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1976-10-29 第78回国会 参議院 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年十月二十九日(金曜日)    午前十時二十二分開会     —————————————    委員の異動  十月二十八日     辞任         補欠選任      神谷信之助君     近藤 忠孝君  十月二十九日     辞任         補欠選任      佐多 宗二君     初村滝一郎君      最上  進君     高橋 邦雄君      岡本  悟君     上田  稔君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大谷藤之助君     理 事                 大島 友治君                 林田悠紀夫君                 矢田部 理君                 黒柳  明君                 橋本  敦君                 三治 重信君     委 員                 石破 二朗君                 上田  稔君                 岡田  広君                 亀井 久興君                久次米健太郎君                 高橋 邦雄君                 戸塚 進也君                 秦野  章君                 初村滝一郎君                 宮崎 正雄君                 栗原 俊夫君                 対馬 孝且君                 野田  哲君                 桑名 義治君                 峯山 昭範君                 近藤 忠孝君    国務大臣        法 務 大 臣  稻葉  修君        国 務 大 臣        (内閣官房長官) 井出一太郎君    政府委員        法務省刑事局長  安原 美穂君        法務省矯正局長  石原 一彦君        文部省管理局長  犬丸  直君        運輸省船舶局長  謝敷 宗登君        運輸省航空局次        長        松本  操君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総長       寺田 治郎君        最高裁判所事務        総局人事局長   勝見 嘉美君    説明員        法務省矯正局保        安課長      樋口 淳雄君        法務省入国管理        局登録課長    山下 善興君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○ロッキード問題に関する調査  (ロッキード問題に関する件) ○証人の出頭要求に関する件     —————————————
  2. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。  ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 対馬孝且

    対馬孝且君 まず最初に、法務大臣にひとつお伺いをいたします。  検事総長の名によるにせ電話事件につきまして簡単にお答えを願えればよろしいと思います。まず、三木総理からにせ電話のあったことをお聞きになったのはいつですか。
  4. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 私の記憶では八月の上旬、いまで考えると総理が六日に広島へ行きましたね、その前だと思いますね。あるいは、広島から帰って今度長崎へ行かれましたね、原爆の大会に。その間、その辺のところ、時期は。
  5. 対馬孝且

    対馬孝且君 それでは、その場所はどこだったですか。
  6. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 閣議終了後か何かそういう場面でございますね。
  7. 対馬孝且

    対馬孝且君 そのとき総理法務大臣に対しましてどういう説明をされましたか。
  8. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 妙な電話がきのう来たと、きのうか、妙な電話が来てねと、検事総長だって言うんだよと、そんなばかなことあるはずはないですなと、それは筋違い、検事総長があなたに直接電話するわけはない、こう言ったんです。そうしたら内容説明しませんでしたね、内容を。私がそういうふうに言っちゃったもんだから内容説明しませんでしたね。内容聞けばよかったと、いまにして思うとそう思うんですが。内容を聞かないで、そうして私はそんな筋違いなことあるわけがないんだからそんなものあまり気になさらぬ方がいいでしょう。わしのところにもたくさんかかってきますよ。こういうことを言った覚えがあるんです。それはそれでそのままになっちゃった。
  9. 対馬孝且

    対馬孝且君 まあ、気になさらぬ方がいいですよと簡単に扱ったわけですけれどもね、後から考えてみたらという話がありましたが、やっぱりロッキード隠しであり、しかも三木内閣政権クーデターとも言うようなそういう性格背景を持っているわけだ。そうだとすれば、当然これは法務大臣として総理報告を受けた後に、それでは、検事総長にどういう点でただしたか。その点ひとつ確認しておきたいと思います。
  10. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) これはしかし、そういうことも少しは気になりましたから、少しは私も気がかりだったから刑事局長に、検事総長気を悪くするかもしらぬけれども、そんなこと総理が言っていたよと言うて、刑事局長にはそういうことを言いましたな。刑事局長からきっと検事総長には言うてあると思いますよ、報告は。
  11. 対馬孝且

    対馬孝且君 その内容報告してください。刑事局長にどういう内容が話されて、どういう返答があったのか、この点ひとつ。
  12. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 法務大臣から、総理からの電話によると検事総長と称する者から電話があったということであるが、まさかそんなことはあるまいが、ちょっと布施君に聞いてみてくれぬかということで、その当時役所で電話検事総長に、そういうことをなさいましたかと言ったら、とんでもないという御返事でございました。   〔委員長退席理事大島友治君着席〕
  13. 対馬孝且

    対馬孝且君 法務大臣ね、そのほかにいろいろなことがあったと、いろいろなお話、いろいろな電話がかかってきますよと、こういうことでありますがね、いろいろな内容とはたとえばどういうことですか。具体的にちょっと一、二の例を聞かしてください。
  14. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) まことにくだらぬのやらひやかしみたいのやらね、それから多少気にかかるのもあるんです。それは法律、専門的な知識があるとは思わぬけれども、田中逮捕は別件じゃないかとか、そんなような電話はしばしばあのころありましたようですな。
  15. 対馬孝且

    対馬孝且君 いや、しばしばありましたよというんじゃなくて、これだけの大きな問題を簡単に処理するという法務大臣の、ぼくはやっぱり感覚をちょっと疑わざるを得ないんだね。やっぱりあれだけの一時間にわたる総理との間に対話が交わされて、それも明らかに指揮権発動につながるような内容にわたっているわけだ。中曽根逮捕を隠し、あるいは田中起訴猶予——事件にはなりませんよと、こういうお説教まで交わし内容が、これは私はあなたに話されてないわけがないと思うんですよ、やっぱりちょっと。私はないと思うんですよ。これだけの重大なことをお聞きになって、いやそんなこと毎度おありのことですよ程度のことでこの事件を扱ったというふうにはどうも私は考えられない。この点いかがですかな。
  16. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) さっきもお答えしたように、私はその内容については一言も説明受けてないんです。だから例によって、ああいろんなやつの電話——しかし検事総長がかけるなんてそんなばかなことはないから、それはにせに決まっているんだと、向こうもにせだと思ったと、こう言うんだ。そうすりゃそれ以上歯牙にかけることはないと、こういう感覚でしたな。内容聞けば、それはそんなことはおかしなことだなと、こう思いますよ。内容聞かないんだから、また向こう内容説明しないんだから、わたしにぴしゃっと——ぴしゃっとと言うのは悪いかな。わしがそんなの一々気にしていたらたまったものじゃないというふうに言うたものですから、まあ一時間もあんな——まあ電話好きだか知らぬけれども、そんな内容のことをわしに話すのに少しは気恥ずかしかったのかもしれません。それはわかりませんよ、御本人の意思を聞いてみないと。それでおっしゃらなかったんだと——
  17. 対馬孝且

    対馬孝且君 少なくとも法の番人である法務大臣が、総理大臣検事総長との間の対話と、しかも検事総長電話をしたと、こういう内容の中で、いまも申し上げましたように中曽根は不逮捕だと、田中はとにかく起訴は困難だと、こういうようなことが明らかにされておる。今日明らかになったわけですが、そうだとすれば、ともあれ検事総長から総理電話があったということは重大なこと以外に私はないと思うんですよ。また、あるということも考えられないと思うんですよ、常識的にはですよ、そうでしょう。そうだとすれば、おのずからこの検事総長の名にかけて電話があったという事態に対する、ぼくは法務大臣の認識としてはちょっと解せないですな、やっぱり。この点もうちょっと本当の見解をお聞きしたい。
  18. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 解せないことはないんじゃないですか。そんなことはばかばかしくて聞いちゃいられないです、そんなことはね。うそに決まってるんだから、うそに決まってるんですから歯牙にかけなさんなと、その当時はそう思った。しかし、読売新聞に出ているような内容であれば、それは重大ですな。したがって、いまにして思えばもう少し薄氷を踏むがごとくやっておけばよかったけれども、そこまではわしは脳が足らぬで考えが及ばなかった。これが正直なところです。
  19. 対馬孝且

    対馬孝且君 しかし、それでは三木総理大臣検事総長と思ってなければ一時間も応答するわけないじゃないですか。しかも、その一時間も応答したというだけ、時間の問題だけではなくて、三木総理大臣検事総長と思って答えたことは間違いないんですがね、その点はどう判断しますか。
  20. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) そんなことはあるはずはありませんよと言ったら、おれもわかったと、こう言うのだ。そうして一時間なんてことば言わないんだもの、そのときは。一時間も話したなんて言わないんだもの。内容はもちろん言わないんだもの。そうすれば、わしとしては、常識上、たくさんかかってくるんだから電話が、わしらのところへもね。もっとも検事総長わしのとこへ電話などよこすわけはないんだ、声を知っているから。検事総長の名をかたってわしのところに電話なんか来るわけない。すぐばれるから。そういうやつは、にせのやつは。知らない総理大臣にかけたというところにも、いま考えてみると悪質な、内容を見て悪質なものだなと思うだけの話で、そのときは全く歯牙にかけない、かけるわけがないじゃないですか。一時間も話したよと報告でもしてくれば、何を一時間話したのよと言って内容聞くけれども、そうでしょう。それは、じゃ、脳が足らぬと言えば脳が足らぬかもしらぬけれども、用心深くないと言えば用心深くないかもしれぬけれども、本当にわしらのところにかかってくる電話がくだらぬものだから、あんなくだらぬのに一々そんなもの報告受ける必要もないと、こういう頭ですから、それを間違っているかもしらぬ、あなたから言えば間違っていると。しかし、いまのあの内容を見て判断することと、あの当時内容を知らないで判断して歯牙にかけぬなと言うた私の態度とは、やはりそんなに非難さるべきことではないのではなかろうか。しかし、いまにして思えば、もっと真剣にやっておけばよかったなと、こうは思います。
  21. 対馬孝且

    対馬孝且君 いまにして思えばもっと慎重を期すべきだというお答えですから、謙虚な気持ちで答えていられると思うんですがね。どうもやはりわからぬのは、私は読売新聞のだけじゃなくて、読売週刊誌も全部読ましてもらいました。一問一答の中で、ずっと読んでみますと、いろいろ、一時間ですから相当長い対話をされていますよ。大事なところがあるんですよ。大事なところはどこかというと、つまりね、この段階で、私の判断という、当時電話をかけた検事総長の名をかたった本人が、私の判断でその段階では田中さんを起訴ということは非常にむずかしいと、それから中曽根さんを逮捕というふうに踏み切った場合には問題があると、この詰めに来てるんですよ。そのときに総理大臣が「ウーン」、「ウーン」と初めは否定して、政治介入になるおそれがあるとか、いろいろなことを言ってるんですが、最後には「うん」と返事してるんですよ。この「うん」というのが問題なんだ、やっぱり。これはやっぱり後からの記者会見ですよ。二十三日、二十四日、二十五日の毎日、読売鬼頭判事補記者会見を見ると、やっぱり指揮権発動的な言動があったから、これを世間に明らかにしようと思ったというような言論もあるわけでしょう、言論も。こういう点を私は問題にしているわけですよ。だから、明らかに政治介入的な、そういう問題の要素がやっぱりあったのではないかと。この点は国民としてやっぱり疑惑が晴れないわけですよ。その点ひとつはっきりしてもらいたい。
  22. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 「うん」と言うところありましたな、あなたのおっしゃるとおり。
  23. 対馬孝且

    対馬孝且君 「うん」が大事なんだ。
  24. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) その「うん」が真相なのか、「ウーン」が真相なのか、その辺のところはこれから調査します、よくね。  それから、その後に大事なことがありますな、その後に大事なことがあって、それに対しては、政治介入は一切しないんだからお任せしますよと、言い切っている点はりっぱだと思います、私。
  25. 対馬孝且

