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1976-10-22 第78回国会 参議院 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年十月二十二日(金曜日)    午前十時二十二分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大谷藤之助君     理 事                 大島 友治君                 林田悠紀夫君                 矢田部 理君                 黒柳  明君                 橋本  敦君                 三治 重信君     委 員                 石破 二朗君                 岡田  広君                 亀井 久興君                 秦野  章君                 宮崎 正雄君                 上田  哲君                 久保  亘君                 栗原 俊夫君                 対馬 孝且君                 野田  哲君                 桑名 義治君                 峯山 昭範君                 神谷信之助君    委員以外の議員        議     員  喜屋武眞榮君    国務大臣        内閣総理大臣   三木 武夫君        法 務 大 臣  稻葉  修君    政府委員        内閣法制局長官  真田 秀夫君        警察庁刑事局長  土金 賢三君        法務省刑事局長  安原 美穂君        運輸省航空局長  高橋 寿夫君        自治省行政局選        挙部長      佐藤 順一君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総長       寺田 治郎君        最高裁判所事務        総局人事局長   勝見 嘉美君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○ロッキード問題に関する調査  (ロッキード問題に関する件)     —————————————
  2. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。  ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 上田哲

    上田哲君 総理、この国会は八カ月余りに及ぶロッキード真相究明を、本当にその名に値する真相究明、徹底的に解明するために開かれたと言ってもいいと私は信じております。そのために本院では、先月の二十八日私自身総理に対して代表質問を行いました。あのとき私は、これはロッキード隠しではないかと、遂にそういう心境に達した再質問再々質問をしたのでありますけれども、自来一月近く、今日総理に対して結果的にはロッキード隠しではないかという声は、野党の立場というようなことではなくて、国民の声になっていると私たち判断をいたしております。きょう開かれるロッキード特別委員会は、総理に対し、その真意をただす恐らくは数少ない機会であると思いますので、私は党を代表して、この際、国民の声として真相がいかにうやむやになりつつあるか、総理政治生命をかけると言われながら、その真相究明真相隠しの側に立っているのではないかとする声に対してどのような御心境であるか、そのことをまずただしておきたいと思います。
  4. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 上田君の御質問の中にあったロッキード隠しという、私はロッキード隠しをする意思は、全然そういう意図は持ってないんです。こういう国民の疑惑を受けたこれは戦後最大の疑獄事件でございますから、この真相ができるだけ国民の前に明らかにされて、そして国民判断の材料というものが提供されることが民主政治の健全な発展のために好ましいことであると考えておりますから、私はこれを隠すという意図はないし、隠す必要もないわけでございます。そういうことでございますから、あの中間報告は、これはまあいままでの捜査過程でございますから、それの報告でありますから、あれで幕を閉ざすというようなことはだれもそんなことはできるわけでもないし、政府考えていないわけでございますから、今後の政府の態度を通じてそういう国民誤解を解きたいと心から願っておるものでございます。
  5. 上田哲

    上田哲君 非常に重要な御発言でありました。中間報告捜査過程報告だからあれをもって幕を引くわけにはいかないとおっしゃる。ということは、総理捜査過程報告ではなくて、別に政治報告というものをお出しになる、そういう御決意でありますね。
  6. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私はこれだけの大事件でございますから、捜査が完了した暁にはロッキード事件性格あるいは金の流れというものに対して最終的に総理大臣報告すべき必要があるというふうに考えておるわけでございますから、そういうことも当然に考慮をいたします。
  7. 上田哲

    上田哲君 総理は、かつてこのロッキード問題の総決算は総選挙であるということをしばしば言われたのであります。総選挙前にこのことが出されなければ、おっしゃる政治報告が出されなければ、総選挙で総決算をつけるというお考えは変わったことになりますが、いかがですか。
  8. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私は捜査が完了した後においてロッキード真相というものは初めてわかるわけですから、まだ捜査が完了してない暁においては、これは全容とは言えませんけれども、しかしその時点で総選挙に臨む場合においては、その時点における一つの、その時点を踏まえて何らかの報告はする必要が起こるのではないかと考えております。
  9. 上田哲

    上田哲君 非常に重大なことですからはっきり御確認を申し上げますが、総選挙でこの問題の総決算をつけると、このお考え変わっていないと、しかもいまの報告捜査過程報告だから十分ではない、とすれば今度の選挙は中途半端なままでおやりになるのか、それとも総選挙に対して国民審判を問うに値するしっかりした報告をさらにお出しになるのか、そこをはっきりお願いいたします。
  10. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 今後捜査は児玉の線でしょうね、いま残っておるのは。この線に対して捜査当局がこの解明に努力をしておりますから、相当進捗をすると私は期待をいたしておるわけでございますから、そういう点から考えてみて、あの中間報告だけでは捜査過程報告であっても十分ではないのではないかと、さらに完了してしまわない場合はまたその捜査のその時点までの何らかの報告はする必要が起こると考えておるわけでございます。
  11. 上田哲

    上田哲君 くどいようですが、もう一遍確認いたします。  そうしますと、重大な政治清算であるとお考えになっている総選挙に、総選挙まで時間は少ないわけでありますが、総選挙までに捜査過程報告のみならず、政治的な立場を加えた御報告をなさるというふうに考えていいわけですね。
  12. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) ただ、その全容が、まだこの捜査が完了していませんから、私もやはりこれが捜査が全部終わった後には、上田政治報告というのは、恐らく総理大臣として、どういう性格のものであったかと、どういうふうに金は流れていったものであるかと、こういうふうな報告政治報告と言われるかもしれません。それは、何らかのやはり報告はすべきだと最初から考えておりました。ただしかし、それは捜査が完了したという場合においてでございますが……
  13. 上田哲

    上田哲君 選挙前です。
  14. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 無論選挙前にそういうことができれば一番いいと私は思ったわけでございますから、しかし捜査が私の予定しておったよりもおくれたことは事実ですから、捜査が完了してない場合においても、捜査が進んでおる段階までは、稻葉氏の捜査報告だけでも、やっぱり捜査過程においても不十分でございましたから、どういう形の報告にするかは別として、そういう報告が総選挙前になされなければ——選挙前にいたすことが国民判断を求める上において適当だと、私がいま考えておるということでございます。
  15. 上田哲

    上田哲君 もう一遍確認いたします。  それは総理責任でお出しになるものでありますね。
  16. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) いまどういう形ということは考えておりませんけれども、それは総選挙に臨む前には、やはりこの捜査が進んでまいりますから、私の場合もあり得ると思いますが、いずにしても一つ報告は出さるべきだと、することが適当であると考えておるということでございます。
  17. 上田哲

    上田哲君 もうくどいんですがね、総理、出されるものが総理責任でないということがあり得ますか。
  18. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) あり得ません。したがって、私、総理大臣自身がするか、法務大臣自身がするかは別としても、政府のそれは報告であることは間違いございません。
  19. 上田哲

    上田哲君 わかりました。時間は切迫しておりますけれども、総選挙前に十二分に国民審判を受けるに値するような総理自身責任における報告がなされると、これは単なる捜査過程報告ではない報告であるということを私は確認をいたしました。  細かい点につきますといろいろございます。一点だけちょっと、ついでにと言ってはなんですけれども、伺っておきますが、この前私がここでお伺いしたときには十四名だった。稻葉法務大臣はその後地方で十三名と言われた。今度は向こうで十二名となった。あのときは十四名だったんですね。これはどういうことなんですか。捜査過程としても大変不分明であると、これは間引きをしているんじゃないかという風評すら上がっておる。御解明をきちっといただきたい。
  20. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) まずお断りいたしておきますが、この場で十四名ということは私どもの方からは御説明申し上げたことはない……
  21. 上田哲

    上田哲君 いや、十四名は十八名に入っていますかと言ったじゃないですか、最後に。
  22. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) ということでございます。そこで結論から申しますと、国会議員取り調べをした者は十七人、そのうち被疑者三人が入りますから、被疑者としてではなくていわば参考人として取り調べを受けた者が十四名、その十四名のうち、先般来御説明申し上げておりますように、二名が金銭授受には関係のない人であるということでございますので、結論から申しますと、公訴提起をされなくて金銭授受関係のある方は十二人であるというのが正しい結論でございます。そして、先日申し上げたのは、全日空のいわゆる裏経理からの金を受け取っておる人が十三人、それから、いわゆる三十ユニットの関係公訴を提起されなかったが金を受け取っておると認められる者が五人と、その十三人と五人との間には三人のダブりがあるということを申し上げたわけであります。結論から言いますならば、十三と五とのダブりの関係では三人であるということを申し上げただけでございます。全体といたしましては、被告人被疑者になった人と参考人として取り調べた人を含めましてダブりが十八のうち六人あるということでございます。したがって、十二というものが、公訴を提起されなかったが何らかの形において金銭授受のあった方ということでございます。
  23. 上田哲

    上田哲君 もう変わりませんな。——もう変わらないそうですから、大事な質問を続けたいと思います。  そこで総理、いいですか、いまそういう決意を示されたんですけれども、私ども総理政治的立場とか、使命とか、権能とかというものを非常にこの際疑義を持つのであります。つまり、あなたは当初から、私は資料を見ないと言われた。で、権能としては当然見られるわけですから、それを見ないと言われた。それは捜査に介入しないのだという意味では、認めていい立場でもあったと思う。ところが、いまは全部知っておられるのです、ね。十三名の氏名、知っておられるわけでしょう。知っておられるわけです。その知っておられるということ、見ないと言ったのがいまは知っておると。知らずにいくんだというのが、いま知っていると。ならば国会に明らかにせよと言うと、これは行政権の乱用だとおっしゃる。私たちはそうは考えない。これをあなただけが知っておられるということは行政権の不当な優位であると私たちは思うんです。知る権利に対して、国民の知る権利国会の知るべき義務、この立場からすると、不当な行政権の優位であると私は考える。こんなものは法制局長官に聞くまでもないことであります。政治的認識であります。私がお伺いしたいのは、見ないと言われたその立場を認めるとしても、いまわかっている立場はいつからどう変わったのか。見ないと言われる筋を通さずに、いま見ているということが一体いつからどういう理屈で変わったのか。この辺のところがどう考えてもよくわからぬのです。御説明いただきたい。
  24. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 資料は私は見ていないけれども法務大臣から報告は、再々というわけでもございませんが、重要な場合には報告を受けると。そういうことで、中間報告なんかするについて、口頭ですけれども、文書で何も出したわけじゃない、そういう報告はあったことは事実でございます。それだから、資料を見るとか見ないというのでなしに、重要な都度には法務大臣から私に報告がある、その報告は聞いているということでございます。
  25. 上田哲

    上田哲君 一般論じゃないんですよ。いま国民が知りたいことは最小——政策過程とか云々の問題はたくさん前から指摘しておりますけれども、ぎゅうっとしぼっていきますとね、それだけで言われてしまうと非常に困るんだけれども、しぼっていくと、たとえば十三名とか十二名とか十八名とか言われる数字の、数字だけでない、中身が知りたい、これが一番知りたいというポイントであることはもう総理、常識の問題ですね。それを総理は知っておられるんです。最初は、わしゃ見ないと言ったのです。おれも見ないぞ、総理は見られるんだけれども見ないと言われた。これは政治的立場、それは認めてもいいと言うんです。いまは知っているんです。あなたしか知らないんだ、あるいは法務大臣。ほとんど国会議員は、国政は知らないんです。これは行政の不当な優位ではありませんか。これを政治的な駆け引きに使っているんではないかという風評も強くなっている折からであれば、政治的良心と良識において明らかにするというところがなければならぬと私たち考えるんだが、どこからその原則は変わったのか。いま不当な政治的優位ではないかと私たちは言うんだが、不当な政治的優位であるということがないというのなら、どういう論理かということを御説明いただきたいということです。
  26. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) これはやはり口頭でいろんな説明法務大臣から受けるわけでございますが、そのことを私が政治的に利用する、私自身がこれはそういう意図も全然ございませんし、このことで私自身がただ口頭説明を受けたわけで、一々覚えておるわけでもないわけでございまして、これを利用して政治的にどうこうという意図はもう全然持っていないわけでございます。それはいろんな点で総理大臣行政の長としていろいろな報告は受けますけれども、そのことで総理大臣が優位な立場というものとは考えない。総理大臣の職責を果たしていく上において、行政全般について報告を受けることは、そのことはやっぱり当然のことだと考えておるわけでございます。
  27. 上田哲

    上田哲君 一般論ではないんですよ。あなたは、見ないと言われた立場がいままであったじゃないですか。見ないという立場を貫くんならそれはそれで一つの見識なんです。いまは知っているじゃないですか。あなただけが知っている、最高行政権者だけが知っているということが不当でないとお考えかという、そのことだけで結構です。
  28. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 見ないというのは、何かこう、そういうことで私が介入することはよくない、そういう印象誤解を与えることはよくないということを言っている。報告というものは受けますよ。報告も受けない一まあ資料などは当然見ないとずっと貫いて言っておるわけですから、報告も何も要らぬというわけには行政の長としてはいきませんから、それは報告は受けるわけですけれども、このことが、報告を受けたことが政治的介入というものの疑問が生ずるというふうには私は考えていない。
  29. 上田哲

    上田哲君 総理、それははなはだ詭弁であります。見ないと言われたことの中には報告も受けないということが含まれなきゃ論理にならぬじゃないですか、そうでしょうあなた。それなら報告を二月段階、三月段階で受けたら何でも知っていることになるじゃないですか。私は見ないよと言ったのは、そういうことには全然首を突っ込まぬぞ、報告も聞かぬぞということでなければ、報告なら聞くんだというんだったら見ないと言った言葉はどういうことになりますか。これはあなた、大変言葉を左右されてそんな論理でやられてはいかぬと思うんです。そんな言葉のやりとりで言っては不信を招くだけですから、具体的な事実を申し上げなければならないけれども、私どももびっくりしたんですが、たとえばこの例です。読売新聞に出ておりますが、あなたのところへ検事総長だという名前をかたって現職の判事補電話をしたという事実が報道をされております。私ども新聞で読んだところですから確かめようもないので、最高裁から責任者出席を求めておりますが、時間が間に合わないそうですから、ちょっとこの分だけは後に残しますけれども電話を受けたというのはあなたですから、この事実はこのとおりでありますかどうか、御確認をお願いしたい。
  30. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私のところへは私を陥れようとするいろんな試みというものが、ありとあらゆる試みがあるわけですね。その一つの中には、いろいろ手紙もありますし、にせ電話どもあるわけで、これもその一つでございまして、やはり二、三カ月前だったと思いますが、検事総長をかたってそういうにせ電話があったことは事実でございます。一々二、三カ月前のことで覚えておりませんが、とにかく法務大臣を通じないで検事総長が私に電話するということはいままでもございませんし、そういうことはないわけで、これはまあ私を陥れようという意図でかかってきたということは当然にわかることで、だれがそういうふうなことを、どういう方面の者が陥れようとしておるのか、そこを突きとめてやろうとしたことは事実でしたけれども、ただ、なかなかこれをどういう方面の者がこんなことをやっておるかということは(「聞こえない」と呼ぶ者あり)しましたけれども、どうも突きとめることができなかったので、法務大臣にこういう事実があったということは言っといたわけですが、きょうそういう新聞が出たから、これは厳重にやっぱり取り調べてもらいたいということを、けさ法務大臣に私は指示したわけでございます。
  31. 上田哲

    上田哲君 けさ指示されて、八月四日以来全然そのことを指示されなかったのはどういうわけですか。
  32. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) この事件があった直後に、法務大臣にこれはひとつ調べてみてくれということは申したわけでございます。
  33. 上田哲

    上田哲君 細かいことはともかくとして、この話の内容は、いま総理自身も私を陥れるための云云ということを言われましたけれども、そういうふうなニュアンスがあったのではないか。大事なところはお忘れになるはずはない、そういう印象があるんですから。その大事なところは田中起訴中曽根逮捕とを振りかえるということについて御判断を仰ぎたいという趣旨のことであったということは間違いありませんね。
  34. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) よく覚えておりませんけれども、そういうことはあり得ないことですから、法務大臣を通じないで、そしてそういうふうな何か直接に私に電話がかかってきたこともございませんし、あり得ない。無論これは怪しい電話であることはわかる。内容に対しては私は一々覚えてもないし、とにかく人を陥れるためにいろんなことを言うわけであったと思いますので、私自身も、これはどういう方面の者がこういうことをやっているのか、ある程度相手になったことは事実でございますけれども、どうもなかなか何かこう普通の、一般の、ときどきにせ電話がかかってくるのとは模様が違うわけでございまして、何かやっぱりこれは少し調べてみる必要があるというので、法務大臣にそのことは伝えたわけでございます。
  35. 上田哲

    上田哲君 ですからね、総理田中起訴中曽根逮捕とを振りかえようということについて何らかの指示を仰ぎたいということであったということは御記憶でしょう。それなしに私を陥れる云々なんて出てくるわけないじゃないですか。
  36. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) いや、よくちょっと……私自身がその問題はひっかけようとするものだということを感じておったわけですから、一々覚えてはいないんですけれども、何かやっぱり田中中曽根というような話がその電話の中に出たように思います。
  37. 上田哲

    上田哲君 私どもが聞いているところでも田中逮捕の七月二十七日の朝です。田中事務所に、実は鬼頭だが、と言って電話が入っているんです。田中事務所の秘書に向かって入った電話をたまたまここにいた共同通信の記者がとったという話を確認しておるんでありますけれども、まさに鬼頭だがという名前田中事務所へそうやって電話をかければ通ずるという関係にある人が判事補にいる。この同じ名前の人が名前をかたってあなたのところへ電話をかけている。大変私は不思議な感覚にとらわれるんです。そういう感じをお持ちですか。
  38. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私はきょうの記事を見て、これはやはり捨ておけない問題であるから徹底的にこの問題は解明をしてもらいたいと稻葉法相指示したわけでございます。
  39. 上田哲

