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説明員(田口通夫君) 貨物につきましては、すでに御
指摘のように、再建対策要綱で今後とも中長距離・大量貨物輸送について重点的にその役割りを果たしなさいと言われております。したがいまして、それを果たしながら五十五年度までに固有
経費で収支を均衡させるということでございますので、私
ども一番考えておりますのは、まず、いままでの反省をしなくちゃならぬと考えております。
そこで、その反省点は三つございまして、一つは、やはり
列車体系が非常に複雑であったと。現在、ある程度私
どもが過去の施策によって成功いたしてまいりました
列車体系といたしましては、物資別専用貨物
列車、あるいはフレートライナー貨物
列車、こういう体系は
サービス部門においてもそう落ちませんし、確実の面におきましても、事故等その他がございますれば別でございますが、かなりの競争力を待つ
サービス力を持っておったということでございまして、まあ四十八年度以降の経済変動では落ちておりますけれ
ども、これはトラックも落ちておりますし、内航海運も落ちておりますので、それまでの傾向から見ますと、この二つの
列車は今後も大事に育てていく。
問題は、コストダウンをやります場合の一般車扱い問題について、非常に現在まで設備投資も十分ではございませんでしたし、かつまた非常に複雑な
列車体系をつくってきた。これは一つの試行錯誤でございまして、何とかしてトラックと
サービス面においても競争しようという意欲のあらわれでありましたですけれ
ども、体系自体が結果的には非常に複雑になりまして、御存じのとおり、構内作業につきましても入れかえ回数がふえる、あるいは従事員の入れかえ作業が非常に複雑になるというような形で、コストアップをむしろ招いてきたということでございますので、この一般車扱い貨物を何とかしてコストダウンをしたい。
それにはどうしたらいいかということでございますが、いま具体的ないろいろの問題を現地と打ち合わせをいたしまして具体的策定を現在いたしておりますが、大きな方向といたしましては、いままでやってまいりました貨物集約というものももう一度反省して、厳しくやっていかなくちゃならぬ。あるいは現在相当暇なヤードもございますので、これらの統合もきちっとやっていかなくちゃならぬ。それには労使一体となって、相互の協力を得てやっていきたい。こういう一番にコスト面を徹底的に見直したいということが一つでございます。
二番目は、もう
国鉄の貨物
運賃制度といいますのは非常に長い歴史を持っておりまして、非常に硬直化をいたしております。したがいまして、まあ送ってやるというような、昔の独占的なまだ制度も残っておりますので、これを積極的にいろいろと
総裁の御指示を受けておりまして、弾力的に運用をして本当に商売上の制度にしたい、商売をやっているという前提の上での制度、
運賃制度にしたいということを考えておりまして、かなりの弾力的な運用を今後思いきってやっていきたい。これによってかなりの需要は確保できる。現実にいろいろと今度値上げに際しまして私
ども荷主調査もやっておりますし、いろいろと荷主さんの意見その他も私の耳にも入っておりますし、各管理局にも相当の資料がございますが、まあいろいろ苦労はございますけれ
ども、弾力的運用をやることによってかなりのものが確保できるというふうな見通しもつけております。
三番目は、やはり
総裁が申しましたように、トラックと単に競争するということではなしに、流通全体のコストを下げるために
国鉄も力をかさなくちゃいかぬ。せっかくいろいろとターミナルも持っておりますのでトラックも利用できる、あるいは
国鉄も利用するというような、総合物流の中で全体のコストを下げるために
国鉄もひとつ一生懸命やっていけば、おのずと荷物もふえてくるだろう。現に、これはささいな例でございますけれ
ども、現在フレートライナー
列車でトラック
業者が利用していただいておりますのが、通運とトラック全体の中の三六%利用していただいておりますので、こういう傾向を助長していくことによって
収入の増加を図り、一方コストダウンをやることによって五十五年度、五十六年度の初めには直接
経費はぜひ賄いたい。で、一人前の体制として大きな顔をして商売をしたい、こういうふうに考えております。