    対馬孝且君 りっぱだと思うと言ったって、ところどころ大事なところがあんた、「ウーン」と返事しているのだから、何もりっぱじゃないんだよ、あんた、やっぱり。総理大臣として非常にあいまいですよ、私に言わしたら。少なくとも総理としてあれが、相手があんたが言うとおり、にせものだとするならば、最初から最後まで一貫して、この問題については応答しないと、政治介入考え方毛頭ないと、君と話し合う必要はないんじゃないかと、私は一国の総理大臣だよと言うのが常識だよ、国民的に言うなら。一国あるいは一つの大会社の社長にしたってそんな電話を簡単に応答するような筋合いのものじゃないですよ。そういう点から客観的に考えていけば、三木総理もこの間そういう点ではやっぱり反省すべき点があると、こう言っているんだから私はこれ以上は進みませんが、そういう客観的な事実から判断をしてどうお考えになりますかということを私は聞いているわけです。
  26. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 途中いろいろこの変なところがあって、そうして総理も軽率な点がありましたと言うておられますな。しかし、最後のところが、結論が大事ですから、この、それじゃあ中曽根逮捕田中起訴ということで、というのだから、えらい電話だな、この内容は。
  27. 対馬孝且

    対馬孝且君 そのとおり。
  28. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) それに対して、「首相私は何も政治的に関与することでありませんから、最終的にはあなたの判断にお任せします。」と、こう言っているんですから、これは政治関与はしないと、指揮権発動はしないという一貫した態度の、ぴしゃっと最後結論を言い渡してある点は、ある点は、姿勢として間違っていない、貫いたなと、わたしも安心しているわけです。このとおりだと、この記事をそのとおりであるとしてですよ。これも調べなければならぬけれどもね、そう思っています。
  29. 対馬孝且

    対馬孝且君 これは三木総理がきょう来ているわけじゃありませんから、法務大臣にひとつ言いたいことは、一貫していると言っても途中で非常にあいまいなことがあるんですよ。やっぱりさっき言った、うんという問題なんかは、あれは客観的に見るとね、やっぱり最後はお任せしますよと、お任せしますよと言う自体がおかしいじゃないですか、あんた。私は政治介入をしないという方針が、最初から言うならいろいろあるけれども、これはまあこういうことで時間を食うわけにいきませんから、これはひとつもっと、きょうは最高裁判所呼んでおりませんから、私は法務大臣立場でこれからも積極的に、この真相を明らかにするためにひとつ解明をしてもらいたいと、よろしゅうございますか。
  30. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) いまにして思えば実に重大なことでございますからね、この真相は究明しなければいかぬ。こんなことで、にせ電話などで政治中枢がぐらぐらされてたまったものじゃないですから、これはもう徹底的に究明しなければいかぬと思っております。
  31. 対馬孝且

    対馬孝且君 それでは次に行きます。  私は灰色高官名に関しまして、これから法務大臣質問したいと思います。ロッキード疑獄で重大なことは、腐敗が政府中枢与党自民党中枢に及んだことは明らかであります。逮捕された田中角榮、当時の総理大臣でありまして、また同時に自民党の党首でもあります。橋本登美三郎トライスター逆転劇の進行中における運輸大臣でもあります。佐藤孝行運輸政務次官であった人物であります。疑惑の焦点がこのように政府中枢あるいは自民党中枢にあるとすれば、三木内閣として捜査当局が隠し続けている灰色高官または政府中枢自民党中枢にあった人物ではないかと見るのは国民常識ではないでしょうか。そういう点で考えますと、この常識という考え方について確認を願いたいとこう考えますがいかがでしょうか。
  32. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 前の総理総裁幹事長というような人が刑事責任ありとして検察庁はこれを起訴した。公訴提起をした。また政務次官。その三人を。そういうことに対して、法務大臣総理大臣も一切政治介入をしないという約束を守った、これはね。しかし、党の総裁としては、たびたびここで、責任がある、まことに国民に相済まぬ次第であると、自民党としては。自民党全体が大いに責任を感ずべき問題であるということは、副総理総理もしょっちゅう言っておられることです。私は一法務大臣ですから、党を代表してそんなことを言うべき立場にはありませんけれどもね。ただ、とにかく政治介入はしないでそういうことになった。その後の中間報告にいろいろなことを私申し上げて、人数等も申し上げましたが、その人名を発表せよと、それが責任じゃないかと。そうはまいりません。——そうはまいりません。
  33. 対馬孝且

    対馬孝且君 いずれにしても、政府中枢とはこれは大臣ですよ。総理大臣大臣。それから自民党幹事長といえば自民党の三役だね。私はそれを称して中枢とこう言っているわけですよ。そういう者が逮捕されたという現実の前には、これは国民常識的に考えるのは当然じゃないですか。そういう意味のことを言っているんです。どうですか。
  34. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) そういう意味で、自民党に対し国民が種々非難、攻撃されることについてはごもっともであると、こう思いますよ。
  35. 対馬孝且

    対馬孝且君 一応ごもっともであると認められましたから、そのとおり確認します。  それでは、官房長官参りましたから早速、時間もないようですからお聞きします。  実は、二十一日の本委員会で、三木総理答弁としまして、総選挙までにもう一回、もう一度ロッキード事件報告をひとつ何らかの形で報告を申し上げたいと、こういう答弁になっております。この点官房長官、きょうお見えになりましたから、少なくともこの会期はあと一週間足らずです。それは今会期中にやっぱりロッキードの、第二次というかどうかは別にして、中間報告をされるのは当然ではないかと考えますが、いかがですか。
  36. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) お答えいたします。  いまおっしゃるように、当委員会において総理がそのような発言をいたしておることを私も聞いております。その日時といいましょうか、時期を必ずしも明示しておらないとは思いますが、何らかの形でそういうことをせなければなるまいと思っておるだろうと、私も察しておるところであります。ただ、まあたとえば児玉ルート解明というふうなこともございましょうし、そういう点、時期、内容というものについては私もつまびらかに承知はしておりませんが、やはりそういう発言をいたしましたということは、何らかの機会にその責めをふさがなければなるまいと、こう私も心得ております。
  37. 対馬孝且

    対馬孝且君 何らかの機会にその報告をせにゃならぬということはわかるんですがね。問題は、いつの時点で報告をするかということが非常に大事なんです。それは今月の十五日の中間報告ではこれは十分でない。単なるやっぱり捜査報告である。そういう意味三木総理としては、やっぱり国民審判が、判断ができるような素材として政治報告をせねばならぬだろう、こういう答えが実はここでされているわけであります。そこで内容的には当然やっぱり政治報告。それから事件性格背景政策決定の過程の関係などを含む政治報告でなければならないと私は考えるんです。  そこで、いま、数だけでは政治的道義的の追及には役立たないということも、これは稻葉法務大臣がたびたび言っていることです。そこで具体的に聞きますけれども、いま児玉ルートという名前が出ましたから言うのでありますが、児玉ルート小佐野関係、PXL、加えて言えば国民が聞きたい氏名公表を含めて報告をされるかどうか、この点明らかにしてください。
  38. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) その点は、従来から当委員会において、政治的あるいは道義的側面につきましては議長裁定もこれあり、やはり院の側において何らかの基準をお示しをいただいた上と、こういうふうにお答えをしているはずだと思います。でありますから、いま対馬さん言われる、非常に具体的なその各条項について御満足のいくような答えになるかどうかは私も定かではございませんが、いまおっしゃるような点は、きょうこの席であなたからいまのような御要望があったということは伝えるつもりでございます。
  39. 対馬孝且

    対馬孝且君 そういう具体的なことについては総理に伝えるということなのでありますが、まあやっぱり官房長官ですからね、伝えるだけではなくてやっぱりここで政治判断を私は聞いているわけですから……。  それでは次に聞きますが、役職や肩書きはどうですか。その点をちょっと官房長官
  40. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) これは法務大臣からお答えをいただく方が至当であろうかと思います。
  41. 対馬孝且

    対馬孝且君 どうぞ、それでは。
  42. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 対馬さん、あなたの御質問は、検察官が公訴を提起しなかった人の氏名をも公表せいという主張のもとにしておられるんじゃないかと思うんですね。それで、役職とかいろいろなことでこう特定していって、氏名もわかるような、こういうことになるんじゃないかと思いますね。ですから、その辺のところはよくロッキード対策特別委員会理事会刑事局長もいろいろ話していると思うんでございますがな。まあ、せっかくの御質問ですからね、私、全般的に人名をどうして公表できないのか、十三人だとかいろいろ今度数だけ出してね。二人だとか三人だとか十三人だとか。そしてその名前を言わなければどうしようもないじゃないかということなんだろうと思いますが、それについて法務大臣としての所見をはっきり申し上げます。少し長くなりますけれども、いいですか。
  43. 対馬孝且

    対馬孝且君 いやいや、だめだ。
  44. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) だめだ——それじゃ……。
  45. 対馬孝且

    対馬孝且君 それは後でいいです。そう長くなる——公表できない長い答弁を聞いたってしようがないんだ、そんなもの。  それじゃ官房長官にお聞きしますけれども、先ほど総理大臣に伝えるという問題の中で、これは今会期中に報告をしなければ意味がないんですよ。なぜそれを私は言うかと申しますと、恐らく三木総理は、何らかの報告をせねばならぬということをこれは国会の場でお約束願ったんですから、報告をされるでしょう。またしなければならないでしょう、問題はやっぱり。そうでないと国民審判はどこで受けるんですか。国民判断素材になるものがないじゃないですか。それを私は聞いているんですから。恐らく、何か新聞の一節によると——私の判断でもそうだけれども、会期が終わった後に、国民にはお茶を濁す意味で、記者会見でもして、何かこの間の中間報告発表にちょっと色をつけたような、二、三行足したような内容をぱらぱらっと書いてね、それで、これでついに報告を終わりましたと、こんなごまかしのあなた、報告であっては困るんですよ。少なくとも報告をされるからには、この国会の場で第二次報告に対して質疑応答ができてそれが解明をされて国民判断を受けとめられると、そこで総選挙でもってこれが解明されたかされないかということに私は総理大臣としてお約束願った報告の意義があると思うんです。この点をただしているわけですよ。この点はどうですか。
  46. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 確かにおっしゃるような線で解明ができれば一番いいと思いますが、いま私がそれじゃそうするというところまでは申しかねる問題でございまして、その点はしかと私承りましたから、よく申し伝えます。
  47. 対馬孝且

    対馬孝且君 それじゃもう一つ官房長官にちょっと確認しますがね、よもや、あれでしょうな、先ほど言った単なる記者会見でお茶を濁すというようなことはないでしょうね。まあ少なくとも今会期中に国会の場で報告するだけでなくて、国会でやっぱり質疑をして、その問題点をきちっと国民の前にわかるように解明できるような場を持っていただけると、こう理解していいですね。そういうふうにお伝え願えるということでいいですね、総理に。——そこ大事なところなんだよ。
  48. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) その点、時期なり方法なりは、まあ少し弾力的にお考えをいただきたいと思います。
  49. 対馬孝且

    対馬孝且君 時期なり弾力的に判断を願いたいということはいいんだが、そういう場を設けていただけるということはいいですな、場を設けるということについては。どうですか。
  50. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 本国会の会期、まあ会期末であることはそのとおりでございますが、いまこの際私が、おっしゃるようなお約束はちょっといたしかねる次第でございます。
  51. 対馬孝且

    対馬孝且君 いや、お約束という——ここでお約束せいというんじゃなくて、総理にそのことを誠実に私が言ったことを責任を持ってやっぱり取り次ぎをするという確約をしてもらいたいのですよ。その点はっきりしてくださいよ。そんな子供の使いみたいなことを言ってたらだめだ。
  52. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 先ほども申し上げましたように、よく伝えることにいたします。
  53. 対馬孝且