    上田哲君 事実関係はあれですか、もう当然これは新聞を読んで調べてなきゃならない。事実かうそかぐらいのことは録音もとってあるというんですから、これはイエスかノーかぐらいのことは答えてもらわないと困るんですけれども、これはだめですか。最高裁だれか来なければこの事実関係について答えられませんか。
  40. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 大分前のことですから記憶が薄れていますけれども総理大臣からそういう話がありましたから、こんなばかなことをやるわけはない、検事総長がそんなばかなことをやるわけはないじゃないですか、そんな電話はわしのところにもたくさんくるんだ、あんまり気にしなさんな、とこういうことを言うたことは覚えているんですね。これでけさ新聞を見て——いま衆議院の法務委員会でやっているでしょうが、鬼頭裁判官をめぐる問題について本日京都地裁本人調査いたしました。明日最高裁事務総局本人呼び出し調査をする予定であるという通知が私のところに来ました。
  41. 上田哲

    上田哲君 もう一つ、きのうの朝日新聞にも出ているわけですけれども、四十九年の夏に網走へ——例日本共産党の宮本委員長問題についての資料をこの人がとったと、この事実は確認できますか。
  42. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) おととい法務省石原矯正局長から、目下鋭意調査中という報告——よく調査しておけという指示をしておきました。
  43. 上田哲

    上田哲君 これは最高裁責任者が来てから確認しないとわからぬでしょうから留保しておきますけれども、そうした事実はたくさんあるんです。非常に奇怪なことでありまして、これをたとえば自民党の政争の具に供する、あるいはそれがロッキード隠しにいろいろとかかわってくる。そしてまた、一部週刊誌等々にこうしたものを流すというきわめて許しがたい動きというものがかい間見えていると私は思うんです。この認識は一致しますか。
  44. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) あなたの御認識と私の認識は一致しております。実に重大なことである、許すべからざることであるという認識であります。
  45. 上田哲

    上田哲君 総理
  46. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 全く卑劣なる行為であって、これはやっぱり徹底的にこいつは調べるべき問題だと思っております。
  47. 上田哲

    上田哲君 これはひとつ明確にしなきゃならぬと思います。しかも、裁判判事補ですからね。こういうことになってくると、一体司法の権威なんというのはどこにあるのかという問題は国民として許しがたいところです。  もう一つ、ところがこの事実が、このとおり録音のとおりであったとすれば、私は総理にも問題があると思うんです。陰謀は陰謀として、非常にあいまいな言い方にはなっていますけれども、一、二の例を挙げれば、総理が、たとえば六時まで待ってくれぬか、六時まで待ったら考えて返事をしようみたいな、これは指揮権の発動を向こうがいかに誘導しようとしても、こんなものは受けるべき話ではないんだから話をする必要はないと、たとえこれが検事総長の話であっても切るべきじゃありませんか。いかがですか。
  48. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) いや、私も一体こういうものを、何かやっぱり、相当普通のデマ電話とは違ったものがありますから、何か突きとめてやろうということでいろいろその人間に対して相手になったことは事実でございますが、私自身は、もうこれは介入する意思は初めからないことでございますから、そういう真意は、もうこれは検察も国会において私が答弁しておることは知っておりますから、そういうことで何にもそういう意図がないわけでございますから、何かやっぱり陥れようとする、これはどういう方面の人間なのかということを調べたいということでございまして、私自身がその内容について、これはもう私を陥れる電話である、陥れようとしておるわけですから、そういう介入するなんという意思は全然持っていないわけでございます。
  49. 上田哲

    上田哲君 総理、それじゃだめなんだ。これは陰謀であるということはわかる。陰謀的であるということは許せない。それはいい。そのこと自体は追及しなきゃならぬ。しかし、これがにせ電話であったにもせよ、何であったにもせよ、検事総長でないならこれは初めから問題にならないし、検事総長であるとしてもこんな話は乗らない、君の方でやりたまえと。何時まで待ってくれいだのなんだの、きっぱり切らなかったということは総理としておかしいじゃないかということを言っているんです。おかしくないですか。
  50. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) それはにせの電話、そんなことは言うはずはないんですから、だからやっぱり私は後で法務大臣にそういうことを言ったんですが、そういうふうなことは法務大臣にも一つのこういう事実のあったことを報告をしようと思って、そういうことをいろいろ覚えてはないんですけれども、そういうことをいろいろ記憶してないけれども、これはもう何か陥れようとしておるということで、どういうことをそのときに一々言ったのかは記憶しておりませんけれども、私はこれが検事総長だと考えて物を言っておるわけでないわけでございますから、一々そのときのやりとりというのは私は実際に覚えてないわけです。
  51. 上田哲

    上田哲君 質問に答えてくれなければだめだ。私の質問に答えてください。(「そのときは検事総長だと思って電話したんでしょうが」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  52. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) これは検事総長だと思って言っておるわけじゃない。どういうやつが陥れようとしておるのか、なかなかやっぱり普通のデマの電話じゃない、一々覚えてはないんですけれども、そういうふうな印象でしたから。だから、ひとつ突きとめてやろうという意図があってそんなことを申したんですけれども、それは検事総長だと思って私は言っておるんじゃないんですから、陥れようとする電話だということで、いろいろ私もそれに対して相手になったことは事実でございますけれども、相手が検事総長だと意識して私はそういうことを、物を言ったのではないわけでございますから、その点は御理解を願いたいと思います。
  53. 上田哲

    上田哲君 はっきりしてくださいよ。あなたはこれ検事総長だと思わなかったというのなら、何でこんなことをずるずると一時間もやるのですか。まことに不見識な話じゃありませんか。検事総長だとしてもと私は言っているのです。検事総長だとしてもこのことは拒否すべきことじゃありませんか。指揮権の発動になるじゃないですか。それを向こうはねらっているじゃないですか。だから、検事総長だとしたらあり得ないのだったら、真っ向からあなたは取り合う必要がないじゃないですか。こんな話はすべきでないと切るのでなければ、資料を見ないだの指揮権を発動しないだのとここで言っていることはうそになるではないかと言っているのです。このことが一つです。  それから、検事総長でないと思うならば、こんなに対応する必要は全然ないではありませんか。  続けて第三点。あなたは刑事局長には再三聞いておるとここで言ってるんです。こんな事実があるのかないのか、それ自身おかしいじゃないですか。指揮権の発動と同じではないですか。そのことがどうかということを明確に答えてくれるのでなければ、時間ばかりたちまして、これはもうはっきり私の方は質問を続けることはできませんよ。
  54. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) これは私自身が、こいつはどういう方面の者が人を陥れようとしておるのかということを、少しその人間、なかなか普通のデマ電話とは違ったような口ぶりでございましたので、それをひとつ何かもう少し、これはどういう方面の者かというものを知りたいということで話をしたことは事実でございますけれども、これは私自身検事総長だと意識しておるわけではないわけでございますから、それで指揮権発動とかそういうふうな意図は全然持っていないわけでございます。何かこれはどういう方面の人間がこういう電話をかけてくるのかということを知りたいということだけでございまして、そういうことで私自身検事総長だと思ってどうこうしてくれということを申したのでは私の真意はないわけでございます。
  55. 上田哲

    上田哲君 話にならぬですよ。検事総長であるならば、あなたがこういうことを言っているということは総理としての指揮権発動ではありませんか。厳に戒むべきことを犯しているではありませんか。このことをどう考えるのかということをはっきり答えられない総理大臣がありますか。  それから、もし検事総長でないとわかっているなら、これだけの時間をかけ、しかも待ってくれ、六時までなどということを言う総理がどこにありますか。こんな不見識な総理に対して質問はできないじゃありませんか。明確に答えられるかどうか。どうなんですか、これは。
  56. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私はこの人間というものは一体どういう方面の人間かということで、これをやはりひとつ少し確かめてやりたいということで相手になったことは事実でございますが、これが検事総長だと私が考えて相手にしたのではないと。しかもやはりいま考えれば、そういう電話というのは、上田君のようなお考えということも確かにあり得るでしょうけれども、その当時の私の心境としては、こいつは少し突きとめてやりたいと、こういう気があったからでございます。
  57. 上田哲

    上田哲君 激しく不満でありましてね、とてもじゃないけれどもこれは議論にならぬですよ。私は最高裁責任者が来たときを待って質問を留保します。総理、少し見解を統一してください。笑われますよ、いまのような答弁では。  かわります。
  58. 矢田部理

    ○矢田部理君 基本的な問題については上田議員からすでに質問がありましたので、私ばずばり各論に入りたいと思います。  その前提として従来の論議を確認をしておきたいわけでありますけれども、まず総理大臣法務大臣は、すでに十二名、中間発表で出てきた人たちの氏名を知っていること、これは間違いございませんね。  それから、法制局長官確認をしておきたいわけでありますが、総理法務大臣等が氏名の報告を受ければ、捜査機関とは別に独自の判断で刑事訴訟法四十七条の一つの基礎はあるにしても、発表できるということも法制上間違いございませんね。  加えて確認をしておきたいのは、四十七条ただし書きは、氏名発表そのものを一律全面的に禁止をしているものではなくて、氏名発表そのものもできる可能性があるという法制上のたてまえになっていること、この三点を総理及び法制局長官確認をしておきたいと思います。
  59. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) ちょっとだけ。矢田部さん、いま、あなた十二名と言われましたが、あの十二名とは違うんですよ。九十ユニットが簿外資金の中に入れられて、そこから五千七百五十万円、これは十三名に渡っているんですから。十三名ですね、それは。十二名じゃない、十三名。
  60. 矢田部理

    ○矢田部理君 それはわかっています。確認だけしておきます。イエスかノーだけで。違っていれば違うと。時間がないから。
  61. 真田秀夫

    政府委員(真田秀夫君) 中間報告にある五名とか十二名とか十三名とかいうことじゃなくて、刑事訴訟法四十七条の一般的な解釈としてお答えするわけですが、四十七条は……
  62. 矢田部理

    ○矢田部理君 いや、は、じゃなくて、イエスかノーで言ってください。違うなら違うと。
  63. 真田秀夫

    政府委員(真田秀夫君) 四十七条は訴訟関係人の規定なんですが、総理法務大臣報告を受けて訴訟書類、訴訟に関する書類の中身を知ったと、そしてそれを発表することがいいかどうかということをお決めになるときには、やはり四十七条の趣旨、精神を尊重しておやりになるわけなんで、そのときに本文とただし書きとを、前々申し上げておりますように、比較考量してやる場合に、それは発表の方法とか時期とか、それから発表すべき事項の内容、それの関連において比較考量ができるわけなんですから、その比較考量の結果、本文がねらっている法益にまさるただし書きの公益があれば発表できます。そのときに氏名を発表してはいかぬということにはなりません。事と次第によっては氏名を発表することも四十七条が禁止しているというものではございません。
  64. 矢田部理

    ○矢田部理君 だからイエスと答えてくれれば、それで一言で終わるわけです。  そういう前提があるにもかかわらず、いいですか、総理大臣政府みずからがロッキード事件で刑事責任の追及を免れた灰色高官名を公表するのは、行政権の乱用につながるのでできない、相当でないというのが政府の発表できない公式見解、根拠ということで伺っていいですね。これもイエスかノーかだけで確認をしたいと思います。
  65. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) イエスと……。
  66. 矢田部理

    ○矢田部理君 幾つかの従来の論議を踏まえた点で、すべて私の申し上げたことがイエスということで確認をされました。  そこで、私がいよいよ重要な質問に入りたいと思いますのは、私ども捜査機関とは別に、その内容報告を受けた政府なり総理大臣は、独自の判断で、もう少し広い視野で物を見て発表できる。それは氏名の発表そのものも禁じられていない。したがって、灰色高官を出すことが政府の言うようなだめなんだという立場には必ずしも立っておりませんけれども、それはそれとして政府説明を受け入れたといたします、仮にですよ。私たちが求めているのは、何も政府に色づけや線引きをしてほしいとは言っておりません。これは道義的政治的責任があるとかないとかという説明、線引き、色づけば結構ですと。受けた報告をそのまま何らの評価を加えずに出すことは、政府自身が色づけをしたり範囲を決めたりすることにはならぬのじゃないですか。そういう意味で中間報告に盛られた数の人たちの氏名、その内容をそのまま出しなさい、色づけや線引きはわれわれ国会国民がやります、こういう立場で氏名の公表を求めたいと思うんですが、従来、総理稻葉法務大臣が答えたのは、論理的に説明が私のいまの質問に対してはできない。そこを明確にしてほしいと思います。
  67. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 私の中間報告で、三十ユニットの方はこうこういう何名、それから九十ユニットは直接、ストレートでなく、全日空の簿外資金の中に組み入れられて、合わせて三億ばかりになっちゃったんですね。その中から五千七百五十万円というような、ちっと少ないかもしれないけれども、それが十三名の国会議員に渡ったという報告をしておって、その中から線引きをなさるのはあなた方だから名前を発表してもいいじゃないかと……。いかにももっともなように聞こえるけれども、われわれは灰色を決めるところじゃないんですね。灰色だか何だかということは、道義的政治的責任。そっちでお決めになることですからね。いまわしがそういう中間報告をしたら、もう新聞でもみんな灰色十三名というふうに書くんですな、灰色。この簿外資金から出たものが五千七百五十万円、一三名の国会議員に渡っております、そして国会議員の職務に関する対価であることが認定できないため収賄罪の成立は認められない、そうしてその趣旨はせんべつだとか、盆暮れの届けだとか、そういうものでございますというこの報告をしたら、新聞は灰色と、こう書いちまってですね、ですからここで、わしらの方で評価をして、これは灰色だという評価をしているようになっちゃうんですな。それは非常に政治的に、政治を預かる総理大臣としても、わしらとしても、国務大臣としてそれは不当じゃないですかな。どうでしょう。
  68. 矢田部理

    ○矢田部理君 正確に答えてほしいと思うんですね。新聞がどう見るかの問題じゃないんですよ。いいですか。  それから、私どもは、いまさしあたっては政府にこの色づけや線引きをしてほしいなどとは言っていないんです。いいですか。そういう評価や色づけを全くしないで、すでに総理大臣法務大臣の耳には氏名も内容も入っているはずでありますから、それをそっくりそのまま出すことは政府自身が道義的政治的責任を追及したことにはならない。それのありのままを出してもらえば、私どもの方であるいは国民が、色分け、線引きをいたします。これは当然のことじゃありませんか。あなたの答えではその私の質問に的確に答えていない。論理的に、そう発表できないという理由には全くなっていない。  その点、稻葉法務大臣の話は聞きましたから、総理大臣に答えてほしいと思います。
  69. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 法務大臣の言うとおりだと思います。
  70. 矢田部理

    ○矢田部理君 それで論理的にぴしっといきますか。政治的道義的責任の追求は政府はしない。国会でやってほしい。やる前提として政府は氏名も含めてありのままの捜査経過を出します。ありのままの法務大臣総理大臣が受けた報告内容出します。これがどうして政府自身が灰色高官を定義づけたことになったり、政治的道義的責任を追及することになるんでしょうか。そこが全くわからぬというのが衆議院を含めた従前の論戦の一番大きな焦点ではないかというふうに私は思っているわけです。総理法務大臣の言ったとおりですという程度では、いかにも総理として見識がなさ過ぎるじゃありませんか。論理的におかしいと思いませんか。
  71. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) もう少し説明しましょう。  私の説明が不十分でした。不十分のようでおわかりにならないようでございますが、あなたのおっしゃることは非常に論理的に聞こえるんですけれどもね。ただ、この五千七百五十万円が十三人に渡っている、それを受け取った人の——当時はロッキード問題なんというのはあるかないかわからないんですね。これは、その当時は。それで受け取っている性質のものです、これ、ね。そうすると、ほかの、まあ悪いけれども、新日鉄からもらったとかいうのと同じような性質のものをいまここで出しますことは、名前出しますことは、新聞論調や何かでそれがすぐにロッキード問題に対する灰色だと、こういうふうに聞こえて選挙などにも非常に不利な結果をその人に及ぼすようでは人権問題にも関するなあと、こう思うから名前をそのまま出すことはちゅうちょすべきじゃないでしょうか。どうでしょう。そういう効果になる。政治効果がそういうふうになるじゃないですか。これが灰色だと、こういうふうになっちゃうんだから、こっちが灰色を区別したことになるんだ。こっちが灰色を区別したことになる。
  72. 矢田部理

    ○矢田部理君 論理的に見ると、きわめて支離滅裂なんですよ。新聞がこう書くとか、人の目がこうだとか、それはそれ自身が政治的配慮を加えていることじゃありませんか。シロか灰色かクロかは、国民判断しますという。いいですか、発表をして、それがシロならシロで大変結構じゃありませんか。政府が発表したこと自体が色づけをしたことになるというのは、論理的には全く説明がつかない。その点で私は、氏名を発表しない、きわめて三木内閣の後退姿勢を端的にあらわしたものだというふうに思うわけです。  観点を変えて質問をしたいと思いますが、三木総裁、いいですか、総裁は自民党の発表した灰色基準の内容を知っていますか。
  73. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 自民党の……(「総理に聞いとるんじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)、いや、ちょっと待ってください。いまね……
  74. 矢田部理

    ○矢田部理君 ちょっと待ってください。時間なくなっちゃうよ。
  75. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) いや、聞き損なったって言うから。
  76. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) ロッキード内容については詳しく一々せんさくしたのではないですけれどもロッキードの売り込みに対してロッキード社から依頼を受けて、そして金員を受け取った者が灰色であるというような方の規定だと理解しております。
  77. 矢田部理

