○戸
叶武君 けさのテレビで、
中国から鉄鋼
関係の大量の注文を受けているというようなテレビ放送がなされておりますが、
日本の鉄鋼
関係の産業、特に鋼材がすぐれているのは、戦後における、
日本の製鉄所が破壊されたが、国の援助や何かも受けて大幅な設備投資がなされ近代化がなされて、技術的にもすぐれていた
関係から鉄
関係の鋼材、いろいろなものがアメリカにも殺到していくようになってきているんですが、やはり
日中関係の
貿易を正常化しようという務めを、一九六〇年に私は安保改定阻止
国民会議訪中代表団の団長として行きましたときも、主として高碕さんといろんな細かい打ち合わせをして行きましたが、帰ってきてから
専門家としての高碕さんに、とにかく武漢の製鉄所や何かを見てきたが、
日本の新日鉄の、もとの八幡の鉄鋼所やいろんなものをわれわれは見ているからそれほどびっくりしていないが、なかなか規模は大きいが、
日本の鉄と
中国との進歩の差はどのぐらいあるかということをそのときに聞いたら、素人が外観から見たのではちょっとわからないが、問題は薄板の生産の問題である。
中国が
日本のところまで追いつくのには後三十年はかかると自分は見ているというふうな高碕さんの答えでした。
中国において屡承志さんと三回ほど、長期にわたって国家間の
貿易のルートをつくり上げよう、要するに友好商社
貿易というような形のものより、やはり国家計画
経済を樹立している
中国との国家間
貿易のルートというものが正規に開かれなきやならないというのが私らの
考えでして、そのためにはやはり国家計画
経済をやっても資本の蓄積の余りない
中国、原料はあるが、約束は守れるが延べ払いでなければやっていけないというところには、高碕さんのような人だけじゃなく日銀出身の岡崎嘉平太さんのようなりっぱな人を相談相手にして、
日中関係の
貿易面における正常なルートをつくらなけりゃいかぬということを私は説いたのでしたが、そういうところにいま私はきていると思うんです。やはり中ソの
関係が一枚岩の時代、兄弟党たるソ連から突き放された段階、単なる領土問題だけでなく、もう
一つは藤山さんが言っているように、軍艦を注文したら、軍艦をつくらなくてもソ連の軍艦で
中国は守ってやる、基地を与えてくれ、これはアメリカが
日本にやったような方式ですが、
中国は発展途上国であって完成されない近代国家ではあるが、やはり植民地支配にもう何とも言えない苦労をしておるので、いかなる国からも軍事基地なんかを求められてもしまいという覚悟を決めておったのでそれを断ったのでありますが、
日本と
中国の置かれている
立場は違います。われわれは日米安保
条約破砕ということで安保闘争では闘い抜いたんですが、簡単に安保
条約が廃棄されてはおりません。しかしながら、アメリカの軍部の意図したような海外派兵なり
日本の再軍備強化というものは、安保闘争が
国民の中に定着して一九六〇年のあの
国民的な抵抗運動となってそれは阻止し得たと思うんです。社会党はいろんな点で批判政党のそしりを受けておりますが、
国民とともに組んでこの国の平和憲法を守り戦争はしまい、再び国際的紛争を戦争手段に訴えないと覚悟した以上は、それを貫く精神が
国民の中には定着しておるのです。このことがわれわれは唯一の誇りです。
しかし、あの拡散防止
条約の闘いの中から、私はやはり小坂さんの国連演説を後で読んで、やっぱり自民党の中にも三木さんなり小坂さんなり、どうも自民党というのは余り信用ができないけど、どこまで、平和憲法を守り、戦争と暴力革命を排除して本当に民主的な
政治運営をしてこの国の平和改革を断行し、世界の平和共存に貢献しようという悲願に燃えている人がどれだけ自民党にいるかわからないけれども、少なくてもいいから、
総理大臣なり
外務大臣の要職を占めた以上は、やっぱり
日本国民は本物だった、にせものじゃない――
外交は信義です。
中国とわれわれが結んでも
中国と
日本の受けとめ方は違うんで、いたずらに私はソ連を
日本が敵視することは愚だと思います。感情をあおることも愚だと思います。われわれは固有の領土返還に対して原則は堅持するが、領土問題の中に埋没してしまって、それをショービニズムの武器として排他主義的な愛国心をあおってソ連との
関係を悪化するというようなことをもって、その方が選挙には有利だなどと
考えているような
考え方はやはり私たちは
断固として排していかなきゃならないと思います。それには
日本の
外交防衛の自主性を確立することでありますが、そういう
意味において、小坂さんは今後において核兵器をなくすること、軍備を徹底的に縮小させること、
日本だけが発展途上国の国際世論を背景として、三木さんはどうも世論を背景としてサイズが少し小さ過ぎるが、あなたは
外務大臣で、三木さんより大きな
一つのスケールを持って、そして
日本の
外交進路というものを
一つ一つ積み上げてもらいたいと思いますが、今後どういう形で前進していくつもりですかね具体的には。