    対馬孝且君 それじゃ次にまいります。  法務大臣、次の問題ですがね、私はやっぱり灰色高官の問題で、先ほど政府中枢あるいは自民党中枢逮捕者を出したという点では遺憾だったと率直な反省がございますから、それなりにしかと受けとめます。  そこで総理大臣、法務者もそうでありますが、今日の段階では名前が出てこないわけであります。先ほど言われたように、また後から答弁すると言ったけどまあいいですよ。名前が出てこないのですがね。国民はやっぱり、国会議員及び立候補者についていま総選挙を受けるわけですね。これはもうお認めになると思うんです。総選挙を受ける場合に、これはだれが灰色でありだれが灰色でない、シロであると、こういう点では国民としては知る権利があると思うんですよ、当然。国民の知る権利という立場からいくならば、最高裁判決も国民の知る権利ということを判決でも明らかにされているんですから、これをこの際ひとつ最大限にこの最高裁判決で国民の知る権利を生かしていくと、この基本姿勢にやっぱり立つべきではないかと考えますが、いかがですかな。
  54. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) その基本姿勢に立つべきことは当然であります。だからこそ、児玉ルートは残っておる、まことに申しわけないけれども、全日空それから丸紅ルートについてはおおむね捜査が終了しましたからこうでございます、という中間報告をして知ってもらうと、こういうことなんですな。そして、政治的や道義的責任は国会が御判断になって、国会が国民に知らせる義務がある。それをあなた方が一生懸命にやっておられる。それに対して協力する立場にあると、こういうことです。
  55. 対馬孝且

    対馬孝且君 国会が道義的政治責任を追及して、国会がただす必要があると、こういうことですから、これから具体的にひとつ、一問一問具体的に国民の知る権利——国民に知らせるという立場で私もお聞きしたいと思います。  まず最初に、それでは最低限この質問に対してお答え願いたいんでありますが、第一、逮捕された田中角榮は当時の自民党の党首ですが、当時の自民党幹事長などは三十ユニット、九十ユニットなどから金を受け取った事実はございませんか、これお伺いします。  それからもう一つついでに。あるいは現在の党顧問などでこの金銭の授受はあった方はございませんか、自民党の現在の顧問の中で。
  56. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) たびたびお願いいたしておりますように、特定の人の名前を言わないというたてまえからいけば、前段の御質問には、わかっておりますが、お答えはいたしかねます。  それから、後段のことはわかりません。
  57. 対馬孝且

    対馬孝且君 まあ後段のことはわかりませんと言うけども、あんた、この重大なロッキード事件で捜査をしているんですからね、党の顧問がだれであるかぐらいのことは、これはそんなことわからぬわけないでしょう、これ。われわれだってわかっているんだから。堂々と自民党の役員名簿見りゃわかるじゃないですか。  それじゃ次に聞きます。全日空から丸紅が、当然これはトライスター工作をやることが目的なんですから、そのために当然与党の、通称世間で言われております航空族とこう言われる人々に対して、つまり、自民党の航空対策特別委員会の重要幹部、こういう方々でたとえば三十ユニット、九十ユニットを受け取った方はございませんか。
  58. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 先ほどからたびたびお願いしておりますように、公開の委員会の席上で特定の人に結びつくようなことについてはお答えいたしかねます。
  59. 対馬孝且

    対馬孝且君 いや、お答えできませんと言うけどもあんた、道義的政治責任は国会で大いに追及せいと、こう言うんだから、(「あぶり出せと言っている、あぶり出せと」と呼ぶ者あり)ある場合によってはひとつあぶり出せなんて言っているときに、——法務大臣そう言ったじゃないですか、あんた積極的にひとつあぶり出してくれと、こう言うんだから、それを私は具体的に聞いている。国民の聞きたいことをいま聞いているんだよ。  それでは次に聞きますよ。逮捕された橋本登美三郎、エアバス導入延期の行政指導当時の運輸大臣ですがね、ロッキードの丸紅、児玉工作の四十四年当時から続けられているわけです。そこでお伺いします。運輸大臣であったその人々の中で、運輸大臣以前の人ですよ。橋本運輸大臣以前の運輸大臣で、九十ユニット、三十ユニットを受け取った方はございませんか。
  60. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) いまはしなくもお声がございましたように、あぶり出しに応ずるようなことを公開の委員会では申し上げかねますので、それが道義的政治責任の基準をつくる上に必要であるという委員会の御判断でございましたら、秘密会等におきましてできる限りの御協力を申し上げたいと思います。
  61. 対馬孝且

    対馬孝且君 まあ秘密会と言ったってね、これはあなた刑事局長ね、いまやっているといったって与野党で一致しないでしょう、現実の問題として。そういう中なんだから、あなた方も協力するとこう言っているんだから、もう少し協力的な姿勢とってくれなきゃだめだよ、そんなこと言ったって。答弁いいよ。  次に聞きますよ。それじゃ橋本運輸大臣の時代の、その以降の運輸大臣で三十ユニット、九十ユニットを受け取った方はございませんか。この点ひとつお伺いします。
  62. 大島友治

    ○理事(大島友治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  63. 大島友治

    ○理事(大島友治君) 速記を始めてください。
  64. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) そのことも、先ほど申しましたように、基準づくりのために必要とあれば秘密会等においてできる限り御協力を申し上げたいと思います。
  65. 対馬孝且

    対馬孝且君 それでは逮捕された佐藤孝行ロッキード工作中運輸政務次官であったことは間違いありませんね。これ第一点。  そこで、佐藤孝行以前の運輸政務次官で、九十ユニットの分をもらっている方はおりませんか。これ二つちょっと質問
  66. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 先ほどと同じ答えを申し上げて恐縮でございますが、前段の佐藤孝行氏が起訴されたときに、政務次官としての職務に関係があるということで公訴提起されたことは間違いございませんが、その以後の政務次官で云々のことにつきましては、それに時間が重なり合いますと直ちに特定をするという問題に相なるわけでございますので、やはり秘密会等におきましてできる限りの御協力を申し上げる所存でございます。
  67. 対馬孝且

    対馬孝且君 それでは次に、四十四年以降の防衛庁の長官のポストにあった者で九十ユニットから、明らかにわれわれの調べではもらっている、金銭の授受をしている、こういう方が何人かいるんでありますが、この点お調べになったことございますか。
  68. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) せっかくでございますが、昨日ロッキード特別委員会理事会におかれまして、基準づくりのために必要であるから、できる限りその金銭の授受のあった当時の地位、職務関係等を明らかにするように協力してもらいたいというお話でございますので、四十七条の精神と国会の基準づくりという国政調査上の公益性との兼ね合いにおいて、慎重に検討してお答えさしていただきますとお願いをしてございますので、そのような御質問につきましても、その場においてお答えをすることとさしていただきたいと思います。
  69. 対馬孝且

    対馬孝且君 そう言ったって、これはなかなか秘密会とかいろいろなことは言っておっても、実際は理事会でもまとまるような情勢でないからお聞きしているんですから、知れる範囲ではお答え願った方がいいと思うんですよ。言葉では協力するということを言っていながら協力はしないと。この程度のことを、何も名前出しているわけじゃないんだよ。なかったらないでいいですし、あるならあるでいいじゃないですか、そんなことについて、あんた。名前を言っているわけじゃないんですよ、私は。  それでは次、聞きますよ。自民党内でかつて若狭得治と役人時代先輩後輩の関係のあった人で九十ユニット分を、金銭の授受があった方はございませんか。
  70. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 同じ答えを申し上げて恐縮でございますが、申し上げるわけにはまいりません。
  71. 対馬孝且

    対馬孝且君 私は、金銭の授受について、これまで挙げた以外の方々で九十ユニットを受け取った方はございませんか。  それとあわしてちょっとお伺いしますが、大臣経験者、それから政務次官の経験者で何人かこの三十ユニット、九十ユニットの金銭の授受があった方がございませんか。それをお伺いします。
  72. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) まことに、対馬委員の御質問に対してろくな返事ができなくて恐縮でございますが、同じく申し上げるわけにはまいりません。
  73. 対馬孝且

    対馬孝且君 十二の質問をいたしましたけれども、いずれもこれはお答えできないということでございますから、答えを秘密会でできるだけのことをとこう言っておりますが、私はいまこの十二の質問をいたしました。そしてこの十二の問題について、かなり問題があるという立場でお聞きをしているわけですから、これにはひとつあなたも協力をするとこう言っているんですから、もっと協力的な立場でこの問題の解明をするような態度と姿勢をとっていただきたいと、そのことをひとつ法務大臣ちょっとお伺いします。
  74. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 協力するのは当然なんですね、当然なんです。協力いたします。
  75. 対馬孝且

    対馬孝且君 はい、わかりました。  そこでもう一つお伺いしますが、四十七年の九月から昭和五十年の十月までの間の金銭の授受があった者で、九十ユニット、三十ユニットの年度別の整理といいますか、こういうものを出していただけませんか。これわかりませんか、これわかるでしょう、これぐらいのことは。これはお答えできませんということにならぬでしょう。年度別に。
  76. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) すでに九十ユニット関係、それから三十ユニット関係については個別に収受の金額を申し上げてございまして、しかも十三人にわたる九十ユニット関係については、その金銭授受の名目も、お歳暮とか中元とか、あるいは海外旅行のせんべつとかいろいろ名目別に種類分けをしてございますので、それでそれに日時が重なり合いますと、あぶり出しではございませんけれども、海外旅行のおせんべつなどというところに当たりましては、氏名が特定する結果を招くわけでございますので、そういうことも含めて秘密会等でひとつできる限りの御協力を申し上げたいと、かように考えております。   〔理事大島友治君退席、委員長着席〕
  77. 対馬孝且

    対馬孝且君 刑事局長ね、法務大臣ね、私は国民的に考えて全く常識的に——端的な常識なんですよ。常識的なことが端的にわからないということは問題じゃないですか。たとえば、この間この当委員会で発表になりました全日空九十ユニット分の中の海外旅行のせんべつ、これはある人は、ナンバー一というのが百万、二百万、二百万でしょう、五百万ですよ。それから二番目というのは例を挙げますと三百万、百万だ。ナンバー三という人が五百万だよ、せんべつが。せんべつですよ。海外旅行せんべつに何んでそれだけの、三百万、五百万という金が出なきゃならないかということは、国民は、常識的に考えてどう思いますか。国民はせんべつだと言ったら最高五千円から一万だよ、あなたこれ常識考えて。一万といったら最高なものだよ、せんべつの常識というのは。それが五百万も二百万も三百万も出るというところに、明らかにこのねらいというのはトライスターという飛行機を何とかしてもらいたいというところにやっぱり動いているわけでしょう、これ。だから盆暮れあるいは海外旅行せんべつというの出したわけでしょう。だから私はなぜ、年度別にとこう言っていることは、何も名前を言っているんじゃないんですよ、聞こうとしてない。少なくとも国民常識的にこの程度のことは——私に聞いてもらいたいと言うのだ、これを国民が。そうなんですよ、法務大臣、この程度のことは常識でないでしょうか。せんべつとは五千円か一万円、われわれはせいぜい出して一万円だ。ところが三百万も五百万も、こんなに金がせんべつに出るというのは一体どういうことなんだろうと、こういう点について問題があるわけですよ。  もう一つ聞きたいことは、外国へそれじゃ幾ら持っていけるんですか。海外旅行に行くときのドルは何ぼ手持ちできるんですか、外為法に従って。そういう問題だってあるし、常識的でないから私は常識的なことを端的に聞いているんです。それがどうも捜査上の問題だと。何も捜査上の問題じゃないでしょう、こんな問題は。——後でいいですよ、いま私はここで答えてもらいたいと言っているんじゃないんだ。
  78. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 私どもは、せんべつは百万円を超してもせんべつとあり得るということを何ら御報告申し上げておるわけではございませんで、せんべつという名の金が渡されたと、そしてそれが百万円であり、場合によっては五百万円であったと。問題は、われわれ刑事責任を追及する立場からは、それが職務に関する対価であったかどうかということである。そういう対価とは認められなかったということを端的に御報告を申し上げておるわけでありまして、それがせんべつというならば、相当でないとかあるとかということの判断を申し上げておるわけでありません。そのことの御判断はまさに立法府御当局がなさることである。それはまさに道義的政治責任の基準をつくるときの判断の資料ではないかということでございまして、私どもはそれを認めるがゆえに言わないということではございません。
  79. 対馬孝且

