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政府委員(
山岡一男君)
衆議院におきます
審議におきましては全く、先日ですか私が御報告いたしましたとおりの状況でございまして、特段の
理由があったとは思っておりません。ただ数回にわたりまして、
審議の中で
理事懇等におきまして業界からのいろんな申し出を聞かれたことは事実でございます。その中におきましていろんな問題が提起をされまして、それに対しましてわれわれ
政府側も完全な解明ができなかったという点が削除されました
理由の第一であろうと考えております。
それから振り返って見ますと、われわれが
提案いたしました
法案の中には、
建築基準法が
オールジャパンに
適用になる
状態規定であるということでございますので、どうしてもそういうような
遡及適用を組み込むという場合には、将来の
改正に備えまして、将来
基準が
政令で変わった場合にはもう一回その
政令の中で
遡及の
規定を考えるというような
規定がございました。その点につきましては各
先生方から、やはりそういうふうな
遡及ということはもう非常に大変なことじゃないか、そういうものを
政令段階で将来もできるようにすることはおかしい、やはりそういう場合には抜き出して
法律でもう一度聞くべきだというふうなわれわれの
立法技術の問題についても
意見が出されました。さらに、
建築基準法の
中身でございますと、どうしても
構造、
設備等につきましての
代替施設しか認められないということになりますけれ
ども、最近はやはり
ビルの屋上に設けた仮設の
橋梁等で人が助かったというような例もございます。そういうふうな例も
代替措置として入れるためにしは、どうも
基準法の中で
構造上同等以上というようなことしか
代替措置できないのは困るじゃないかというような問題、それからやはりいろいろとたとえば
デパート等につきましては
全国から二十ぐらいの例をピックアップいたしまして、それぞれケーススタディーを真剣に行いました。そういたしますと、やはり改修する場合にどうしても
避難階段を
道路側に出さなければならない、もしくは隣の
ビルと
横断橋でつないだ方が結構だというようなケースが出てまいります。そういう場合には
建物の
容積率がふえるとか
斜線制限に当たるとかというふうな問題がございまして、それに対する手当てがこの
法案にはないじゃないか、そういうものも前向きに
検討すべきじゃないかというような
提案もございました。
それからさらに、技術的な問題といたしまして、先行いたしました
消防法によります
スプリンクラーの設置の義務づけということと、この
スプリンクラーの効果と今回
遡及しようとする
規定の
関係についてわれわれはまあ十分に
関係があったといいますか、
関係づけて考えたという
答弁をいたしましたけれ
ども、
実情調査等の結果、もう少し真剣に
検討したらどうかという御
提案もございました。
それからさらに、
煙感知器ということによりまして、現在は煙が出ますと、それに
感知をいたしまして
非常ベルが鳴る、もしくはシャッターがおりるというようなのが最近
相当多くなっておりますけれ
ども、それがときどき誤作動をする。したがいまして、それを誤作動するようなことをそのままでいま
遡及するのは適当じゃないじゃないか、そういうものについても将来はっきりした方向づけをして
遡及をすべきじゃないかというふうな数々の問題が出ておりました。しかしながら、その他の
日影の問題もしくは多年の懸案の
問題等につきましてはやっぱり
相当急を要する。したがいまして、もう少し時間をかけるところについては別途
防災対策小委員会をつくって息長く
検討を続けたらどうかと、当面こっちだけは早く通したらどうかというのが最後の御決心であったというふうにわれわれ拝察いたしております。