    ○矢田部理君 丸紅の三十ユニットの五名の高官については、自民党基準では発表になるんですか、ならないんですか。全日空ルートの九十ユニットで出された高官名については発表になるんですか、ならないんですか。総裁としてお聞きしたいと思う。
  78. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) ……
  79. 矢田部理

    ○矢田部理君 いや、法務大臣は総裁じゃないから。自民党総裁に聞いているんですよ。
  80. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 総裁と同じ資格でまれじゃ、総裁にかわって、三木総裁の総裁にかわってな。いいですな。
  81. 矢田部理

    ○矢田部理君 法務大臣が総裁の代行はできないよ。
  82. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) いや、この問題に関しては総裁から委託されたから、いま委任を受けたから。(「そんなばかな話があるか」と呼ぶ者あり)いまここで委任を受けたから。委任を受けたから。
  83. 矢田部理

    ○矢田部理君 法務大臣がいつ総裁の代行になるんですか。時間がないからですが、そんなこともわからないでいままでの議論をしてきたんですか。
  84. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) ここに正規に書いてある書類を見たわけですが、時効不起訴、微罪不起訴、罪不成立、こういう三項目に分けて、そしてこの国会で灰色高官として一般に公表すべきものの一つのカテゴリーというものをこういうふうに自民党は分けておるわけでございますが、これを具体的にこの問題を適用するということについては、もう少し話を詰めなければならぬと思いますが、しかし、大きく分ければ時効不起訴と微罪不起訴、罪不成立と、こういうふうに、こういう三つに分けて自民党は灰色高官の定義を考えておるということでございますが、これを一々具体的なケースについて何人入るかということは、このことはいま私も、これに当てはめて何人ということは私自身も申し上げられませんが、しかしこの問題は、各党でこの問題でいま煮詰めておるわけでございますから、自民党としても野党との考え方の間に開きがありますから、これをもう少し一本にするためには話を、与野党の話し合いを詰めていかなければなりませんが、自民党が考えているのはこういうことになっておるようですが、これを具体的にはめて何人入るかというところまでは、私はこれを詰めてはいないわけでございます。
  85. 矢田部理

    ○矢田部理君 私の質問は……。
  86. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  87. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記を起こして。
  88. 矢田部理

    ○矢田部理君 答えは、きわめて論戦は具体的になってきているわけですよ。しかも中間発表もできた。この中間発表で三十ユニット高官と九二ユニット等高官が数としてあらわになった。類型別の内容も不十分ではあるけれどもそれなりに出てきた。これを自民党案に当てはめてみるならば、公表基準に合っているのか合っていないのか、明確に自民党総裁として認識もしないで、どういう論戦をしてきたんですか。その認識もしないで議論を勝手に国会に預けるというやり方が私は問題だと言っているわけですよ。そこを明確にしてほしいと思います。
  89. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私はこの問題は自民党だけの基準で決まるわけでもないわけですから、自民党の基準について、具体的なケースに当てはめて何人ということよりかは、人間というよりかは、このロッキード事件で灰色と言われておる人人の、一体どういうふうな性格で金をもらった人が灰色という政治的道義的責任を追及さるべきかという、一つの範囲というものを決めることが重点であると……
  90. 矢田部理

    ○矢田部理君 簡単にしてくださいよ。
  91. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) これが世間が納得をするような一つの基準でないと、そうでないと、やっぱりロッキード問題、隠したとか何とかいう誤解も生じますから、そういうことで自民党の考えておるこの起訴であるとか不起訴になった者の中でいろいろ時効とか職務権限とか、微罪不起訴であるとか、こういうふうな一応の一つのことは、この一つの基準だと思うので、私はいまこれに人間を具体的に当てはめて、何人入るかということは、私自身がいまこれを当てはめては、ちゃんとそこまで私自身が……
  92. 矢田部理

    ○矢田部理君 全然答えになっていませんよ。
  93. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 煮詰めてはいないということでございます。
  94. 矢田部理

    ○矢田部理君 全然納得しません。
  95. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) もう少し補足してみましょう。私は……
  96. 矢田部理

    ○矢田部理君 ちょっと待ってください。
  97. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) もう一遍補足してみましょう。
  98. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 総理しばらく……。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  99. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記を起こして。
  100. 矢田部理

    ○矢田部理君 これは調べて正確に答えてくださいよ。当てはめしてみないなんということじゃ議論の前提がおかしくなるわけですから。総理大臣に聞いたってしようがないですよ。
  101. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 矢田部君の質問に補足しておきますがね、まだ基準というもの、範囲といいますか、基準といいますか、これが委員長のもとでこれから一本化されていくんでしょうが、そういうまだ基準というものも決まってないのですから、私はいま自民党の案では何人になる、社会党の案では何人になる……
  102. 矢田部理

    ○矢田部理君 いや、そんなことは聞いていない、自民党総裁として聞いているのですよ。
  103. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 共産党の案では何人になるということをやはり当てはめてまだ私自身考えていないということが、正直な一つのお答えでございます。
  104. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  105. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記を起こして。
  106. 矢田部理

    ○矢田部理君 総理の答弁がきわめて不明確なので、時間を超過して申しわけありませんが、私が申し上げているのは、自民党案がすでに発表になっている。そこへ中間報告が来た。自民党案で当てはめれば、中間報告で出ているそれぞれの部分について、これは自民党案でも氏名がですよ、公表できる、これはできないという当てはめが可能なはずだと、その当てはめを総理としてどのようにやっているか。前提として自民党案についてどう認識をしているのか。そのことを実は伺ったわけであります。私は当てはめをして考えてみますれば、どうも三十ユニット分の高官氏名は、あの当てはめにも当たると思いますけれども、自民党基準にも当たると思いますけれども、九十ユニット等高官については外される危険がきわめて濃厚なんです、自民党案ではですよ。この自民党案を固執する限りは、結局国会に任せるといっても、自民党が数の上で多数を握っているわけですから、発表しないということに帰結をする。そこで総裁としては……
  107. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 簡単に願います。
  108. 矢田部理

    ○矢田部理君 そのことについて、どう前向きに取り組むのかという決意を聞かなければ、単に国会に任せる、任せるということの言葉は、実は政府責任を回避し、ロッキードの後退姿勢を示すものだというふうに考えざるを得ないわけです。その点で答弁を求めるのと、もう一点だけつけ加えておきたいと思いますのは、総理大臣は、先般の参議院の予算委員会で、すでに起訴された人たちについては、自民党が推薦などということはあり得ようはずがないという答弁をしているにもかかわらず、たとえば茨城の橋本登美三郎は、先般自民党県連で正式に推薦を受けました。
  109. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 簡単に願います。時間超過。
  110. 矢田部理

    ○矢田部理君 新潟でも田中総理が推薦の動きがすでに出てきております。新潟県連では、この問題を推薦の方向で扱おうとしている。この問題について総理の姿勢を伺って、大変不満でありますが、私のとりあえずの質問といたします。
  111. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 矢田部君にお答えいたしますが、私はこれに当てはめると人数が少ないからもっと基準を広げるとか、あるいはまたこれだったら人数が多過ぎるから、この基準というものをもっとしぼるとか、そういう考えでないんですよ。世間が見て、このロッキード事件で政治的道義的責任がありと考えるような人々は、自民党が多数を持っておるからといって、そういうふうな、世間が考えるような人を、この国会の国政調査権の場で政治的道義的責任の追及をするということから、これを隠してしまうということは私は適当でない。そういうことですから、人数が多いから、少ないからというんでなくして、あの一つの灰色高官、いわゆる灰色高官、政治的道義的責任ありと思われる範囲というものは一体どういうものであるかということを、その範囲、基準というものを決めることが一番重要なんであって、人数が多い、少ないによってかげんをするということはおかしいことですから、そういうことで、世間が見て、これはやはり一つの公正な基準であるというふうに考えられる基準をつくることが必要であると——。私は自民党総裁としての一面があるわけですから、多数の議員を擁しておることは事実ですけれども、総選挙を前にして自民党がそういう国民の非難を受けるようなことはできるはずはないわけですから、この問題については私も総裁として、自民党の委員の方々とも、これは委員長ともきょうは打ち合わせして話をしようということを申したんですから、そういうふうな、数によってこれを覆い隠すというようなことはいたしません。世間が納得するような基準によってそれはしなければならぬと、こう考えておるわけでございます。人数によってこれを縮めたり、人数が多いから少ないからというんで基準を広げたり縮めたりするというのではなくして、真に道義的責任、政治的責任追及をする上において、国会において責任の有無を明らかにしなきゃならぬという基準にはどういう人が入るかということを中心に考えていきたいと考えておるわけでございます。  それから第二の点は、これはやはり自民党を離党しておる人ですから、離党しておる人に県連が推薦するというのは政党として筋道が立ちませんので、早速党の方とも調べまして、それは自民党の推薦、公認ということは党員にすることですから、離党しておる者をやっぱり推薦してこれを公認するということは政党の組織体としては非常に不自然なことでございますので、早速この点は党とも相談をして調べて、そういうことのないようにいたしましょう。
  112. 矢田部理

    ○矢田部理君 終わりますけれども、前段の方は全く私の質問に対する答弁になっていません。したがって全く納得できませんが、質問を留保して一応私は下がります。
  113. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  114. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記を起こして。
  115. 上田哲

    上田哲君 先ほど政府側には質問したわけでありますけれども、この、きょう読売新聞に報道された事実ですね、総理からも真相究明という依頼が、おくれたけれどもあったそうでありますけれども、当然この事実関係について調査があったと思います。事実関係——時間が非常に少ないものですから簡単にお答えいただくしかありませんけれども、このような報道されているこれは録音まであるそうでありますから、このようなやりとりというのを確認されておりますか。
  116. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 私も本日の新聞を見まして全くびっくりいたしました。およそ考えられないような出来事であると考えまして、早速早急にと申しますか、直ちに調査するように所管局に指示いたしました。
  117. 上田哲

    上田哲君 それじゃ答弁にならぬですよ。これは事実だと思うんですよ。これだけのことが権威ある新聞に出ているわけでしょう。一問一答、録音までついているんです。この事実があったのかなかったか。総理電話を受けたと言っているんですよ。そんないいかげんなことじゃなく、きちっと答えてください。
  118. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 鬼頭判事補につきましては、別に問題もございまして、本日朝から所管の所長が本人から事情聴取いたしております。新聞に出ましたので、とりあえず電話で本件について本人の釈明を求めましたところ、本人はこの問題は自分は関知しておらないと、かように答えたようでございます。ただ、電話の連絡で非常にはっきりいたしませんので、明日上京を求めまして、私どもの方で直接調査する予定でございまして、いまお尋ねのこの事実があるかないかということについて、ただいまの段階で申し上げるわけにまいらないわけでございます。
  119. 上田哲

    上田哲君 じゃ、あなたに三点だけ簡単に伺いますが、ほかに問題があると言われたんだけれども、私どもが知っている限りでは、たとえば四十九年の夏に網走から例の日本共産党の宮本委員長問題についての資料を手に入れられた、このことの事実。それから七月二十七日の田中逮捕後、田中事務所電話を入れているという事実の確認があります。それから今日までのあなたの方でお調べになった限りで、これは本人に聞く、聞かないということは、今後細かいことはあるでありましょうけれども、一日もゆるがせにすることはできないはずでありまして、こういう事態ですね、この本質は大変政治的なにおいがするわけでありますけれども本人に聞く以外のところから調査は進められているに違いない、所長もあるわけでありますし、上司もあるわけであります。その調査はどうなっているのか。そしてそれも含めて、判事補ですから、こういう立場が疑惑——少なくとも事実が報道されているということに対してどういうお考えを持たれるのか、まとめてひとつお答えいただきたい。
  120. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 私が先ほど別の問題と申し上げましたのは、昨日の朝刊の新聞に出ました件についてでございます。それにつきまして現在本人から事情聴取をいたしておる状況でございます。
  121. 上田哲

    上田哲君 それもわからぬのですか。
  122. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) で、これはいままでの報告を受けました限りでは、昨日の朝刊に出ました件につきましては、一応あの裁判官が鬼頭であるということについては認めております。ただし、記事の内容についてはかなり違いがあると申しておるようでございますが、これも電話による報告でございますので、いずれ詳細は明日上京を待ちまして、私どもで直接取り調べたいと、調査いたしたいと、かように考えております。いずれにいたしましても、その事実は今後調査の結果を待って申し上げるほかございませんが、かようなことが新聞に出ましていろいろお騒がせいたしますことを、裁判書としてはまことに恐縮に存じております。
  123. 上田哲

    上田哲君 恐縮だけじゃない、これが事実だったらどうするんですか。
  124. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) きわめて重大な問題でございますので、仮定の問題としてお答え申し上げることはいかがかと思いますが、私ども深刻に受けとめておりまして、重大な問題であると、かように考えております。
  125. 上田哲

    上田哲君 責任問題ですな。  じゃ総理、最後ですから……当然総理にいかなきゃ話にならない。
  126. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 簡明に願います。
  127. 上田哲

    上田哲君 総理あなたは最初この電話に出たときに、相手が検事総長でないと思っていたら電話に出るわけありませんね。総理大臣が一時間もこんな長電話の相手をするんだったら検察庁なんか要らないんですからね、当然第一にあなたが電話に出られたというのは、これは途中から気づいたかどうかわからぬけれども検事総長でないと思って出たわけがないんです。検事総長であると考えた人に向かってこんな話をするということは、大変総理としておかしいじゃありませんか。先ほど申し上げたように、当然これはそこでこの話は切るべきです。いいですか。検事総長からかかってきた、指揮権の発動を求めるがごとき、その疑惑を求められるがごとき言動に対してはあなたは峻別して切るべきです。切らなかったということは非常におかしいじゃありませんか。これが第一点。  それから途中で気づいたと言われる、そのとおり受け取るとして、途中で気づいたとすれば、実は刑事局長から説明を受けとるなんということをあなたは何で言わなきゃいかぬですか。刑事局長からそんな再々報告を受けておるかどうかは国民としても驚くところでありますけれども、もし報道されていることが事実であるならば、検事総長でもない人に向かって、実は政府部内で報告を受けている道筋をあなたがお話しになるということは大変おかしいことであります。これはどっち側から考えても、こういう陰謀や政治的たくらみが行われているということは許しがたいことだから、いわんや判事がこういうことにかかわるなんということはとんでもないことだから、大責任を関わるべきことですから、その問題はほかにありますけれども、そのことはそのこととして、総理自身が、これはあなた自身がこんな電話にこの忙しいときに長々とこだわっておられたということについては、あなたの道義的な立場ともう一つ政治的権能立場として、これは過ちであったと、とるべき態度ではなかったということを、この両面からきちっとお答えをいただかなければ、少なくとも国会として、立法府だけではない、最高機関——四十一条の立場として私たちはこれは総理としての問答をここに受け取ることはできないんです。政治姿勢の究極の問題として正確にお答えをいただきたいと思うんです。
  128. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) むろん初めは検事総長ということですから、そういうことだと思ったんですが、これはもうそれが私を陥れる電話であるということは当然にちょっと話してみればわかるわけでございますので、何かこれを、非常に専門的なことで法律的な用語を使ったりして、どういう者か、どういう方面の人間がこういうことをしておるのかということをまあ少し突きとめてやろうということで長くなりましたが、いま上田君の言われるように、この種の電話に私がこれは応ずるべきでなかったと深く反省をいたしておる次第でございます。
  129. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  130. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記を起こして。
  131. 秦野章

