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1976-11-04 第78回国会 参議院 逓信委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年十一月四日(木曜日)    午前十一時七分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         森  勝治君     理 事                 長田 裕二君                 原 文兵衛君                 最上  進君                茜ケ久保重光君     委 員                 川野辺 静君                 郡  祐一君                 迫水 久常君                 新谷寅三郎君                 高橋 邦雄君                 棚辺 四郎君                 土屋 義彦君                 案納  勝君                 片山 甚市君                 森中 守義君                 塩出 啓典君                 藤原 房雄君                 山中 郁子君                 木島 則夫君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  福田 篤泰君    政府委員        郵政政務次官   左藤  恵君        郵政大臣官房長  佐藤 昭一君        郵政省郵務局長  廣瀬  弘君        郵政省貯金局長  神山 文男君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵便貯金法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○身体障害者電話料金割引等に関する請願(第  一七〇号)(第七九八号)(第八七五号)(第  一三八七号)(第一三八八号)(第一三八九  号)(第一三九〇号)(第一三九一号)(第一  三九二号)(第一三九三号)(第一三九四号)  (第一四五七号)(第一四七八号)(第一五一  〇号)(第一五一一号)(第一五一二号)(第  一五一三号)(第一五一四号)(第一五一五  号)(第一五一六号)(第一五一七号)(第一  五一八号)(第一五八八号)(第一五八九号)  (第一五九〇号)(第一五九一号)(第一五九  二号)(第一五九三号)(第一五九四号)(第  一五九五号)(第一六七一号)(第一七三五  号)(第一七三六号)(第一七三七号)(第一  七三八号)(第一七三九号)(第一七四〇号)  (第一七四一号)(第一八三六号)(第二八一  〇号)(第二八一一号)(第三二七二号)(第  三四六二号)(第三四六三号)(第三九七九  号) ○電信・電話料金値上げ反対に関する請願(第一  六八四号)(第一六八五号)(第一六八六号)  (第一六八七号)(第一六八八号)(第一六八  九号)(第一六九〇号)(第一六九一号)(第  一六九二号)(第一六九三号)(第一六九四  号)(第一六九五号)(第一六九六号)(第一  六九七号)(第一六九八号)(第一六九九号)  (第一七〇〇号)(第一七〇一号)(第一七〇  二号)(第一七〇三号) ○盲人に対する電話料金減免措置に関する請願  (第二〇一三号)(第二二五〇号) ○電報電話料金値上げ反対に関する請願(第二  一一五号)(第二八〇一号)(第三六二七号)  (第三九七八号) ○北海道足寄町に公社電話設置に関する請願(第  二五七二号) ○滋賀県の県域放送の育成に関する請願(第三〇  三二号) ○電話電報料金値上げ反対等に関する請願  (第三一〇〇号) ○電報電話料金値上げ反対等に関する請願(第三  一〇一号)(第三一〇二号)(第三一〇三号)  (第三一四六号)(第三二四九号)(第三二五  〇号)(第三二五一号)(第三四六〇号)(第  三四六一号)(第三九四一号)(第四〇二五  号)(第四〇二六号)(第四〇二七号) ○過疎地における電話設置及び維持費軽減措置  に関する請願(第四一一三号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件     —————————————
  2. 森勝治

    委員長森勝治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  郵便貯金法の一部を改正する法律案及び郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。福田郵政大臣
  3. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  郵便貯金会館は、郵便貯金周知宣伝を行う施設として、すでに全国十一カ所に設置されておりますが、この法律案は、これらの郵便貯金周知宣伝施設を、広く国民利用に供し、効率的な運営を図り、もって郵便貯金の普及に資するため、郵便貯金法について所要改正を行おうとするものであります。  郵便貯金会館あり方につきましては、第七十五国会において、次期通常国会を目途に必要な法的措置を講ずる旨、政府としての見解を表明していたものであり、さきの第七十七国会郵便貯金法の一部を改正する法律案を提出いたしましたが審議未了と相なったものであります。  この改正内容は、郵政大臣が、会議、集会、その他多数の者の利便を図るための設備を備えた施設設置することができることとし、その施設運営を、郵政大臣の認可を受けて設立される郵便貯金振興会に委託するものとすること、及び郵便貯金振興会設立等についての所要の規定の整備を行おうとするものであります。  なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上が、この法律案提案理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。     —————————————  ただいま議題となりました郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  郵便切手類及び印紙の売りさばき人に対して支払う現行の売りさばき手数料の率は、昭和四十九年一月に改正されて今日に至ったものでありますが、その後における人件費等売りさばきに要する経費の増加等を考慮いたしまして、適正なものに改めようとするものであります。  改正内容は、売りさばき人の買い受け月額のうち、一万円を超え五万円以下の金額に対する手数料の率を百分の七から百分の九に、五万円を超え十万円以下の金額に対する手数料の率を百分の六から百分の八に、十万円を超え二十万円以下の金額に対する手数料の率を百分の二・五から百分の四にそれぞれ引き上げるとともに、買い受け月額一万円に満たない場合または買い受けをしなかった場合には、月額一万円の買い受けをしたものとみなして手数料を適用しようとするものであります。  この改正によりまして、買い受け月額二十万円以下の売りさばき人はもちろん、二十万円を超える売りさばき人につきましても、買い受け月額のうち二十万円以下の金額に対する手数料は増加することと相なります。  なお、この法律案施行期日は、昭和五十二年一月一日といたしております。  以上が、この法律案提案理由であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  4. 森勝治

    委員長森勝治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 案納勝

    案納勝君 ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案提案されました。郵便貯金事業そのものについても今日きわめて多くの課題を持っているわけですね。インフレ目減り問題あるいは預入制限額の問題、さらには資金運用国家政策の問題、銀行との競合関係あるいは奨励姿勢関係合理化関係オンライン化、私はきょうはこれらの具体的な指摘については差し控えます。  そこで、大臣にもお伺いしたいんですが、この貯金会館運営も、つまるところ貯金事業に従事をする職員、こういう人たちに支えられて、かつ国民協力理解、こういうものによって本当に信頼をされた貯金事業として回っていく。要するに、郵便事業がそれらに支えられてこそ初めて貯金会館というそういう役割り、あるいは今日提案され説明されたような発展考えられる。これらについて大臣はどのようにお考えか、大臣見解をまずお伺いをしたいと思います。
  6. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御指摘のとおり、国民信頼される郵便事業を基盤として、今後とも郵便貯金運営については十分指導監督してまいる考えでございます。
  7. 案納勝

    案納勝君 そこでお尋ねしますが、この四、五日といいますか、新聞紙上では、日経、読売、毎日各さまざまな新聞郵便貯金の問題について多く問題点指摘をされております。なかんずく、毎日新聞の先月の末から今月にかけて連載的に継続して、歩合制の問題、奨励の問題、脱税の問題、こういうものがきわめて内部告発の問題とあわせて実は提起をされておりますけれども、これについてどのように郵政当局として把握をして理解をしているか、まずお聞きをしたいと思います。
  8. 神山文男

    政府委員神山文男君) 先生指摘新聞記事につきまして、この中身がすべて事実であるという確認をしているわけではありませんが、いやしくも国営の貯蓄機関が品位と節度にもとるというようなことであってはいけないというふうに考えているわけでありまして、もちろん違則な募集活動は許されるものではありません。また、利用者に不利益を与えたり、あるいは事業の信用を傷つけるというようなことにもなりますので、適正な募集については、従来からも厳しく指導してまいったわけでありますが、今後さらに指導の徹底を図ってまいりたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
  9. 案納勝

    案納勝君 いま、この記事の中では必ずしも事実と違う点もあるやに答弁をされましたが、奨励のやり方については、今日までも多くの問題が指摘をされていることはすでに当局御存じのとおりであります。これをきょうは突っ込んでやる気はありません。  そこで、私は端的にお聞きしますが、このような事態を招いた原因は一体どこにあるのかというふうに考えておられるのか、この辺について伺います。
  10. 神山文男

    政府委員神山文男君) ただいま、すべてが事実であるというふうに私どもで確認してはおりませんと申し上げましたが、もしこういう誤解を招くようなことがあるとすれば、われわれとしては十分指導してまいりたいと思うわけであります。  それで、仮にそういう事実があるとして、どういう理由考えられるかという御質問かと思いますが、やはり適正な募集活動に対するわれわれの指導の点について、あるいはまだ徹底しない向きがあるか、こういう反省もいたすわけでございます。  それともう一つ、先生御承知のように、郵便貯金全国郵便局窓口において取り扱われるということ、これはお客様のためにそうすることがやはり郵便貯金としての責務であろうかということで、どこの郵便局でも取り扱って差し上げる。  それからまた、窓口預入の場合と外務員による募集活動による預入と、こういう場合があるわけでございまして、そういう個々の段階預金をしていただく段階で、総額制限等チェックをするということももちろんこれは大切なことでありますが、いま申し上げたように、いろいろ貯金をしていただく場が違うわけでございまして、なかなかそこで完璧を期すということがむずかしいことになっておりまして、そこで私どもとしては、地方貯金局において、原簿所管庁において名寄せという方法をとって、これは事後の措置でございますが、それによって制限額オーバー預金があった場合はそれを解約していただく、そして制限額以内にしていただくという措置をとっておるわけでありまして、この名寄せを適正に行っていくということがやはり大切ではないかということで、今後ともこれを厳重にやっていくことをいたすとともに、また窓口におけるチェックももちろん十分指導してまいると、また、お客様方にもそういう点を御理解願えるようなことも考えていきたいと、こういうふうに考えております。
  11. 案納勝

