○寺田
熊雄君 大変事実と違う御答弁で遺憾千万なんですよ。
アメリカ自身もあんなにグエン・
バン・チュー政権が早く崩壊するとは
考えていなかったようですし、まして
日本の外交官が的確に認識していたと思うなんていうことは、もう
外務大臣としていかに認識が不足かということを証明するもので非常に残念ですけれ
ども、私がきょう質問することは、趣旨はほかにあるのです。
それは、
在外公館をずっと回って何回か当たってみて、
日本の外交官は勉強が足らないとか何とかいわれていますけれ
ども、確かに勉強しているところと勉強していないところがはっきりわかるのですよ。ことに、全然相手方の要人に接触し得ないで、何にも
情報もとれないという
大使館もある、一生懸命勉強しているところもある。これはやはり
日本の外交
政策に関連するのだけれ
ども、相手方の体制とかあるいは外交
政策に頭から反発的な意識を持った外交官が行ったのでは、それでは相手のふところに飛び込めないので、
情報がとれないのはあたりまえなんで、そういう人事行政について
外務省はもうちょっと根本的に
考え直す必要があるのじゃないだろうか、それがまず
一つ。
それからもう
一つは、任期が三年だという点も
考えなきゃいかぬと思うのだけれ
ども、ようやく事情がわかってきたときに転任してしまう、これはジェトロなんかの、いろいろ海外の半官半民の組織に出向する場合でもそうだけ
ども、職員に聞いてみると惜しいと言うんですね。三年ぐらいでちょうど事情がわかったときに国へ帰らなきゃいかぬ、そういう点も人事行政について見直す必要があるんじゃないか、それが
一つ。
それから、大使あるいは公使の能力とか人柄とかによって職員がいきいきと働いているところと、何か非常に高圧的でいや気を差しているところと、そういうところがやっぱりあるんですね。これはまあどこの官庁でもあるからしようがないけれ
ども、そういう点も配慮しなければいかないのと、もう
一つはやっぱり全般的にいろいろ仕事がふえてきた。まあ外国に居留する
日本人もふえたし、通商
関係も拡大したし、仕事の量は非常にふえたけれ
ども職員が非常に足らないという面が確かにあるんで、それを補充するために現地の雇いというのを雇っているわけですね。雇いというのが言葉もわかるし、非常に一生懸命に、たとえば領事館
関係の事務なんか非常にふえたから一生懸命やっているんだけれ
ども、それが待遇が非常に悪いんですね。たとえばボーナスなんか一ヵ月なんです。ところが一緒にいる
自分より余り働いてない正規の職員はたくさんもらって、一生懸命働いている下層の現地雇いというのは一カ月しかもらってない、非常に不満があるわけだ。夜遅くまで働かされたのに、たとえば女性なんかは働かした
大使館員がはいさようならと行ってしまう。夜はその職員はタクシーで帰らなければいかぬ、食事もとらなければいかぬ。ところが、はいさようなら言われたらみんなそれは自費で賄わなければいけない。そういう点は
大使館員の常識の問題なんだけど、あるいは思いやり、人間性もあるだろうけ
ども、そういう点で人事行政が何か生き生きと動いてないんですね、
外務省の場合は。そういう点を最後にひとつ明確な答弁をしていただきたいと思う、どうしたらいいかということ。