    ○秦野章君 総理ね、灰色高官の問題で最終的には総理が公表問題についてある程度の決着をしていかなきゃならぬということは、私は従来の経過から見れば仕方のないことだと思うんですね。ただ、ここで私が特に総理の所見を、十分に決意のほどをお聞きしなきゃならぬのは、いままでの経過から見て、私はこの前の予算委員会でも制度の基本原則のことを申し上げましたけれども、それに足らぬことでちょっと基本的な問題は、検察というものを信頼するということは当然だけれども、しかし、検察を信頼するっていうことと、それから検察で集めた資料を信用するということとは問題が別なんですよね。検察の機能というものは、三権分立の中で行政組織としてこれがきちっと動くという、そのいまの検察を一応信頼していろんな仕事をやってもらう、この信頼は当然のことだと思う。ところが、検察が集めた資料を全部信用するということは間違いだと私は思う。信用できるものも信用できないものもある。むしろ、権力機関が集めた資料なんだから、これは大丈夫かと疑いの目をもって見るのが政治の姿勢だと私は思うんです。政治家ってものはそういうものだと思う。で、総理は長年議会政治をやってこられたんだから、権力というものに対してちゃんとそういう御見識をお持ちだと思いますけれども、検事とか警察の集めた資料というものは疑いの目をもって見るという姿勢なくしては政治は成り立たない。検事が調べた資料だから——これは起訴になったならこれは有罪の確信を持って起訴したんだろうと思いますよ。それでも無罪になることはある。有罪の判決でも、五十年、六十年たって再審だなんてこともある。なかなか真実の追求、真実っていうものは何かっていうことくらいむずかしいことはないんですよ。いわんや不起訴処分なんてものはええかげんなものなんです、極端なことを言えば。これは中にはいわゆる有罪の確信を持つに近いようなものも時効やなんかでなっちまったっていうようなものもあるかもしらぬが、しかしいずれにしても一方的な認定ですわね、これ。だから、検察の資料、特に不起訴処分の資料なんていうものを間違いのない資料だと思うくらい非政治的、政治家として間違った姿勢はないと私は基本的に思うんですよ。疑って疑って疑いまくるというのが——これは野党の一部の諸君なんかも権力に対しては対決の姿勢でしょう。われわれも野党じゃないけれども、やっぱり検察の資料というものは疑ってかかるというこの基本の一面の姿勢がなかったら政治家とは言えない。これは総理大臣といえども、権力機関を采配のもとに置かれて、下のやったことは何でも間違いないと信ずることでは、行政責任は尽くされない。やっぱり検事がやったことでも、それは大丈夫なのかなという一つの疑いの眼を持つことが私は当然のことだと思うんですよ。いままでの議論を聞くと、どうしても野党の諸君なんか検察の資料を何のしんしゃくなく持ち出して、それを政治的効果を伴うことにしようというくらい——権力を尊重する姿勢はありませんね。権力を尊重するどころじゃない、権力指向型。私はびっくりするんだ、この野党の諸君の議論を聞いてると。これは非常に間違ってると思う、根本的には。権力に政治が従属しちゃうんですよ。この基本だけはね、やっぱりぴちっと政府もはっきりしとかにゃいかぬと思う。政府は、官僚機構の上に政治がある、政治はまたその姿勢でなきやならぬ。  私はこの不起訴処分なんかの問題についてはその点が根本だと思うんです。なぜいいからかんだと言いますと、いいからかんだと言うことはちょっと言い過ぎかもわからぬ。しかし検事の一方的認定だし、それから事実の認定ということは非常にむずかしい。しかもその上に犯罪性があるかという評価の問題、この二つの問題というものがそう絵にかいたようにぴしっといかないんですよ。特に不起訴の場合は、あっこれは不起訴だなというようなものについては捜査を尽くす責任はないんですよ、これ、法的に。だから十分にやってないわけですよ。そんなものを出せますかね。私はロッキード隠しでも何でもない。この制度というものは、かなり日本の憲法、刑訴の体制というものはよくできているんですよ、これ、列国に比べて。もし悪いところがあれば立法論として憲法改正やっても刑事訴訟法改正やってもいいんですけれども、現にあるそういう秩序というものを守るということは、これは憲法上の——国会議員だって政府だって、憲法上の責任ですよ、これ。この制度というものをいいかげんにやったんではいけないというのが一つの根本だと私は思いますが、そういう点についていささか政府の旧来の姿勢が、時間の経過を見てみるとやっぱり、たとえば氏名の公表なんかがいかにも簡単にできるがごとき印象国民に与えたということについて、私はちょっと問題があるという感じがするんです。これはもともと、アメリカの資料が日本に入ってきたら氏名を含めてできるだけ公表すると、こう二月段階、四月段階総理も記者会見でおっしゃっている。ところが、この資料が外交とか国会へ来ないで司法機関にがばっと来たというところにおいてころっと軌道修正せにゃいかぬ。司法機関に入っちゃって、司法の資料になったら、人権問題、あるいはまた検察のファッショになっちゃいかぬ、政治のファッショになっちゃいかぬ、そういう厳しい長年の歴史の上に築かれたこの制度を守るということに立って考えたときには、ころっとそれ以前の考え方とやっぱり変わってこにゃいかぬのですよ、公表問題というものは。その軌道修正で世論を誘道するというようなことに果たして、その点に心がけが十分おありだったかどうかということについては私はいささか疑問に思うのでございます。  そこで、刑事局長にちょっとお尋ねをしておきたいと思う、そういうことを前提に。国会が秘密会でなら資料を出すと、氏名を含めてです。氏名ですよ、いまや問題は。人数とか何か、そんな問題じゃない。この間の中間報告でも、あれは中間報告なんだから私どもはまああんなもんだと思うんですよ、正直言って。だけど氏名がないということで非常に期待を裏切られたような、意外と中間報告が評判悪いんですよね、一般には。ところが中間報告ならあんなもんなんだ、正直言って。私どもはそれなりに評価しますよ。しかし国会が秘密会をやるならば、そこにいわゆる氏名だ、それを出すことができるのかどうか。秘密会というものは、これは黒柳さんなんかもこの間も言っておられたけれども、秘密会なんて言ったって守れるわけないんだと。私どももそう思いますよ。秘密会が全うできないということがまず間違いないという状況においても、そこにこれは三十万円の盆暮れの何だ、やれ何だかんだといって、この中にある五十万、百万というそういう、要するに不起訴処分の内容の氏名を出すかどうか、これはっきり答えてください。まずあなたは検察を代表する最も身近な政府委員だ。法務大臣よりも身近だ。だから制度を守るとか、そういうことについては非常に、一番心配している人間だと、立場だと思うので、それを答えてください。
  132. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 先般の中間報告が、御指摘のように公訴を提起しなかった人の氏名を明らかにしなかったことは、まさに刑事訴訟法全体の趣旨、特に四十七条の規定の精神にかんがみまして、これを公開の委員会で明らかにすべきでないという立場で、それがたとえ国政調査の目的があろうと出すべきでないという立場で公開の委員会に報告すべき中間報告からは除いたわけでございますが、私ども四十七条のただし書きの公益上の理由があって「相当と認められる場合」ということにつきましては、検察官として、あるいはこれを監督する法務大臣としての判断権があるわけでございますので、それが、その氏名が秘密会というところで秘密が漏れないということが保証されるならば、それと同時に灰色、いわゆる灰色、道徳的、道義的政治的責任の基準が決められるということがあるならば、国政調査に協力するという意味において、秘密が保証されるならば、基準が決まるならば、それに合うものと認められる人の氏名とその相当とする理由を申し上げるということは、四十七条ただし書きの公益上の理由があって「相当と認められる場合」であるという判断のもとに、先般来、秘密会であれば、基準が決まるならば、それに見合うことは氏名を含めて申し上げるという方針も考えられるということを申し上げたわけでありますが、あくまでもこれは秘密が漏れないということの保証を前提とするわけでございまするから、私ども国会の秘密会で秘密が当然に漏れるというようなことは考えてはいない前提のもとに、国会の権威において保証されることを前提としながらさようなことを申し上げたわけでございまして、秘密が漏れるというようなことが当然自明のことならば、これは公開の委員会で申し上げるのと何にも変わりありませんので、そういう場合には資料の提供をちゅうちょせざるを得ない、かように思います。
  133. 秦野章

    ○秦野章君 いまの刑事局長の答弁は、それは理屈はそのとおりで、まあしかし結論的には秘密が漏れるということが当然予想されるからそういうところには出せないと。これはそうだと思うんですね。そういう現状認識というか、そういう、秘密会とは−秘密会の性格、法律的性格じゃなくて事実上の政治的な性格、そういう点について総理はそういうこともあるだろうなと、こういうふうにお思いになるでしょうな、やっぱり。
  134. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) やはり国会国会の規則があるわけです。それによって運営されていくわけですが、秘密会といっても秘密は無視されてしまうんだというふうには私は考えてない。やっぱり秘密会といってもそれはもう無視されて秘密会にならないんだという前提では考えていないわけで、国会国会の良識を持って、やはり秘密会は秘密会としての性格というものは保たれるという前提でもってやるわけです。何もかもそんなことを言っても実際はだめだよと、こういう前提では物は考えられないと、やはりそういう前提のもとにこの問題を考えていきたいと、こういうことでございます。
  135. 秦野章

    ○秦野章君 いまの総理のお話だと、要するにいかにも公式論なんですよね、残念なことに。それでも承知の助でいいんだと、それでいいんだと。秘密会は権威を持って、秘密会だから、秘密会というものは漏れないもんだと。だけれども事実上漏れちまうんですから、そのことを御承知の上でお出しになるということは、私はこれは、不起訴処分といった内容捜査というものに政治介入をなさらぬというけれども、これは明らかに政治介入になると、こう思うんです。これはもう私ははっきりここで言っておきます。これは政治介入です。そしてまた法務省、検察庁も、安原君の方も、そういうことがわかっているって与野党の中でもそういうふうに言っているのに、守られるんなら出しますよなどというようなへっぴり腰で一体日本の検察制度守れるか。私はロッキード事件がどうのこうの言っているんじゃない。たとえば国会でもってある政党が——まあ多数決でいいんです、国会は多数決が原則なんですから。今度は議長裁定があって全党一致になっていますけれども、全党一致というものは原則じゃありませんからね。多数決でいいんですよ。多数決で不起訴処分の資料を持ってこいという決議で、国会の決議ですからね、それで持ってくる。そういうことをしていたら、一つの野党ぐらいぶっつぶすことは可能ですよ、時の政府が。政府がむやみに不起訴処分の材料なんか公表することもその危険もある。しかし、国会と納得したらもっと手の込んだ政治ファッショなり、検察を利用してのファッショなり、あるいは検察自体が政府を利用するという可能性もなきにしもあらず。そういう制度の根本というものを考えなくちゃ私はいかぬと思うんだな。法務大臣、どうですか、これ。私はそこが一番大事だと思う。これは議会政治というものの根本ですよ。議会政治の基本。これはもうロッキード事件どころの騒ぎじゃない。議会制度というものは法治主義で成り立っているし、政治家、議会制度、これはやっぱり必死で守るという姿勢がなければいかぬと思うんだが、いかがですか。
  136. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 同感ですね。だからこそ、恐らく新聞国民中間報告には何だと、どんな非難を受けても氏名は出すべきでないというふうに私ががんばったのはそこです。一時の人気取りのためにそんなことやって、司法制度の全般を崩すわけにいかない、こういうのが私の信念です。
  137. 秦野章

    ○秦野章君 いま私の原則論を申し上げていることは、第二次報告が出たと、やっぱり選挙前に第二次報告出さにゃいくまい、あるいは全部が済んだら全容報告を出さにゃいかぬという、次々にいくんだけれども、次々にうまいこと、この公表問題が一体国民が期待するようなものが、いま国民に大変期待されちゃった。過剰な期待をされているんですよ。その過剰な期待をされているけれども、それが一体全うできるだろうかということになると、どうも総理のいろんな言動を見ても、何か次々にうまいこといくような言葉が出てくる。全容はとにかく全部が済んだら発表するけれども、じゃ全容発表のときに不起訴処分の氏名発表なんかがそんな簡単にできるわけないんですよ、これは原則だから。そういう意味において世論の上に立って、政府はやっぱり大きな立場がありますからね。次々に過剰な期待を持たされないような、やっぱり注意というものを、配慮をしていかないと、これは非常に間違っちゃうと思うんですね。政府も困ったことになるし、国民を誤らせることになる。そういう点について総理いかがにごらんになりますか。これは全容発表のときはいまと原則の違った発表なんかできるわけないでしょう。さっき法制局長官が法的には可能だと言うけれども、法的に可能なら行政的には可能だというふうに翻訳しちゃいけない。法的に不可能ではないということも行政的にはなかなかそこが狭き門であるということがあるわけなんです。法的にはできるから行政的にもできるという考え方を持つことは非常に危険だと思う。で、私は最小できる範囲のことをおやりになったらいいと思うんですよ、いままで言ってこられたから。いいけれども、それは非常に狭き門だと、そうしていま国民が大きな期待、過剰な期待を持っている、そのことに対する政府の対処する姿勢というものは何だろうと言ったら、私は何か大きなアクションでも起こさないと、これを切り抜けるということがむずかしいんではないか。そのアクションは何だろう。私はむしろ政府声明というようなことになるんではなかろうかと、内閣声明というようなことで、例の議院証言法の、そういうことをもってしてでもなお制度というものはこういうものなんだと言って国民に啓蒙する、聞いてもらう、知ってもらう、これが政府の広い意味における教育的任務ではなかろうか、こう思うんですが、総理にそのことをひとつぴしゃっと答えていただく前に、さっき私が刑事局長に言ったこと、いいですな。言ったこと一遍先に答えて、それから総理に答弁してもらいたい。
  138. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 秦野委員の御指摘は、秘密会といえども漏れるという現状認識をおまえは欠いておるのではないかと、公式論だという御批判だと思いまするが、秘密会にするかどうかは国会がお決めになることでございますし、国会が権威において秘密会と決められるものを私の口から漏れることが間違いございませんなどということは申し上げる立場にないこともひとつ御理解をいただきたいと思います。
  139. 秦野章

    ○秦野章君 いやいや、あなたの口から聞くんじゃないんだよ。私が口から言っているわけだ。私だけでもないんだ。この委員会のメンバーで、国会議員でそういうことを言っているということをあなた認識するでしょう。認識するでしょう。漏れるんだよと、あたりまえだよと、翌日か翌々日に新聞出ますよと、そういう認識がいっぱいあるわけ。それでもいいんだなと言っているんだよ。あなたが国会というものは、秘密会は危ないものだという、そういう評価をする必要はない。
  140. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 先ほど申し上げましたように、秦野委員の御指摘が事実である、すなわち秘密というものは守られる保証がないということであるという事実認識にわれわれが達するならば、氏名を含めた資料の提供はいたしかねるということに相なるわけであります。
  141. 秦野章

    ○秦野章君 そういう原則ですね。そういう原則というもの、私は検察の原則というものは守ってやった方がいいと思うんですね。その原則の上に立って、四十七条を踏まえて法務大臣総理大臣がこの程度まで言えるんだということがあるのならそれはやってもらったらいいだろう。私はそれは非常に厳しい道だ。それはしかし今度の問題だけじゃない、選挙前の問題だけじゃない。全容報告のときでもあくまでも貫かれる原則であるという、この認識だけは必要だし、そのゆえんをもっと国民にわかりよくやっぱり政府は話をする必要があると、こう思います。
  142. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私がこの全容報告というものはあってしかるべきだと考えておるのは、いま秦野君の御指摘のように、もうその内容もですね、一々それを皆暴露すると、そういうことではないわけです。これだけの国民的疑惑を受けた事件でありましたから、ロッキード事件性格というものは、こういう事件であったという報告はあってしかるべきだと思っておるんですが、その内容というものは、もうそれは何もかも洗いざらい皆この事件の、まあ起訴もしなかったような事件も全部暴露して、そういうふうなことを私は考えておるのではない。これだけの内外の疑問を持った事件ですから、これに対しての全体としての性格というものは報告してしかるべきだと考えておるので、秦野君の言われるように、何もかも全部暴露するというようなことは考えていないわけでございます。
  143. 秦野章

    ○秦野章君 最後に一つ、多少蒸し返しになるかもしれませんけれども、検察機関というものは信頼をしていいんだけれども、その集めた材料を真実として信用するということが大変危険だという、これは二つにして別に考えなきゃいかぬ。そこで、言うならばきわめて不確実な資料というものを総理大臣が四十七条を多少緩やかに解釈しておやりになるという癖をつけると、これは大変政治的な危険なものであると。国会の秘密会ならいいというけれども国会は多数決の現場でございますから、一つの政党と政府が結託をするならば、これまた同じように手の込んだ危険な、政治に対する不当な権力の乱用、利用ということになって、これこそ議会政治を誤るものであると私は確信をするわけであります。この点について総理はいかがですか。
  144. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) これはやはり法治国家として司法制度というもののその法律の趣旨、条項、これを踏まえてやるべきであって、そういうものを全然無視して、そして独断をすることは慎まなければならぬと思っています。
  145. 秦野章

    ○秦野章君 したがってこういった考え方、原則というものは、なかなか不起訴処分の内容などというものは外へ持ち出すというようなことが非常に問題があるんだということについては、中間報告以後のずうっと、来年のことでも、再来年のことでも、十年先、百年の先でも憲法制度や刑事訴訟法の制度を変えない限りむずかしいものだという、全容公表のときには幾らかやわらかくなるんだなんていうものじゃないんだということは間違いないでしょう。
  146. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) それは法務、検察の側が道義的責任者、政治的責任者、そんな名前を発表したら大変ですわな。しかし国会は道義責任、政治責任も追及なさると、それに協力せいと、こう議長裁定になっているから、できる限りの協力はいたしますと、できないことはできませんと言うて、いままでずっと一貫して私は答弁していると思っていますね。
  147. 秦野章

    ○秦野章君 法務大臣一貫してと言われますけれども国会の答弁の記録をずっと見てみれば、法務大臣国会において質問に答えて、捜査報告を聞いたものについて、たとえば時効になったものとかなんとか例を挙げられて、いかにも氏名公表ができるような期待を持たせてきたということがあるんですよ。これは総理の発言にもあるわけですよ。公表の権限もあるんだとかね。四十七条はあるけれども、やっぱり資料の公表は氏名を含めて国民の知る権利にこたえたいとか、ここに記録全部あるんですよ。だから、そういうふうなことで世論というものが非常に私どもから見れば制度を踏み外したやっぱり期待を持たざるを得ないような、持つようなことになってしまったということについて、大きな反省をしてもらった方が私はいいと思う。途中からむずかしい——資料が、司法機関の司法共助が成功した途端から私は本当は切りかえるべきだったと思うんですよ。しかし、そんな済んだことを言ったってしょうがない。これからの問題でも余り大きな期待をかけてそれを裏切るというようなことは政治の姿勢としてはまずいんですよ。これはどんな答弁をされても資料があるんだから。これは野党の諸君の騒ぐのも多少無理がないようなところもあるんですよ。首振っておられるけれども。稻葉さんね、じゃあこれ読みましょうか。あるんだから。そういうような期待を含めたということは。それは率直にお考えになった方が私はいいと思うよ。
  148. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 私は初めからぐらぐらしていないですよ。できないことはできない。できることはできる。あの司法取り決めをずっと守ってきたが、議長裁定があって、国会は道義裁判所になって、政治裁判所になってそれをやると、それについては協力するんだというから、そうして協力いたしますという文言を総理大臣、各党の党首が受けたんですから、協力すると言うのは当然じゃありませんか、どうでしょう。それは協力しないという答弁した方がよかったんですか。そんなことはないでしょう。
  149. 秦野章

    ○秦野章君 そんなこと言っているんじゃないんですよ。議長裁定で政府国会に協力するということは、ちゃんと裁定に書いてあるからできるだけ協力をしていただくということは当然ですよね。しかし、議長裁定ができたために国会が政治的責任追及の専売特許になったわけじゃない。国会はもちろんありますけれども、政治的責任の追及ということは政府もあるわけですよ、法務大臣というよりも総理大臣は。ロッキード事件の徹底解明ということは刑事責任解明だけではないはずなんですよ。政治責任を含めてますよね、これは。これはしかし検察の方の仕事じゃなくなってくるから、政治責任の追及というものは政府国会も挙げて私はその責めがあると思いますから。何か議長裁定が出た途端に政治責任国会だと、それ以外のものは政府だと、何か色分けするような感じのことは私は間違いだと思っているんです。それは間違いだと思っているんですよ。そんな色分けできませんよ。それは両方ですよ。
  150. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) それは違うんじゃないですか。
  151. 秦野章