    案納勝君 いま言われたように、郵便貯金窓口あるいは外務職の皆さん、それぞれ取り扱いの場がありますね。それはよくわかるんですが、基本はやっぱり適正な募集、このことが一本しっかり郵政省指導の中で貫かれてない限り、私は今日の問題というのは解消しないと思います。そういう意味では、幾つかの事件やこの種の問題というのがあります。これは御存じのとおり。あなたたち御存じだと思う。こういう場合に問題は、過ったそういったことについて、金さえ集めればいいといったそういった指導をしている管理者もしくはそれに類する人たちも一部におることも、また否定できない事実でもあるわけです。その姿勢を正すという意味で、これらの誤った指導については厳しくやはり責任を明確にしていくという姿勢が伴わなければ、今後貯金事業全体について見直しながら貯金事業発展を期していく場合には、私は欠かせない問題だと思うんです。再度、たとえば無集配の特定局長募集活動あり方などの問題も含めて、私はそのことについて強く感じますが、いかがですか。
  12. 神山文男

    政府委員神山文男君) これは先生がおっしゃるような貯金募集する側の問題、また、お客様の側の御理解の問題という両方あろうかと思います。それで先ほども申し上げましたように、職員に対する適正募集についての指導というものを十分行っていく、これをさらに徹底させていかなければいけない、同時に、お客様方にもそういう貯金の制度の御理解というものも願っていくということ、両々相まってこういうことはないようにしていかなければいけないというふうに考えるわけであります。  昨年以来、あらゆる会議その他においても十分指導してきてまいったつもりでありますけれども、さらに私どもとしては姿勢を正して対処してまいりたいと思っております。それでこういう記事が出るということ自体郵便貯金についての国民信頼を裏切るという結果になりますものですし、郵便貯金の将来にとっても好ましいものではありませんので、私どもはそういうことで今後とも厳正に対処していきたい、こういうふうに考えております。
  13. 案納勝

    案納勝君 これは答弁は要らないんですが、大蔵省が過大な奨励、要するに目標を国の財投の関係で押しつける、そして片や脱税問題、今日のような問題が提起をされる。そして郵政省名寄せでこれらについての解決をする。その前提になるものは、いま言われた奨励姿勢にもきわめて重要なかかわりを持つわけでありますが、名寄せでもそう簡単に私は解決するとは思わないんです。膨大な要員が必要だ、本格的には。そういう要員の配置を考えないで大蔵省等目標額の押しつけや、あるいはそういった名寄せの問題についての負担を押しつけてくる。こういった点については、やはり郵政省側としてもきちんとするものはきちんとして、大蔵省に対する物の言い方、あるいは大蔵省に対する要求するものは要求するという姿勢がなくちゃならぬ。きょうは大蔵省呼んでいませんから、この問題は改めてやりますけれども、いずれにしても、そういう郵政省としての自主的な募集についての姿勢というものが、やっぱりきちんとしておるということが私は大事だと思いますが、この点だけまず強く要望しておきます。  そこで、時間もありませんから次に進みますが、いま郵政省調査会発足をさしていこうとしている。この調査会はどういう目的調査会発足をされるのか、簡単にひとつ。
  14. 神山文男

    政府委員神山文男君) 郵便貯金に関する調査研究会というものを置いたわけでありますが、これは最近におきます経済基調変化、あるいは生活意識変化と相まちまして、国民金融サービスに対する要請もいろいろ多種多様化し、あるいは高度化してまいっているわけであります。このような背景のもとに、郵便貯金あり方につきまして従来から各方面においていろいろと論議が行われてきたことでもありますし、郵政省といたしましても、これまで部内における議論を重ねてまいりましたが、このたび広く経済学あるいは金融論社会学等の各学界専門家の知識を求めまして、郵便貯金社会的機能あり方等について学術的な立場から基本的な調査研究を行うという目的で、郵便貯金に関する調査研究会というものを設けた次第であります。  それで、この調査研究会学者方々グループでありまして、郵便貯金とこれを取り巻く経済金融環境について学術的、専門的立場から、社会科学のいろいろな分野における理論とか分析手法を用いて総合的、科学的に調査研究を行っていただこうというものであります。それで、調査研究会は現在まで二回開催いたしましたが、本格的な活動はこれからということになっております。
  15. 案納勝

    案納勝君 神山さん、各学界権威を集めて調査会をやる、このことも私は決して否定はしません。しかし一番問題なのは、先ほど私が冒頭幾つ指摘をしただけじゃありません。現在貯金事業そのものについて多くの矛盾を抱えていると思うのですよ。今日いま指摘をしている問題もしかりです。これらをたな上げしたまま、いま言う、この調査会で言われるところの各学界権威を集めてやってみたところで、私は郵便貯金事業の展望というものは出てこないような気がしてならない。いま先ほど冒頭申し上げたような、たとえば、これはこの関係になるかもしれぬインフレ目減り問題、あるいは制限額の問題、合理化問題、あるいは奨励姿勢の問題、あるいは銀行との関係の問題、その他たくさんあります。これらの問題について事実上本当に解明をしていく姿勢とその解明をする場がなければ、私は事実上郵政事業の先ほど言う健全な発展もできないし、いまここへ出された調査会というのは、銀行と競争して、金をどれだけ集めて資金運用部資金をふやすか、こういうところに何か力点を置かれたような調査会みたいに感じてならないのです。  先ほど私は大臣答弁いただいたように、貯金事業を支えているのは、これは働いている職場人たちであり、そして、この貯金事業を通じて国民協力国民理解を求めて、貯金事業というのは今日二十七兆も預金残高あるように発展をしてきた。しかもそれは、国民の福祉を増進をするというきわめて重大な役割りを持ちながらきているのですね。それらの支えている人たちの問題、矛盾、こういうものをたな上げにしたまま調査会で各界集めたって意味ないんじゃないか、もっと基本的にその問題を解決するというものが私は出てこなくちゃならぬと思いますが、その点はどうですか。
  16. 神山文男

    政府委員神山文男君) この調査会は、最初申し上げましたように学者方々研究グループであるということで、郵便貯金社会的機能あり方中心としまして、それから郵便貯金と、それを取り巻く経済とか金融の動向などについて、学術的、専門的立場からの調査研究をしていただくという目的でございまして、それでこういう学者、さまざまの専門学者の方に集まっていただいてお知恵を拝借していく、基本的な社会郵便貯金機能中心にした調査研究をしていただくということでございまして、これがすぐわれわれの行政施策に結びつくというものではないわけでございます。  それで、われわれとしては、こういう基本的な社会機能というものについてメスを入れていただいて、その報告を受けまして、それから一定の施策と、まあどういう施策になりますか、いろいろのものをそこからまた具体的に、今度はわれわれの立場で具体的な施策の案をつくってまいりたい。そうすれば、今度はそれをどういうことで実施に移すかという段階には、いろいろの御意見なりを拝聴するということも必要だと思いますし、あるいは法案の形をとるとすれば、郵政審議会等にもお諮りするということにもなっていこうかと思いますが、その前段階の基本的な問題について、まず学術的、専門的な掘り下げをしていただく、こういうことであります。
  17. 案納勝

    案納勝君 きょうは時間がないからこれ以上突っ込みませんが、いま神山さん言ったのは逆さまじゃないかと私は思うんですよ。要するに、貯金事業あり方をどういうふうにするかという、いま激しく国民意識が動いているわけですよ。たとえば公衆法この間まで審議しました。公衆法自体についても国民のさまざまの各層の中で、これについて見直すという必要が指摘をされてきた。これは郵便だってそうですね。だから、それは今日置かれて今日まできたそれぞれの事業について、その持つ性格公共性、そして中に持っている矛盾というものを、学者を集めて幾らやったって、そんなの出てきっこないと思うんですよ。  それは、学者が入ることもいいでしょう。しかし、現実にそれを受けとめる側というのがいまどうなっているのか。あるいは、そのことを将来発展をさせるにどうしたらいいのかというものは、学者だけではだめだと。そこで、その結論を出して、いま神山さんの話では、それを省の方で、どういうふうにするかということを省は考えてと言う。考える前にやっぱりそういったものがきちんとある程度整理をされて、それを受けてどうするのかとならなきゃだめだと思うんですね。いま私はこれ以上この問題は突きません。しかし、その姿勢がいま貯金局に最も望まれている、私が言っていることじゃないかと思うのです。改めてまたこの問題について深めるとして、きょうは一応この問題とどめます。  最後に、貯金会館について。  結局、貯金会館の問題は、これは国民の金でつくるわけですね。要するに国民預金をした利益の中から、利益といったらおかしい、剰余金あるいは十年没入の資金、こういうもので貯金会館運営をしていくんだ。言いかえれば、国民貯金をすることによって出される資金によってつくられる。  そうすると、今度の法律案見ますと、国民が広範にこれらについての参画をする場というのは全くない。従来は何らか評議委員会みたいなのがありまして、それについて参画をする場のようなものがつくられてきたけれども、事実上私は有名無実だったと思います。やっぱりこの貯金会館運営というものについて、利用者やあるいは働く職場労働者の、あるいは国民各層の参加を得て、そういったものについての運営にも参画をさしていく、あるいは運営をしていくということが伴わなければならない。そういうものが全部切られてなくなっている。あるいは切られてというのか、なくなっている。この点について郵政大臣はどういうふうにお考えになっているのか。私は一番肝心なところだと思いますが、どう思いますか。
  18. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 地域住民あるいは預金者等から広く意見を聞くこと、まことにそのとおりでございまして、貯金会館性格から申しましても、運営についてはできるだけやはり幅の広い立場から意見を聞いて、今後も検討いたしたいと考えております。
  19. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記ちょっととめて。   〔速記中止
  20. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記起こしてください。
  21. 案納勝

    案納勝君 ということは、大臣、何らかのそういうものに参画をできる場をつくるということですか。
  22. 神山文男

    政府委員神山文男君) 現在も建設する場合、地元の意見をできるだけ反映するように、そういう施設を設けたり、運営面につきましても御意見を聞くようにしてまいっておりますけれども、今後まあそういう利用者の御意見を反映するようなものを検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。
  23. 案納勝

