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渡辺武君 私は素人だから、いまおっしゃったこと
余りよくわからぬのです。何を
説明受けているのかさっぱりわからない。
しかし、問題を初めに返しますと、あなた方はかかった総経費、これが
住宅用も事務用も同じようにかかるんだということで、そのまま一本当たりに割り掛けしているわけでしょう。それは間違いですよ。なぜかと言えばさっきも言ったように、事務用の
電話の繁忙時、
住宅用の
電話の繁忙時、最繁忙時、これでも通信が通るように設備はかなり余裕を持ってつくっているわけですね。だから、その最繁忙時に事務用の
電話の通信量がどのくらいあるのか。そうすればその設備のうちでこの事務用の
電話の負担分は大体この率ということになるでしょう。あなた方はそれをやってないから私は言っているのだ。
あなた方が、最繁忙時のトラフィック比をさっき二対一とおっしゃった。この資料ですと、
住宅用が三〇%で事務用が七〇%という比率になっている。この
数字でさっきの「
電電公社の現状」というものですね、事務用
電話黒字論、
住宅用電話赤字論をはじき出しているでしょう。だから、この資料を基礎にして——この資料の計算の仕方は間違っている。少なくとも通話時間だけでもってトラフィック比を出そうとしている。これは常識から
考えたって、
国鉄だって輸送量がどのくらいかというのを調べるのに、距離の問題を全然別にして、積むトン数だけを問題にするなんてばかなことはしないですよ。トンとキロとを総合して輸送量というのを見る。
電電公社の場合でも、通話時間と距離というものを総合して
考えなきゃならぬでしょう。あなた方のような専門家がそんな点に気づかないはずはない。私のような素人だって見りゃすぐわかる。
私、専門家に計算してもらった。いま市内で言えば三分使えば度数料七円、いまたとえば東京から福岡まで
電話をかけると、七円の
料金を取られるには、二・五秒で取られる。それは距離が長いからいわゆる通信量が多いということになって、そういう計算になってくるわけでしょう。そこのところを考慮して計算したらどういうことになるのか。
もう時間がないから、私どもの方の計算の結果を申します。そうしますと、構成比は
住宅用の
電話の方が二二・七%、事務用
電話が七七・三%、こうなるんです。そこであなた方が計算している
電話一本当たりの経費四千六百円、これをこの比率でもって事務用、
住宅用に配分したらどうなるのか。もちろん
住宅用の
電話の本数と事務用の
電話の本数の
関係も考慮に入れながら計算した。そうしますと、あなた方の
数字で計算しても、
住宅用電話一台当たり一カ月の
収入は二千六百円、あなた方の
数字どおり。ところが費用の方は一千八百九十一円になる。差し引きずると七百九円の黒字になるんです。事務用の
電話の方は、
収入はあなた方が言っているとおり七千四百円、ところが費用の方は一万九十一円になる。差し引きすると、事務用
電話は二千六百九十一円の
赤字になるんです。
原価計算のやり方という専門的なところで、自分たちの専門的知識を十分に発揮して科学的な計算をするならとにかくも、専門的知識を持ちながらこうした計算のごまかしをやる。そして
住宅用電話赤字論なるものをでっち上げて、
住宅用電話中心にして
料金の大幅引き上げをやろうとする。言語道断と言わなきゃならぬ。そのことからしても今度の
料金値上げは主として
住宅用電話で
値上げをしようとしている。設備料については先ほど申し上げたとおりやめるべきだと思う。そうして、主として大
企業が使っているテレックスその他等々、こういうところの
料金及び設備を適正に改めることが、いま
公社が宣伝している
赤字問題を解決する
一つの重要な手だてだと思う。その点どう思われますか。