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政府委員(
首藤堯君) 公営企業金融公庫を改組をいたしまして、公営企業のみならず、一般会計に対しても一部
資金融通をするようにしたい。またその原資は金融公庫が縁故債、公募債等をなかなか募集できない団体の共同代替発行機関、こういうかっこうで公営企業金融公庫債を発行することによって
確保をしたい、こういう
考え方が御
指摘の金融公庫改組問題でございます。そこでそのようなかっこうで公営企業金融公庫が原資を
確保をいたしますと、公営企業金融公庫としては、でき得べくんば、
政府保証債というかっこうで現在募集をいたしておりますような公募債を発行するのが一番望ましいわけでありますが、
政府保証債に一定の枠があって、それ以上の発行がなかなかむずかしいということに相なりますれば、特別公募債というかっこうで、
政府保証のない金融公庫債を発行して原資を
確保する、こういうこともせざるを得ないだろうと
考えております。この分につきましては、おおむね実勢金利等を参考にして募集条件が決まると思いますので、それによって得ました公庫の原資そのものは金利としてはかなり高金利のものになる、これにならざるを得ないわけであります。しかし高金利のものでありましても、これを例の公営競技収益金の金融公庫への納付金がございますから、これによりまして利子の引き下げをやって、原資募集をいたしました利子率よりも引き下げて
地方団体に融通をする、こういう
措置をとりたいと
考えておるわけであります。現在御承知のように、公営企業に対します融資分については、特利ということで七分七厘、こういったものを出しておるわけでありますが、一般会計分につきましても、そういったギャンブル
資金の活用等によりましてできるだけ利下げをしていって、実勢金利よりは安い
資金が回るように運用をいたしたい、こう
考えておるわけであります。これは
資金量と公営競技からの納付金の額、こういったものの相対による運用関係でその間の情勢は決めてまいりたい、こう思います。
それから
資金のシェアでございますが、私
どもといたしましては、
政府資金はできるだけ
地方債によけい回していただきたいという希望を絶えず持っておりますことは御承知のとおりでありまして、いままでが
地方債資金に対して大体六割ぐらいの
政府資金のシェア、御
指摘のとおりであります。こういったものをできるだけ割らないようにという要求を大蔵省には絶えず強くいたしております。しかし、現実の問題といたしましては、去年あたりから
地方債の総額がふえてまいりまして、
政府資金の額はそんなにふえてまいりませんので、まあいろんな
伸び率そのほかを勘案をいたしましても、なかなか
地方債総額がふえた場合に、六割ないしはそれ以上の
政府資金を
確保することは実際問題としてはなかなかむずかしい面もあろうかと
考えます。そういう場合のことも兼ねて
考えまして、公庫
資金そのものは、
地方団体にとりましては、
政府資金と同じほどの低率には相なりませんけれ
ども、融通もわりに確実にしてもらえますし、普通の、通常の金利よりは幾らか下げてもらう、こういう
意味で良質の
資金に相なろうかと思いますので、
政府資金の枠の足りない分を補完をするとでも申しますか、そういった機能も大いに持たせたい、こう
考えておるわけであります。
それから三番目にメリットでございますが、これはいろいろあろうと思います。まず第一には、今後
民間資金の活用がどうしても多くならざるを得ない
事態を迎えると思いますが、このまま放置をいたしますと、
地方団体の中にはこういった
民間資金を
確保ができない団体が出てくるおそれがあるわけであります。また、無理をすればめちゃくちゃに高い金利でも
民間資金を借り入れざるを得ないという団体が起きてくるおそれがございます。こういう団体の代替的な
資金確保の機関として公営公庫が作動してもらえば、それだけ弱小団体に対します融資の円滑化、
資金確保の確実化、こういうものについて大いに効果があろうと思います。
それからさらには一般会計にも公庫の
資金が融通をされますことによりまして、この利下げ分に公営競技等の収益金が利用されるということになりますならば、公営企業のいわゆる収益の均てん化、こういう面から
考えてもかなり効果があるのではないかと思うわけであります。そのほか、いろいろメリットはございますが、大変メリットがたくさんあると、このように
考えております。
それから四番目は、ことしになりましての大蔵省の態度でございますが、まだ正式に向こうが意思表示をなさっておるわけではございませんので、正式に反対意向表明といったことがあったわけではございませんが、いろいろ伝えられておりますところによりますと、ほぼ去年大蔵省側が問題にされましたような事柄、それが一応の理由となって必ずしも賛意を表しておられないのではないか、このように受け取っておるわけであります。
その主な理由は、やはり
資金関係、
資金を融通します公共的な
資金の部門、これについてやはり一定のルールなり、秩序なり、そういったものが要るのではないかといったような抽象的な
議論もございますし、また公庫でもって
資金を集めましても
資金総量がふえるわけでは必ずしもないのではないか、こういったような——これは想定でございますが、御意見もあったりしますし、なおまた、縁故債といったようなものは、むしろ
地方団体ごとの特殊の金庫銀行、といったようなつながりによる縁故でやる方がむしろ楽なのであって、公庫
資金になった場合に、この消化というものがやはりそう簡単にはいかないのではないか、こういったおそれもあるといったような御意見もございます。そういったようなことが巷間
議論をされておる
議論でございますが、まだ正式にどのような理由をもってどうだという意思表明は受ける
段階に立ち至っておりません。