    案納勝君 従来もって、そんなことやってないじゃないの。私が言うのは広範な国民各層、要するに利用者労働者、そういうものが参画をして貯金会館運営というものが行われてしかるべきじゃないかと、しかしそういう機関がこの法案の中にない。いままで評議委員会的なものはあったけれども、その中で、あなたたちが会館つくるとき地元の人たちやあるいは利用者に、あるいは働いている人たちに一々相談したことありますか。名ばかりで何にもない。そういうのを百も承知の上で私は聞いているわけだ。今後やっぱりそういうものについての運営をしていくに当たって貯金振興会という運営、その運営自体についてそういう各層人たちの参加を得て、それで運営をしていくという姿勢と、そういう具体的な方針ありますかと、こう聞いているわけですから、明確にしてください。
  24. 神山文男

    政府委員神山文男君) そういう広く御意見を承る、声を反映するという場を検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
  25. 案納勝

    案納勝君 私の貯金の質問は本日で、これで終わりますけれども大臣、いま言ったように多くの課題を抱えているわけです、貯金事業。振興会の運営自体についても、まだ質疑するについても十分でありません。今後貯金事業全般について、やはりもう一回見直していくという郵政省自身の姿勢がなければ、私は今後の健全な発展はできないと信じている。どうかこの辺は、私はきょうは質問途中で打ち切りましたが、今後たとえば制限額の問題あるいは奨励問題、あるいは合理化問題と数多い問題を抱えております。その意味で、先ほどから私の方で指摘をしました問題を十分踏まえて運営をしていただきたい、このことを強く要望して、質問を終わります。
  26. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) ただいまの御趣旨につきましては、十分前向きに検討さしていただきたいと思います。
  27. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、若干の質問をいたしたいと思います。  最初は、同僚委員からも質問ございましたが、この郵便貯金に関しますいろんな投書なり、また諸問題がマスコミにのっていろいろ論議されております。論議というより、そういう非常に不当性といいますか、改善すべき、われわれの立場からしますと、これはただ一記事としてとどめるんじゃなくて、やっぱり真剣に受けとめなきゃならぬと、そういうことで私ども考えておるわけでありますが、先ほどの答弁で、まあ調査をし、適切な処置をということのようでありますが、この郵便貯金目的ということからいたしまして、これは決して放置できることじゃないということで、ひとついろんな意見等につきましては厳重に対処してもらいたいと、こう思うんであります。  この問題、先ほどいろいろ論議ありましたから、私はそれまでにとどめておきますが、過日一般質疑のときに申し上げたんでありますが、貯金利子の引き上げに伴います預けがえの措置の問題について、まあ本日のこの法案審議郵便貯金会館に対するものでありますが、郵政貯金全体についても決して無関係ではございませんので、一つだけお聞きするのであります。  この預けがえの問題については、やっぱりサービスということが主眼になるわけであります。貯金会館建設に当たりましても、サービスということから貯金会館というものの設立という話が具体的に進んできたと、こういう経過を考えますと、預金者に対して最大のサービスをする、そういう趣旨からいきましても、この預けがえの措置につきましては、いよいよ来年の一月十三日ですか、期日も迫っております。過日の一般質疑のときに御答弁ありましたが、全国平均で七、八割いっているので、後追い上げて預金者から苦情の出ないようにしたいというお話でございました。  私はこの前申し上げたように、全国平均はそうかもしれませんが、地域によっては相当パーセントも低いところもあるんじゃないかと、こういうことで全国的に、地域的に御検討いただいて、やはりこれはそれ相応の対策をしていただいて、一月十三日が来て、実際こういうことは知らなかったとか、そういう預金者について苦情の出ることのない最大の努力をしてもらいたい、このように申し上げたわけでありますが、その後の地域ごとの状況等をどのように把握なさって、どういう措置をなさったかという、その点についてお伺いしたいと思います。
  28. 神山文男

    政府委員神山文男君) 預けがえの申し出でございますが、先生おっしゃるように、地域的に非常にアンバラがあることは事実でございます。この前の御質問以後も相当PR、新聞紙上その他で広告をいたしまして申し出を待っているわけでありますが、この前御指摘になった東北あるいは信越、これがやはりほかの地域より低いという実態でございます。東北が五十数%、信越もまあほぼその程度ということで、ほかの地域より非常に低いわけでございまして、これは理由として私どもも把握しておりませんけれども、今後とも周知徹底をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  29. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 この前、こういうことで時間を余りとるつもりもないんですけれども、申し出ということになってますから、新聞や雑誌等については広告出したり何かしていることはわかるのですけれども、やはり郵便貯金については外務員の方もいらっしゃるわけでありますし、いろいろな手だてをしまして、まだ現在五〇%台だと、こういうことだから、私もこの前お聞きしたのです。全国平均では相当パーセントが高いという局長のお話だったのですが、現実はそんな状態じゃない。いままでは預け入れた方はよろしいのですけれども、これからの方は相当こっちがてこ入れしませんと周知徹底しないだろう、こういう感じもしますので、期日ももうわずかに迫って、現在五割台だということでございますと、相当なせっかくこういう措置をしながら、この預けがえを知らなかったという人が出るという、こういうことを私どもは心配するわけですから申し上げているわけでありますけれども、ぜひひとつサービスの一環として、後々多くの方々から苦情出ないように措置していただきたい、こう思うんです。  さて、この貯金会館のことでありますが、今度民法上の——現在までは民法上の法人としてやってきたわけでありますが、今度はそうじゃなくて、法的根拠を明確にしよう、するという、こういうことですから、それなりの私ども改正に当たりましては評価をしているわけでありますが、従来と今度の改正に当たりまして、実際この振興会等についてどういう差異ができてくるのか。具体的には大した違いはないだろうと私ども考えておりますけれども、その辺のことについてちょっとお伺いしたいと思います。
  30. 神山文男

    政府委員神山文男君) 今回の法的措置でございますが、郵便貯金会館設置根拠等をより明確なものとするということのために、所要の法的な整備を図ることにしたものであります。  郵便貯金会館性格でございますが、これは郵便貯金の普及に資するための必要な施設としての性格を持っているものでございまして、この法律によってその点を変えるというものではございません。従来の性格と全く同一でございます。ただ、ただいまお話のありました郵便貯金振興会、振興会でございますが、これは現在民法上の財団法人ということになっておりますが、この法案が成立いたしますれば、この法律に基づいて郵政大臣が認可して設立する法人という性格を持つわけでありまして、それに伴いまして、その法人の設立あるいは監督等については、従来の財団法人が民法の規定が適用されたのとは異なりまして、新法人は新しい貯金法に規定されるさまざまの監督規定が適用される、こういうことになるわけでございます。
  31. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 大臣、いまお話のように、今度は大臣の監督権限といいますか、非常に責任が重くなるわけでありますが、貯金会館について私どももそれなりの評価はするわけでありますが、しかし、全然問題なしとはいたしません。  短時間でありますから、個々のことについて申し述べる時間もないんでありますが、最初にお伺いしたいのは、大臣のいま提案理由の説明の中にありましたが、「郵便貯金の普及に資するため、」という、そのために貯金会館を建てるんだぞということであります。これが大きな一つの目的になっているわけでありますが、まあ貯金会館ができたからすぐ郵便貯金のPRができて、郵便貯金に対する認識が深まり、郵便貯金が大きくふやされるという、それはすぐ効果があらわれるとは私ども思いませんけども、現在まで十一カ所建って、さらにこれからまた建設予定がある、こういうふうになりますと、それはそれなりの一つの効果というものを期待するのは無理ではないことだろう。当然何らかの十一カ所の郵便貯金会館ができたということによって、こういう面は変わってきたというものでなければ、設立の目的からいたしまして、それは何も目的を達っし得なかったということにならざるを得ない。今日まで建設してきた、これからまた予定もある、こういう中で、郵便貯金の普及に資するというこういう大きな大眼目の上に立って今日まで進んできたわけでありますが、これがどういう効果をもたらしているというふうに認識していらっしゃるのか。また、今後のあり方等については、何か御所見がありましたらお伺いしたいと思いますが、大臣どうでしょうか。
  32. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御案内のとおり、すでに十一カ所設置されて、概数約千四百万人ぐらいの方々利用されております。やはりこういう施設をつくり、一般の個人の方、預金者の方々に親しみを持たれ、そうしてまた、場所によりましてはプールその他の体育館もある模様でもありますし、絶えずそういう集会その他の接触面を通じて親しみを持ち理解を持つ、やっぱり周知宣伝には相当のまだ力があるものと考え、また、今後の経営、運営の方法によって、その本来の設置目的を達成するためにいろいろと工夫をいたすべきものと考えております。
  33. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 貯金会館ができたからその利用率がずっと高まると、私はすぐ直線的には考えたくありませんけれども、しかし、最近の数年間の推移を見ますと、郵便貯金とほかの銀行等との利用率等を見ますと、やっぱりこれは経済変動もいろいろありますから、そういう複雑ないろんなものを交差したものを勘案しなきゃなりませんけれども利用率の推移では、パーセントはだんだん低下しておる。いろんな要因があるから直線的には考えたくありませんけれども、しかし、貯蓄奨励等については貯蓄奨励費、それからまた窓口環境の整備、改善、こういうことで、サービスはそれなりの努力をしていらっしゃるということですから、少なくとも経済変動、いろいろあるかもしれませんが、利用率は下がるということは、やっぱり何か原因がある。そういう点、どういうふうに把握していらっしゃるのか。相当な、貯金奨励費等についても五十一年度三十五億ですか、窓口改善でも三十七億。これだけの投資がなされておるということを考えますと、これはまあサービスの一環としてやったんであって、それが即利用率云々ということには結びつかないかもしれませんが、これだけいろんな努力はしているけれども、実際、相対的には郵便貯金利用率は、だんだんパーセントは徐々でありますが、下がりつつあるというのが現状である、こういうことを考え合わせまして、御所見をお伺いしたいと思います。
  34. 神山文男

