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杉山善太郎君 私の質問要求のメーンは、まだ枠組みの中でどうしても申し
上げなければなりませんから、非常に不満です。私は、先ほど念のために申し
上げましたけれども、質問、意見も含め、そして要望というようななまやさしいものでなくて要求すると、そういう基本
理念の上に立って消費者代表、国民というものを代表する
立場で物を申しておるということを――一応意見のやりとりは時間のむだになりまするから取りやめておきまするけれども、もう
一つ具体的な問題として申し
上げておきたいと思うのですが、これは、恐らく
総裁はまだ日が浅いのであるからおわかりになっておりませんと思いますけれども、私はよくわかっておるし、こういうことはやはり非常に、ここだけではなくて世間にあり得る問題だと思いますが、しかし、余りにもひど過ぎるということで申し
上げますが、新潟県の信越線に来迎寺という駅があります。ここから西小千谷までわずか十二・六キロを魚沼線といっておるわけであります。ここに二両編成の列車が午前二回、午後二回走っておるわけであります。一日平均お客さんの数は定期券
利用者が百六十六人です。一般客は五十六人です。駅は三ヵ所あるのです。無論これはいずれも無人駅で人はおりはしませんよ。そこで昨年の年間収入は六百六十六万円なんです。それから支出は一億一千七百五十七円。
これからが問題ですよ。問題は、この魚沼線に沿ってずっとたんたんたる舗装道路が敷かれておるわけですよ。私はこれを見て、また実際に行ってみて、日本列島改造の縮図は一応ここに、日本列島の中に
新幹線という幹線がある。それと並行線に高速
自動車道を走らせると、それで内航
海運を活用して、表から裏へカーフェリー 裏から表へカーフェリーということにならば、運輸
交通体系の中の
国鉄は一体どういうふうに位置づけていくべきかと、それを
交通整理するのが運輸行政であり、国の政治であると。だけれども、ここにあらわれた縮図は、こういう点がここだけで問題でなく、全体の問題にあるからというわけでありますから、問題は魚沼線に沿うてたんたんたる舗装道路が走っておるのですよ。ここに越後
交通株式会社のバスが一日数十本往復しているわけであります。で、この越後
交通は田中ファミリーの会社であることは世間周知の事実であります。
これはまあずばりで申し
上げますが、田中さんはまず
国鉄の再開通――魚沼線というのは大体眠っておった
状態にあったんですよ。道路ができてから眠りから覚めて、いまこういうような
状態になってきたんです。でありまするから、ずばりで言えば、この再開通させて票田を構築したということにもなってくるわけですよ。その後、路線沿いに道路をつくったこともいま申し
上げているとおりです。そこへもってきて、自分の会社のバスを走らして、そして、
国鉄の乗客を横取りしてしまったということに結果はなるわけでありますよ。また、田中が建設公団を設けたという上に、ずばりはいま先ほど、私は年表で、誰だあれ、鉄監
局長か、大体この
計画どおりだ。その
計画を得たのは、私はきわめて意図的なんですよ、あれはね。大体このときに田中さんが
大蔵大臣であったか、あれは、まだ総理でなかったということには間違いないようでありまするけれども、いずれにしても上越線に、
新幹線にいち早く地元の利益誘導をやっておると、私はそういうふうに思うわけです。これは
一つの政治路線です。
総合
交通体系とこれが言えるかどうかというふうにも実は思っておるわけでありますが、建設の上越
新幹線は速いだけが決して取り柄というふうに県民感情は評価しておりませんよ。その上、東京――これは上越
新幹線のことを言っておるのですよ。東京、大宮、熊谷、高崎、まあここまではいいでしょう。今度は新潟県に、大清水トンネルというものをこれは通るわけでありますが、この大清水――それで実は湯沢ですね、それから浦佐、ここに天皇家のやはり山奥にはスキー場とか何かあるというふうに聞いておりますけれども浦佐、それから長岡ですよ、それから燕・三条と、それから新潟と駅ばかりですよ。並行してそこに関越高速
自動車道が走るわけでありますよ。これはとにかく新潟の県民感情からいけば、東京まではいまは「とき」もあり「佐渡」もあるんだと、こういう
新幹線が出て、これが百分で仮に往復できるにしても、県内に四つも五つも駅がある。で、鉄建公団がそれを請け負っておるんだと、
工事はぐんぐん進んでいるんだというような、そういう点から言って、このような建設をして
国鉄の営業というものが一体いつになったら黒字になるかどうかと、上越
新幹線だけじゃないんでありましょう。結果は、私どもが試算して数千億の
工事にありついた土建屋さんと、それに絡む利権屋や政治家が笑いのとまらぬほど実はもうけておるじゃないかと私は私なりに勘ぐっておるわけであります。
そこで、全国の
新幹線網
計画は上越
新幹線の拡大版にならなければいいと、これはなってしまってから内輪げんか起こして、おれが悪かったとか、いいとかいうことじゃもうおそいんですよ。ならないうちに、たとえばこれを十分意識してやっていただく必要があるんだというふうに考えておるわけでありますが、まあそういうようなことでありまするので、この点についていろいろ申し
上げましたけれども、この魚沼線の中のこの状況について、
総裁自身は知っておられなければだれかが答えていただきたい、こう思いますけれども、これは非常に問題なんですよ、実際問題は。