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政府委員(
林忠雄君) 昨日、私、
政府調査団の団長という形で
現地に参りまして
調査をし、
現地の御
要望を伺ってまいりました。
概要を御
報告申し上げます。
まず、
火災の概況でございますが、お
手元に資料がお届けしてあると存じます。十月二十九日の十七時五十三分出火いたしまして、
中心街約三十一万平米を焼き、翌日の午前五時に鎮火したと。近ごろこの規模の
大火は非常に少なかったわけでございますが、
昭和四十四年の加賀市の
大火以来でございます。
焼失面積、ここに書いてございますように三十一万九千平米ということで、十万坪弱でございますけれども、これは
焼失面積の広さから言えば戦後四番目の
大火でございます。鳥取の
大火、飯田市の
大火、もう一つ、それに次ぐ四番目の
大火ということになっております。
そこで、この
出動状況、それから
本部の
設置状況等はここに書いてございますので、一応後でお目通しいただきたいわけでございます。
それから
大火の
概要として、その次のページ以降に書いてございます。これらにつきましては後ほどお目通しをいただきたいと存じます。
そこで、
政府といたしましてというよりも
消防庁といたしましては、
大火の通報がございましたのが当日の午後八時過ぎでございますので、出火いたしましてから二時間余を経たときでございましたが、直ちに
政府に、
消防庁の中に
対策本部を置きまして、職員をその夜一名、翌日早朝の一番最初の飛行機で一名派遣しておりましたわけでございますけれども、
国土庁の方で取りまとめまして
政府調査団を出すことといたしまして、昨日、団員私以下十五名でございます。
消防庁から四名、
自治省から一名、
国土庁から二名、厚生、
通産一名ずつ、それから建設三名、防衛庁一名——失礼いたしました。
通産が
現地参加があと二名ございますので三名ということで、
全員十五名の団で参りました。四名は
現地参加でございますので、十一名が東京から昨日行ってまいりました。これは実は自衛隊の
輸送機を御都合願いまして能率よく済ませるつもりでございましたが、余談になりますけれども、きのう
大変風が強くて、
山形空港に着陸できなくて宮城県の
松島基地に着陸いたしまして、それから
ヘリコプターで
酒田に参る試みをいたしましたけれども、
奥羽山脈がやはり濃霧で囲まれまして視界がきかず、
ヘリコプターで一時間半ほどさまよいましたあげく仙台へ引き返して車で行くという不手際をとりましたので、
現地に到着いたしましたのが午後四時前でございました。そして空中から
現地の模様を視察し、それからさらに地上におりて
災害地を一通り、火元から延焼がとまったところまで全部徒歩で
調査をいたしまして、その後、市役所で
現地の方々のいろいろの御
要望その他を伺ってまいりました。
火災が起きましたのが金曜日の夜から土曜日の朝でございましたが、
現地調査団が行きましたのが二日置いた月曜日ということになっております。テレビその他でこの
調査団の行き方が遅いではないかという一部の批判もございましたようでございますけれども、実は、詳細な
原因調査とか
火災の
技術的調査その他につきましてはそういう
技術屋が専門的に
日時をかけてやらなければいけないので、これは改めて
消防庁の方から出したいと思っております。昨日参りました
政府の
調査団というのは、それぞれの
所管の
事項につきまして
現地を見た上で
現地の御
要望を伺い、それをできる限り実現するために努力する、そういうことが主体の任務と心得て参ったわけでございます。その
意味では、月曜日、二日置いて行きましたということがタイミング的には私はよかったのではないか。というのは、
現地でこれからの新しい復旧にかかられますについて、してほしいということをもうすでに手際よくまとめておられましたので、
災害の発生したその日とか翌日行ったのではそういう暇もなく、むしろかえって
現地に御迷惑であろうということで、一日置いた翌日行ったことが結果においてはよかったと考えております。
現地の御
要望というのは、
激甚災の適用を初めといたしまして、特に
中小企業あるいは
企業に従事しておられる
従業員の方の
失業保険、そういった
手当て、そういった
金融面、あるいは
地方財政、
酒田市及び
山形県の
財政につきましての
特別交付税あるいは
普通交付税の繰り上げ
交付、
起債の
手当て、そういったものを含めまして大体十幾つの
項目にわたっておりまして、これはそれぞれの
所管省がございますので、そこへ持ち帰って十分に検討して、過去の
例等も徴してこの際できる限りの最善の
措置を講ずるというお約束をしてまいりました。それぞれの
所管の省で検討するわけでございますが、
自治省としての御
要望としては、
特別交付税の
算定に十分考えていく、これは十分考えますということで、御
心配ないようにというお答えをしてまいりました。
普通交付税の繰り上げ
交付をしてほしいと御
要望がありましたが、これはもうすでに本日繰り上げ
交付する手続が済んでおりまして、
起債の方も十分に見るということで、この
委員会の
所管に関する限りは御
心配ないような
手配を、
大臣以下と御相談いたしましてとるような
手配がしてございますわけでございます。
参りまして
ヘリコプターでおりた途端に、それまで行方不明となっておられました市の
消防長の方の
殉職を伺いまして、一瞬粛然といたしましたわけでございますけれども、この市の
消防長の方はもうすでに
消防長を五年やられておりまして、やがて定年を迎えるというお方でございましたが、恐らく、
映画館の出火で
全員が避難したかどうかというのを
確認に、ある程度燃えている
映画館の中へ入られた、そこで恐らく煙その他に巻かれて意識を失われ、結局は焼け落ちた屋根、まあ映写機の下敷きになっておったということでございますので、恐らくそういう経過をたどって非常に早い時期に
殉職をされたと存じます。まあ
殉職者が一名
——殉職者と申しますか、人命の損害が一名だけであったということは、ある
意味では不幸中の幸いかと存じておる次第でございますが、
負傷者の方は九十九名でございまして、入院が数名でございますが、
負傷者の方の特色としては、目を痛められて眼科にかかられたという方が半数以上だそうでございます。恐らく煙あるいは新建材、そういったものの影響かと思いますので、今後の課題としてこれは十分
消防庁で研究してまいりたいと思います。
現地の御
要望を承りましたこの後始末といいますか、それぞれの始末は
各省で行うわけでございますが、本日午後、
国土庁におきまして、行った者
全員及び
各省の
責任者が集まりまして引き続いて相談を続ける予定でございますので、そこでしかるべきそれぞれの立場における
措置をとり、復興上、あるいは現在被害に遭われました方の当面の
救済措置その他については遺憾ないように期する手はずにしております。
以上、はなはだ簡単でございますけれども、昨日行ってまいりました御
報告を申し上げる次第でございます。
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