    政府委員神山文男君) 年々利用される方々の数はふえておりまして、まあ私どもとしても今後ますます多くの方に利用していただけるように考えて、対策を講じていきたいというふうに考えております。
  35. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 御利用される方々がふえたというのは、口数がふえたのか人数がふえたのか、そこはまた先ほどのお話のように、いろいろな問題が出てくるわけですけれども金額がどうとか、それから口数がふえたとか、そういうことだけではかれないものがあるかと思いますが、利用率全般としてはやや逓減傾向にあるということはお認めいただけると思うんです。そのあたり、どうお考になっているか、ちょっと。
  36. 神山文男

    政府委員神山文男君) ただいま答弁が御質問と食い違いまして申しわけありません。  この郵便貯金利用率、確かにここ若干非常にわずかでありますが、下がっております。これは御指摘のとおりであります。これはいろいろ原因が考えられますが、民間の金融機関がオンライン化によりまして、いろいろ給与振り込みとか自動振替とか、新しい制度を導入いたしまして、そのため、そちらへ預金が流れていくということが一つの原因かと、こういうふうに考えておるわけであります。そういうことのために、比較的若い人の層の預金銀行にいっているということでございまして、このためにやはり、郵便貯金もてきるだけ早くオンライン化というような新しい機械化を実施して、そういう新しい制度を、サービスを実施できるようにしなければいけないというふうに考えておりまして、現在、オンライン化の実施計画の推進に鋭意努力をいたしている段階でございます。
  37. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 この貯金会館は、施設をつくって、そして利用していただく、その他多数の者の利便を図るための設備を整え、広く国民利用に供される一つとするなどという、こういうりっぱな目的があるわけですが、あくまでもやっぱり郵便貯金の普及のためという大目的がある、大前提があるわけですから、郵便貯金の普及ということがまず大きな目的であり、そのためにいままでのいろんな経過等ありまして、これらの貯金会館を建て、そしてそれを運用するということになるわけですから、その会館運営ということにきゅうきゅうとして、本来の大目的を忘れることがあってはならぬ。これからますます数が多くなる。それなりにそれはオンライン化とか、ほかの金融機関との比較からしますと、時代的にちょっとギャップがありますので、そういうようなことがあるのかと思いますが、その大目的を絶えずひとつ脳裏から忘れてはならぬし、また、そのための施策というものも絶えず進めて、それなりの効果をあらわすものでなければならないと私は思うのです。  郵便貯金振興会というのが今度できるわけですが、この目的は、「郵便貯金に関する調査研究及び出版物の刊行並びに第四条第一項の施設運営を行うことにより、郵便貯金の普及に寄与することを目的とする。」とありますが、「郵便貯金に関する調査研究及び出版物の刊行」というものと、それから「施設運営」という、本当は前の方が主目的であり、これを達成するのが主目的であって、この「施設運営」云々というのは、一番とか二番とか言えないかもしれませんけれども、これも大事なことです。その目的達成のための施設運営ということだろうと私は理解するわけですが、これから、今日までもこれは民法上のの法人としてやってきたわけでありますが、「郵便貯金に関する調査研究」こういうものについてどれだけの効果といいますか、調査を今日までなさったものが、また研究したものがどういう形で公に発表され、本当に振興会いうものが、こういう郵便貯金の普及に大きく寄与するだけの調査なり研究ということを今日までなされてきたのかどうか。講演会をしたとか何かということは聞いておるのですがね。しかし、大きな眼目がここにあるということであると、振興会というのは、ただ施設運営にきゅうきゅうとするのじゃなくして、この大目的のためにやっぱり相当な力が入っていなければならぬ。どうもその辺は運営だけに偏り過ぎているような感じがするのですが、その辺どうでしょう。
  38. 神山文男

    政府委員神山文男君) 現在の財団法人の郵貯振興会も、従来公益事業としまして為替、貯金事業の論文の募集、これは部内職員でございますが——を対象にした論文の募集をしたり、あるいは講演会を開催したり、子供郵便局の育成に資する仕事をしましたり、その他出版事業としまして、雑誌、月刊誌の刊行をしたり、あるいはパンフレット類、あるいは書籍類、そういうものの刊行をいたしております。おっしゃるように今後新しい法人でございますが、こういう調査研究という広い意味に入る仕事でございますが、こういうことにより一層の努力を傾けてもらいたいとわれわれは考えているわけであります。それで、おっしゃるこの郵便貯金に関する調査研究という仕事についても、相当努力をしていただくというつもりで考えております。
  39. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 これは大事なことですから、大臣ひとつ今後これはどういう調査をして、それをどういうふうな調査のとりまとめをするのか、そしてまた、それがこの目的達成のためにどういう手だてをするのか、またどれだけの効果が見込まれるのか、どれぐらいの経費を見込んでこれらのことをなされるのか、こういうことについて相当力を入れていきませんと、主客転倒するということを私は心配するわけであります。  それから、いろいろあるんですが、時間もありませんからあれですが、今度振興会は発起人等で役員を選んだりいろいろな設立の準備をする、大体移行をすることになるわけですけれども、さっきもちょっと同僚委員からありましたけれども、天下り先になってしまうようなことではならぬというのは、私はそういう危惧を抱くわけです。やはり郵政事業郵便貯金の普及ということですから、それ相応の知識のある人がある立場で生かされるというのは、これは当然のことだと思います。しかし、そのことだけではございませんで、施設運営ということになりますと、それ相応のやっぱり経営手腕のある方がいなきやならぬだろうと思います。  現在、役員の方ずっと見ますと、ほとんど、ほとんどでなく、東京は特別かもしれませんが、OBの方で占められておる。一時期としてはそういうこともやむを得ないのかもしれませんけれども、ほとんど調査研究のためのものと、また、この施設運営ということをやるということを考えますと、郵政の天下りの方でほとんど占められるということになりますと、これは経営面については別世界でありますから、いろんな問題が起きるだろう。また、この振興会というのは、郵政省の、郵政関係の方の天下りのために貯金会館ができたわけじゃないわけです。振興会ができたわけでもないわけでありますから、ここはきちっとけじめをいたしませんと、郵政の私物化といいますか、こういうものになってしまう。また、人事の問題にいたしましても、もう上の方の人事は全部郵政のOBで占められる。一生懸命働いている方々が昇進の道もない。こうなると、どうしても慢性化、まあ公社、公団、こういうところの弊害というものは、やはりこういうところにも出てくる。こういうことで新規採用なんということについては、郵政に血縁関係とかいろいろな関係性がなければもう採用しないということではないと私は思うんですけれども。  それからまた、そういう特殊といいますか、経営者、経営能力のあるそういう方、そういうのはやっぱり外から求めるということも決して否定はしてないだろうと思うんですけれども。それから全体の人事ということにつきましても、非常にOBの方々が上にどっかりあぐらをかいて公社、公団で問題になっておりますように、全体の運営というものは、人事というものが、または職員の士気というものが停滞するという、こういう悪弊がそのまま振興会の中に残る。こういうことであってはならぬと私は思いますのですが、そういうところについては十分配慮を払って、このたび民法上の法人から大臣のもとになるわけでありますから、その点ひとつ大臣としては指示をして、今後のあり方等について、人事——経営能力のある人がそれぞれのポジションにつくとか、そういうことについて明快な立場をおとりいたしませんと、旧来のものと同じような弊害がそのまま残ってしまう。これでは本来の趣旨からだんだん外れてしまうと私は思う。こういう点についてひとつ大臣、また、局長からも十分な注意をしていただきたいと思うんです。  これは七十五条に、「業務について専門的な知識を有する者七人以上が発起人となることを必要とする。」とか、まあいろいろあるわけですけれども、しかし、現状は郵政の天下りというふうにみんなも見ておるし、大体役員を見ますとそういうことになっていますので、今回を契機にひとつそういう点には鋭いメスを入れて、そういうことで疑念を抱かれることのないよう、国民の尊い、十年で時効になったお金とか、また皆さんの営々としてためられた郵便貯金、こういうものの原資を中心としてなされているわけでありますから、その趣旨をひとつしっかり踏まえて運営をしていただきたい、こう思うんです。どうでしょう。
  40. 神山文男

    政府委員神山文男君) 郵便貯金会館の業務は、おっしゃるように宿泊施設あるいは食堂のように、民間的色彩の強いものがあるわけでありまして、そういう意味で、会館の役職者についても民間の専門的知識と経験を有する者を現在も多数採用しておるわけであります。ただ、この郵便貯金会館は国が委託した事務であり、かつまた郵便貯金周知宣伝目的とするという施設でありますので、これを適切に行うためには、監督官庁である郵政省と一体的な立場に立ってやっていただかなければいけないということで、役職者に郵政省出身者を採用することは必ずしも適切を欠くものではないと私ども考えておるわけでありますが、その会館の業務運営等については、やはり専門的な知識というものが必要でありまして、現在も相当のそういう経験と知識を有する人を採用しております。今後ともそういう方針でまいりたいと考えております。
  41. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 その人事と、それから給与ですね、専門家は全然いないというわけじゃない、ある程度の方はいらっしゃるのですが、いろいろな苦情といいますか、話を聞きますと、その役員はほとんどそういうOBの方で占められているということで、給与においては格差がある。また、そういう専門的な方というのは、どっちかというと余り重く用いられてないといいますか、給与においては格差があるとか、そういうことでOBの方と差異があるということについて、私どもはやはり疑念を持たざるを得ない幾つかのケースを見ているわけです。ですから、私申し上げているのですけれども、そういうことをしますと、ほかの公社、公団と同じように職員の士気にも影響することでありますから、経営能力のあるそういう経験のある方についてはやはり役員に用いるとか、またOBの方だけがというふうな眼で職員同士で見られることは——他からも、国民からもそういう眼で見られることのない、やはりもっと公平な立場でやっていただきたいというのが私の先ほどの質問の趣旨なんでありましてね、そういうこと、大臣、今度は大臣に責任があるわけでありますから、そういう点ひとつしっかり踏まえて運営していただきたいと思います。大臣答弁をいただいて終わります。
  42. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 大体九割が民間と報告を受けておりますが、いま役員の問題については、いわゆる天下り人事の弊害が起こらぬように十分指導してまいる考えでございます。
  43. 山中郁子