    対馬孝且君 これは納得できません。これは国民常識からいって、五百万もの海外旅行に贈るせんべつがあるなんていうことは、これは明らかにトライスター購入のためにあんた、職務権限をもって果たしてくれというものがなけりゃこんな金が出てくる次第のものではないですよ、こんなことは。これはもう常識的に国民判断してますよ。私はそういうことを言っているんじゃなくて、そういう問題について今後捜査の中で協力をすると言うんだから、これはいつの時点——時点でなくて、できるだけ近いうちにひとつこの内容を明らかにしてもらいたい。法務大臣に聞きます。いかがですか。
  80. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 国会の調査権の活動をやっていただければ協力すると言ってるんですから、活動してください。
  81. 対馬孝且

    対馬孝且君 活動しているから聞いてるんだよ、あんた。活動してないなら聞くわけないじゃないか、あんた。活動してるから具体的に聞いてるんだよ、あんた。再度、私はそういう問題について具体的に協力するような態勢をつくるかどうかということを聞いているんですよ、どうですか。
  82. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) だから人名等特定されたり、人名そのものをずばり言うたりするということは、法務、検察当局の立場としては不適当だと思いますから、その理由は私言おうと思ったけれども、あなた言わせぬからきょうは言わない。いずれ言う機会はあるでしょう。まあやっぱり法律的な立場がありますから、ですから刑事局長も言うてるように、秘密会等のあれを、活動さえしてくだされば協力をいたします、できる限りの。いまおっしゃったようなことについても、答弁できることは答弁いたしますと、こういうことです。だから活動してくださいと言っている。
  83. 対馬孝且

    対馬孝且君 それじゃ法務大臣に一つお聞きします。  五百万、三百万というせんべつは常識的にどうですか、法務大臣として判断してあり得ますか。あんたぐらいの大臣になると……
  84. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 私の財力からいうと、途方もない額だなという感じがしますな。
  85. 対馬孝且

    対馬孝且君 そうでしょう。途方もない額だなといったら、何らかのことがあったということでしょう。答えは明瞭なんだよ、これ。恐らく大臣といえども途方もない額だとこう言っているんですから、これ以上申し上げません。途方もない額であるということをお認めになったということを確認しておきます。  それから次の問題、時間もありませんから、申し上げます。運輸省来ておりますか。——全国モーターボート競走連合会の会長はだれですか。
  86. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 笹川良一氏でございます。
  87. 対馬孝且

    対馬孝且君 笹川良一ですね。それでは連合会の顧問はだれとだれですか。この中に児玉譽士夫は入っていますか。——そんなの調べてないのか。
  88. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 連合会の顧問は元連合会の学識理事として村上勇、元連合会の地方代表理事として神田博、元連合会の学識理事として有田喜一、児玉譽士夫氏等でございます。
  89. 対馬孝且

    対馬孝且君 いずれもあれですね、これ、かつて防衛庁長官、郵政大臣、それから厚生大臣という肩書きのある方ですね。そこで学識の理事はだれですか、お伺いします。
  90. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 学識理事は畑賢二氏と若狭得治氏でございます。
  91. 対馬孝且

    対馬孝且君 わかりました。学識の理事が若狭得治であるということをいま確認をされました。わかりました。  次に、日本船舶振興協会の会長はだれですか。
  92. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 日本船舶振興会だと思いますが。
  93. 対馬孝且

    対馬孝且君 ああ、会だ、会だ。
  94. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 日本船舶振興会の会長は笹川良一氏でございます。
  95. 対馬孝且

    対馬孝且君 笹川良一氏——はい、わかりました。  若狭得治は船舶振興会ではどういう役割りを果たしていますか。
  96. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 船舶振興会におきまして、第二号交付金と申しまして、海事思想の普及、それから公益の増進等の業務に関します運用専門委員会委員長をしております。
  97. 対馬孝且

    対馬孝且君 運用専門委員会委員長というのは二号交付金でしょう。たとえば体育事業であるとか、福祉事業であるとかという、そういう意味の運用に関する交付金の委員長と、こういう理解でいいですね、この点ひとつ確認をしておきたいと思います。よろしゅうございますか、それ。
  98. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 二号交付金運用専門委員会は、海事思想の普及及び観光に関する事業並びに体育事業その他公益の増進を目的とする事業について調査、審議する委員会でございます。
  99. 対馬孝且

    対馬孝且君 交付金の関係をもうちょっと説明してください、交付金の関係
  100. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 日本船舶振興会が受けます交付金は、モーターボート競走法によりまして、第一号関係が、造船及び造船関連工業、それから海難防止その他でございます。  それから第二号関係が、先ほど申しましたように、海事思想の普及、観光に関する事業、体育事業その他公益の増進を目的とする事業というふうに交付金を分けて、区分して経理をしております。
  101. 対馬孝且

    対馬孝且君 もう一つお伺いしますが、この役員の解任、それから辞任を含めて、所管は運輸大臣になるわけですが、この役員の解任、辞任運輸大臣の権限においてできるわけですね。したがって、今日まで見ますと、笹川良一、これは別にしまして、児玉譽士夫といういまロッキードで話題になっている最右翼、重大なこの黒幕が実は入っている、全日空の若狭が入っている、こういったような人物が入っているんですがね。運輸省として、こういう人物がこの事件起きてからいまなお役員をやっている。私の調べではいまなお役員をやっているんです。運輸省のこういう委員会、少なくとも体育、福祉のこういう国民福祉の立場に立つ、公平でなければならないし、清潔でなければならないはずであります。これが、いまなお、こういう役員がそのまま存置をされているということは一体どういうことですか。客観的に見て、こういうことが、いやそれで結構まかり通っているんだと、これがそれでいいんだと、こういうことですか。その点ちょっとお聞きします。
  102. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 先生御指摘の役員の辞任、解任につきましては、モーターボート競走会連合会、それから日本船舶振興会の役員につきましては、法律で運輸大臣の認可事項になっております。それから解任の命令規定もございます。解任の命令規定は、いずれも法律上モーターボート競走法の義務違反等でございます。したがいまして、顧問の点につきましては特段の規定がございませんが、これは法人であります振興会、それから本人が決めることが第一義でございますが、運輸省といたしましては、現在非常に真剣に当事者が考えておると思いますので、これを受けて善処したいと、こう考えております。
  103. 対馬孝且

    対馬孝且君 きょう大臣を呼んだんですが、大臣体が悪くて寝ているというから、これはあれですけどね、当事者が判断をするという姿勢が問題だと私は言っているんですよ。NHKのあんた小野会長でさえ、田中角榮のところへ行ったというだけで問題になって、責任をとったんだよ。ましてや船舶振興会、モーターボート協会というのは、あの事業目的からいうなら明らかに体育、福祉でしょう、あるいは弱者救済の福祉事業でしょうやっぱり、国民の、そういうことなんだよ。ところが笹川というのはあんた、NETテレビを通じて、一日一善、子供を大切にしよう、お年寄りを大切にしよう、なんというようなことを言っているけれども、陰でやっていることは、こういうことをやっているじゃないですか、あんた、現実にいま行ったようなことが。そういう関係があるとすれば、これは私が言っているのは、当事者自身がこの問題について——児玉なら児玉というのは今日はっきりしているわけだ。明らかにあんた、ロッキードの最大の、今日の十七億の最大の問題だとなっているでしょう。政治的道義的責任をいま追及しているんだよ。こういう段階で運輸省が、その当事者を待つというんじゃなくて、運輸大臣としてこのことを処すべきときに来ているんではないかと、こう聞いているんですよ。これいかがですか。
  104. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 顧問の件につきましては現在常任役員会で検討中の段階でございます。   〔委員長退席理事大島友治君着席〕  それから二号交付金の運用専門委員会委員長につきましては、これは先ほどから申し上げておりますが、第一義的には振興会本人が決定するものと考えておりますが、毎年一回の開催でございまして、次回が来年の二月に開催される予定でございます。したがいまして、この間、先ほど申しましたように当事者が真剣に考慮して判断するということを期待をしております。
  105. 対馬孝且

    対馬孝且君 これ、大臣でありませんから政治判断を求めるのは無理だと思いますが、局長、いずれにしても私が言っているのは、運輸省として大臣にきょう申し上げてもらいたいことは、直ちにこの問題の顧問等を含めて、こういう問題についてやっぱりこれだけ社会的、政治的な問題になっている人が顧問に座っているということ自体が非常識ですよ、大体。こういう社会的に感じてない、責任を感じない運輸省の姿勢に問題があると私は言っているんですよ。そういう点についてひとつ問題を処してもらいたいということをはっきり申し上げておきます。  そこで、以上の点から今度は刑事局長にお伺いしますが、笹川良一、児玉譽士夫、若狭得治という三人は、いま私が申し上げた運輸省の説明だけでもかなりつながりがあるということが明らかになってまいりました。そこで、十月分二十五日分朝日新聞では、コーチャンの未公開資料の中ではっきりされておりますのは、ロッキード事件で笹川良一が関係していたということが明らかになっています。報道の中ではされております。これはお認めになると思います。そこで、中間報告の中で四百六十人取り調べをしたという中に、この笹川良一が入っているかどうかということをお伺いします。
  106. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 同じような趣旨の答えになってまことに恐縮でございますが、検察が取り調べた人の特定の人を取り調べたかどうかということは内密にいたしたいと思いますので、答弁を差し控えたいと思います。
  107. 対馬孝且

    対馬孝且君 どうもそこへ行くと捜査とかなんとかって言っているんだけれども、それではちょっと次にお伺いしますけれども、単なる参考人としても取り調べをいたしておりませんか。この点ひとつお伺いいたします。
  108. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 特定の人間を調べたかどうかは、被疑者、参考人を通じて申し上げるわけにはまいらないということをお願いしておるわけでございます。
  109. 対馬孝且

    対馬孝且君 コーチャンの未公開資料という中に今回初めて新たに出てきた問題でありますから、この事件について今後取り調べるという用意ありますか。
  110. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) まあ特に今回の事件に関連して関係の深いコーチャン氏が提供した資料ということで大新聞に報道されている情報でございまするから、当然に検察当局としては重大な関心を払っているものと思います。
  111. 対馬孝且

    対馬孝且君 重大な関心を払っているということで、ひとつこの問題について私の質問を終わります。
  112. 野田哲

    ○野田哲君 まず、稻葉法務大臣に伺いますが、稻葉法務大臣は十月二十五日に熊本のかなりひなびたところへ行って演説をされておりますが、まあお互い政治に携っておるものですから、地方へ行けば何か目玉になることをしゃべらされる。これはまあ私もわかるんです。わかるんですが、法務大臣でありますから慎重であってほしいと思うんです。各紙、私慎重に、十月二十五日の稻葉法務大臣の演説の内容が報道されておるものを念を入れて読みましたけれども、大体共通をしておりますので、報道に間違いはないと思うんですが、各紙の見出し、内容、まず私は非常に問題があると思うのは、九十ユニットの「13議員は灰色性薄い」という見出しで、かなり大きく報道されておりますね、稻葉法務大臣の話の内容。  まずお伺いをしたいのは、この俗に言う灰色基準、いま衆参両院のロッキード委員会でいろいろ協議をし、煮詰めておる段階であって、これは国会で決める基準ということでずっと今日まで来ておるわけなんですが、この灰色基準というもの、灰色性を法務大臣が地方へ行って法務大臣が勝手に薄くしたり濃くしたり——まあ濃くはなっていない。薄くされておる。これは法務大臣としては今日までのロッキード委員会、国会で審議をしてきた経過をかなりないがしろにされておると思うんですが、いかがですか。
  113. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 新聞に書いてあることが私の言ったことであるとすれば、それははなはだけしからぬこと。これは新聞はうそですから御安心ください。
  114. 野田哲