    ○秦野章君 いや、法務大臣じゃないんだ、これは。
  152. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) だって、あの議長裁定を読まれれば、明確に政治的道義的責任を追及するのは国会の場だと、政府は協力者だと書いてあるんだもの。
  153. 秦野章

    ○秦野章君 これは法務大臣はやや所管——所管外でもないんだな、いろんな法案改正なんかの問題もありますからね。それは非常に間違ってますよ。議長裁定を読めば、政治的道義的責任国会がやるから政府は最善の協力をするんだということだけなんだ。政治責任国会の専売特許で、政府は政治責任追及はないんだなんて、そんなことあそこからどうして出てきますかね。こんなこと言って、私は法務大臣にこうやって余りぎゃあぎゃあ言うのもうれしくはないんだけれども、これは論理としてはだめなんですよ、そんなことは。これは全部が認めますよ。表決とってもいい、全部で。そんなばかなことあるかね。政治責任追及というものは——いや法務大臣出なくて結構です。総理ね、これはそういうものでしょう。国会だけが政治責任追及の場で政府はないんだと、政治責任追及。そんなことはないですよ。そんな解釈しちゃ困る。それはやっぱり両方で一生懸命やるということだ。政治的道義的責任は両方が一生懸命やるということなんです。
  154. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) いや、私は最初から一貫しているんですよ。衆議院でも参議院のここでも一貫しているんです。いいですか、刑事責任の追及の主役は法務、検察、それから道義責任の追及の主役は、道義的政治的責任の追及の主役は国会政府はわき役で協力しますと、こう言っているんだ。そして四十七条ただし書きによる政治的判断、これは別にあるでしょうけれども、この公益上の必要ありゃ否やの第一次の判断は検察官、それと法務省。それからその法務省をその上に立って指揮監督する総理大臣との間に余り懸隔のあることは慎まなけりゃならぬでしょう、それは。
  155. 秦野章

    ○秦野章君 まあ法務大臣とはもうこれでやめますけれどもね。やっぱり道義的責任追及、政治的責任追及の中には、いろんなことをやらなきゃいかぬことがあることは事実ですよ。それは政府国会もということだと思うんですよ。これは総理当然でしょう。それをいま法務大臣考え——それは法務省だから、やっぱり刑事責任追及が主役であたりまえですよ。そんなあたりまえなことは言ってない。それでもなおいろんな立法論のこととか、法改正の問題いろいろあるかもしれませんけれども、まあこれで私やめますから、総理それだけ答えていただいて……。
  156. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 政府もまた民主政治の健全な発展を願うものですから、これは日本の政治の基本ですから、そういう意味で、こういう事件が単に刑事上ばかりでなしに、政治的道義的な責任というものもやはり調査をされて、日本の政治というものが浄化されていくことは望むところでございますから、政府自身も、政府の職員などに対してはこういう面からのいろいろな調査もなされなけりゃならぬわけですし、また国会のそういう議員の規律に関することでございますから、国会調査に対しては協力して、それは政府の協力する面はあるわけで、全部もう国会で−政府は何も国会任せでございますということではないことは、秦野君の言われるとおりだと思います。
  157. 岡田広

    ○岡田広君 質問する前に、委員長に御要望申し上げておきたいんですが、この委員会で発言を許可されたのは岡田広だけでございます。したがって、発言を、許可なくして私の質問等に対していろいろな話を差しはさむことは厳に慎んでいただきたいと思います。よろしゅうございますか。
  158. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 承知いたしました。
  159. 岡田広

    ○岡田広君 私は、去る十五日のこの中間報告を手にいたしまして、つぶさに私なりに一応精読をいたしたわけでございます。先ほど来、この中間報告捜査当局の一応の経過の説明であるんだと、こういうことでございますので、私もそれなりに一応了承いたしております。いまこの当委員会で問題になっておるのは、公表の問題であろうかと一応承ってまいりました。したがって、私の用意した質問も時間の制約もございますので、省略いたしまして二つにしぼります。  一つは、やはり公表問題に触れるわけでございますが、もう一つは、委員会として政治的な追及という一つの機能がございます。で、私は、関係官庁に果たして——従来ロッキード委員会が、運輸省は航空法なり、あるいは運輸省の設置法に基づいてその職務を執行する運輸大臣が果たして国策の施行に当たって、あるいはまた防衛庁がPXLの問題に当たって、いわゆるこの忌まわしいロッキード事件の賄賂によって国策が変更されたかどうかと、こういう点にやはり政治的な追及の任務が私どもにあろうかと存じます。そういう意味で総理に端的にお尋ねいたしますが、果たして佐藤内閣、四十五年に決められた、一応閣議了解事項、詳細は申しません。田中内閣、三木内閣と引き継がれた、その内閣の首班として、このロッキード事件の賄賂によって国策が曲げられたと、こういうふうにお考えでございますか。いやしくも国策は曲げられないんだと確信を持ってお答えになられますか、その二点をひとつお答え願いたいと存じます。
  160. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) まあ国策というものが非常に定義がなかなか、どこまでを国策というのかということでございますけれども、やはり自民党内閣、継続性を持っていかなきゃならぬわけで、ロッキード事件によって日本の国策が曲げられたとは私は思っていないわけでございます。(「おかしいじゃないか、それは。それはおかしいぞ、本当に」と呼ぶ者あり)
  161. 岡田広

    ○岡田広君 委員長の許可を得て発言してください。  私も総理のいまの御答弁を信頼いたします。国策とは何ぞやと、社会通念上あるいは閣議の決定事項、閣議の了解事項あるいは国防会議の決定事項等であろうかと思いますが……(発言する者あり)
  162. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) お静かに願います。
  163. 岡田広

    ○岡田広君 法制局長官に一応お尋ねしたいわけだったんですが、前提条件として、そういう点は時間の関係で省略してずばり総理にお伺いしたんですが、そういたしますと、総理、私は忌まわしいこのロッキード事件というものが、いろいろとわれわれもこの委員会において関係大臣にそれぞれの与野党の議員を通じて追及をいたしました。で、私の手元にも運輸大臣、それから防衛庁長官からも、私の質問に対する国策は一応変更してないんだという確認書を得ておりますから、それ以上申しませんが、そういたしますと、総理、私は忌まわしいロッキード事件であっても、やはり内閣の継続性という点から毫も国策は変更されなかったと、こういう確信のもとに立つ総理の答弁を聞いて、私は不幸中の幸いとして喜んで一応答弁を受け取ったわけでございます。  そこで、法務大臣にお伺いいたしますが、九十ユニットの問題で十三名の数字が挙がっておりますが、私が素朴な考え方でその十三名の方々は、われわれ国会議員として立候補する場合、あるいは当選して再度また議員生活を続ける場合、われわれには政治資金規正法という一つの法律がございます。その十三名は政治資金規正法の届け出を全部完了しておったでしょうか、ひとつお伺いいたしたいと思います。——刑事局長で結構でございます。(「田中のもらった五億円は成功報酬ですよ、曲げてなきゃ報酬を払うはずがないんだから」と呼ぶ者あり)
  164. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 静粛に願います。
  165. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 政治資金として個人が受け取ったものについては、政治資金規正法上も届け出の義務がございませんので、対象外でございます。
  166. 岡田広

    ○岡田広君 そういたしますと、局長に重ねてお尋ねいたしますが、九十ユニットのあの五千数百万円のものが、挙げられた数字の方々に簿外の経理の整理の中から一応支給されたと、こういう御認定でございますか。
  167. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) そのとおりでございます。
  168. 岡田広

    ○岡田広君 法務大臣にお伺いいたしますが、この九十ユニットは四十七年の十一月から五十年の二月まで支払われたと、こう書いてございます。ロッキード事件でそのばらまかれた三十ユニットなり九十ユニットという金の性質が黒い金であるということがわれわれにわかったのが二月のアメリカの多国籍企業のあの調査の結果でしかないわけでございます。そうすると、四十七年の時点に、十三名の方はだれかわかりません。わかりませんが、一応ここにも書いてあるように、お中元、お歳暮あるいは諸外国出張のせんべつ、これは一つの社会慣行だと思うんです。そういう点で一応これは公判請求をしなかったんだと、単純収賄罪にも該当しなかったんだと、こういう報告でございますが、法務大臣にお伺いいたしますが、私はそこに、たとえば盗品を買って、善意の買い主が後でそれが盗品であったということがわかって、そしてその善意の買い主は刑法の処罰の対象にはなっておりません。それと同じじゃないか。春秋の筆法をもってすればそれと同じじゃないか、こういう点。連綿として受けておる政治献金なり、中元なり、それからせんべつなり等もらって、たまたま三十ユニットの場合は四十七年の十月から十一月、わずか一カ月でございます。その中を検察庁が抽出をして、それが一つの賄賂性であるんだという御認定は、いささかわれわれ法律にはうといものでございますが、非常に奇異な感があるのでございますが、私は、あえて法務大臣の答弁は要求をいたしませんが、この中間報告に示されたように、その公判請求をしなかったのは、歳暮なり、中元なり、あるいはせんべつなりであったんだと、これは一応政治家としての社会通念上の一つの慣行であったんだと、こういうことで、ひとつ法務大臣としてこの中間報告に記述したことに変わりはございませんか、お伺いいたします。
  169. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 私ども中間報告で御報告申し上げておりますように、いわゆる三十ユニットの関係は、先ほど岡田委員御指摘の、いわゆる裏金に入ることなく、三十ユニットは、ここに書いてございますように、ロッキード社から来たものを丸紅の伊藤、大久保らにおいて直接全日空からですと言って届けたものであるという意味におきまして、裏金とは直接関係がないということは、報告をお読みいただければ一目瞭然であろうと思います。  それから、次に九十ユニット関係を含む二億五千万円の先ほど御指摘の簿外資金につきましては、調査をいたしましたところ、金を受け取ったということは認められるが、その趣旨におきまして、趣旨は先ほどのいわゆる政治献金とか、おせんべつとか、中元、歳暮という類であるということは検察の認定でございまして、それが先ほど御指摘のように、政治上の慣行とか何とかということではなしに、そういう金がそういう名目で渡された。その金は調べてみたが、国会議員の職務に関する対価としての金ではなかったということをここで申し上げたわけでございまして、それと同時に、先ほど御指摘もございましたように、その金は一たん既存の簿外資金に混入をいたしておりますので、捜査の結果、その金につきまして、この最後に書いてございますように、ロッキード社の航空機売り込みと関連があるかということを本事件の性質上調べましたが、関連があるということが主観的にも客観的にも認められなかったと、こういうことでございます。
  170. 岡田広

    ○岡田広君 時間もないようですから、簡単に……
  171. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 簡単に願います。
  172. 岡田広

    ○岡田広君 一応刑事局長のこの中間報告の敷衍的な説明で了承をいたしますが、私は、いろいろと議員には国民の請願権の要請が毎日のようにございます。それは議長を通じて政府にも国会にも出されておるわけでございます。で、御検討いただきたいことは、私も選挙違反で相当検察庁にしぼられた経験者でございます。贈賄者側が、これが賄賂でありますよと昭和四十七年の時点にやったならば、これは当然受託収賄罪は成立するでしょう。五十一年の時点になって初めてアメリカからロッキード事件が来て、それから捜査が過去の時間的経過をたどって、金銭授受をたどって、主観的にも客観的にもこれが贈収賄の一応授受であると、これは御認定は検察庁の——結構でございますが、そういう点が先ほど秦野委員が、一応やたらに事件によってそういうものを国会の要請によって引っ張り出してそれどうだと、こういうようなことになったならば、それは検察ファッショの一つの危険性を持つんじゃないかと……。こういう点を一つ私は懸念いたします。きょうは時間がございませんから、いずれまた時間をかけたいと思いますが、一応この中間報告を局長の説明どおりに私も素直に受け取ります。  最後に、総理、刑法と刑事訴訟法の前に、われわれはいわゆる法の前に平等だと、憲法に保障された基本的人権というものはわれわれにあるんだと。いま野党の諸君はもう名前を公表しろと。総理、公表される人間の側に立って、何らの弁明もなく、委員会の要請があったらばそれ出すんだというようなことは許されぬですよ、これは。私は、いわゆる贈収賄事件というものは、刑法と刑訴法の面においてクロかシロしかないと思う。一歩譲って、自民党のロッキード調査委員会で総務会の了承を得た、その規格というものが、この世間を騒がしたロッキード事件であればこそああいう規格を出したわけでございます。そうするならば、やはり検察庁で公判の請求を出したと、これは当然です。それから公判請求に対しては時効という壁があったのだと、単純収賄ということであったのだが、これは職務権限には及ばなかったのだと。仮にそれを一歩譲って、クロといたしましょう。
  173. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 簡単に願います。
  174. 岡田広

    ○岡田広君 私は、その限界がやはり公表の一応リミットだと思うのです。  そこで総理にお伺いいたしたいが、私は、これは質問じゃございません。私も自民党の党員でございます。総理も御承知のように、私は自民党の党の近代化の総裁の主張に応じて十万人を入党させた責任者でございます、去年。その党員を代表して言うんですが、いやしくも公表した者の中に公認というようなものを総選挙に当たって自民党がしておるというならば、これは取り消して、自民党がやはりこういう汚職の体質を持っているのだと、それに対して三木総裁は厳たる姿勢でひとつ公認も取り消して、総選挙ロッキードの問題の信を問うのだと、こういう姿勢で臨んでいただきたいことをひとつ要望して、もし総理が所見があるならば承って、私の質問を終わらせていただきます。
  175. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 岡田君のいまの御要望は私もごもっともなものでございますから、今後よくそういう岡田君のいまの御発言のことも体して対処いたしたいと思います。
  176. 桑名義治

    ○桑名義治君 先ほどから総理が、にせ検事総長電話に対して種々応答したことが問題になっているわけでございますが、そのいわゆる追及に対しまして、総理のいわゆる姿勢というもの、あるいはこれに関する考え方というものが非常にあいまいでございますので、その点を明快にお答え願いたいと思います。
  177. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私は、こういう人を陥れようというような、そういうたくらみをする者は一体どういう方面の人がするのかということを突きとめたいと思いまして相手にしましたけれども、それは後で考えてみると、そういうことは私自身が応対をすべきでなかったというふうに私はいまは考えておるわけでございます。
  178. 桑名義治

    ○桑名義治君 そこで、この応対の新聞の記事でございますが、この三行目の中ごろに「あのねえ、今朝ですねえ、刑事局長からね、何度も問い合わせたんですよ。そういうことはないという報告だったが。」、こういうようなくだりがあるわけでございます。それで、いままでのいわゆるロッキード問題に対する実情については法務大臣から報告を受けたときのみについて私は聞いていると、こういう答弁がしばしば聞かれたわけでございますけれども、このいわゆる新聞の記事によりますと、刑事局長からもしばしば聞かれておったという、こういう事実が明らかになるわけですが、この点はどういうことなんですか、方針が変わったんですか。(「総理だ、総理だ」「指名した者に答えさせろ」と呼ぶ者あり)
  179. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) まず局長が言ってから総理……。(発言する者多し)
  180. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 法務大臣の場合が多いんですけれども法務大臣の命を受けて刑事局長が私に報告する場合も、たまにはあるわけでございます。
  181. 桑名義治

    ○桑名義治君 この前からたびたびのこの委員会での発言は、ときには報告を受けると、こういうふうな言葉でございますけれども、この新聞記事によりますと「何度も」と、こういうふうに書いてあるわけです。そうすると、いままでの総理の答弁というものは違う。その点どうですか。
  182. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 何遍もということではないんですよ。法務大臣の意を受けて私にたまにありますけれども、そう再々ということではございません。
  183. 桑名義治

    ○桑名義治君 時間がありませんので、この問題はこの程度にしておきますが、いずれにしましても、こういった、にせ検事総長のいわゆる電話をまともに受けて、そして一時間にわたるいわゆるやりとりをしたということは非常にこれは重大な問題だ、こういうふうに私たち考えているわけでございます。  そこで、氏名公表の問題についてちょっと先にお尋ねをしたいと思うんですが、まず最初に、大谷委員長に氏名公表問題の見解をお聞きしておきたいと思います。衆議院ロッキード問題に関する調査特別委員会田中委員長は、個人的見解としながらも、国民が要求している以上、すなわち個人の人権よりも公益が優先するので、公表すべきであると。もし大谷委員長が公表できないという見解をとったとしても、衆議院で仮に公表された場合は、国民は知ることになり、参議院は隠したという批判を免れないと思うんですが、大谷委員長の、まずこの問題に対する個人的な見解をお聞きしておきたいと思います。
  184. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 委員長としては一応の考えを持っておりますけれども、ただいまの時点で私が申し上げることはいささか適当でないと考えますので、お含みを願いたいと思います。
  185. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうしますと、この衆議院の田中委員長の発言というのは非常に不当な発言であったと、こういうふうになるわけですか。
  186. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 田中さんは田中さんの御発言があろうと思います。
  187. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうすると、大谷委員長は非常に後退的な考え方を持っていると、消極的な考え方を持っていると、こういうふうに理解せざるを得ないわけでございますが、それでよろしゅうございますか。
  188. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 後退でも前進でもございません。
  189. 桑名義治

