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参考人(
萩原吉太郎君) はい。
そして、そのときなぜ、知っているのに——確かに常盤坑なんというのは戦前から私は知っている。どうもあそこを開くというのは無理じゃないか。なぜ黙っていたか、まことに
責任のない発言だと、ごもっともであります。まあもし、繰り返して言いますけれ
ども、そのとき役員同士での討議であるならば、自分はこう思うとやったんでございます。すでにそのときには成案に到達している。実はそのとき初めて見た。それは怠慢だと言われればそれまでですけれ
ども、そういう行動をとってまいりました。その八月十三日のときに初めてそれを見た。まあ正確の中身というのはわかりません、筋しかわかりませんけれ
ども、それでまあ
責任回避と言えば回避だけれ
ども、そこまでいろいろ各方面の御
意見も伺いながらつくり
上げたものを、四年も引っ込んでいたのが言うでもないなと、
責任回避というよりは何と言うか、私とすれば怠慢だったと思います。
しかし、九月七日でなぜ変わったか、実はどうしても納得いたしかねますし、それから実は、うちへ経理部長、
技術部長呼んで検討した結果、もろもろの点でこれは
採算と合わないなんて言っているけど、おかしいじゃないか、いや、私たちもそう思っております、こういう発言で、まことに不可解だ、こう言うのです。それでまた役員会を招集して、集まってもらいたい、こういうことを言ったわけなんです。まあ私としてもやることが違うというのは一つから言うと、まあ自分の行動の方針というか、切りかえましたので、急に突然出たようになってまいりました。突然出てそういうことを言ったら、出ると同時に真正面の表面に立たなくっちゃならない、これはまあそれだけに自分の百八十度
路線変更につきましては、現在では、変えてよかったなと、こう思っております。
それからいま一つは、水没について注水の
方法云々ということ、ああいうことも実はきょうは忌憚なく申し
上げますが、まあ
技術屋でない私がこれを発言するのは非常に疑問点があるだろうと思いますけれ
ども、私としては、素人の考え方も経験によって当たることもあるんではないのかと、そしてこれは非常に重大な問題でございますけれ
ども、もしあのときに人気の方からパイプを入れてやっていたらどうだろう、結果論でございますけれ
ども。そうするというと風向きは変わらなかったろう。それから、もっともその結果論だと、後から批判するのですから、そういうふうなときに、私はそのことに全然タッチしておりませんし、
技術屋じゃないからなんで、むろん御
指導を得ながらやったんだと思いますけれ
ども、さて後になって、後から言えば何とも言えるじゃないかと言うけれ
ども、実際いかなる
方法でやるべきかということは全然参画しておりませんし、しかしどうも後から考えてみて研究するとどうだ、しかしこれも、あるいはそうじゃなく人気からやったら、またどういう結果が起こったかはわかりませんけれ
ども、少なくとも人気から入れていけば一週間以上かかる、排気の方からやれば一日半で入っちゃう、だから火があるので急いだのかとも思います。まあ、そういうふうには考えますけれ
ども、いずれにしても私の申したいのは、あの山がもう採掘できない、再開できないような悪い
状態じゃないということを主張したいばっかりに、いろんななまはんかな知識に基づいて申し
上げたようなわけで、しかし、そうは言っても、先ほ
ども御質問がありましたが、そういう処置を誤まったことが判明したらどうする、
責任をとるのはちっともいとうことじゃなし、回避しておりません。実を申しますと、もうこの辺で、ここまで区切りがついたからやめてもいいだろうと思うと、何だか知らないが出てこなくちゃならないような羽目に何度も陥って出てきているのですから、
責任をとるということは、そういうふうなかっこうを見ていても、決して回避するものじゃありませんけれ
ども、いずれにしても私の申し
上げたいのは、
幌内という山は、これはわかりませんですがね、実は三月排水して水あげてみませんと。誤解されると困りますけれ
ども、決してそうじゃなくして、もう
路線変更なんて
意味じゃありません。一応将来の参考のためにも、まあ三月から、たとえ半月かそこらおくれても、多くの人命がこれ入っていくんでございますから、これはその原因の
調査というものはその時点でやらなくちゃならないと、こう思っております。