○佐藤信二君 まあ大体いまのことで私いいですが。
次に、先ほど黒住委員の質問にもありましたが、今回の
運賃値上げというのは名目でもって五〇%上げる、しかし、実収では三七%というふうにお組みになっているわけでありますが、これは四十九年の値上げの際には名目が二三%、それで実収が一五%ということで、目減りが八%というふうな数字が出ているわけです。そういうところからこの数字が出たのかと思いますが、先ほど
田口さんの方から、ほかの実は交通機関に比べて
国鉄が安いんだというふうなお話があったわけですが、もちろんこのまま比較というのは一概にはできないむずかしい問題があると思うんです。私がほかでやはり調べたんだと、
国鉄の方が今度値上げでもって高くなるという地域もあるわけなんです。
例を挙げますと、私鉄と
国鉄が競合しているところ、すなわち小田原まで、これはもちろん片一方は新宿から行く、片一方は東京駅から行くということで発車駅が違いますが、小田急の場合は四百円だと、
国鉄の場合は六百八十円と、こういうふうな差がある。それからまた、新宿から八王子というところには京王電車が走っておりますが、これで行くと百九十円で行ける。
国鉄で行くと三百十円。それからまた、東京から新宿というわずかな区間ですが、
国鉄で行くと百十円かかるんですが、営団の地下鉄で行くと八十円と。また大阪方面に行きまして、大阪から三ノ宮という区間がございますが、
国鉄が三百七十円で、阪急と阪神が百八十円というふうに、私鉄利用の方が安いというのがあるわけです。
また、航空運賃の、先ほど例をおっしゃったが東京から博多というのは、なるほど
新幹線利用して普通車で行けば一万四千円ということですが、グリーン車を利用いたしますと二万三千円かかってくるわけです。それに対して飛行機で参りますと、ジェット料金を入れて二万百円ということで三千円ほど安くなる。飛行機を利用する人はグリーン車でしょうし、またグリーン車を利用する人は飛行機を利用する人じゃなかったろうかと思うんですがこれだけ差が出てくる。また東京−大阪に関しても、グリーン車では一万四千三百円、飛行機で行けば一万四百円ということで三千九百円飛行機の方が安くなると、こういうような例があるわけです。
また
貨物輸送については、これ、もちろん先ほど御答弁がありましたように、
国鉄の場合は駅から駅ということですが、私が言います例は、新潟県の新発田というところから品川までお米を十五トン車で送った場合には、末端のトラック料金を入れて七万六千円だと、こういうことなんですが、トラックで
輸送すると四万五千五百円しかかからない。また、いまミカンの実はシーズンになりましたが、愛媛県の八幡浜から汐留まで
貨物で送ると十四万円、トラックで送ると九万五千五百円というふうに安いという数字が出ているわけです。そうしてまた、
国鉄の場合にはいろいろ労使対等になられているんでしょうが、ストライキをやるということで非常に利用者から見たら不安な面もあるということで、
貨物輸送なんかの場合にはトラックに頼るということが非常に多くなるわけです。
そういうわけですから、先ほどの名目で五〇%上げられたやつが実収で三七になるというのはどうも私は甘いんじゃないだろうか。また、先ほど
大臣が盛んにおっしゃっているように、いままでとは
国鉄が違って乗っけてやるんだとか、運んでやるんだということじゃないんだとおっしゃった、私もそうだと思うんですが、後から
指摘しますが、どうもいままでの
国鉄は乗っけてやるんだ、運んでやるんだという例が、今回の車両も制限して冬にはラッシュが来るとか、また
新幹線のカバーをやめるとか、寝台車のハンガーとか、スリッパをやめるとかというのでサービス低下ということになると、ますます
国鉄離れという現象が
国民に来すんじゃないだろうか、かように思いますので、実収三七%というのはいいんでしょうかね、これで。この点をお聞きしたいんです。