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藤田進君 三木
総理並びに福田副
総理、大平
大蔵大臣等に、いわゆる財政
特例法に関連いたしまして
質疑をいたしたいと思っております。
さて、まず三木
総理にお伺いいたしたいのでございますが、この財政
特例法の底辺をなすものはかなり大きな影響を持っておりますし、本七十八臨時国会でも各党それぞれ問題点を提起しながら
質疑を交わしてまいりました。要するに
わが国の
現状、特に不
景気あるいは物価高、インフレ、
国民の負担等広範に影響を持つものでございますが、これらの政策論争、論議のもう
一つ前に、すでに御
承知かと思いますが、
国民の政治に対する不信感というものが予想外にどうも深刻でございます。私も、七十七国会閉会後、できるだけ有権者その他の前に出まして、この国会中も日曜、祭日その他国会に
支障ない限りできるだけ一般の方々と対話を進めてきておりますが、まず不信の根差しているものは、御
承知のようにロッキード問題が出てきた。加えて、地方自治体についても諸所に汚職問題が出てまいりました。両院議長のあっせん、さらに両院本会議の議決、これにこたえる三木
総理の徹底究明という姿勢の段階で三木さんもかなりやるだろうという期待があって、相当三木株は上がり始めたわけですが、その後急激にやはり不信感は三木さんを含めて、これは単にロッキードに直接
関係のある自民党ということはもとよりですが、国会というワンセットで、国会議員何をしているんだという、国会議員は一体何をやっているかという、ロッキードに
関係のない者まで疑惑を持たれるような
状態になっております。ですから、われわれ外に出ますとマークをはずした方かむしろ
——ロッキードが歩いているというような物の見方をされてね、これは実際なんですよ。これは与党の中でもよく会いますが、ぼくらもできるだけマークをはずして歩くんだと、ここまで来ているんですね。それが要するに各種の世論
調査でも若いものを
中心に政治への無関心になり逃避し棄権率がかなり高くなって、政党離れもしてくる、これはやはり重大なことだと私は思うわけです。ことに総選挙を前にいたしまして。
そこでお伺いをいたしたいのですが、そのような政治不信に対する認識というものが三木
総理どのように考えておられるかという点が第一点であります。
私もまだ記憶に新しいところですが、かつて吉田茂
総理は、会う人会う人が激励をし、あなたでなけりゃ
日本の
総理はだれもいないですよというようなことで、ついに野たれ死にをするということになってしまった経験を持っておりますが、認識問題と同時に、考えてみるのに、三木さん自身も今度の
——表現は悪いですが、これは私が言うのじゃなしに、一般のもう定説の言葉になっておりますが、いわゆる三木おろしがあって、そのあと内閣改造があり、それから後は三木さんの姿勢というものはへっぴり腰になって、いわゆるロッキード隠しというようなことがかなり浸透し始めているし、現実には、御
承知のように三木さんと仲のよかった宇都宮徳馬氏も金大中氏問題も加わっておりますが、ロッキードその他腐敗堕落に対する抜本的な姿勢がない、私は出ていくということになったのですね。与党の内部でさえそういう現実であります。
そこで、本会議その他通じて言われておりますのは、中間報告をなさるようですが、これは内容は漠たるもののように予定されます。なお灰色等含めては、国会でひとつ決められれば秘密会でこれを明らかにしよう、あるいは国会議員を含む証人については議会で、たとえばロッキード特別
委員会でお決めになれば、これは一般も国会議員もそんな差別はないんだと、こういうことを本会議でもあなたから聞いたわけです。ところが実際問題としては、御
承知のように上田君も本会議で指摘しましたように、まず第一に証人の問題ですが、
総理はそう言われましても、今日だれも否定できないことは、
わが国は政党政治であり、しかも、議院内閣制であることはもう所信を伺うまでもないと思います。その総裁が即
総理にも終戦、新憲法下なってきたわけでありますが、最近の
実態を見ますと、
総理と自民党という形においてはどうも別人格のような印象を受けております。たとえば証人についてはロッキード特別
委員会で決めれば差別はないのだとおっしゃるが、そのロッキード特別
委員会では、国会議員を呼ぶことに対して賛成が与党においてない。この事例からしますと、仮に秘密会、秘密会なら発表するということ自体については私
ども異論はございます。なぜならば、マークでもはずしたいような昨今の
国民の不信感でございますが、この際やはり灰色その他はっきりしていただいて、
関係のあるもの、ないものはせめてきちんとした上で
国民の審判を受けるということでないと、十把一からげ全部国会議員というものは不信を大なり小なりこうむっておるわけであります。
国民の審判も非常にしにくいというようなことで秘密会をと言われましても、これまた三分の二の御
承知のように賛成がなけりゃ秘密会は持てない。与党絶対多数、衆議院におきましても、参議院はわずかではございますが、多数という、その多数党与党が賛成をしないという仕掛けになっていて、
総理はそっちへゆだねたように見えるけれ
ども、
実態としてはどうにもならない、こういうふうになっていると思うのであります。これらについて議院内閣制、政党政治の見地からも、どうその辺が自民党の中において処理されているのか、されようとするのか、時局認識とともにまず
お答えをいただきたいと思います。