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福間知之君 いまの
お話にありましたように、たとえば物品税という
一つの税目
一つとってみて、それを掘り下げて
議論をしていく、いわばミクロの
議論になりますと、おっしゃるようないわば利害対立、相克する
議論に当然のこととして発展すると思います。私は、いままでの
議論がやっぱりそういう傾向で終わっているんじゃないか。とすると、マクロの
一つの
議論をやって、それを大
前提として、たとえば先ほどから言っている不公平
税制をなくす、あるいは低成長時代に見合った
税制にする、海外の工業諸国に比べてみて日本はどういう点で相違があるのか、これからのひとつこのあり方はしたがって現
税制を基本的にはどういう方向に
是正を進めていくべきかという、そういうマクロの恐らく私は
議論はあると思うんですが、あると思うんだけれ
ども、現実には
所得税じゃ、物品税じゃ何だというミクロの
議論にずうっと進めていくと、それ自体で
一つの壁にぶち当たってしまって、結局は
余り抵抗のないほどほどの手直しということになってきていると思うんですよ。これは大蔵
大臣が、昨年の臨時
国会でも衆参両院で、予算
委員会や当
委員会でもおっしゃっているわけですけれ
ども、
税制は直さにゃいかぬ、
高度成長時代の
税制はやはり一遍見直していかにゃいかぬ、思い切ってそれはやっていかにゃいかぬと、こうおっしゃっているんですよ。ところが、いまお聞きしましても、
当局としては
税調にお願いしているということが表に出ているだけで、本当はもう少しわれわれとかみ合った
議論というものがやりたいんだけれ
ども、乗ってもらえないというふうな歯がゆさが実はあるんです。いずれにしても、それはいま言ったって始まらないかもしれませんが、
税調でせっかく御
審議願っておるんだから、中期計画に見合ってひとつやるということ、もちろんですけれ
ども、さしあたってもう来年度の予算編成、その裏づけとなる歳入の中の大きな項目として、この
所得税、
法人税等が考えられるわけです。あるいは
消費税が考えられるわけですけれ
ども、それらについては当
委員会がさらに
税調と並行して私は鋭意
議論をしていただきたい、やらなきゃならないと、こう思うんです。特に最近、新聞紙上の報道ですけれ
ども、経済団体、たとえば同友会あたりも、いわば
全般的に税の
負担率を高めるということを
前提にしながらも、
法人税、特に企業の交際費などの
増税はとにかくやむを得ないのじゃないかというふうな
方針も出しておるようです。あるいは負の
所得税というようなものもある
程度考えていいんじゃないかと、こんな
方針を出しているようです。また、経団連の土光会長あたりは、企業
増税反対だと、
所得税をふやすのは非常に妥当だなんというようなことをおっしゃっているようです。また関西の同友会の方では、経済関西産業労使会議ですかでは、労使でいわば
税制対策を決めて、十二日には大蔵
大臣に要望に来ると、こういうふうに伝えられているんですけれ
ども、その中には多分に物価減税その他
所得の減税等の要請が入っているようですけれ
どもね。そういうふうに私はいま真剣にみんなが考えておるというふうにこれを受けとめるわけです。したがって、私
どもの
立場では
かなりこれは突っ込んだ
議論を行って、
国民各階層に対して説得性のある
一つの
考え方をやはり提示しなければならぬと、またそれが義務だと思うんです。その場合には、私はあえてその甘いものだけを食べ込んでしまうというんじゃなくって、やはり勇気を持って
是正すべきものは
是正しなきゃいかぬということでお願いをするという姿勢でなければいかぬと思っておるわけですけれ
ども、そういう点で、この減税あるいは
税制問題については今後の
財政計画との関係で不離不即、密接不可分という
立場でさらに
議論を発展をさせていきたい、こういうふうに考えますが、きょうはその他少し
質問をしたい
内容がありますので、その
程度にしておきたいと思います。
ところで、これは大蔵
大臣にお聞きしたいんですが、昨年の
国会でも、いわば経済の安定あるいはまた
財政の安定というために、安定基金の構想というものが持てれば持ちたいんだが、いまとてもじゃないがそういう時期じゃないと、こういうふうにおっしゃったわけです。私は非常にこれは関心を持っておりまして、ドイツにおきましては一九六六年の後半からかつてない大きな不況に見舞われ、六七年度の予算編成は非常に難航いたしました。また、オイルショック以降の七四年の大不況におきましても、国債の大量発行というものが避けられなかった。そういうふうな経験の中から、例の西ドイツにおける安定基金構想というふうなもの——経済安定成長促進法というような法律が生まれ出て、
財政支出の抑制、あるいは
増税を含む中期経済
財政計画等が作成されたと聞いているわけですけれ
ども、その後西ドイツの場合、これはどのように機能しておるのか、効果的に作用しているのか。これはわかっている範囲で結構ですけれ
ども少し触れていただきたいと思うわけです。特に私は、それは
一つの参考でございますが、すでに中期的な
財政収支計算なるものが出されておりますことにかんがみましても、これからのわが国の
財政のあり方については、やはり単年度主義というのは私は基本にすべきだとは思いますけれ
ども、それだけではいけないんじゃないかと、たまたま私これを考えておったんですが、けさの日経新聞でしたか、
大蔵省の
方針で何か報道されていましたけれ
ども、私は、あれをそしゃくしておりませんけれ
ども、文字だけざっと拾い読みしたんですけれ
ども、
赤字公債を早くなくしていくということとうらはらに、しかし、ここ数年は発行を続けなきゃならぬと、こういう
一つの
状況、一方において支出の適切な節減、合理化、一方において合理的な
増税政策というようなものが、いわば歳入、支出含めまして考えられなきやならぬというわけです。そうしますと、その収支を含めた、より具体的な中身を伴うミニ中期計画といいますか、私は大体三年
程度が妥当じゃないかなと思うんですけれ
ども、そういうものを当年度の該当年度の本予算に対する付随的な参考の
一つの中期計画として御提示を願う。これは議決はするはせぬはともかくとして、やはりそしてこの
政府なり議会が、それをある
程度の
審議の上で
前提として含んでいくと、こういうこと。これはもう五年じゃ長いし、十年じゃもちろん長い、何となく抽象的な感じで申し上げているんですけれ
ども、三年ぐらいがいいんじゃないかなと、こんな気がするんですけれ
ども、そういう点も含めて、先ほど申したドイツやアメリカ等では、すでに半長期的な中期的な
財政計画がもう現実に行われていると、こういうふうに承知しているんですが、日本もいよいよそういうことを考えなきゃならぬのじゃないか。私はもちろんですが、わが社会党も単年度主義ということを従来から堅持しています。それは法律の定めるところです。それを曲げるという考えはありませんけれ
ども、けさの新聞ではそういう
財政法の部分の改正をも必要とすると、考えてはどうかというようなことが書いてありましたけれ
ども、それらを含めて、この単年度主義だけではいけないという
考え方。しからばどうするか。そういう必要性というものをどう考えられておられるかですね。