    ○野田哲君 あのね、法務大臣。あなたここでそう言われても、あなたのここの発言よりも新聞に報道されたものを国民は一番広く読んでいるわけなんです。じゃ十月二十五日に法務大臣が演説をされたそのくだりのポイントというのはどういうところなんですか、真意は。
  115. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) それは忘れましたね。忘れましたが、灰色性が薄いなどということを言った覚えはありません。それから各紙みんな同じだというけれども、出どこが共同の若い人の通信文がこうなっているから。みんな行ったわけじゃないですから、各社がそろって行ったわけじゃないですから。そういうことも御勘案の上、私の言うことが本当でございますから、新聞はうそでございますから。
  116. 野田哲

    ○野田哲君 これ、ちょっと稻葉さんね、私、具体的なことを聞くと、忘れました、で、いまその席へ帰られるときに、私の言ったことが本当ですと言う。私が聞いたことに対して忘れましたと言いながら、私の言ったことが本当ですと言ったって、私には全く理解できない。  そこで聞きますよ。九十ユニットの「13議員は灰色性薄い」というのはこれは見出しですから、これは見出しになっておるわけです。問題は、こういうくだりがあります。「九〇、三〇両ユニット関係の国会議員十八人のうち、九〇ユニット関係分について職務に関係しておらず(トライスター売り込みのためとは)知らなかった。当時政治資金、せん別、お中元として新日鉄、日立などの会社からもらっている議員もたくさんいる。」、だからそういう全日空からもらった者だけを氏名公表するというのは、これは無茶なことはできない、社会正義に反すると、こういうふうに言っておられるわけです。そのくだりが結局記者の感覚としては、九十ユニットの「13議員は灰色性が薄い」と、こういう見出しになって、世間にはそういう印象で報道されているわけですね。  そこで私は、報道はともかくとして、法務大臣の基本的な認識というものを伺いたいんです。九十ユニットの十三議員、これはこの中間報告でも、「右金員授受の趣旨は、例えば、政治献金、海外出張の際のせん別、中元、歳暮などであり、ロッキード社の航空機売込みと関連があるとは認められなかった。」、こうなっておるわけです。法務大臣は、そういうことでこの熊本でも九十ユニットの十三議員は灰色性が薄いという意味発言を、先ほど申し上げたような具体的な内容で、されたわけですね。十三議員というものについての認識は、そういう認識を持っておられるわけですか。
  117. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 十三人の議員とか、何人の議員とか、そんな数は、私ばかだから数は言わないんですよ。計算は向こうでしたらしいね、新聞社で。わしの言うてないこと、数、勝手に色分けして新聞に出されても、責任負えないね。私の言うのは、いいですか、株式会社たくさんありますわな。そういう企業献金というものは、いまの法律では許されてますわね。そうしたところが、全日空がおかしな会社であるというのは、今年の一月以降、ロッキード問題が出てきてから悪いことやっているなと、こうなっているわけです。ところが、十三議員に五千七百五十万円がいろいろ額が違って分けられた。分けて渡された。それを受け取った。そういう時期には、受け取った人の感覚では、他の会社から、たとえば新日鉄からもらうのも、全日空からもらうのも、同じ性質のものじゃないかというものがあるんではないかと。それなのに、全日空からもらったやつはだめ、政治責任、道義的責任がある、あれは何だと、こっちはいいんだ、と言うんでは公平の原則に反するんじゃないですかねと、こういうことを申しました。それが私の趣旨です。
  118. 野田哲

    ○野田哲君 つまり、九十ユニットのこの関係者は、トライスターの売り込みということは知らずに一般的な政治献金としてもらったんだと、だからそれをかれこれ言うのは、これは妥当ではないと、こういう意味なんですね。
  119. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 他の会社ならばいい、全日空だからいかぬというのは、いまの時点では言えるけれども、その当時はそういう意識はなかったんじゃないか。それはかわいそうじゃないかと。ほかの連中はもっとたくさんわしらの目の回るようなせんべつをもらっているかもしらぬな。それなのに、そっちはいい、こっちは悪いというのは社会正義に反するんじゃないでしょうか、どうでしょうかと、こういう国民啓蒙の意味での演説ですからね、やはり。それから法秩序維持には公平でなけりゃいけませんから、法秩序維持担当大臣としては言っておくべきことだなと、こういう信念です、私。
  120. 野田哲

    ○野田哲君 あのね、法務大臣国民啓蒙のためにと言われましたけれどもね。あなたのその国民の啓蒙のためにという、そういう認識で国民啓蒙してもらったんでは、これは困るんですよね。困るんですよ、そういう啓蒙の仕方では。私はこれは問題があると思う。なぜ問題があるか申し上げます。  九十ユニットの前に三十ユニットというのがあるわけですよ。三十ユニットの方が先なんですよ。そうでしょう。三十ユニットというのは、この中間報告を見ても、こうなっておりますね。四十七年の十月の下旬、この時期ですね。それでまず橋本登美三郎佐藤孝行、これははっきりしてますね。問題はあとの五名です。この五名は、まず五名のうちの氏名が明らかになっていないうちの二名は職務の対価であることは認定できないがロッキード売り込みと関係があると認められると、こうなっているわけです。それから、三名についてはですよ、単純収賄罪であるが時効にかかっている、こうなっているわけです。この橋本、佐藤を含め、職務とは関係ないがロッキードの売り込みとは関係があると認められる者二名、単純収賄だが時効にかかっている者三名、この七名ですね、七名のうちの五名は九十ユニットとダブっているということ、これは安原刑事局長報告されておりますね。そうすると少なくとも九十ユニット十三名のうちの五名についてはですよ、ロッキードの売り込みがあるということは知らずに政治献金として金を受け取ったという説明は、これは成り立たないんですよ。十三名のうちの八名については、あるいはそういう説明が、善意に解釈すれば、成り立つかもわからぬけれども、少なくともダブっておる五名についてはですよ、ロッキードの売り込みがあるということは知らずに政治献金としてもらった、こういう認識にはどうしても立てないんじゃないんですか。この点いかがですか。
  121. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) お説のとおりです。お説のとおりのことを申し上げました。
  122. 野田哲

    ○野田哲君 全然これはかみ合わないな。
  123. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) いやいや、ちょっとちょっと。演説には、十三名というけれども、そしてそれをみんな灰色性薄いと新聞には書いてありますけれども、私は灰色という定義を下して十三名と言ったんじゃないですよね。中間報告にはね。こういう金銭の流れで、こういうふうに流れたと、それが十三名あると言ってんだ。ですから、その中にはさっき言ったようなほかの会社からもらうのと同じような認識でもらってるものもあるんじゃないでしょうか、それをこれだけが悪いと、こういうふうに判断するのは公平じゃないんじゃないでしょうかと、こういう演説だね。そして、帰ってきて、新聞記者に三人——三人かな、飯食ったときに、いまのあなたと同じようなことを言われた。それはそのとおりだと。それはそのとおりだと。だから、全部について全く、何と言うか、ほかの会社と同じ、会社からもらうのと同じ認識だとは言ってないじゃないかと。そしたら色分けして、向こうでちゃんと区別してこう数字を、わしがいかにも区別して数字を演説で言ったかのごとく新聞に出ているわけですね。そういうふうに、あなたのおっしゃるとおりです、ダブっているものは。そう。
  124. 野田哲

    ○野田哲君 わかりました。法務大臣が私の認識と同じだと言われたんですから、この辺でおきます。  法務省の矯正局は見えておりますか。——ロッキード事件に関連をして、前回も本委員会で問題になりました三木総理に対するにせ電話事件、この鬼頭判事補が網走刑務所に出向いていって宮本顕治氏に関する資料を写しとってきたこの経緯については、前回は調査をしていると、こういうことであったわけですが、調査がどのような形で現在判明をしているのか、調査の結果、これを説明してもらいたいと思うんです。
  125. 樋口淳雄