    ○桑名義治君 では、次の問題に移りますが、去る二十日、衆議院のロッキード特別委員会で、この中間報告報告されている人々、人数に対するそれぞれの氏名を知っているのは総理法務大臣の二人だけだと、こういうふうな答弁が法務大臣からなされているようでございますが、総理、これに間違いございませんか。
  190. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 法務大臣から、書いた書類ではないんですけれども、一応口頭報告は受けていることは事実でございます。
  191. 桑名義治

    ○桑名義治君 次も確認事項になるわけでございますが、二十日の同じ委員会で、わが党の坂井委員質問に対して、総理はシロである、私はクロと考える材料はない、三木武夫があるはずはない、こういうふうに答弁されたと新聞に載っているわけでございます。これを要約すると、私はシロだということになると思いますが、この発言に間違いはございませんか。
  192. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私は、一々人の名前を挙げて、これはシロかクロかという、そういう質問はどういうことかということで、私自身ロッキードというものとかかわりは私自身がないと信じておりますが、もし何か疑問なことがあったら言ってくださいというような意味のことを申したわけで、私自身ロッキード事件と関連があったとは思っておりませんが、何か疑問の点があればひとつおっしゃっていただきたいという趣旨の答弁でございます。一々議員名前を挙げて、これはシロかクロかということを私が答えるというような立場にもございませんし、私自身のことを聞かれましたので、私自身は何も関係ないと信じておりますが、何か疑問の点があったらお聞き願いたいという趣旨が私の答弁の趣旨でございます。
  193. 桑名義治

    ○桑名義治君 私はクロと考える材料はない、三木武夫があろうはずはないと。この発言は、この今回の中間報告における、いわゆる載っかっている人々の氏名を知っているのは、先ほど確認しましたように法務大臣総理大臣お二人だけなんです。その中で総理あなたは灰色ですか、クロですか、あるいはシロですかと、こういうふうな質問を受けたときにこういう答弁をされれば、知っていらっしゃるのはたった二人っきりですから、したがって、あなたは自分自身で自分はシロであるという証明をされたことになる。そうなりますと、現段階では、公の場でシロと証明されたのは国会議員七百二十七名中一名になる、こういうふうになるわけです。自分だけはシロでございますよという証明を公の場所でしている。そうすると、特定の人物についての証明はしないといういままでの政府の方針は変わったんですか。そうわれわれはとらざるを得ない。どうですか。
  194. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) そうでしょう、総理大臣としてこの国会に臨んで追って、ロッキード事件関係があるのかというような疑いを受けることは、やっぱり真相解明したいという総理大臣立場として適当でないでしょうから、それは私はやめるべきですよ、関係があるなら。それはやはり総理大臣としてこういう行政の全般的に指揮監督しておる者がロッキード事件関係があるという自分が疑問を持ってこういう地位にはおれませんから、私自身はそういう疑いを何か——自身はそういうふうなことは考えていませんが、疑いのあることがあるならばひとつおっしゃっていただきたいということは、何も、その報告を聞いているというよりも、総理大臣としてやっぱりロッキード事件解明に当たる者がみずから何かやましいことがあったらそういう地位におるべきではないですから、私自身はそういうふうなことは何もロッキード事件には関係ないと思っておるが何か疑わしいものがあったらおっしゃっていただきたいという趣旨が私の趣旨でございます。
  195. 桑名義治

    ○桑名義治君 総理大臣だから疑いを持たれたら困るという……。このロッキード問題は国会全体の問題としてとらえて、そしてやっているわけですよ。しかも衆議院におきましては、もうあなた、十二月の五日の日には総選挙があるんじゃないか、投票があるんじゃないかと、こういうふうにまでも言われているわけですよ。そして公表がなされないために大変に、自分自身ではシロと思っておっても、いろいろな疑いを持たれている議員が大半なんです。その中で、総理だからおれは身の潔白を証明したんだ、ほかの者は関係ないんだと、そういうようなニュアンスの物の言い方というのは、どうですか、これ、おかしいと思いませんか。
  196. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私は、きょうの質問の中に何か伏線があってお聞きになるのかと思って、私もそういうものに対してお答えすべきかどうかということも考えましたけれども、こういうロッキード事件解明というものに対して私が内閣として当たらなきゃならぬわけですね、内閣の責任。その人間がロッキード事件に何か関係があるというような、そういう疑問を私自身は持っていませんし、世間にそういう誤解を与えることは適当でないと思いましたので、何か疑問があったらおっしゃってくださいというような趣旨のことを言ったので、私自身ロッキード事件にシロを証明するためにそういうことを言ったんではないんですよ。総理大臣という立場におる者はいささかでもロッキード事件で疑いを持たすようなことはこれはもうよろしくないことでございますから、そういうことは、私は、自分自身は何も、今日三木武夫総理大臣をしているわけはないじゃないですかというようなことで申したので、そういうほかに何も意図はないわけでございます。
  197. 桑名義治

    ○桑名義治君 その答弁では不満足なんですよ、要するに。そういうお答えであるならば、われわれもロッキード委員としてこういうふうに質問をしているわけです。そしてこの追及のために努力を続けているわけなんです。じゃ、仮に私がそういうふうな立場に置かれた場合、疑問を持たれる者が仮にこういう公の会場で追及するということ、解明をするということは、これはまた大変私個人にとっても国会議員としても重大な問題なんです。じゃ、私はシロですか、灰色ですか、クロですかとお聞きしたら、あなたお答えになりますか。立場総理議員立場だけの違いであって、お互いに立場としては非常に重大な立場にいるわけですよ。どうですか。
  198. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) それは私は、一々皆シロとかクロとか言って、私が言うような権限もございませんし、そういう資格もないけれども総理に対して君はロッキード事件に何かかかわり合いがあるのかという質問でしょう、シロとかクロとかいうの。私はかかわり合いはございません、そういうことならば三木武夫総理大臣でここに参るわけはございませんということは、私に疑問を投げかけられたものですから、そうしたら総理大臣として自分の立場を明らかにする必要があるんじゃないでしょうか。私に疑問を投げかけた、シロか何かということで(「自分だけシロだと言うのか」と呼ぶ者あり)自分だけと言っているんじゃないですよ。自分だけシロというのでなく、私に対して議員の方が、おまえは何か疑いがあるんじゃないかということでしょう、シロかクロかということは。いやそういうことは私はございませんと。だから何かそういう疑問があればひとつおっしゃっていただきたいということを言うことが、世の中でおれだけはシロだということになるでしょうか。私に質問があったんですから。積極的に言ったんじゃないんですよ。おまえ何かロッキード事件関係があるのかということ聞いたから、私は関係はございませんと。あるんだったら、あるんならばこういうふうな日本の地位にはおっておりませんということで、質問があったから答えたんで、だから、そういうことで、何も私だけがシロでどうということ、そういう意味ではないですよ。質問に答えたということです。
  199. 桑名義治

    ○桑名義治君 そういう論理であるならば、七百二十七名、現在在籍が七百二十七名ですが、これシロかどうかと聞いた質問があった場合に、あなたお答えになりますか。実際に今度の中間報告の人数の中にあなたの名前は入っておりませんと、こうやってあなたお答えになりますか。二人しか知らないんです、国会議員の中では。
  200. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私は入っているか入ってないかというようなことではないんですよ。私自身が何か一つロッキード事件にかかわりがあるんでないかということでしょう、その質問の真意は。そういうものはやっぱり私は関連ないと思いますが何か私に疑問の点があったら御質問をいただきたいということで、そのときにも言ったでしょう、シロかクロかというようなことは質問はどうかと思いますねえと、こう言ったんですが、とにかく私に疑問を投げかけられたから私はそういうことはございませんと言ったわけで、私自身がだからと言って、皆に対して私はシロですかクロですかというのに私は答える立場にはないですよ。(「自分だけは言えて人のは言えないんですか」と呼ぶ者あり)いや、私に質問したじゃないですか。質問したから……(発言する者多し)
  201. 桑名義治

    ○桑名義治君 だから、質問をしたときに答えますかと聞いておるんですよ。
  202. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 不規則発言は慎んでください。
  203. 桑名義治

    ○桑名義治君 いまのは答えになっていませんよ。答えになってないですよ。仮に私がシロですかクロですかと問うた場合には答えますかと聞いているんですよ。その答えは全然ないですよ。自分の立場だけ言われているだけですよ。それ答えてください。
  204. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) ……(発言する者あり)もう一度御質問願います。
  205. 桑名義治

    ○桑名義治君 時間がないですよ。はっきり言ってくださいよ。ちゃんとしてください、整理は。
  206. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 御質問の時間はちょっと外しますから、桑名君総理によくわかるように、もう一度。
  207. 桑名義治

    ○桑名義治君 総理ね、質問を受けたから私は答えたと、まあ端的に言えばですよ、そうすると、七百二十七名の議員二人一人名前を挙げたら答えますかと私は質問したんです。たとえば、私はシロですか、灰色ですか、クロですかと、こう質問すれば、いや中間報告の中には君の名前はありませんと、こういうお答えがあなたにできますかと言うんですよ。
  208. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私は、一々議員に対して、これはシロだとかクロだとか、そんな私は立場でもないし、権能もありませんよ。ただしかし、だれでもそうじゃないですか、総理大臣に対して君はやっぱりロッキード事件に何か関連があるかという疑いを投げかけたときに、私はロッキード事件には関連はございませんが、もし何か疑問の点があったらひとつ御質問くださいと、こう言うんでないでしょうか。あなたが総理大臣立場に立ってそういう質問を受けたときに、それは答えられませんと言うでしょうか。私はやっぱりそれが素直なお答えでないかと思って言ったわけて、おれだけがシロだということを言っておる、そんなことじゃないんですよ。総理大臣として自分をある意味においては疑われるような御質問でございましたから、私はまあ関係ないと思いますが、何か疑問があったらおっしゃっていただきたいと、こう言うことが、特に自分だけがシロだと言っておると、そういうふうには……。私はそういう意図もございませんし、そういう御質問に素直に答えたというだけでございますから、まあ余りそれを非常にこう何か——素直に私のお答えを御理解を願いたいと思うわけでございます。
  209. 桑名義治

    ○桑名義治君 大変に不満な御答弁ではございますが、これにばっかりかかわっておりますともう時間がなくなりますので、次に移りますが、総理は、ロッキード事件に関するいわゆる灰色高官の公表問題についての自民党の基準を熟知していらっしゃいますか。
  210. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 基準は一読はいたしておりますけれども、この基準についてはいろいろと各党間に開きもございますから、これは各党間でできるだけ早く意見をまとめていただきたいと願っておるわけで、自民党の案が即国会の意思だというふうに独断もできないと考えております。
  211. 桑名義治

    ○桑名義治君 そこで、三木総理、ここでお尋ねしたいのは、本来ならばまだずっと論理的に詰めていきたいんですけれども、時間がありませんから端的に申し上げますが、先ほども質問があったように、自民党のいわゆる人名を公表するという、氏名を公表するというこの基準案というものは、野党の主張から比べると、もう最低限度の案になるわけです。これ以上は恐らく落ちないと思います。甘くはならないと思います。そういう意味で、今回の中間報告にあるいわゆる三十ユニット、九十ユニット、ここへ出てくる人々を全部この基準に合わせたら、どうなりますか。
  212. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 先ほどもお答えしておるように、これを一人一人自民党の基準に当てはめて何人になってどうだというふうには考えてないんで、この基準というものが世間が皆納得のできるような基準でなければならぬというふうには考えておりますけれども、一々、自民党の基準では何人になる、また、公明党の基準では何人になる、そういうふうに個々の人間を当てはめて、そしてこの問題を私自身はまだ考えてはいないわけでございます。
  213. 桑名義治

    ○桑名義治君 その各党の、野党の案ならばこう、自民党案ならこうということをお聞きしているんじゃないんです。自民党案がもう厳然としてここへ出てきているわけですよ。したがって、この自民党案の中で、時効不起訴あるいは微罪不起訴あるいは職務権限なき罪不成立の三つの条件に当てはめた場合、結局何名になりますか。
  214. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 先ほど来お答えしておるように、この自民党の案が即これで国会の意思ということに、これなるかどうかは、これからの各党間のお話し合いの結果によるわけで、この自民党の一つの基準によって具体的にこう人数を当てはめて計算をすることはいたしていないと、こう言っておるわけです。
  215. 桑名義治

    ○桑名義治君 この問題は、なぜ私はこういうふうにくどくお聞きしているかというと、一度こういうふうに新聞に出たことがございますね。いわゆる二階堂、佐々木、福永、加藤と、こういうふうに。そしてテレビでも放映をされているわけです。国民の皆様方は、もうすべての人は、この人たちは既成の事実としてもうとらえているわけですよ。そしてしかも、自民党案に私たちが照らしてみると、大体この四人は該当するんではなかろうかと、こういう疑問があるわけです。そういう、いわゆる社会の中では灰色だと、こういうふうに既成事実としてとらえられている人々さえも氏名を公表をしないということは、いたずらに国民に不安感をつのらせるばかりではないかと。したがって、自民党案としてこう出ている以上は、当然この四名の人々の名前は公表すべきではないか、それがいわゆる三木総理大臣がこのロッキード問題に対して非常に積極的に取り組んでいると、とりあえずこれだけは報告をしましょうと、この姿勢を国民は持っているんじゃないかと、こういうふうに私は受けとめているわけです。  過日八月に、灰色高官の名前を公表するかしないかというアンケート調査を朝日がとっておりますが、八五%は公表すべきだと、早急に公表すべきだと、こういうデータが出ている。国民の要求、国民の知る権利をぶっつけているこの結果だろうと、こういうふうにわれわれは認識しているわけですが、この件についても公表はできませんか。
  216. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) この問題は、いま言われるとおり、国民の非常に関心を持っておる点だと思います。したがってまた、各党間においても、これだけの国民が関心を持っておる問題ですから、今後各党間でそういう基準を決める場合に、国民全体が疑惑を持つような人々というものはいろいろ範囲を決める場合に重視せなければならぬわけでございますから、いろいろな今後の国会調査また政府資料提供などに対しても、そんなにもう世間が、非常に世間の全体の人たち考えておる常識の線を余り逸脱するような基準というものは私はこれはすべきではないと思っておりますから、この点は自民党としても今後この問題に対しては十分そういうことも頭に入れて対処してまいりたいと考えておるわけでございます。
  217. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうしますと、こういうふうに新聞にも報道され、テレビでも放映された。しかも、どういう角度から見ても、それこそ足りない資料の中ではございますけれども、その立場から見てもこの四名というものは非常に疑いが深いと、こういうふうに思われるわけでございますけれども、この人たちが今回の総選挙の場合ですね、自民党から公認をされている。これまた総理の姿勢として好ましくないことではないかと、こういうふうに思いますが、再検討をする、そういう御意思はございませんか。
  218. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 自民党とすれば、いろいろな今後国会における道義的責任、政治的責任の有無に対しての調査というものが進んでまいりますから、そういう国会調査活動ともにらみ合わして、この選挙に臨む態度というものを自民党が決めることは当然でございます。
  219. 桑名義治

    ○桑名義治君 では、もう時間がございませんので次に進みますが、福田副総理は三十一日の党大会に向かって、昨日自民挙党協で後任総裁という決意表明をしております。現内閣の重要、それも副総理の総裁立候補をどういうふうに総理としては受けとめておられるのか。これはただ単に自民党の内紛ということで片づけられない。これは第三回目の内紛でございますけれども、第一回目、二回目、この内紛の続いているときに、ロッキード委員会はどうしても開くことが不可能だと、こういうことで中断をされた事実があるわけでございます。そうなってくると、こうやった内紛は、国事のいわゆる遅滞と同時にロッキード委員会の究明についても非常におくれるおそれがあるわけでございます。そうやった立場から、この福田副総理の今回の後継総裁に対する意思表明、挙党協に対するこの動き、これを総理としてはどういうふうに受けとめられておられますか。
  220. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) こういう一つ国会の審議も、最終の会期も決められておるわけですから、国会の重要なる段階に差しかかってくるわけでございまして、ロッキード事件の究明、あるいはまた予算関連法案の審議等もございますから、そういう国会議員としての当然の責務、ことに政権を担当しておるという自民党の重大な責任ということを踏まえて党員は行動をすべきであるということは申すまでもないわけで、この問題は、しかしまだ最終的な一いろいろ新聞で報道されて、それには政治行動の裏づけもあるのでございましょうが、最終的には国民の期待に反し、責任政党としてのその責任を放棄するような結論になっては相済まぬと考えておりますので、必ずや国民の期待を裏切らないような結論に持っていきたいと願っておるわけでございます。
  221. 桑名義治

    ○桑名義治君 その総理の気持ちはわかるわけですが、内閣の中でも非常に重要なポストを持っていらっしゃる方です。その方がこういうふうに次期総裁ということで皆さんにも推され、本人もその意思があるという表明をなさっているわけですが、副総理として、あるいはまた経企庁長官としてこれは不適当じゃないかと、こういうふうにおたくの派閥の方々もおっしゃっているようですが、どうですか、この点は。
  222. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 福田君自身も、それは閣内で重要な責任を分かち合う立場でございますから、今後の行動というものは、そういう自分のいま置かれておる立場の重さというものを十分に自覚した行動をされるものであると私は期待をしておるわけでございます。
  223. 桑名義治

    ○桑名義治君 時間が参りましたので、これ一問で終わりたいと思いますが、三十一日の挙党協の動き、福田副総理の総裁選挙への決意表明などが、党大会が人事大会となり、総裁、総理の分離論が実現味を帯びてきたわけでございますが、この点については総理はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
  224. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 自民党としては、これは総選挙を前にした一つの党としても国民審判を受けなければならぬときでございますから、党大会というものが非常に政局を混乱さすような党大会であってはならぬということで、自民党の執行部の方としても非常にやはりこの問題の処理に当たっておるわけでございますから、そういういまお話しのような破局的な状態に持っていかないで解決をできるものだと信じております。
  225. 桑名義治