    ○山中郁子君 郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。  これは法案の提出の経過並びに趣旨説明によりましても、現実に行われている貯金会館の建設、運営などを法的に認知をするというふうな側面があるというふうに理解をしております。  そこで、私はまず前提として、そういうふうな提起がされて国が責任を持ってそれらについての運営に当たるということは、より一層郵便貯金法の精神がその中で貫かれなければならないと。そういう上での郵政省の責任はさらに大きなものになるというふうに基本的には私は考えております。そういう対応がこの法案に関しては重要な点であろうというふうに思いますが、そこで、初めに郵便貯金法の第一条で郵便貯金で、「確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用させることによって、国民経済生活の安定を図り、その福祉を増進する」というふうにうたわれています。こうした郵便貯金法のまず基本的な精神ですね、そうしたものに基づいて郵便貯金会館が建設され、運営されなければいけないということがまずあると思うのです。そういう点についての現状はやはりいろいろ問題があると思いますが、郵政省としてどういうふうに把握をされているか、あるいは郵便貯金法の精神に基づいてどのようにより望ましい運営が保障されなければならないか、そのためにどうした努力を行い、どうした方策をお持ちになっていらっしゃるか、総括的にお伺いいたしたい。
  44. 神山文男

    政府委員神山文男君) 郵貯振興会及び郵便貯金会館の規定を貯金法の改正で置かしていただくということでございまして、第一条の郵便貯金目的というか、それも当然会館の運営にもかかってくるとわれわれは考えております。そこで、郵便貯金は簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用されるということでございまして、それで国民経済生活の安定と福祉の増進を図るということを目的としている。で、郵便貯金会館郵便貯金周知宣伝を行う施設ということでございますので、できるだけ多くの国民に公平に利用され、郵便貯金に対する国民理解を深めるよう、そして国民郵便貯金との間をより何というか親密化するという、そういう方向に行くように適切に運営を今後してまいりたいと、こういうふうに考えております。   〔委員長退席、理事原文兵衛君着席〕
  45. 山中郁子

    ○山中郁子君 もう少しその適切にというところの具体的な方策をお示しいただきたいわけですが。やっぱりこういうふうにやって、こういうことを基調にして、こうした基本的な態度でもってやっていくんだということがありますでしょう。いままでやられたのをそのまま、法律的には郵便貯金法で直すけれども、そのままやるんだということじゃなくて、具体的な考え方というのがないですか。
  46. 神山文男

    政府委員神山文男君) 現在までの会館の運営につきましては、いま申し上げたように多くの国民に公平に利用していただいて、その結果郵便貯金に対する国民理解を深めていただくように運営をしてまいったつもりでございまして、この精神は今後とも変わってまいりません。具体的方策ということについては、これからの運営状況を見ながらいろいろまた検討してまいりたいと思いますが、従来の考え方でやってまいりたいとただいまのところは考えております。
  47. 山中郁子

    ○山中郁子君 その辺がどうも頼りない話で、法律的な不備が問題になったので法律的に整備をしますという範囲を超えないようだと、依然として問題点が残ると思いますから、それは早急に、管理運営の民主的なあり方だとか国民参加の観点だとか、先ほどお話も若干あったようですけれども、そういう観点で郵政省が責任を持った方策をお示しになるべきであるということを重ねて要望もし、強調もしておきたいと思います。  この郵便貯金法の第一条にもうたわれておりますけれども、「あまねく公平に利用させる」ということが一つの主要な精神になっています。   〔理事原文兵衛君退席、委員長着席〕 そこで、郵便貯金会館設置状況並びに今後の設立計画ですね、そうしたものを伺うと同時に、それらが本当に国民立場に立って公正に行われているのかどうかということについての郵政省の判断なり、問題点があるならば問題点なりをお示しいただきたい。
  48. 神山文男

    政府委員神山文男君) 郵便貯金会館は、郵便貯金周知宣伝に効果を上げるためにできるだけ多くの国民の方に利用していただく、こういうことにいたしておりまして、現在の設置状況でございますが、全国の主要都市十一カ所に設置してまいりました。これは全国各地方の代表的な大きな都市ということで、郵便貯金利用者も多い、また、今後利用していただく人々も多いという地域の中心都市ということで、郵政局所在地に置いてまいったわけであります。それと沖繩に一つございますが、十一カ所設置してまいりました。  今後の計画としては、現在、横浜、福岡、新潟、岡山といった大都市に設置することにいたしております。これ以降につきましてどういうところに置いていくかという今後の考え方でございますが、既設会館の分布の問題もまた考えていかにゃいかぬと思いますし、設置の効果、あるいは郵便貯金事業から見た周知宣伝上の必要度というようなものももちろん考えていかなければならないと存じております。そういったことを総合的に勘案の上、今後慎重に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
  49. 山中郁子

    ○山中郁子君 郵政局の所在地というのはすでに既設の問題としてありますが、今後、たとえば福岡、横浜、新潟、岡山ということが計画としてあると。で、いま幾つかの基準めいた考え方を述べられたんですけれども、これはどうなんですか、やっぱり若干抽象的な言われ方なんだけれども、具体的に言えばいろんな幾つかの要素があって、郵便貯金の預け入れの人の分布だとか、それから人口密度だとか、きっとそういういろんなファクターを合わせて、それで一番これが適切だというふうに判断される——たとえばの話ですよ——ではないかというふうに思いますけれども、福岡、横浜、新潟、岡山というふうにいま計画されていらっしゃるそうしたような基準ですね、こういうふうに決められた基準というのを、もう少し納得できるようにお示しいただけますか。
  50. 神山文男

    政府委員神山文男君) ただいま申し上げたような考え方で今後検討を進めていきたいということで、それ以上の何か数字的な基準とか、そういうものは現在ございません。そういった総合的な立場からどこが最も適当かというところを今後考えていきたい、こういうふうに考えております。
  51. 山中郁子

    ○山中郁子君 これは余り時間かけるつもりはないんですけれども、私はやっぱり大事なところで、こうしたものが誘致だとか政治的に使われるだとか、そういうことというのは一番こういうところに出てくるわけでしょう。そうしたら、郵便貯金法改正してまで国がそういう「あまねく公平に利用させる」ということの郵便貯金法の精神を踏まえてやるからには、国民的に納得できるかなりきちんとした判断の基準というのが示されなければ、私は禍根を残すというふうに言えると思うので、この点についても、まあ数字だけを尊重するわけではありませんけれども、やはりこういう点から、こういう点から、こういう点から総合的に判断してみてここがいまその次に建設すべきものだということが多くの人たちに納得してもらえるそういう設置姿勢が大事であろうというふうに考えておりますが、その点はいかがお考えですか。
  52. 神山文男

    政府委員神山文男君) 先生おっしゃるような基準というものを何か明確につくるということについては、非常にいま困難性があるわけでございまして、というのは、単純にそれでは人口の多いところを優先的にとかいうことを考えるといたしますと、大都市周辺、東京周辺ばかりたくさんできると。簡単に考えましても、単純に人口だけでも判断できないかと思いますし、いろいろのそこに要素というものが必要であろうと思います。  それともう一つ、これは独立採算で今後もやっていくべきものと考えておりまして、そういうことで御提案申し上げているわけでありますが、そういう収支のような問題も一つの考えるべき要素になろうかと思いますし、単にそれだけではございません、やはり利用者の多いところということは一番重要かと思いますが、そのほかにもいろいろの要素がある。一律に基準というようなものを何か数字的に申し上げるということには、なかなかいかないかというふうに考えているわけでございます。
  53. 山中郁子

    ○山中郁子君 私がいま申し上げたのは、つまり疑惑のもとになるような要素というものを排除して、そして、あまねく公平にという精神が貫かれる郵政省設置の方向ですね、そうしたものを確立していただく必要があるだろうということで重ねてお尋ねしたわけで、それは御異論はないところだというふうに思いますから、次へ進みます。  福岡、横浜、新潟、岡山の建設計画予定をお持ちだということですが、これは時期的には大体どういう展望でもっておやりになろうと考えていらっしゃるのか。  それから、所要資金ですね、大体どういうふうに見込まれているのか、わかったらお示しいただきたいと思います。——お願いをしておいたのですが、もし時間がかかるようだったらよろしいですけれども、後でいただければ。
  54. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記をとめてください。   〔速記中止
  55. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記を起こしてください。
  56. 神山文男

    政府委員神山文男君) 福岡の貯金会館は、現在着工方取り運び中でございます。土地は四十八年度予算で計上されておりまして、建物が四十九年度の予算でございます。それから横浜の郵貯会館は、土地だけが取得済みでございまして、土地の予算が四十九年度予算でございます。それから新潟は、これも土地を取得済みでございまして、四十九年度予算で土地の予算がついております。それから岡山でございますが、岡山は土地の買収方をただいま取り運び中でございまして、五十年度の予算に計上しております。  それから、予算金額でございますか。
  57. 山中郁子

    ○山中郁子君 わかれば。
  58. 神山文男

    政府委員神山文男君) それから金額でございますが、福岡の郵貯会館、もうこれは土地はすでに取得しておりますが、四億五千万円でございます。それから建物でございますが、これは十億一千五百万円。横浜が、土地が十一億五千万円。それから新潟は、四十九年度予算で、土地でございましたが、三億八千九百万円、建物はまだでございます。それから岡山は、土地が五十年度で四億三千万円。  以上でございます。
  59. 山中郁子

    ○山中郁子君 次に、振興会の管理の問題なんですけれども、これが今度法改正で、いままでの財団法人から認可法人に改められるということになると思いますが、その法改正によって管理運営面においての国の責任なり権限なりが、法が改正される前に比べて具体的な何らかの変わり方が出てくるわけですか。私は一つは、公正な国民立場に立った運営管理という面から、初めに申し上げましたような、しかるべき郵政省としての積極的な施策が必要だというふうに思っておりますけれども、それは別としても、認可法人に改められることによって、国の権限なり責任なりが具体的に変化が出てくるというふうに認識されておられるかどうか。
  60. 神山文男