    説明員(樋口淳雄君) お答え申し上げます。  網走刑務所における身分帳閲覧事案につきまして中間報告を申し上げます。  本件につきましては先般来調査を実施しておりますが、現在もなお引き続き実施中でございます。これまでに、前網走刑務所長程田福松氏、同庶務課長南部悦郎氏、この二人から事情を聴取いたしております。この調査の基本方針といたしましては、事案の関係者は三人おりますけれども、いずれの者に信をおくという前提をとらずに行うとともに、当方関係者に対しましてはできるだけ記憶を思い出して供述するようにという喚起を行ってまいったわけでございます。したがいまして、この二人を会わせるということはないように配慮をして調査をいたしました。記憶によります供述をもとにいたしましてした調査の結果を一応まとめましたので、中間報告として報告いたします。まだ各供述には不一致の点がございますが、その不一致の中にこそ真実があろうかと思われますので、その点おくみ取りの上お聞きを願いたいと思います。  まず、調査対象者及び調査期間について申し上げます。  一人は、先ほど申しました程田福松氏でございますけれども、程田氏は、昭和四十九年四月一日から五十一年三月三十一日までの間、網走刑務所長として在勤いたしました。昭和五十一年四月一日に勧奨退職により退職しております。本人に対します調査期間は本月二十一日、二十六日及び二十七日という三日について実施いたしました。  次に、南部悦郎氏に対しましては、南部氏は、昭和四十八年三月十六日から五十年三月十六日までの間、網走刑務所庶務課長として在勤いたしました。現在帯広刑務所庶務課長として勤務中の者でございます。同人に対します調査は、本月二十五日、二十六日及び二十七日の三日間にわたりまして実施いたしました。  初めに、鬼頭判事補からの依頼の経緯、内容について、次に、南部庶務課長鬼頭判事補と応接しておりますので、その状況から御報告申し上げます。  鬼頭判事補からの依頼の経緯、内容についてでございますけれども、まず程田所長の言うところから申し上げます。  昭和四十九年七月二十三日、鬼頭判事補から「二、三日中に終戦直後の政治犯収容者の書類を調査したいので伺う」という旨の電話がございました。法務省または管区あるいは裁判所からの正式の依頼状が必要である旨申して断っております。なお、その際、返事をする必要もあろうかと思い、電話番号を尋ねたところ、「市内電話を使っている」という先方の答えであった。  翌二十四日、札幌矯正管区第二部長から「鬼頭判事補が終戦直後に執行停止した者についての調査につき取り計らってくれ」という旨の電話を受け——この部分につきましては程田所長の供述のみで確定いたしておりません——依頼状が必要な旨を答えて断った旨を告げましたところ、第二部長は「そのために当方に照会があったのであろう」というので、事情を聞いた上、必要が認められれば許可しようと伝えたのであります。  ところが、二、三日中と言っていたのに、二十四日管区からの電話があった後、鬼頭判事補から「網走駅に着いたから間もなく伺う。宮本顕治氏が終戦直後出所しているはずなので、そのことで尋ねたい」旨の電話を受けた。そこで、南部課長鬼頭判事補の身元を確認する旨命ずるとともに、自分自身は果たして宮本氏が出所していたか否か知らなかったので、南部課長に聞いたところ、網走刑務所を出所したことがあるという答えでありましたので、南部課長に身分帳があったら用意しておくようにと指示したのでございます。  その後、間もなく南部課長鬼頭判事補を案内して所長室に来室いたしました。名刺交換後、鬼頭判事補は「職務上の参考として研究したいので来た」旨申し述べるとともに、「宮本氏が当所を出所しているので、確定裁判所名、確定年月日、罪名、刑名刑期、入所年月日、出所年月日を知りたい」と言ったわけです。そこで、自分は鬼頭判事補が現職の八王子支部裁判官である旨南部課長の確認で報告を受けておいたので、わざわざ東京から来たのは担当する事件の参考のため大事な急用で来たものと思い、宮本氏の身分帳により、先ほど申し上げた点について説明した。なお、その際、宮本氏は病気のため執行停止で出所したということは述べた。そうしますと、鬼頭判事補が、私の話したことを「メモさしてくれ」と言ったので、同室していた南部課長に「庶務課に案内し、いま言った範囲内で説明するよう」に指示し、南部課長鬼頭判事補を案内し、退室した。面接時間はそう長くなかったというものでございます。  次に、南部課長の言うところについて申し上げます。  昭和四十九年夏ごろ、東京地裁八王子支部の鬼頭判事補と名のる者から、「職務上、治安維持法の研究のため、宮本顕治氏について調査したいので、あすお邪魔する。これは外部に発表しない」との電話を受けた。そこで、程田所長の指示を受けまして、鬼頭判事補の身元を確認するため、八王子支部の電話番号を調べ、電話をしたところ、電話に出た書記官——この書記官の名前は聞いておりません——から「鬼頭判事補は確かに同支部に勤務しており、きょうは不在であるが、明日網走刑務所に行くと言っていた」という回答を得ました。翌日、「網走駅から電話をしているが、いまからお邪魔する」という電話鬼頭判事補から受けまして「承知した」と回答いたした。  その後間もなく鬼頭判事補が来ましたので、所長室に案内し、かねてから程田所長から用意するよう指示されていた身分帳を程田所長に渡したが、自分はお茶の接待のため退室し、程田所長と鬼頭判事補との詳しい話し合いは聞いていない。なお、鬼頭判事補の所長室在室時間は約二十分程度との記憶であるというものでございます。  これまでの点について申し上げますと、一つは、東京から及び北海道からの鬼頭判事補の依頼について、両者——程田所長と南部庶務課長との供述は一致しておりません。私どもは供述内容を検討したとき、最初、程田所長に電話で依頼したとき、正式に話がないとだめだと断られたために改めて南部課長電話をしたかもしれないと考えられますので、さらに調査を実施することとしております。  なお、当時の札幌矯正管区第二部長、これは森律夫と申しますけれども、この方は現在秋田の刑務所長でございます。この森所長からは本日から事情聴取の予定でございます。  また、鬼頭判事補が網走刑務所を訪れた七月二十四日という日は「電話書留簿」によりまして確認しておりますが、たまたま簿冊がありまして、ここに書かれます鬼頭判事補という名字が、鬼の頭でなくて木の藤、「木藤」と記入されていることから見ましても信憑性があると思われます。  次に、南部課長鬼頭判事補との応接状況について申し上げます。  程田所長から「必要なところを聞いて、教えてあげなさい」との趣旨のことを言われまして、その他の具体的な指示は受けなかったので、庶務課の応接コーナーに案内し、センターテーブルをはさみまして、向かい合って着席し応接した。  鬼頭判事補は、最初、罪名、入所日等について聞いたので、自分が身分帳を見ながら答えていたところ、途中で「ちょっと見せてくれませんか」という申し出がありました。自分としては一瞬ちゅうちょしたが、前日、職務上で来るとの電話があったし、身分を確認するため電話したところ、確かに八王子支部に勤務しており、明日網走刑務所に行くと、そういった書記官の回答があった上、東京からわざわざ来た判事補なので、身分帳を渡してメモさせた。  その間、自分は電話、来客のため二、三回中座したが、一、二回出た後入室した際、鬼頭判事補は身分帳の写真を撮っていた。理由を尋ねようと思ったが、すでにパチパチと写していたので、東京地裁八王子支部の裁判官であるという肩書きに押されて黙っていた。鬼頭判事補は間もなく「終わりました」と言って身分帳を返したので、これを黙って受け取り、所長室にも寄らせず退室させたが、自分としては気分が悪かった。応接の時間は約二十分ぐらいだった。  それから約一週間ぐらいして、鬼頭判事補から「記録をよく見なかったので、診断書の写しをゼロックスで写して送ってほしい」旨を、電話か手紙であったか忘れたが、依頼を受けたので、程田所長の指示を受けた上、診断書を法務省の用紙を使って課員に原本どおりに筆写させ、送り文をつけて鬼頭判事補に郵送した。ゼロックスは一当時網走刑務所にあったが、これを使うと費用がかかるので手書きした。  南部課長の供述書はそういうものでございます。  この点について程田前所長は、応接状況につきましては知らないという供述をしております。南部課長の供述中、筆写しました診断書を程田所長の指示を受けた後に発送したということについても、程田所長は存じないという供述でございます。その後、札幌管区に対しまして、鬼頭判事補が来所をし、調査して帰った旨の報告をいたしております。  以上をもちまして中間報告を終わりますが、今後とも真相の究明をすべく関係職員等について鋭意調査を実施中でありまして、調査結果がまとまった暁には改めて御報告をする予定でございます。  以上でございます。
  126. 野田哲

    ○野田哲君 先日の委員会で、私は、先ほど報告のありました網走刑務所に鬼頭判事補が宮本顕治氏の保管されている資料を写しに行った、このことと非常に関連を持っている松本明重氏、彼が編集、出版している本に、鬼頭判事補が網走刑務所で写し取ったものが掲載をされているという指摘をしたわけでありますけれども、この鬼頭判事補と非常に深いつながりを持っているんじゃないかと思われる松本明重氏、これはこのにせ電話事件が公にされた前後から日本を出国をしているという情報を得ているんですが、いつ、何の目的でどこへ行ったか、この点が明らかになっておれば報告をしてもらいたいと思います。
  127. 山下善興

    説明員(山下善興君) お答えいたします。  実は松本明重氏に関しまする出国、帰国のカードを現在調査中でございますが、現在出たところ、昭和四十六年から四十八年の七月までの間の出入国記録だけが出ておりまして、鋭意、現在電子計算機に入力されておりますので、その操作中でございます。
  128. 野田哲

    ○野田哲君 私が調査を要求をしたのはごく最近のことなんですよ。ここ半月以内のことなんですから、これは羽田等を調査すればわかるんじゃないんですか。どうなんですか。
  129. 山下善興

    説明員(山下善興君) 現在羽田を出入国いたします件数は一ヵ月五、六十万件に上りまして、電算機導入のための過程におきまして、大体出力されるのが一カ月から一カ月半ぐらいかかるような状態でございます。それで、いま先生御指摘の二、三週間前から以降の記録というのはその過程に現在あるわけでございまして、ただ、鋭意これを本日中にでも出すように現在操作中でございます。
  130. 野田哲

    ○野田哲君 それじゃ大至急これは資料を出してください。  文部省に伺いますが、私はこの前の委員会で、鬼頭判事補のかかわり合いがあると思われる松本明重氏、この松本明重氏が勤務していた戦争中の興亜院のグループが設立に参加したといわれる京都産業大学の問題を提起をしたわけでありますが、この京都産業大学が設立された当時の役員はどういう人たちであったか、これを報告してもらいたいと思います。
  131. 犬丸直

    政府委員(犬丸直君) お答えいたします。  京都産業大学は、昭和三十九年八月三十一日に申請がありまして、四十年の一月二十五日に設立の認可がおりております。その当時の役員は、理事長が荒木俊馬氏、元京大教授でございます。それから理事が江本祐治民、岐阜県立医科大学の教授でございます。それから富田健治氏、衆議院議員でございます。それから小野良介氏、これが学校法人松柏学院の常務理事でございます。それから和田完二氏、富国石油瓦斯という会社の代表取締役会長、それから藤原弘道氏、これは学校法人東山学園の理事長でございます。それから西内雅氏、これは元皇学館大学の教授でございます。それから源田実氏、当時参議院議員でございます。それから岩畔豪雄氏、この方は無職ということになっております。これは有名な方ですので、御存じだと思いますが、それから磯村咄夫氏、磯村産業の取締役。  以上でございます。
  132. 野田哲

    ○野田哲君 管理局長、ずっと読み上げた中で、有名な方で御存じであろうと思われるということであった岩畔という人ですね、つまり、これは確かめますけれども、元シナ派遣軍の諜報機関である岩畔機関、この岩畔氏ですね。そういうことですね。
  133. 犬丸直

    政府委員(犬丸直君) 設立認可申請当時に提出されました履歴書によりますれば、岩畔氏の経歴は、概要を申し上げますと、陸士を卒業されて陸軍少尉から陸軍少将まで行かれ、陸軍整備局課員から関東軍参謀その他を経られて岩畔機関長としてインド独立援助というような記載も見えております。
  134. 野田哲

    ○野田哲君 この京都産業大学の設立に当たっては、外国から資金の援助があったのではないかという情報がありますが、設立の資金についてはどういうふうに把握をされておられますか。
  135. 犬丸直

    政府委員(犬丸直君) お答えいたします。  京都産業大学の設立資金につきましては、必要経費として、当時のお金として三億円——土地、建物、図書、備品等で三億円でございます。その資金の調達の方法といたしまして、寄付金とそれから預金等利子ということで、大部分は寄付金でございます。預金等利子というのは、すでに受領した寄付金の銀行に預けておいた利子でございますから、大部分が寄付金になっております。それで、寄付者といたしましては、これは大口の寄付者が、学校法人東山学園、それから理事長でございます荒木俊馬氏自身の御寄付、小野良介氏、和田完二氏、江本祐治氏、水野承三氏、その他全体で五十五人ばかりの方の寄付でございます。別に外国からというようなことは出ておりません。
  136. 野田哲

    ○野田哲君 法務省に伺いますけれども、安原刑事局長、この鬼頭にせ電話事件については、検察庁は、現段階では——この前のときはまだ具体的に検察庁のこの問題に対処する態度は決まっていなかったわけですが、現段階ではこの問題に対してはどういう考え方を持っておられますか。
  137. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 先日以後の動きといたしまして、東京地方検察庁では、この事件を、犯人不明ではあるが、軽犯罪法違反被疑事件として立件をいたしまして、捜査に着手したという段階でございますが、その内容等につきましては、その性質上申し上げるわけにはまいりません。
  138. 野田哲

    ○野田哲君 また中間報告の問題に返りますけれども、ロッキード問題の中間報告。三十ユニット、これは昭和四十七年十月下旬に若狭、藤原が相談をしてトライスターの購入に関係ある国会議員に金員を贈ることとした、そして五百万、橋本二百万、佐藤、二千三百万を四十七年十月から十一月初め五回にわたって国会議員五名に払ったと、こうなっているわけでありますが、この五名、橋本、佐藤を含めて七名、先ほど法務大臣とのやりとりもしたわけでありますけれども、職務上の収賄罪の成立ば認められないけれども売り込みと関係がある、これが二名、それから時効完成が三名、こういうことになっているわけでありますけれども、まず、このロッキードの売り込みに職務上関係があるが時効になった三名、つまりこの三十ユニットのうちの中間報告にある職務上関係があると認められた者というのは、これは端的伺いますが、先ほどの対馬君の質問とも関連するわけですが、職務上という範囲というのは、これは民間航空会社を指導監督をしている運輸省の——国会議員でありますから運輸大臣政務次官、こういう職にあった者と、こういうふうに考えていいわけですか。
  139. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 理論的にはそういうことも考えられますが、そのほかにも、要はロッキード社のトライスターの売り込みに関する関係で公務上関係ある人ということになりますから、しかも国会議員であることははっきり申し上げておりますので、国会議員としての職務ということで、たとえば国政調査上の関係から関係の出てくる場合もございますので、必ずしもそうとは限りませんが、理論的には御指摘のようなことも当然には入ると思います。
  140. 野田哲

    ○野田哲君 そういたしますと、私は、この職務上関係があるというのは、国会議員であり職務上関係があるというのは運輸省の大臣政務次官というふうに限定してお聞きしたんですが、必ずしもそうばっかり言えないということは、つまりこれは、国会議員として常任委員会——運輸委員会等に参画をしている運輸委員長とか運輸委員会委員、そういう範囲も職務上かかわり合いがある範囲と、こう考えていいわけですか。
  141. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 私がお答えいたしておりますのは、事実を申しているというよりも、事実を申し上げることが特定に結びつくことを避けるがゆえに、必ずこれならば運輸大臣運輸政務次官かとお聞きになりますので、理論的には、いま野田委員も正しく御理解のように、国会議員としても職務に関係することもあり得るということを申し上げたわけであります。
  142. 野田哲