    ○桑名義治君 総裁、総理の分離論についてのお考えが抜けているようですから。
  226. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 自民党は党則でも総裁、総理は分離はしていないのです。一体のものでございます。
  227. 橋本敦

    ○橋本敦君 いま国民が求めているのは、あの中間報告の中にあらわれている国会議員、これの氏名を公表せよ、これはまさに国民の声である。総理は、この間のテレビでも、いま政治で大事なことは素直に国民の声を聞くことである、繰り返しあなたは述べられておる。ならば、国民の圧倒的多数、そして国会においても四野党がそろって要求をし、五党国対委員長会談でもこのことをあなたに伝え、自民党国対委員長は、政府がやることについてはとやかく言わない、ここまで言っているこの公表問題について、その名を知っているのはただ二人、あなたと法務大臣。そのあなたの権限と責任に、いまやまさに一つにかかっているこの公表問題について、これを明らかにしないということは、あなたもまたロッキード隠しではないか、後退ではないか、厳しい批判がいま行われていることはお耳に達しているとおりであります。  しかし、きょう私は、この問題を追及する前に、はからずもけさ新聞で大問題になった、あなたに対する大きな謀略の問題、これについて私はまず総理の見解と事実をただしたいと思うのです。まさにこれは何か。これは三木総理、あなた個人を陥れるための個人的な策謀、こう見てよいか。決してそうではない、まさにロッキード真相究明政治生命をかけると、こう言って進んでおられたあなた、時期はまさに田中逮捕、大きく疑惑究明の国民の期待が高まっているさなかの八月四日の深夜、このときにあなたにかけられた電話は、単にあなた個人を失脚せしめようという三木総理個人に対する謀略ではなくて、私はこれはロッキード隠しをねらった大きな政治的謀略という本質を持っている、こういう認識に立ってこの事実を究明せねばならぬ、三木総理個人の問題ではない、私はこう見るのですが、総理のお考えはいかがですか。
  228. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私はやはり、何か私を陥れるための一つの卑劣なる行為の一環としてあの問題をとらえておるわけでございます。
  229. 橋本敦

    ○橋本敦君 あなたを陥れる行為の一環という、その一環の背景がまさにこのロッキード隠しという、こういう陰謀の一つであるというように私は見るのが事件の本質だと、こう言うわけですよ。  そこで、この問題に入るに先立って、法務大臣に一言確認をしておきたい問題があるんです。この鬼頭裁判官は、新聞報道によっても、田中逮捕に対してきわめて批判的な意見を述べていたと報ぜられている。そして私が法務大臣にいま言いたいのは、いま新潟入りをした田中角榮、この事件に関して何を言っているか。あたかも検察庁が今日まで捜査を遂げ、田中を逮捕、起訴した、それがまさに空中楼閣であるかのごとく、言ってみれば国民の顔を逆なでするような、おれは潔白であると言わぬばかりの声明を出している。こういうときに、いま問題なのは、これから公判が始まろうという、こういう重大なときに、現職の裁判官の一人である人間が、このロッキード隠し、公然とやるようなことに手をかしたということで、ロッキード隠しの策謀が日本の司法機関の一部に入り込んでいるということを疑わしめるような重大な事態だと私は認識している。しかし、私は日本の裁判所を信頼している。で、私は法務大臣に聞きたいのは、このような状況の中で、田中角榮はあのように、自分はロッキードから金をもらった事実はないと公然と天下に言っている、こういう中で検察庁が田中を起訴し、そしてこれから公判を維持していくという、こういう状況の中で、法務大臣、この田中公判について公訴事実の立証に十分の確信があると私は思いますが、大臣の所信はいかがですか。
  230. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 刑事局長を通じ、検事総長を初め検察陣営全体が確信を持って公訴提起をしたのでありますから、十分公判維持はできるという確信を持っているものと思います。私も、検察当局のそういう確信はりっぱな確信であるというふうに思っておりますね。
  231. 橋本敦

    ○橋本敦君 法務大臣、あなた自身の確信を私は聞きたい。報告を受け、現在この事件に最大の内閣として責任を負うあなたの確信はどうなのか、お聞きしたい。
  232. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 確信を持っておるからおると先ほど申したつもりでおります。私自身も確信を持っておると、こう申したつもりであります。
  233. 橋本敦

    ○橋本敦君 総理、私は、この鬼頭裁判官をめぐるあなたに対する謀略は、これは日本版ウォーターゲート事件ともいうような事件ではないかという状況さえ私はいろいろな調査で感得をしております。その意味で徹底的にこの事実は解明されねばならぬし、明らかにされねばならぬし、そしてまた、あなたがおっしゃるように、捜査当局法務大臣を通じても明らかにされねばならぬと、こう思っておりますが、それは総理も同じお考えですね。
  234. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 全く私は同感でございます。
  235. 橋本敦

    ○橋本敦君 そこで、総理、私は直接当事者であるあなたにお伺いしたいんですけど、私ども調査して聞いたところによりますと、最初総理のところへかかった電話では、「私は検事総長の布施でございます」ということで電話がかかって、そして奥さんか女の方が出られて、それからあなたのところへ取り次がれた、そこから話が始まったと、こう聞いておりますが、そういう状況は御記憶ですか、いきなりあなたにかかったんではないと。
  236. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) いや、私の電話は直接かかってくることはないんです。
  237. 橋本敦

    ○橋本敦君 そこで、総理一つの重要な問題として、私どもは、国民総理電話をかけるということはまあないわけですよ。あなたの御自宅の電話番号を電話帳で知るということはできます。だがしかし、私は、この電話電話帳に記載されている公の電話ではなくて、あなたの総理の職務を遂行する上で重要な電話がいろいろありましょうから、電話帳等に記載されていない特別の電話にかかってきたというように私は見ているんですが、その点お確かめになりましたか。
  238. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) いや、そういうことではありません。一般電話です。
  239. 橋本敦

    ○橋本敦君 一般電話ですか。一般電話だとしますと、そこから以後のあなたの話が、まず最初は、検事総長だと思って話を始めたと、こういうことですね。だから、その点についてあなたの受け取り方にも一応の不注意ではないかと思われる問題も出てくるんですね。しかし、その次の問題として、この電話であなたは踏みとどまられたけれども、仮に中曽根逮捕は政局を混乱させるからやめてもらいたいとでもあなたが言ったとすればどうなっていたかと考えると、ぞっとするわけです。このテープがマスコミに流され、そうして総理、あなたが指揮権発動をやったんだということでこれがそのとき流されているならば、今日の総理のあなたはいない。三木内閣総辞職、政局大混乱の中でロッキード疑獄が大きく妨害されるという事態も発生されていたと予想される大事件だ、こういう認識はお持ちでしょうか。
  240. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私、全体として、非常に卑劣なこういう問題を——何かやっぱり卑劣な意図を持った、仕組まれたものだというふうに考えておるわけです。
  241. 橋本敦

    ○橋本敦君 いや、私の質問に答えてください。結果として大問題になったんではないかという……。
  242. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 二、三カ月前ですね、だから一々覚えておりませんけれども、これは何か私をこうひっかけようという意図があったわけですから、いろんなことを言ったと思います。
  243. 橋本敦

    ○橋本敦君 ですから、私が言うように、あなたが踏みとどまられなくて、この陰謀に陥ったとしたら、政治的大問題になっていた事件だということは、これは総理認識も一致していますね。このことをまず確認したい。政治的大問題になっていたであろうということ。
  244. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) それは、いろいろどういうところでひっかけようとしておったのか、そういう意図というものによったならば、やはり大問題になる可能性があると思います。
  245. 橋本敦

    ○橋本敦君 そして、それが政治的大問題になれば、いま私が指摘したように、新たなロッキード隠しの工作という政治状況にこれは見合っていく事態になるわけですね。そういう重大な認識があるとするならば——総理、この電話をあなたが長長と五十分お受けになって何とか犯人を突きとめようとおっしゃっておられますが、いいですか、この電話があった後、何とかこれを真実をきわめるということで、すぐに法務大臣指示なさるなり、しかるべき方法をおとりになる、これが筋ではないかと私は思う。ところが、八月十九日に週刊新潮が出しました——全国何十万も回っているでしょう。それに対してあなたは適切な抗議その他の処置もおとりになっていないし、特段の調査を進められたというように見受けられない。これはなぜでしょう。
  246. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 私、総理から、変な電話がかかってきたということで内容を一部拝聴しましたが、途中まで聞いて、総理、そういう電話は私のところにもたくさんかかってきておると。ですから、そんなもの一々検察当局で調べるとか、裁判所に頼んで調べるとか——裁判官なんて知らないですから、総理も私も。ですからそこまでは言いませんわな、そこまでは。たくさんくるものですから。そして、そんなことに総理も私もひっかかって政治介入なんかするはずはないんですから、そういう気持ちが厳としているものですから、厳としているものですから、腹はもう決まっているんですから、だれであろうと、そんなものは検察当局がやるというのに差しさわりのあることはしようと思っていないものですから、余り相手になりなさんなと、こう言っただけですよ。
  247. 橋本敦

    ○橋本敦君 相手になりなさんなと言いながら、総理は長々と電話をされた。私が言うのは、法務大臣、この事態の重大さの認識、余りにもお二人甘過ぎますよ。この事態の重大さの認識があれば徹底的に調査をしたはず。そのときはしなかったということ、これはもうしょうがありません。現時点で私は伺います、現時点で。私が聞いているところでは、布施検事総長はこの話を聞いて激怒したということです。あたりまえですよ。仮りに鬼頭氏がこの電話をかけていたとしたならば、これはどういう刑事上の罪になるかどうか、検討しましたか。
  248. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 犯罪の容疑といたしましては、さしあたり官名詐称の軽犯罪法違反ということが考えられますし、あと、偽計による業務妨害というようなことが考えられるんじゃないかということは考えます。と同時に、本日の新聞を見て検察当局では、さようなところを検討中でございます。
  249. 橋本敦

    ○橋本敦君 法務大臣ね、犯罪容疑の端緒があったんですよ。いま局長は、本日新聞を見て、いま言った犯罪容疑の調査も検討中だとおっしゃった。もっと早くやる必要があった。私が聞いているところでは、検察庁は、この録音テープについても、これを聞いて、そしてその声がだれであるか、音紋ということですが、鑑識調査、こういうこともやっているのかやってないのかということも——私はある情報を聞いておりますが、いまだ、こういうことは全然やっていませんか、やっていますか。
  250. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) さような報告は聞いておりません。
  251. 橋本敦

    ○橋本敦君 まさに、私はロッキードの徹底究明に対して大きなロッキード隠しがあると。稻葉法務大臣何遍もおっしゃりながら、総理のところまでかかった謀略のロッキード隠しにこんな対応の仕方なんですよ。まさに本気で……。これは逆に言えば、真相究明をやる姿勢それ自体が疑われる一つの要素にもなりかねないんですよ。こんな、総理にかけた謀略電話をいまになるまで調査を徹底しないということは問題なんです。  そこで、さらにもう一つ私は最高裁の事務総長に伺いたいんですが、NHKの昼のニュースでは、鬼頭判事補は京都の山内所長からの質問を受けて事実の一部を認めたと報道されています。総長のところへ報告が入っておりますか。どの部分の事実を認めたんですか。
  252. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 私の承知いたしております範囲では、けさの読売新聞の中には、大部分は、いまのお話しになっております総理に対するにせ電話といいますか、のことでございますが、ごく一部、別の問題、網走刑務所関係のことが出ておりまして、その点を本人は認めておるわけでございます。
  253. 橋本敦

    ○橋本敦君 この事実はどうですか。
  254. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) この事実は、本人は全く関係ないと答えておるというふうに、いまのところ聞いております。明日詳細に調査いたします。
  255. 橋本敦

    ○橋本敦君 わかりました。徹底的に調査をしてもらいたい。  きょうの読売新聞でも、鬼頭判事補自身がこのテープを持って読売新聞を訪れているという事実が報道されているんですよ。私も、私ども調査でこの事実は間違いないという情報、調査を得ております。にもかかわらず、いま否定をしている。だがしかし、もう一つ重要なことを鬼頭判事は言っておる。きょうの新聞報道にも、こういう言い方をしています。この電話作戦について、「同氏は「この問題が明るみに出たら、私一人だけの問題ではすまなくなる」と漏らしたこともある」と、こう書いている。私はこれを非常に重視すべきだと思うんです。たとえば別の新聞は、この問題に関連をして、総理のお宅に電話をしたそのときに、同じころに、三木政権の数名の要人に同じ謀略をしかけた側と見られる人たちから電話があったということも報ぜられている新聞もある。これは何かと言えば、電話をあなたとやっている間に、よそから、政府要人からあなたのところへ電話がかかって、途中で切れたりしないような作戦と配慮とも受け取れる問題なんです。そこで私が言うのは、これは単なる鬼頭判事補一人のとっぴな、とてつもない行動というように見ては、また調査がずさんになりますよ。これはこの鬼頭判事補一人の事件ではなくて、こういう陰謀に関して何らかの黒いグループがあるのではないかということを推測させるということを頭に置いて、徹底的に真相解明する方針を持たねばならない、私はこう思いますが、法務大臣のお考えはいかがですか。
  256. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 背後関係についても徹底的に調査しなければ、これはおさまらぬなと思いますな。
  257. 橋本敦

    ○橋本敦君 そのとおりやってもらいたい。  そこで、寺田事務総長に伺いますけれども、これは犯罪容疑としては軽犯罪法あるいは偽計による業務妨害等、容疑があるということで、検察庁はそれなりの調査をする方針を示されました。こういう事実がもし仮にあったということを裁判所が明らかに認定した場合、これは、この裁判官は一体裁判官としてふさわしいのであろうかという深刻な問題と、そして裁判所自体がこのようなロッキード隠しの陰謀に公然と加わる現職裁判官をかかえていたという問題、司法体制の問題としても私はゆゆしい問題として出てくると思う。事務総長は、この鬼頭判事補についていま言いますと、このようなことをやった事実が明白になれば、このような裁判官の出処進退についてどのような決意を持って臨まれる所存ですか。
  258. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 私ども立場としては、現在のところは、これが鬼頭判事補のやったことでないように、ないのではないか、ないことをいわば祈っておるわけでございますが、ただ、これは新聞に詳しく報道されたことでございますので、十分調査いたしませんことにはその結論は出ないわけでございます。そういう裁判官の身分に重要な関係のありますことについて、いわば仮定的に申し上げることはいかがかと思いますので、ただ、きわめて深刻に、重大な問題として受け取っておると、かように御理解いただきたいと思うわけでございます。
  259. 橋本敦

    ○橋本敦君 仮定の問題といまおっしゃるけれども、現に、現実になりつつある問題なんですよ、総長。それでまだ仮定の問題だというようにすましておられるわけに私はいかぬと思う。私はいかぬと思う。だから、断固たる姿勢で、調査も含め、処分も含め、臨むという姿勢があるのかどうかを伺っているんですよ。質問の趣旨を取り違えないでもらいたい。
  260. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 御趣旨のとおりでございます。一応そうお答え申し上げます。
  261. 橋本敦

    ○橋本敦君 ところで、法務大臣、この鬼頭裁判官は、朝から指摘されておりますように、四十九年夏、網走刑務所へ参りまして、わが党の宮本委員長に対する身分帳、その中の診断書、これを出さして写真に撮って帰ったという事実が報道せられ、この事実を認めているということがほぼ状況で明らかになっている。この身分帳や診断書は、これは裁判官だからといって見せるものですか。絶対に見せてはならぬという立場のものではありませんか。この点、まず明確にしてください。
  262. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 見せてはならないものであります。
  263. 橋本敦

    ○橋本敦君 見せてはならない。普通なら見せるはずもないものを、この鬼頭判事補は見てきたというんです。しかもこの問題は、鬼頭判事補が見たというだけではなくて、わが党の宮本委員長に対する反共攻撃にあれこれマスコミその他で利用され、民社党の春日委員長も、十分資料を持っているんだ、身分帳や診断書も持っているんだと言わぬばかりの発言をされたこともあるんですよ。だれが漏らしたか、これから調査の問題です。いいですか。この点についても、これを漏らしたということが仮にあれば、あるいはもしもこの鬼頭判事補法務省の規定を犯してこれを見たとすれば、これは私は、この問題についても裁判所は分限上の処分をしなければならぬとこう思いますが、事務総長、いかがですか。
  264. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 網走刑務所関係の……
  265. 橋本敦

    ○橋本敦君 簡単に答えてください。
  266. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 問題につきましては、きのうの朝刊に出ました裁判官が自分であるということを認めております。ただし、その内容については大分違うところがあると申しておるようでございますので、これまた明日以降、十分、厳重に調査いたしまして、しかるべき処置をとりたいと考えております。
  267. 橋本敦

    ○橋本敦君 そこで、総理、私が指摘したいのは、背後関係にグループがありそうだという状況があるから、背景を含めて徹底的に調査するということはお認めになりました。特にこの鬼頭判事補について言えば、片っ方で総理であるあなたにこのような謀略をしかける。そしてまたロッキード隠しの重大な政変劇の起爆剤になりかねないようなことをやる。一方で、わが党の宮本委員長に対する、だれも見ることができない身分帳を見てきて、そしてそれが、これからの調査ですけれども、反共攻撃の具に利用されるという方向に行くとしたら、これは何か。私は、まさにロッキード隠し、そしていたずらな反共攻撃というものはこれは根は一つではないか。日本の政治革新を願わない黒いグループの動きが背景にあるのではないか、こういうように私は考えて、重大な問題だと、日本の民主主義にかかわる重大な問題である。わが党の上田議員が参議院の予算委員会で、このロッキード疑獄の背景に日本版のCIA問題が隠されているのではないかと追及したことがあります。まさに、このロッキード疑獄を生んだその政治の背景に、これを隠そうとするまた黒い動き、こういうものがあってはならぬ。徹底的にロッキード疑獄の一環としてこの事実も解明すべきである。私はこのように要求をし、同時に、委員長、これから調査を進めますが、必要とあれば、この総理の自宅へかけた録音テープをロッキード真相究明の一環として、当委員会でもこの謀略を明らかにするために、これは資料提出をしかるべきところに求めて、検証して、事態をはっきりさせることを要求し、理事会でお取り上げ願いたいと思って私の要求をして、質問を終わります。
  268. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 委員長としては承知いたしました。
  269. 三治重信