    政府委員神山文男君) 財団法人の場合は、民法の規定によるほかに郵政大臣の監督規定というのはないわけであり、民法の規定によるということでございますが、今度の認可法人の場合には、この貯金法の改正案にもございますように、さまざまな監督規定というものが出てまいっております。たとえば、「理事長及び監事は、郵政大臣が任命する。」、「理事は、郵政大臣の認可を受けて、理事長が任命する。」、そのほか役員の解任の規定、それからその他、財務諸表を「郵政大臣に提出して、その承認を受けなければならない。」という規定、あるいは「毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、郵政大臣の認可を受けなければならない。」、そういったさまざまな監督規定が設けられまして、これによって適正に厳正に監督してまいる、こういうふうに考えております。
  61. 山中郁子

    ○山中郁子君 先ほどの御質疑にもありましたけれども、私もいまの観点からとの関係だけでも、こうした振興会が郵政省の天下りの場所になるということは、天下り問題がやはりかなり全般的な問題になっておりますから、相当留意もするし、また、郵政省としてもはっきりした姿勢を確立していただかなければならない問題だというふうに思っています。  現在、振興会の役員は、何人のうち何人郵政省の出身者が占めておられるのかお伺いしたいと思います。
  62. 神山文男

    政府委員神山文男君) 現在の財団法人の役員は、理事長一名、理事が五名でございます。それで、いずれも郵政省にかつて在職し、退職した者でございます。  この考え方でございますが、郵貯振興会の目的郵便貯金事業の「普及に寄与する」ということにあるわけでありますので、業務の円滑を運営を期するためには郵政省と緊密な、あるいは郵便貯金と緊密な関係にある、深い理解と豊かな知識を持っている人がやはり適当ではないかということでありまして、その限りにおいて、役員に省出身者を充てることは必ずしも適切を欠くものではないと考えております。  ただ、先ほども申し上げましたように、貯金会館運営になりますと、これはやはりサービス業務というものが非常に重要なものになりますので、そういう面の知識と経験を持っている人を広く部外からも採用してまいっております。今後ともそういう方針でまいりたいと、こう思います。  失礼しました。先ほど理事長一名理事五名と申し上げましたが、理事長一名、理事四名でございまして、そのほかに監事が一名ございます。この六名合わせて郵政省の退職者を充てております。
  63. 山中郁子

    ○山中郁子君 最後になりますけれども、二つの点についてちょっと郵政省見解を伺っておきたいと思います。  一つは、振興会の目的に規定されていますが、「郵便貯金に関する調査研究及び出版物の刊行並びに」「施設運営を行うことにより、郵便貯金の普及に寄与する」というふうになっていますけれども、本来郵政省の業務、本来的な業務ですよね。これをまた改めてこういうふうに振興会の目的にうたわれたことは一体どういう背景があり、お考えがあるのかということが一つです。かっこうつけて文章をつくったというだけじゃないともちろん思いますけれども郵政省の本来的業務との関係がどうなのかということが一つです。  それからもう一点は、貯金会館の建設に際して、これは要望でもあるし、ぜひお約束もいただきたいと思うんですけれども、せんだっての逓信委員会で私は、簡保事業団の保養センターの建設について地元とのトラブルの問題でいろいろ指摘もしましたし、お約束もいただいたんですが、一般的な考え方として、郵貯会館がやはりそういう保養センター的な中身を持っているわけですから、ですから、地元の業者との間での円満な併存ですね、そうしたものが前提にならなくちゃいけないというふうに思いますので、簡保事業団の問題に関しても私は申し上げましたが、やはり地元との円満な併存、繁栄というものが保証されるような計画なり建設なり、そうしたものは大事な問題として郵政省として取り組んでおいていただかなければならないだろう。二つの点について質問と要望をいたしまして、見解を伺った上で質問を終わります。
  64. 神山文男

    政府委員神山文男君) 国民経済生活における貯蓄の役割り、ことに庶民の貯蓄である郵便貯金の果たすべき役割りが大きいことから、郵政省としましても郵便貯金の普及に努める必要があると考えておりまして、積極的な努力をしているところでありますが、この法律に基づいて設立される法人が従来の財団法人が行ってきたと同様、郵便貯金の普及に寄与するための事業というものを引き続いてやっていただきたい、こういうふうに考えているわけであります。それで、これは民間人の自由な立場調査研究等を行って郵便貯金の普及に寄与していこうというものでありまして、もちろん先生おっしゃるように、郵政省としてみずから周知宣伝を十分していかにゃいかぬという責務はいささかも軽減されない。われわれは従来もやってまいりましたが、今後ともみずからの手で周知宣伝というものを十分行っていきたいと思いますが、こういうせっかくの郵便貯金を普及宣伝する法人でございますから、この法人にもやはり十分の努力をしていただきたいとわれわれは考えて、両々相まって所期の目的を達していきたい、こういうふうに考えております。  それから、地元との関係でございますが、郵便貯金会館、もう何度も申し上げますが、郵便貯金の普及のため、その周知宣伝に必要な施設として多くの方の利便を図るために設けていくというものでございますので、その設置に関して地元とトラブルが起こるということは、もうそれ自体われわれとしては非常にマイナスであろうかと思うわけでありまして、地方自治体とかあるいは地元住民の理解協力を当然必要とするものでありますので、御質問の趣旨を十分体してトラブルの起きないように努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  65. 森勝治

    委員長森勝治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  郵便貯金法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  68. 森勝治

    委員長森勝治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————
  69. 森勝治

    委員長森勝治君) 次に、郵便切手、類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  70. 片山甚市

    ○片山甚市君 郵便切手の売りさばき所は全国十一万カ所ほどあります。全国の津々浦々に至るまでくまなく設置されて、国民が日常的に切手やはがきを買うという必要上不可欠なところでありますが、この売りさばき所の機能が十分に果たされるか否かは、郵便事業の円滑な遂行に大きな影響を与えるものと考えております。そこで、売りさばき人にこのような重要な役割りを十分認識させ、正しく機能させるためには、やはり適切な処遇を与える必要があるといままでも私たち指摘したところでありますが、今日、昭和四十九年に改正されて以降の物価の高騰に伴い一般の労賃、人件費はいわゆる当然の上昇をしておるところでありますが、このような最近の状況を考慮すると、売りさばき人に支払うべき手数料もやはり妥当なものに改める必要が当然あると思うんです。今回提案してきましたところの郵政省のこの改正考え方について、まずお伺いをしたいと存じます。
  71. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) ただいま先生指摘のとおり、郵便切手類売りさばき所は郵便局の補助的施設ということで、郵便事業の円滑な遂行のために、じみではありますけれども、全体として大きな貢献をいたしておるものでございます。まことにその点については、お説のとおりでございます。で、最近におきまして売りさばきに要する経費が相当上昇をいたしております。一方では印紙税額の改定、あるいは郵便料金の改定が行われましたために、その面では手数料収入も増加いたしておりますけれども、先ほど申しました、一方での経費の増加というのを償うには十分ではないという考え方から、今回約二〇%の手数料改定を行うようお願いいたしておる次第でございます。
  72. 片山甚市

    ○片山甚市君 次に、今回提案された法案の内容について、数点についてお伺いをしたい。  まず第一点は、切手類は郵便局と売りさばき所の両者で売りさばいておりますが、この比率はどうなっておりますか。売りさばき所のいわゆる設置個所数、これは全国で十一万五千四百六十五になると言われておりますけれども、郵務局の設置方針はどうなっておるのか。今後その設置について増設をする計画は持っておるのか。特に聞きたいのは、郵政当局として増設をしていくような、サービスをしていくような計画を持っておるかどうか、こういうことについてまずお伺いしたい。
  73. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) 切手類の売りさばきに関しまして、郵便局及び売りさばき所で売りさばく切手類、それから印紙の売りさばき総額は、五十一年度予算で見てまいりますと約一兆二千五百億円でございますが、そのうち売りさばき所における売りさばき額は、その約五五%に当たるものでございます。それから、売りさばき所の設置基準でございますけれども、これは法律に従いまして、省令でその基準を定めておるわけでございます。大体需要の度合いというものを考慮いたしまして考えておるわけでございますが、郵便差し出し箱の設置場所から約五十メートル以内の区域内、あるいはそれ以外の区域で切手類等の需要が特に多い区域内、こういったこと等を勘案いたしまして、受け持ちの集配郵便局長が適当と認める場所に設置する、こういうやり方をとっております。これは過去におきましても相当数増置をいたしております。約千カ所ぐらいの年増設を行ってきておりますが、今後におきましても、そういった需要等を十分考慮いたしまして、必要な個所にはその必要数だけをできるだけ満たすように増置してまいりたい、かように考えております。
  74. 片山甚市

    ○片山甚市君 いまの御答弁で、国民の利便については十分に考慮して増置をできるような状態におきたい、こういうことだったと思います。  第二点についてですが、前回の改定は昭和四十九年ということでありますが、当時の引き上げ率は幾らで、また、今回平均二〇%の引き上げということでありますが、二〇%引き上げた判断基準というのを省としてはどういうようにお示しを願えますか、お伺いします。
  75. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) 前回四十九年に行いました売りさばき手数料の引き上げ率は、約八・二%でございました。今回二〇%にいたしました根拠でございますけれども、前回以後の経費の増加等考えてみますと、その売りさばきに要する経費の大部分を占めております人件費が、たとえば四十九年−五十一年の三カ年をとってみますと、約六一%の増加が見込まれる次第でございます。一方、四十九年−五十一年の三カ年で郵便料金等の改正、あるいは印紙税額等の改正等を含めますと、比率にいたしますと約三六%程度の増加が見込まれます。この両者を勘案いたしまして算出をいたしますと、今回の案に挙げておりますように、約三〇%というものの引き上げが必要かというふうに考える次第でございます。
  76. 片山甚市