    ○野田哲君 三十ユニットの中の二名ですね、二名、職務に関する対価であることは認定できない、そのために収賄罪の成立は認められないが、右金員授受の趣旨がロッキード社の航空機売り込みと関連があると認められる者、つまり職務上は関係ない。ですから、運輸大臣とか運輸政務次官ではないと、あるいは運輸委員会委員長とか、運輸委員ということでもない。それで、職務上は関係ないと。しかし、売り込みには関連があるというのは、これはどういう場合があるんでしょうかね。たとえば自由民主党の航空対策特別委員会、こういうところでポストを占めておった、こういう場合のことを考えればいいんでしょうか。
  143. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 職務上は関係がないというか、職務上の対価としての金銭ではないという意味で、職務上というためには、先ほど野田委員が御理解のように、理論的の範囲としては、国会議員としての国政調査上関与する人、あるいは行政上、大臣、次官等で関与する人というような範囲があるわけで、必ずしも特定はしないと思いますが、いずれにいたしましても、いま御指摘の二名の関係は、そういう意味ではそういう職務にはなかった方であると、しかしながら、トライスターの売り込みに関係があるという意味では、事実上はそれについて何らかの影響力を持っている人というふうに御理解をいただければよいと思います。
  144. 野田哲

    ○野田哲君 官房長官お見えになりましたので、早速伺います。  先ほど同僚対馬議員からも官房長官お答えを聞いたわけでありますけれども、もうひとつはっきりしないので、重ねて伺いたいと思うんですが、以前当委員会中間報告が行われた際、わが党の上田委員から三木総理に対して、これだけでは政治的な立場に立っての報告という形になっていない。政治的な立場に立った第二次中間報告を行うべきではないか、こう総理にただしたことに対して、総理はこれを出すと、こういうふうに答えている。しかも、そのやりとりの中で、国民判断をしていただくために選挙に入る前に出すと、こういうふうに言われているわけです。  けさのNHKのニュースによると、政府筋の情報として、これは児玉、小佐野、この関係についてもつけ加えて報告をするやの意向が表明されたという報道もされているわけですが、まず官房長官に伺いますが、この報告というのは何か記者会見等の場を利用するというような考えもあるようでありますけれども、どういう場で報告をされるおつもりなのか、まずその点を伺いたいと思います。
  145. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) きょう午前中対馬さんにもお答えをいたしましたが、同様の御趣旨の質問を承りまして、確かに総理が当委員会においていずれの日にかはもう一度御報告をせなければなるまいと申しました点、これは今日も変わっておらないと思います。そこで、会期残り幾ばくもない時期になりました今日、できれば国会の場を通じてということが私も一番いいのではないかと、先ほどそういうふうにお答えをいたしました。その場合、その後の新しい材料というものも御一緒に報告ができれば、これは一番結構なことだと思います。これはむしろ法務当局からお聞き及びのとおりでございまして、まあ進展の状況もありましょう、いまの時点でつけ加えるものはそう多くはないというふうにも思われますが、いずれにもせよ、総理が申しましたことは責めを果たさなければなるまいかと思います。  したがいまして、午前中も申しましたように、その時期なり方法というものは考えさせていただくということでございまして、きょうのニュースをお聞きというのは、これは私のどうも関知しないところでございまして、そういう情報がどこから出たかは定かでございませんが、いまの段階でやはりしかるべき時期、方法ということは総理の頭の中に必ずあると、これだけは申し上げられると思います。
  146. 野田哲

    ○野田哲君 しかるべき時期、方法というのは、もう少し具体的にはならないんですか。国会の会期は十一月四日でありますから、いままでの経緯、国会での議長裁定、決議等を照らして、当然これはこの会期中に行われるべきではないか、これが筋道ではないか、こう思うんですが、この点いかがですか。
  147. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 私もそれが望ましいとは思います。ただ、あとわずかの会期になりましたものですから、そういう準備なり構想なりが果たしてまとまっておりますかどうか、いまここでにわかに私が断定しがたいと、こういう事情にありますことをひとつお察しを願いたいと思います。
  148. 野田哲

    ○野田哲君 少なくとも総理大臣がこの委員会で約束をされたわけですよ。だから当然これはこの会期中にこの委員会で御報告をされる、こう受け取るのが当然だと思うんで、私もそう受け取っているんです。だからどうも三木総理については、これは自民党与党の中でも、国会でいろいろなことを相談するよりも、テレビや新聞を通じて国民に直接訴えるという方式がお好きなような評判があるようでありますが、これは前の佐藤さんとは大分違いますね、これは逆ですが。この問題はやっぱり国会で報告をする、それを通じて国民に知ってもらう、これが筋じゃないですか。ですから、十一月四日までにまだ一週間あるわけでありますから、この国会、この席で報告をする、このことを約束できませんか。
  149. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 午前もお答えしましたように、私もそれが一番望ましいというふうには思います。ただ、そのための準備と言いましょうか、御報告すべき問題点を煮詰めるというふうなことにまだ時間がかかるのであろうかという懸念も実はしておるわけでございまして、何もことさらに国会の場というものを避けて別途な方法ということをいま決定しておるわけではございませんで、野田さんのお気持ちは私からもよく伝えたいと思っております。
  150. 野田哲

    ○野田哲君 もう一つ伺いますが、その際は、この再発防止のための法的措置、構想、こういうものもあわせて報告をされるという報道もあるわけでありますが、現在再発防止のための具体的な、まあ法案まではいかないにしても、構想、この点については、総理なり官房長官法務大臣、それぞれ具体的に検討をされているんですか、この点いかがですか、どちらでも結構ですが。
  151. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 後、法務大臣からも補足をいただくといたしまして、まあ私の知る範囲におきましては、問題点の整理を内閣官房といたしまして、たとえば刑法の面においてはどういうところに問題点があるのか、あるいは行政措置として取り上げなければならぬものは何かとか、あるいは海外におけるこういうような事例を集めるとか、そんなふうな作業はいたしておるわけでございまして、同時に、まあ学識経験者の意見などをも聞いてみなければなるまいというふうなことをいままでずっと検討をしてまいりまして、そういう進め方をいたしております。したがって、いまおっしゃる、総理報告の際にそれにも言及するかというお尋ねでございますが、まあ恐らくは多分さようなことも可能であろうかと、かように存じます。
  152. 野田哲

    ○野田哲君 法務大臣はいいですか。
  153. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 私どもの方だけについてですね、まあ法務省としてわが国の現行法体制が、贈収賄等いわゆる汚職事件の防止取り締まりに対して一応整備されているものとは考えておりますが、今後この種の事態に対し、一層効果的に対処するためには、贈収賄規定の整備、法定刑の引き上げなど、刑法その他の実定法規の検討を要する問題もあると思われ、また、従来例を見なかった国際的腐敗防止のため、国際的企業活動の規制のほか、国際的捜査、司法協力関係の整備などについて、関係省庁とも協議して検討する必要があるものと考えております。  以上でございます。
  154. 野田哲

    ○野田哲君 終わります。
  155. 黒柳明

    ○黒柳明君 官房長官ですね、昨日の理事会で、選挙前なかんずく会期内における中間報告、これに対して総理報告しておきますと。報告いただきましたか、総理それに対してどういう所感をお述べでしょうか、お聞かせいただけますか。
  156. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 早速総理にはあの趣はよく伝えました。したがいまして、まあ十分それは考えるところがあるであろうと、こう思っております。
  157. 黒柳明

    ○黒柳明君 十分考えるところがあるであろうというのは、官房長官の感触ですか。総理発言の中にそういうお言葉があったんですか。
  158. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 私がさように見てとったという次第でございます。
  159. 黒柳明

    ○黒柳明君 それは、総理のお言葉の中のニュアンスを含めて、官房長官の主観もプラスして考えるところがあると、こういう判断でよろしいですね。
  160. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 総理答えとして受け取ったわけではございませんが、私はそのように観測をいたしたわけであります。
  161. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、あしたは土曜日、それから来週は一日月曜、二日火曜、水曜が休みで、四日が最終日と。まあ延長がないという私どもはニュアンスがありますものですからね。定例日が二日火曜一回であります。昨日衆議院では二日総理の出頭、最後の締めくくりをやろうと、こういうことであります。ひとつできますれば、いままで総理の出席は衆参合わせてきたものですから、当然私どもも参議院の総理の出席と、こうなるかと思います。ぜひ、衆議院は当然、当委員会、参議院にも二日は最後のひとつ会期内終了という見込みに立った上で総理出席いただきたい。それが一つですな。ぜひ総理出席。  それからもう一つ、またここで言うこともお伝えください。十二分に考えるところがあるだろうと、こういうことを踏まえて、ひとつ二日の日に、最終ですから、いまも社会党の委員からありましたように、マスコミで先行しておりますような政府の発表の形、これは政府はやらないんだと、行政先行はやらないんだと言ってきた手前、いまさらそんなことをやる気遣いはないと思いますけれども、ぜひとも二日の国会の場で、衆参両委員会、なかんずくこの参議院のロッキードの特別委員会の場で、政治的な判断を加味しての第二回目の報告をやっていただきたいと、こう総理にひとつ御報告をしていただきたい。ぜひとも官房長官もその方向で検討していただきたい。   〔理事大島友治君退席、委員長着席〕
  162. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 来週に委員会がお開きに相なるということでございますが、これはできるだけ出席をしなければいけないと思っております。そういう際に、いま黒柳さんの言われるようなことに取り運びますかどうか、これまだ私きょうお約束するのは早計でございますから報告をいたします。
  163. 黒柳明

    ○黒柳明君 最高裁ですね。私、同僚議員がこの後ありますので、短時間で二つの点からお聞きしたいのです。  一つは、鬼頭判事補の行動、もう一つは健康上の問題、これはいままでいろいろ論議されておりますけれども、一番新しい情報を踏まえましてお伺いしたいのですけど、いま現在はどこにいらっしゃるのでしょうかね、これは。国会で証人喚問や何かいろいろありますのでね、いま現在どちらなんですか。
  164. 勝見嘉美

    最高裁判所長官代理者(勝見嘉美君) ただいま現在、鬼頭判事補は東京都内におります。
  165. 黒柳明

    ○黒柳明君 場所ははっきり掌握しているわけですね。
  166. 勝見嘉美

    最高裁判所長官代理者(勝見嘉美君) 私どもには必ず居所をはっきりせよというふうに指示してございまして、けさ現在、居所も確定的にわかっております。
  167. 黒柳明

    ○黒柳明君 必ず居所だけははっきりしろと指示はしておるけれども、先週の土曜来必ずしもそれはそのとおりにはなっていなかったことも間違いありませんですな。きょうははっきりしていると、こういうことですね。
  168. 勝見嘉美

    最高裁判所長官代理者(勝見嘉美君) ちょっと長くなりますが、先週の土曜日には私どもに一日おりました。それから日曜日には参っておりません。月曜日の午前中に私どもに参りまして、第二回目の事情聴取を行いました。その晩こちらからもう帰るようにというふうに指示をいたしまして、その後この証人喚問の問題がございまして、報道されているように、はっきりしなかったのでありますけれども、その中間の時点におきまして私どもに連絡がございました。それから召喚状を受けた時点からは完全に私どもに居所をはっきりするように厳重に指示してございます。
  169. 黒柳明

    ○黒柳明君 必ずしも中間において居所がはっきりしないときがあったと、こういうことなんですが、これはどうなんですか、鬼頭さんは京都地裁に対してはこれはどういう届けになっているのですか。欠席、休暇届か何か出してあるわけですか。
  170. 勝見嘉美

    最高裁判所長官代理者(勝見嘉美君) この事件の報道がありましてから、鬼頭判事補自身がさすがに心身ともに相当疲れておったと思います。現実の問題として法廷において審理をできるような状況にございませんし、仮に法廷で審理をするといたしましても、出てくる国民の裁判を受ける当事者との問題もございますので、京都地裁の方で仕事からいわば解放するということをお決めいただいているはずでございます。  なお、現在休暇届なるものは私ども確認しておりませんが、現在は休暇中というふうに認識しております。
  171. 黒柳明