    ○三治重信君 このロッキード問題の現在のところ一番集約されておりますのがこの灰色高官名の公表の問題でございますが、この公表の問題で、政府の方は、現在、秘密会にしてくれるなら資料国会へ提供する、そしてその氏名の公表は国会でやってほしい、こういうことになったのが現在の政府の見解だと思うのですが、そこで総理、そういう処理の仕方というものについて、私は、非常にひきょうだと言えば少し言葉は悪いんですけれども政府責任の回避の方へ向いてきているのじゃないか、かように思うわけでございますが、そういう議論を若干やってみたいと思うのですが、その前にひとつ、総理は、やはり灰色高官の氏名は最終的には公表されるべきだと、この賄賂の行方を、賄賂を受け取った人をやはり国民に発表すべきだと、こういう考えにおいては変わりはございませんか。
  270. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) いわゆる政治的道義的責任の追及というものは、国会がいろいろ調査をされる場合に、できるだけの資料を提供して、その公表問題というものは、国会において政治的道義的責任の有無というものを追及されるわけですから、恐らく国会責任において公表されることになるのではないかと、そういうふうに考えています。
  271. 三治重信

    ○三治重信君 これは最近そういうふうになったんで、総理自身として初めから、ロッキード問題の徹底的究明というふうに言明されたときには、心情的にはやはり政府責任において、いずれこの検察の調査がわかれば賄賂を受け取った人の氏名は当然政府責任において公表さるべきだと、そういうことで答弁をされてきたんではないのですか。
  272. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) それは、賄賂を受け取った人は当然に公表さるべきであるということですね。これはもう当然にまた公表されますし、賄賂を受け取った者は公表されるべきであって、私は、そういうことがあやふやに終わることばないし、そういう点のことは公表ということを前提に考えておったわけでございます。
  273. 三治重信

    ○三治重信君 ちょっともう一度再確認しますが、総理としては、やはり賄賂を受け取った人は、捜査が進めば、また捜査で、その行方がわかった人に対してはその氏名は公表さるべきだと、こういうふうなことにおいてはやはり間違いないわけですね。
  274. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 賄賂をもらった人は当然明らかにさるべきであります。
  275. 三治重信

    ○三治重信君 それを政府がどうして発表するのはまずい。それは秘密会にしてくれるならば国会報告する、国会でそれを処理してやったらいいじゃないか、政府としてはその発表はできない、こういうふうに言われる根拠はどういうわけですか。
  276. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 国会で追及しようというのは政治的道義的な責任でございますから、それは賄賂ということが明白になれば、これはもう当然に刑法上の責任も追及されるわけですが、そういうのでなくして、刑法上はシロというわけでしょうね。責任を追及されないんだけれども、しかし政治的道義的責任というものがあると、国会がそういう調査をやろうというわけでございますから、そういうことをすることが民主政治の健全な発展に対して当然好ましいことでもございますので、政府としても国会に協力をしようということで、賄賂ということには限ってないわけですね。そこにやっぱり問題の複雑さがあるということでございます。
  277. 三治重信

    ○三治重信君 そこで、国会がそういう政治的道義的責任の追及をやる、これに対して政府が協力するのは当然だと、これはここまでは意見が一致しているわけなんですが、その協力の仕方について、やはり国会責任で氏名を公表しなければ政府責任としてはこれは負えないと、この理屈について私は非常に納得をしにくい。先ほど秦野委員も、政府が一切そういう氏名の公表について、それは国会責任で、政府がやるのは越権だと、こういう解釈というのはおかしいというふうな意味の質問をされていたと思うんですが、私も同感であります。そのわけは、私はこの議会制民主主義というものについていろいろ調べてみました。その中に、議会制民主主義というものは、やはり三権分立というけれども、議会制民主主義の三権分立というものは、国会議員総理大臣、各省国務大臣を兼ねている。アメリカのように行政府は全然国会議員がタッチしてない、何々大臣になるためには、アメリカにおいては国会議員を辞職してならなければならない、そういうふうに完全に分離しているところならばそういう理屈も成り立つかもしれませんけれども、議会制民主主義の、いわゆる国会議員から内閣総理大臣国会において選任され、そうして内閣総理大臣がその国務大臣の過半数を、憲法の規定に従って過半数以上を国会議員から任命しなくちゃならぬということは、やはり国会の機能というものについて、やはりアメリカや完全ないわゆる君主制のもとにおける行政権を君主が持っている、そういうところの立場と非常に違うと思うんです。  そこで、やはり国家機関としての議会というものは、議会制民主主義で内閣総理大臣国会議員として責任を持って、そこに議会と行政の接点がある、こう解釈せざるを得ない。そのときに一つの議論として、やはり議会が行政のことについて、いわゆる日本では国政調査権ですが、いろいろのチェックをする。そのときに、やはり内閣総理大臣が議会の審査に詳細にわかって責任ある答弁をしなければ議会制民主主義は成り立たぬ。政治的道義的責任といえども、この賄賂資金の行方について政府が知り得る情報というものを、議会において行政府の指導者として総理が言えないという理屈は、私はこういう議会制民主主義のもとにおいてはおかしいと思うんですが、それに対してはどう思われますか。
  278. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 議院内閣制というのは、私は、一方において行政府の長としての立場があり、一方においては政党の総裁としての立場があるわけでございます。行政府の長としては、やはりこれは行政府が追及していくということは刑事上の責任ということが主になる。また、自分の政府の職員がおりますから、そういう者に対しての規律という点から政治的道義的な責任の問題というものも無関係では無論ないわけでございます。そこで、自民党という、これは国会の信任を条件にするわけでございますから、多数を占めておるわけでございます。そこで、やはり自民党総裁として、国会の運営に対して自民党が国民の納得を得るように、やはり、多数だからといって何でも独断で押し切るということは民主政治の原則から言ってこれは適当でないことは言うまでもないわけですから、自民党総裁として今後この問題を解明するについて、私はできるだけの協力を国会に対してするように、自民党総裁として党員に対してこれを指導していく責任が一方においてあると、そういうことで、自民党総裁と総理大臣というものとの接点というものを実際問題として図っていくよりほかにないと。実際大統領選ではありませんからね、議院内閣制度というのは行政と政党の接点というものに、いま御指摘のようにいろいろ複雑な問題がございますが、そういうふうに割り切ってやることよりほかにはないと考えておるわけなんです。
  279. 三治重信

    ○三治重信君 その点について私も同感なんです。したがって、私は、こういう問題になってきたときに、秘密会ならば資料を出すと、それで氏名発表は国会でやってほしいと、こういうことでこの国会の混乱をもたらし、この議院内閣制における内閣のやり方について非常な批判が出る、ここがまた政治に対する私は非常に不信感を持たれるもとだと思うんで、むしろ、どうしても自民党の関係で発表できないならば、これはもう自民党の方としては、その与党の反対でいましばらく待ってほしいと、また、そういうことは、その氏名の発表というものについてここまでしか、類分けしかできないと、氏名の発表はできないと、それは何ゆえならば、選挙があるから、この灰色まで出す、灰色の軽い者まで出すわけにはいかぬと、あるいは国会の何と申しますか、選挙が済んでからならばできるからというふうなことをもっとはっきりして国会においての議論を展開をしなければ、政府がこういうふうに途中からぐっと来て秘密会と、こういうふうなことを一つかんぬきをさしちゃったばっかしに、大変な国会の中で審議がいわゆる停滞をすると、こういうふうに思うわけでございます。したがって、私はこの十九日のNHKの「総理にきく」というあのテレビを私も見て、総理が灰色高官氏名を発表すれば大変なことになるんだと、いま発表すれば大変なことになるんだと、軽々にはできないんだと、こういうふうなことをはっきり言われたことを見ておりますが、そうすると、最初の答弁で、氏名の発表はいずれ今後氏名発表までいかなくちゃいかぬと。これは私も、これが国内でどれだけの賄路が使われたのかわからぬというならばまだいいんですけれども、これはアメリカの方ではっきり、丸紅は幾ら、全日空の方にも幾ら、それからまあ児玉ルートにも幾らというふうに出したと、こういうことがさきに報道されているわけですから、それが、受け取った人が解明されなければ、政府責任において解明されなければおかしい、解明されるということは氏名の公表までいかなければおかしいと、こういうことで、ただ、それは過半数を持っておられるそうだから、その発表の時期にはいろいろ問題があると思うんですけれども、この点について総理がどういうふうな意味において大変だと、こう言われるか、これ、大変なものをどう最終的に処理されるかと、こういうふうにお伺いいたします。
  280. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私は大変な弊害が起こるという考えを持っておるのは、行政府の長が、政治的道義的ですからね。刑事上の責任というものは、これはもう何人にも容赦はないわけですから。道義的政治的責任というようなものを行政府がこうやって、この人には政治的責任がある、この人には政治的道義的責任があるということを行政府が責任を持って色分けをしてそれを公表するということは、非常なやっぱり、これは政治的に利用すれば弊害が出てくるわけですから、むしろ政治的道義的責任という場合は、どこの国を見ましても、ウォーターゲートなにかでも、やつぱりアメリカの国会でやっておるわけですから、議員自体のやっぱり一つの規律に関係をすることでございますから、そういうところで、国権の最高機関としての国会は、こういう行為をした者に対しては道義的政治的責任があると考えるんだと、こういう基準を出していただくならば、これに対して御調査の便宜のために資料をお出しをして、これはやっぱり国会がその責任があるかないかというものを、国会がその有無を一つ調査の結果として決められて、それで、これはやっぱり責任はあると、公表すべきであるというような判断で公表するという慎重な手続をとった方が、こういう非常に個人の人権にも関係をすることでございます、議員自体にも。また、これはいろいろ裁判にも影響を持つものでございますから、そういう慎重さが要るのではないかと、議員の規律に関係をするようなそういう問題について、全部一々政府が色分けをするということは行き過ぎが起こって大変な結果になりはしないかと、こういうことを申しておるわけでございます。そこで、やっぱり基準というようなものが国民が納得のできるような基準でなけりゃいかぬですね。その基準をつくることに対して、自民党が選挙があるからこれはできぬ——選挙考えるべきでないですね、選挙は。選挙があるからこれはできぬのだ、選挙が済めばいいんだと、そんなものじゃないと思いますよ。その基準というものが、一体、真相を知りたいという国民——しかもまた政治的道義的責任の有無に対しても国民は関心を持っておるわけですから、そういうものについての一つ判断の材料を求められるのは選挙の前の方を望んでおるわけですから、済んだらいいんだ、選挙だからできぬ、そんな考え方は自民党にはございません。
  281. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) この際お諮りいたします。  委員議員喜屋武眞榮君から発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  282. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。喜屋武眞榮君。
  283. 喜屋武眞榮

    委員以外の議員喜屋武眞榮君) 時間がわずかしかございませんので、私は国民の声の中から二、三取り上げて質問をいたしたいと思います。  まず三木総理に。このロッキード疑獄はわが国の政治史上の中でもまことに例を見ないほど重大な疑獄事件であると言われます。ところが、このような重大な問題を引き起こしておりながら、三木さんは自由民主党の総裁として、あるいは日本の総理大臣として、国民に対してわびる、あるいは反省の意思を国民に伝える、こういうことが私の知る限りにおいてはいまだかつてなされていないと、こう受けとめておりますが、三木さんの御心境はどういうことなんでしょうか。まずそのことを……。
  284. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 喜屋武さん、その点は私はないと思いますね。自民党政権下に起こった事件ですから、これだけの国民の疑惑を受けるような事件が自民党の政権下に起こったことに対して私は深く反省をして、そのために自民党というものがこの機会に思い切ったいろんな改革をしなければならぬということを反省の結果として考えておるわけで、それは申しわけないことであるということは、もう言うまでもないことでございます。
  285. 喜屋武眞榮

    委員以外の議員喜屋武眞榮君) ところで、三木さんはこのロッキード事件の起こった当時は、いわゆる党内における三木おろしの反三木派の声よりも国民の支えを非常に重視して、非常に姿勢を正して述べておられた。ところが、だんだん後退しておるということが言われておりますが、それは自由民主党の総裁という立場からの党内における圧力あるいはその他の圧力、それによってだんだん後退をしておられるという見方が非常に強うございますが、いかがですか。
  286. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私は、やはり後退などあり得ないんですよ。それは自民党というものの党内の動きにロッキード事件を使って、そして党内工作にこれを利用しようなどという考えは毛頭ないんですよ。そういうこと、私はそんな卑劣なことまでして三木政権を長らえようとは思っていないんですよ、そんなことはね。ただ、だから、できるだけ国民真相を知りたいと皆が思っておるわけですから、最大限の要望にはこたえなければならぬと思っておるんですが、それはしかし、ロッキードのこういう疑獄事件に関連をしての真相というものは明らかにされなければならぬと、こう考えておるわけですけれども、しかし、そのために、もうロッキードのこの疑獄事件関係のなかったような人までも何もかも皆暴露したらいいとは思っていないわけです。おのずからそこはやはり、ロッキードのこの疑獄事件に関連して、しかも不正行為があったというような、そういう場合は、あるいはまた人間にしても、これは明らかにしなければ相済まぬと、こう考えておるわけで、私自身がこの問題をあやふやにして終わらしていいとは思ってないわけでございます。その国民の要望にはこたえなければならぬと私は常に自分にも言い聞かしておるわけでございます。
  287. 喜屋武眞榮

    委員以外の議員喜屋武眞榮君) 国民の要求は徹底的究明を要望しております。ところが、中間報告で十二名の灰色高官の人数が公表されたが、国民が求めておるのはその氏名である。ところが、そこまで行きますというと、三木さんは、それは国会の分野であると、こういうふうに逃げておられる。ところが、国会の分野ということを、自由民主党の意思によってそれが封殺されるという、こういうことを見越してそのようにすりかえておられるんじゃないかという声が非常に強いのであります。いかがですか。
  288. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) そうじゃないんですね、法務大臣報告というものは。いわゆる灰色高官という名前を、人数を発表したというんではないんですね。あの金の流れを追及しましたらこういうことでございましたということでございまして、金の流れを追及するときに出た人数であるわけです。したがって、これを政治的道義的責任を追及するに値するものというものは、これはやはりこういうものが政治的道義的責任を追及すべきであるという一つの範囲というものが当然にあるわけですが、その範囲というものが国民が納得のできるような範囲でなければならぬと私は思っておりますから、ことに総選挙を前にして、そうしてことさらにこういうロッキード疑獄事件の不正のあった者までもこれをやっぱり包み隠すというようなことは、非常な国民の厳しい批判を受けることは明らかですから、そういう意味で国民の納得のできるような政治的道義的責任がこれはあると、調査をしなければならぬという範囲というものを決めることについては、自民党の独断だけに陥らないように、党自身に対しても、私はこれを自民党自身にそういうことを指示しておりますし、また今後もそういうふうにいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
  289. 喜屋武眞榮

    委員以外の議員喜屋武眞榮君) 国民の納得すること、国民が求めておることは、この灰色高官を浮き彫りにすることがその求めておるもの、納得することであります。だから、三木さんひとつ初心に戻って、ぜひ勇気を出し国民の声にこたえてほしいということを私は強く要望いたしておきます。  次に、衆議院選挙の公認の問題に関しまして、先ほどもその問題については出ておりましたが、さらに再確認のつもりで申し上げたいのでありますが、田中、橋本、佐藤孝行氏の方々は事実上の立候補を宣言しておると見ていいのではないかと、こう思っておりますが、ところが、党として公認が——党から抜けておられますので公認はできるはずはないと思いますが、ところが、その所属の県連段階ではそれを推薦するということが決議されておる。このこと自体にもこれは大きな問題があると思いますが、自由民主党の総裁としてそれをどのように考えておられるか。  そして、もう時間もありませんので、もう一つは、その方々が、あるいは灰色高官の方々も、立候補されて当選をした暁に再び自由民主党に復帰するのではないかという、こういうことが考えられます。それに対していかがお考えでしょうか。
  290. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 起訴された人たちは自民党を離脱をしておるわけですから、現在、実際問題として党員というわけではないわけです。自民党の県連が党員でない人を選挙に推薦するというのには、どうもそれは自民党としておかしなことでございますから、私は調べてみましょうと申したわけでございます。  それからまた、起訴された人はやっぱり離党をしておるわけですから、その人がもう一遍復党するということについては相当なやっぱり理由がないと、選挙に当選したから即復党ということには相ならぬわけでございまして、復党の手続が要るわけですから。そういうことでございます。
  291. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) もう時間が大分超過しましたから、なるべく御遠慮願いたいと思います。−じゃ一応簡明にひとつ願います。
  292. 喜屋武眞榮

    委員以外の議員喜屋武眞榮君) それじゃ最後に、PXLに関してはこの委員会でもたびたび論じられたわけですが、田中、後藤田、相澤、この三氏の証人喚問が絶えず要望されてきたわけですが、ところが、その都度都度、これは調査上非常に支障があるからということで断っておられた。現在どのようにその調査が進められておるか、そのことをお尋ねしまして、もう時間ですので、終わりたいと思います。
  293. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 法務、検察当局では、現在の段階においてそういう証人喚問について支障があるとは思っておりません。
  294. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 以上をもちまして本日の質疑は終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時五十九分散会      —————・—————