    ○片山甚市君 そうすると、前の状態から言うと、三六%ほど増収になっておる上に二〇%ほど上げると大体均衡はとれる、こういう判断をとっておるように承っておきます。  第三点ですが、買い受け月額が全くない売りさばき所について、いままで手数料が全然支払われておりませんでしたが、今回の改正案によれば、そのような買い受けゼロの売りさばき所にも最低保障を支払う——千円だったかと思いますがとしておりますが、その理由についてお伺いしたいと思います。特に売りさばき所は、御承知のように省の——法律によりましていわゆる一定の時間、朝八時かち午後六時まで窓口を開いてどなたにも利便を提供すること、一般の需要の方々には一定の数量をちゃんと備えていつでもこたえられるようにせよと、こういうことになっておることでしょうが、今日、このような売りさばきがある、ないということでなくてお金を出すようになった省のお考えをお伺いしたい。
  77. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) 先生指摘のように、買い受け月額が皆無の売りさばき所につきまして、今回の改正では最低の保障をするという考え方に立ったわけでございますが、これは過去におきましてもそのような問題がございました。買い受け月額がゼロであっても、窓口でと申しますか、その店舗での売りさばきをしなければならないというようなことから、買い受け月額が皆無であっても手数料は支払うべきである、こういうことでございまして、私どももこれまではできるだけ毎月買い受けをしていただくように勧奨してまいったところでございますけれども、なかなか勧奨のみによっては基本的な解決が得られないというような判断に立ちまして、今回、買い受けのなかった月につきましても、店舗を常設するというような観点からいたしまして、手数料を払うのが妥当であるというようなことで、この中に一万円以下と同じような扱いをするということで、十分の一の手数料を払うということに定めた次第でございます。
  78. 片山甚市

    ○片山甚市君 そういたしますと、趣旨は、やはり窓口といいますか、を開いて、一般の需要者にこたえるべくいつも待機をしてもらっておる、そういうことについては、若干であるけれどもそういう措置をとるのが妥当だ、こういうようにお考えになって新しく改正した、こういうようにお伺いをいたします。  そこで、最後の第四点ですが、売りさばき人一人当たりの平均手数料を現行と改正案で比較すると、どのぐらい増加をすることになるのか。先ほど。パーセンテージでお話がございました、このぐらいのアップをしました、改定の基準は。そこで、今度はお店といいますか、売りさばき所の一人当たりについて幾らになるのか、その結果昭和五十二年の一月一日施行として、五十一年度の予算の増が、五十一年度三月までの分はどのぐらいの増加があるのか、二つお伺いをいたします。
  79. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) 売りさばき人の一人当たりの平均手数料は、昭和五十一年度予算によりますと、現行手数料率では年額九万三千三百九十円になっておりますが、この改正案では年額十一万二千二百七十三円ということに相成ります。で、この本案の改正が行われた場合におきまして、昭和五十一年度予算は、現行料率の場合に比較いたしまして約五億四千五百万円の増加と相成ります。
  80. 片山甚市

    ○片山甚市君 今回の改定は、平均で言いますと約二〇%ということで、前回に比べかなり大幅な引き上げになっておることは事実でありますが、そういう意味では、改定をする時期としていまちょうどいいだろう、こう思います。しかし、今後の経済情勢いろいろのことを考えてみますと、インフレはおさまっておりません。そういうことでこの売りさばき人に対する今後の措置として、その人たちが納得できるような施策を常に置いてもらいたい。郵務局として十分に対処してもらいたいことを注文をつけまして、質問を終わります。
  81. 森勝治

    委員長森勝治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  82. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記を起こして。
  83. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案について、二、三点お伺いをしたいと思います。  この大要については、いま同僚議員から御質問がございましたのでありますが、今回の改正につきましては、時代の推移の中で妥当な改正であろうかと、私どももかように認識をいたしておるわけであります。これは衆議院でもいろいろ論議があったことのようでございますが、五千円未満のものを今度一万円未満にして、それに達しない人に対しても手数料の千円についてはめんどうを見よう、それから、全然売りさばきがない方についても最低千円はめんどうを見ようという、こういうことのようですね。ですから見ようによっては、それはその月、その個所によっていろいろな条件がありますから、そういう配慮は非常に妥当だということも一面には言えるわけでありますが、売りさばきがなかったというのはどういうことで売りさばきがなかったのか。それはいろいろなことがあろうかと思うのですが、まあ一万未満の方と同じだけ保障される。  見方によりますと、やはり先ほど来お話ございましたように、時間的にこの売りさばき所を設置するに当たりましては、八時から何時でしたか、時間が縛られるわけですね。そういうことに対して常時心を配っていなければならぬということでありますから、やはり最低これだけのものは保障する、その上に立って五千円未満とか一万円未満とかというような考え方が妥当ではないかと思うのですが、今度はない方も最低一万以下の方と同じように見るという、それはそういうところで金額的には幾らでもないかもしれませんけれども、まあ物の考え方として、最低ベースは、これだけは時間的に拘束するわけだから、これだけのことはめんどう見るぞと、その上に立って幾ら幾らはどうなるのだ、こういうふうな考え方が至当ではないかと私も考えるわけですが、その点はよく御検討なさって今回の決定をなさったんだと思いますけれども、そこのあたりの御検討の経過と、それからまた、どうしてこういう決定にしたのかというあたりをちょっとお伺いしたいと思うんですけれども
  84. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) 確かに買い受け月額がゼロの場合と、若干でも買い受けのあった場合というのは差があるというような御議論でございますが、それは私どもも了解できるところでございます。ただ、売りさばきということでただいまのところは手数料が算定されておりませんで、買い受けという実態をとらえて手数料を算出いたしております。その結果、買い受けのない月でございましても、やはり売りさばき所としては売りさばきがあるという場合が多かろうかと存じます。したがいまして、買い受けのみによってその月を判断することがなかなかむずかしい。また、その中で段階を設けましても、きわめて少量の場合との差というものはなかなか区別しにくいというような技術的な問題もございまして、今回は一万円以下と同じようなことで最低保証にしたわけでございます。そういうような経過によりまして本案を作成した次第でございます。
  85. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 それから、これはことし七月ですか、視察に行きましたときに、北海道で簡易郵便局をちょっと見させていただきました。そこで切手類やなんか保管する備品があるわけですけれども、備品については全部自分で買わなきゃならぬわけですけれども、これは十一万からの売りさばき所についてどの程度のものをどうするかということは、金額的なことを言うと大変なことになるかもしれませんけれども、それだけの資力のある方、また、その地域の中でそういう有力者というか、信頼される方とか資力のある方とか、いろんな条件があってなさるわけですけれども、備品についても諸物価高騰の折、ある程度町中のたくさんのなさるところと、また、僻地等についてはおのずとこの考えを変えませんと、これは貸与という形にするか何割補助という形にするか、いろんなやり方はあろうと思いますけれども、やはりお預りした重要な収入印紙や切手を扱うわけですから、そしてまた、郵政省の方にきちっとした規定があって取り扱いをすることになるわけでありますから、それ相応に備品もいいかげんなものじゃならぬ。規格があってなさるだけに、備品についての配慮というものも私ども視察に行ってしみじみ大変だなという感じがしたわけですけれども、こういうことについて郵政省もそんなことは自力でやるんだからということじゃなくて、お考えが、いろいろ検討なさったことがあるだろうと思うんですけれども、その点についてはどういうふうにお考えでしょうかね。
  86. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) ただいま御指摘の切手類保管箱等でございますけれども、これを郵政省で調達して売りさばき人に貸与するなどしてはどうかというようなことにつきましては、従前から森委員長からも御指摘がございまして、私ども十分承知しているところでございます。それ以後、私どももいろいろと検討を続けてまいってきておるところでございます。  売りさばき所の実態を見てみますと、非常に小額のものから数千万円あるいは数億というようなところまで大変格差がございまして、店舗の置かれております地況とか、あるいは売りさばき所の広狭等、その態様が非常にまちまちになっております。これに対しまして、それぞれの売りさばき所に適した保管箱を現物で貸与するということになりますと、その規格等が実際問題としては非常に困難になってまいります。そういうようなこと等を考えまして、保管箱の設備に要する経費は、手数料の中に算入して決定していくという方法をとっておるわけでございますが、その手数料の中で、売りさばき所にふさわしい保管設備が設けられているというのが実態でございます。したがいまして、現物を貸与するということにつきましても問題がございますし、今回の手数料率の改正におきましては、従来のとおり、保管箱の設備に要する経費を算入してきておるわけでございます。しかしながら、御指摘の点につきましては、それぞれの問題点を踏まえまして、今後も引き続き検討を続けてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  87. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 そうすると、この二〇%アップの中にそれは算入されているということですね。そういうことは、さっきの二〇%の根拠はというお話のときにはなかったようでありますが、ちょうど四十九年のオイルショック、その後のことでありますから、二〇%ぐらいという根拠のことについてさっきいろいろ説明がありましたけれども、備品等のことについても考えているという、そこまでぼくら認識なかったのですが、これはやっぱり売りさばきの総量の多いところも少ないところも備えるべき備品というものはきちっとしなければならぬということですから、どうしてもそういう差異がありますので画一的にいかない面がありますのですが、検討するということでありますから、いろいろ勉強していただいて、現状に即したようにひとつやっていただきたいと思うんです。  それから郵便料金、ことしの一月ですか、値上げになりましてから、郵便の動向というのは、およそ十カ月ぐらい経過しましていろいろお調べになったと思うんでありますが、値上げ後、郵便の物数というのはそう差異がないのか。特に売りさばき所というのは、都心にももちろんありますけれども、僻地等においてそういうことで売り上げ等についてはどういう影響が出ておるか、そこらあたりをお調べになった結果がありましたら、ちょっとお聞きしたいと思います。
  88. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) 特に売りさばき所につきまして、私どもその影響の度合いというのは把握いたしておりません。全体の郵便物の動向でございますけれども、これは本年一月二十五日の郵便改正以来、前年度におきまして約一八%程度の落ち込みを見たわけでございますが、本年四月以降ながめてみますと、大変月によってばらつきがございまして、一四%ぐらいから六・何%というような上下がございますが、大体現在までのところ一〇%をやや超える程度の物数減が見られております。これは今後まだ後半の流れを見てみないと予測はできませんけれども、全体としては約一割程度の減を見てきているというのが実情でございます。
  89. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 時間もあれですから、これで終わりますが、施行期日ですね、五十二年一月一日となっているんですけれども、この法案はいろいろな経過があったわけでありますが、まあ一年おくれということでしょう。確かにいろいろな手続は必要なのかもしれませんけれども郵便料金の値上げのようなやつは間髪を入れずに値上げになるんですけれども、こういう手数料を上げるというのはずいぶん時間がかかる。もう少し温かい配慮がなされなかったのには何か理由があるのかどうか。少なくとも、これは一年おくれたわけでありますが、国会の動向とかいろいろなこともあってかもしれませんけれどもね。しかし、電信電話料金なんかはもう、ききの通常国会で出したそのまま、六月一日というやつでそのままぽんと出しているでしょう。この法案を出すに当たりまして、継続審議ですからあれですけど、この法案を出すに当たりまして、やはり国会の会期というものもにらみ合わせて、最大限努力してこの十二月一日から施行するということしかでき得なかったのかどうか。私どもは、値上げの方はすぐ上げるし、こういう手数料を上げるというのはどうもこう時間がかかり過ぎて、郵政省というのはどうなのかなあと、こう疑問を抱くんですけど、これはどういうことになっているんでしょう。
  90. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) これは、過去も大体一月に上げてきておるわけでございますし、これを考えますときには、やはり予算の計画を立ててやるわけでございます。本年度、先ほど申しましたように、五億四千五百万円の増加を必要とするわけでございまして、本年度予算の範囲内で実施するということになりますと、やはり過去の慣例、それから予算の制約等を考えまして、一月一日というのが適当であるというふうに考えた次第でございます。
  91. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 そういうことを言いますけど、これはもう一年前にこういうふうにしようという決意を固めていらっしゃって、それなりの予算というのは考えていらっしゃったわけですね、急にいまここで出したわけではありませんから。そういう配慮をしようとして、それだけの予算を考えようということであれば、郵便料金値上げはことしの一月から値上げになっているわけでありますから、もう十カ月のギャップがあるわけですし、やるつもりになってできなかったことはないだろうと私は思うんですけどね。確かにそれは予算を伴うことですから、いろんな試算をしなきゃならぬ。国会がいつどうなるかということについての御判断というのは、それはあることは十分わかりますけど、しかし郵政省にそういう温かい心があって、やろうとしてできなかったということではないだろうと思うんです。まあ売りさばき所につきましては、取り扱い高の多いところ、少ないところ、いろんなところがあるわけでありますから、これは一概には論じられないことかと思いますけれども、いずれにしても郵政当局というのは、国民に非常に直接的な影響力を持つそういう事業であるだけに、もっとひとつ温かい配慮をして、すべてのことについてはやっていただきたいものだと、こう強く要望するわけであります。大臣からひとつ一言御所見お伺いして終わりたいと思います。
  92. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御指摘のとおり、温かい配慮をもって対処いたします。
  93. 山中郁子