    ○黒柳明君 京都地裁には休暇届は出ておりません、ないわけです。それを休暇として扱っているわけですか、最高裁としては、一応実質的なこの動きの中から。届けば出てませんね。
  172. 勝見嘉美

    最高裁判所長官代理者(勝見嘉美君) 届けば出ていることを確認しておりません。現在の状態は休暇ということに認識しております。
  173. 黒柳明

    ○黒柳明君 だから、あくまでも本人が休暇届を出しているならば、ある意味では取り調べも任意ですから、拘束力ないわけですから、当人がどこへ行こうと行方不明になろうと勝手だと言えないこともありませんよ。だけど、休暇届を出す意思がない、当人に。それを最高裁がいまの実質的なこの過程において休暇と同じような形にしていると、こういうわけでしょう。もう一回それだけ確認します。間違いないんですよ。それだけ一回確認しないと……。ちょっと時間がありませんから。
  174. 勝見嘉美

    最高裁判所長官代理者(勝見嘉美君) 手続として休暇届を当然出すべきでございますので、現在出していないとすれば、そのような措置をとらせたいと思います。
  175. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、事務総長、やっぱり休暇届を本人出す意思ない。これはこの次の健康管理の面もいきたいんですけれども、にもかかわらず、いまの状況でやっぱり休暇扱いにこれはせざるを得ないと思いますよ、私は。であるならば、やっぱり当人がどこへ行ったかわからないという、こういう身勝手なことは、絶対、幾ら中間においてもやらすべきじゃないと、これは常識だと思いますけれどもね。その点、国会での召喚状、金曜日ですね、いや金曜日じゃない、きのう、おととい、その時点から、先週の土曜から始まっているんですから。これはちょっとやっぱり最高裁もこういう面では手落ちがあったんじゃないかと、こう思いますが、この点反省を含めましてこれからは厳に休暇届出させるのか、あるいは当人が出す意思がなくて、実質的にやっぱり休暇状態にしておかなきゃならない。なるとすれば、完全に当人の行動は把握する。これはあたりまえじゃないですか。いかがでしょう。
  176. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 休暇届という書面は出ていないようでございますが、確認いたしておりませんが、本人から休ませてほしい旨の申し出はございまして、その意味では休暇の気持ちを持っておる、休暇届を出す気持ちを持っておるわけではございます。ただ、いま黒柳委員のお話の、居所を最高裁において確実につかんでおるべきだと、その点において若干の期間、不十分な点があった、御説のとおりでございまして、今後は厳重にいたしたいと思います。
  177. 黒柳明

    ○黒柳明君 それからもう一つですけども、いま健康診断のことをめぐりまして喚問時期等について、いま委員会で鋭意協議中なんですけども、要するに、こちらが国会に出頭せよと。これに対して上申書を出した。それに対して、いわば上申書という、そういう心情的ものじゃなくて、もし不出頭なら不出頭の理由を診断書をつけろ、それをきのう警察病院に行って診断を出した。それもきょうの新聞で報道され、私たちもいま秘密理事会で医師のいろんなことを聞きました。これは秘密理会ですから公には申し上げられませんけれども、しかしながら、あくまでもあの診断というのはきのうですよ、きのう不可能だという診断じゃない、こういう私たち判断に立たざるを得ない、こういうことなんです。少なくともそうなりますと、いまの最高裁のその若干の不備があった、これからは改める。その中の一つに健康管理、少なくとも最高裁として本人が国会に対して不出頭の理由、診断をつけて出す、その診断が不出頭の理由じゃないんですね、実質的には。人間ドックみたいなもので、一週間検査必要とすると。きのうの不出頭の理由も合法な理由じゃない、あの診断は。  それで、いままた理事会で協議しているんです。だから、しかるべく最高裁で不出頭の理由が成り立つのかどうか、しかるべく医師をつけて健康診断させるぐらいこともこれは当然やらなきゃならないのじゃないでしょうか。いかがでしょうか、これは。
  178. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 鬼頭判事補の国会への証人喚問の問題は、私どもとして特別の発言をすべき立場にないという立場をとっておりますので、国会対鬼頭本人の問題としてお取り扱いいただいて、その診断書がいかなるものであるか正確には存じませんけれども、それによって御処置いただくようお願い申し上げたい次第でございます。
  179. 黒柳明

    ○黒柳明君 処置はしているんです。きのうもしようとしたんです。また、いましているんです。これはいいんです。ですけれども、まあこれ時間が短いんで、この経過なんか説明する必要はないんです。また、する時間がないんですけれども、きのうも国会不出頭の理由として当人は出したつもりの診断書なんです。ところが、人事局長、正式な不出頭の理由の診断書じゃないわけです。検査を必要とする——これまた不出頭の理由をこちらが不明確だから再出頭しろときのう法務委員会でやりましたね、こちらもそれ決議する予定になっているんです。それに対しては当人が医者に行って、警察病院でもどこでもいいですよ、不出頭の正確な診断を添えなきゃならないんですな。   〔委員長退席理事大島友治君着席〕 そういうことについてきのうやったことは、全く合法的な理由じゃないと、診断は。こう私たちは見るんです。検査を必要とするわけですから、不出頭の理由にはならない。だから確かに国会との問題ですけれども、休暇届出す意思がない当人を、休暇扱いしている最高裁ですから、そこまでめんどう見て個人の一挙手一投足、所在についてもやっぱりしっかりつかむ、こういうことです。それについて当人の健康状態、ノイローゼぎみだとかなんとかいいながら、新幹線を往復して、おとといの晩、名古屋へ来ましてね、何か東京駅十時半の新幹線では、ふだん飲みつけない酒を相当飲んでいたという、相当の複数からの報告があるんですよ。胃潰瘍で国会へ出てこられない者が、その前の晩大関の一合びんを五、六本並べていたなんて、こういう報告が私のところに電話でじゃんじゃん入ってくるんですよ。色めがねかけていてもおかしい。ひかり八〇号ですってさ。名古屋から東京、その十二番の三の席ですって、これは確実ですよ。いかにめがねかけてもわかりますと。あの方ふだんそんなに飲まないんじゃないですか、東京駅おりたときは千鳥足だ、まあいい身分ですよ。これは電話情報です。私はその場で確認したわけじゃありませんよ。ふだん余り飲まないと、そういう方が胃潰瘍でその翌日は国会に出れないという診断出した人が……。これは診断は胃潰瘍で出れないという診断じゃないんです、検査に一週間要する診断なんですよ。そういうことまでやっぱり見る必要があるんじゃないでしょうかと私は言いたいんです。国会との問題だと言っていれば、当人は不出頭の理由に不出頭の理由じゃない診断出している。検査を必要とする診断しか出ていない。また、いま国会で証人喚問決めた、法務委員会で。当委員会でもまた決める、日にちを限定して。それに対しては、当人は医者に行って、不出頭の正当な理由である診断とるのかとらないのか、当人任せですよ。国会もこれは関知するところではないですね、国会も。再喚問する日にちを決める、これは国会の役だから。だけど、当人の一挙手一投足、それについて最高裁で面倒見るということで休暇扱いにしているんですから、行って診断とってこいと言えないまでも、おまえのきのう出した診断は、あれは不出頭の理由にならないんだと国会から言われているじゃないかと、また法務委員会できのう再喚問の要請受けたじゃないか。ロッキードでまた一日受ける。そこまで健康管理までやっぱりめんどう見てやるということも必要じゃないですか。それを言っているんですよ。だって休暇扱いにしているんじゃないですか、どうですか。
  180. 勝見嘉美

    最高裁判所長官代理者(勝見嘉美君) 御指摘のとおり、現在、鬼頭判事補の心身の状況につきまして、現職の職員、裁判官でございますので、当然健康に配慮すべきは仰せのとおりでございます。ただ、現在国会の方におかれて証人喚問の決定をなされております。出頭、不出頭の理由についても国会の方において十分お調べいただいているところというふうに聞いておりますけれども、この際私どもが積極的に当人の健康状態について、正確な正式な診断を求めたりいたしますと、かえって結果的に国会の方に御迷惑といいますか、むしろ国会の権威を失墜するようなこともあり得ると思いますので、この際診断、正式な診断につきましては私どもには遠慮さしていただきたいというふうに考えております。
  181. 黒柳明

    ○黒柳明君 サゼスチョン……。
  182. 勝見嘉美

    最高裁判所長官代理者(勝見嘉美君) アドバイスないしサゼストにつきましては十分考えさしていただきます。
  183. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうです、事務総長。やっぱり全部やる必要はありません。これは当人の関係ですから、出頭しない正式な理由で当人が医師の診断を受けるなら、診断に行けばいいんですから、もう子供じゃあるまいし。ただ、それについてあくまでも私の言うのは、アドバイスなりサゼスチョンしないと、きのうみたいに全く理由が成り立たないものを持ってきて、当人はそれで出てこなくていいんだなんという上申書を書いているんでしょう。これはやっぱり最高裁がコントロールする中の一分の責任であると思うんです。だから、アドバイスあるいはサゼスチョンもしてやってください。それで私たちは国会でやります。当人はそれに対してどう答えるか、当人の勝手です。だけどその上で、皆さん方が責任ある範囲においては、裁判官なんですからまだ、サゼスチョンなりアドバイスもすることは当然であると、こう思うんです。まあ時間がないから最後の一言。
  184. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 私どもがこの問題についていささか消極的とお考えになるかもしれないような態度をとっておりますのは、正当な事由がなくして出頭いたしません場合には、告発でもございますれば、これは刑事事件として処理しなければならないわけでございます。その場合にこれを判断いたしますのは当然裁判所でございまして、最終的には最高裁判所の判断に服するわけでございます。そういう面におきまして、将来事件となる可能性のある点については私どもとしては余りに立ち入った態度をとるべきではないというようなところがあるわけでございます。しかしながら、いろいろお話もございましたので十分考えさしていただきたいと思います。
  185. 黒柳明

    ○黒柳明君 可能性があるともう判断しているわけですね。可能性があるという判断をもうすでにお持ちなんですか。
  186. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 判断いたしておりません。要するに、不出頭の場合には常に、正当な事由があればよろしいし、正当な事由がなければよくないわけで、その意味におきまして、不出頭の場合には常にその可能性があるわけでございます。
  187. 大島友治

    ○理事(大島友治君) 速記をちょっととめてください。   〔速記中止〕
  188. 大島友治

    ○理事(大島友治君) 速記を起こしてください。  午後三時三十分再開することとし、休憩いたします。    午後零時四十五分休憩      —————・—————    午後三時四十五分開会
  189. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、佐多宗二君、最上進君、岡本悟君が委員辞任され、その補欠として初村滝一郎君、高橋邦雄君、上田稔君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  190. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) この際、証人の出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  ロッキード問題に関する件について鬼頭史郎君を証人として出頭を求め、その証言を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  191. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  証人の出頭日時及び出頭手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
  192. 矢田部理

    ○矢田部理君 私は、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党を代表して、ただいまの鬼頭証人の出頭日時につきましては来る十一月一日午後一時とすることの動議を提出いたします。  右動議の趣旨について説明をいたします。  鬼頭史郎君は、布施検事総長の名をかたり、三木総理指揮権発動を促したいわゆるにせ電話事件について、その関係者、事件内容背景等について知っていると思われ、本件解明のためには国会における証言が必要不可欠であると考えています。しかも、その日時は、第七十八回国会の会期は十一月四日までであり、すでに会期末となり、日程等諸般の事情を考慮すれば、十一月一日午後一時に喚問することが最適と考えるからであります。  以上の動議を提出いたします。(「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)
  193. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 動議の提出もございましたので、証人の出頭を求める時期の件の取扱いにつきましては、理事会において協議することにいたします。  暫時休憩いたします。    午後三時四十八分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