは素通りですよパスするんだ。だけどね、いやしくもこれはもう恐らく一月か何かの間に15で突っ走ろうとする体制があなた方サイドではできるんですよ。そういうときに
防衛局長が、あなたの
質問にはこれ以上はどうも、何だか詳しいことはどうも、申しわけないというふうな
答弁では、決して変な小手先の片言隻句をとらえた言い方ではなくて基本的に私は納得がいたしかねる。
幾ら聞いていても、やっぱり
F15が何で望ましいのかなあ、さっぱり茫漠として私なんかの頭ではわかりません。なぜだろう。全然私の疑問は氷解できません。しかも基本的に、ならば私
どもの
調査の
一つを申し上げたいと思うんですけれ
ども、あなた方はORをなすったと、
空幕は。仮に16の航続の場合ちょっとあいまいな点があるんだけれ
ども、仮に北部方面で稚内のところで会敵をしたと、要撃をするという事態、この不幸な事態を想定すると、千歳を発進して超音速に加速して稚内を目指しますね。それで14も、15も会敵して、いわゆるあなたの用語で言えば要撃をして戦闘速度をアフターバーナーでふかす、帰ってくるというときに、戦闘は二分間くらいしかできない、
F15だったら。千歳発ですよ、稚内、二分間くらい会敵して作戦して、さて急いで帰らなきゃならぬという場合に、機内燃料だけでは足りませんよ、
F15は。タンクを持っていかなければだめですよ。タンクを持っていかなかったらどこまで行けるのかな。千歳にはもちろん帰れますよ。だけど、千歳がもし爆撃をこうむっていて着陸できない場合には、三沢に行こうかしらんと思う、あるいはもっと南に行こうかしらんと思う、ところが、それは不可能であるという
程度のレンジです。こういうケースはソビエトを相手にした場合たくさんあると思うんですよ、望ましくはないけれ
ども。それに比べて14の場合には、機内燃料だけでもっと南、松島のかなり南まで南下することができるのではないか。
一つとらえても、あなたは要撃能力は非常にすぐれていると言わんばかりだったが、私は稚内北方のある想定を考えただけでも非常に不安が残る。一事が万事とは決して言いません。私の持っている情報などは非常に寡少であって、あなたの情報、うずたかくデスクに積まれている情報に比べれば何百分の一でしかないだろうから自信はないけれ
ども、これ
一つをとっても、ぼくは15が望ましいという有力な証左にはならぬと思うのだが、どうなんですか。