    ○山中郁子君 三点質問をいたします。  第一点は、全国で十一万を超える売りさばき所の買い受け月額別の分布がどのくらいになっているのかということですが、これはこの法律案の後ろについている参考資料の最後の表、売りさばき所数及び売りさばき金額ということで分布が出ておりますけれども、これとはちょっと違うと思うんで、一諸ならこれで結構ですけれども、違うようでしたら、一万円以下の買い受け月額ですね、それから五万円、十万円、二十万円、五十万円、百万円と各ランク別の分布を、比率ですね、をお知らせいただきたい。
  94. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) ただいまお示しのこの法律案の末尾に出ております数字と異なっておりません。
  95. 山中郁子

    ○山中郁子君 そうしますと、一万円以下の売りさばき所数が全体の二七・五%ということで、約三〇%近い数になっております。そのことと関連して二番目にお尋ねいたしますのは、今回の改正で一万円以下の売りさばき所の手数料率百分の十が据え置きになっていると思いますが、その該当する比率がかなり高い規模のところですね、そこが据え置きになっていることは、これはちょっと一つの問題があるんじゃないかと私は思うんですけれども、その辺の理由はどういうものであったんでしょうか。
  96. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) ただいま先生据え置きと申されましたけれども、これは確かに比率の面では十分の一という据え置きになっておりますけれども、この改正案では、実は現行が五千円に満たないものについて十分の一、こういうことになっておりまして、今回の改正で、一万円に満たない場合十分の一ということになりますので、たとえば五千円の段階で例をとってみますと、従来五百円であったものが千円ということになるわけでございまして、実質的には倍率は一番高いということになるわけでございまして、それぞれのコストをカバーできるという基本的な考え方から最低額を定めておるわけでございます。
  97. 山中郁子

    ○山中郁子君 だけど、五千円以下は別として、一万円以下の部分のところは、手数料率が変わらないということは、実際存在しますでしょう、その部分は。百分の十という手数料率が据え置きということは、実際上その部分は存在しますよね。あり得ますよね。そこのところがコストをカバーできるというお話のようですけれども、それは実際上は手数料率は変わるのだということじゃなくて、変わらない部分があるわけでしょう、一万円以下のところで。
  98. 廣瀬弘

    政府委員(廣瀬弘君) 一万円以下の場合でございますけれども、いま五千円の例をとりました。たとえばそうすると、その途中の一万円未満のところを考えてみますと、七千円のところですと、現行は七百円ということになりますけれども、この改正案は一万円に満たない部分は、一万円の買い受けをしたものとみなすということになっておりますので、千円の手数料になる。九千円の場合も同様に九百円ということになっておるものが千円ということになりますので、一万円未満につきましては変わらないところはございません。
  99. 山中郁子

    ○山中郁子君 私どもも今回の法改正については了とするものですけれども、やはり実際問題として、物価の上昇の現状だとか、それから売りさばきの手数だとか、その他種々の問題を考えていけば、余りにもやはり対価としては少ないということは、一般常識的にも言えることだし、その辺は郵政省も十分考えておられることだというふうに思いますけれども、今回の改正は一応了としつつも、個々の問題としてこうしたいま郵政事業郵便事業を本当に下のところで支えている一つの業務ですよね。そういうことについてのさらに積極的な手数料の引き上げを実現していく基本的な方向というものも要望もいたしますし、お約束も願いたいと思いますが、これはひとつ大臣見解を承りたいと思います。
  100. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御趣旨のとおり、売りさばき所が今後十分その機能が発揮できますよう、今後の経済情勢を種々見ながら、必要に応じた適切な処置を講ずるよう配慮いたしたいと思います。
  101. 山中郁子

    ○山中郁子君 それを一般的な紋切り型の見解ということではなくて、具体的な展望を持って実現を図っていただくよう重ねて要求をいたしまして、私の質問を終わります。
  102. 森勝治

    委員長森勝治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  105. 森勝治

    委員長森勝治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  ちょっと速記をとめてください。   〔午後一時十分速記中止〕   〔午後一時二十四分速記開始〕
  107. 森勝治

    委員長森勝治君) 速記を起こしてください。  請願の審査を行います。  第一七〇号身体障害者電話料金割引等に関する請願外八十七件を一括して議題といたします。  先ほどの理事会におきまして、個々の請願について慎重に審査を行いましたので、まず、その経過と結果を申し上げます。  審査の便宜上、お手元の一覧表の上部に整理番号を付しておきましたので、これに従って申し上げます。  整理番号一号から四号までは、お手元の請願要旨にありますとおり、電報電話料金の値上げを行わないことを内容とするものであり、また五号は、盲人の住宅電話に対する電話料金の減免等を内容とするものでありますが、これらは法定料金に係るものでありまして、すでに公衆電気通信法の一部改正案が一昨日の当委員会において可決されておりますので、これらの請願はいずれも保留とすべきものといたしました。  次に、整理番号六号の請願は二つの項目から成っておりますが、第一項は、五号までの請願と同様保留とすべきものでありますが、第二項目の「全国電報電話局の窓口へ車イス障害者が一人で行けるよう建物の一部を改造すること」につきましては、全国すべてにわたって早急にこれを実現することは困難であるとしましても、その願意は首肯すべきものがありますので、お手元にありますような意見書を付することとして、この請願を採択すべきものといたしました。  次に、整理番号七号及び八号の請願の要旨は、普通加入区域外における電話の加入には、多額の線路設備費や付加使用料を必要とするので、このような負担をなくするため、善通加入区域を一層拡大されたい、あるいはそのために国の補助制度を設けられたいというものでありまして、過疎地域における住民の切実な要望でありますので、この二件の請願は採択すべきものといたしました。  最後に、整理番号九号の請願の願意は、滋賀県の唯一の県域放送であるびわ湖放送株式会社は、京阪神広域放送圏放送区域内における県域放送として不利な立地条件のもとに発足したが、加えて他県からの県域放送の一部が受信できる状態にあるため、経営の危機にあるので、他県から県域放送が流れないように必要な措置をされたい、またこれが不可能な場合は滋賀、京都両県の相互乗り入れによるサービスエリアの拡大を図られたいというものでありますが、前段は地形の関係等からこれを改めることは困難であり、また、後段については放送秩序の根底にかかる問題でありますので、この請願は保留とすべきものといたしました。  以上の結果、請願第二五七二号 北海道足寄町に公社電話設置に関する請願外一件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、第一七〇号身体障害者電話料金割引等に関する請願外四十四件は、おおむね願意妥当と認められますので、政府においては、今後検討の上、努力せられたい旨の意見書案を審査報告書に付することとし、本請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、他の四十一件の請願につきましては、その決定を留保することにいたしました。  理事会の申し合わせのとおり決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  110. 森勝治

    委員長森勝治君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが)御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
  113. 森勝治

    委員長森勝治君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査のための閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 森勝治

    委員長森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十一分散会      —————・—————