○
政府委員(
山橋敬一郎君) お
答えを申し上げます。
この
ロッキード事件に
関係をいたします課税上のもろもろの問題につきましては、大きく分けまして児玉を中心とする問題、それから
全日空、
丸紅を中心とする問題というふうに分かれると思います。児玉の
関係につきましては、先生御承知のとおり、去る三月の十三日に、昭和四十七年分の所得税法違反につきまして東京地検に告発をいたしまして、以後引き続きいわゆるフィクサー収入等を含めまして、同人の資金の
流れと資産形成の
全貌を明らかにすべく
調査を行ってきたわけでございますけれ
ども、九月の三十日に、四十八年分及び四十九年分の所得税法違反につきまして東京地検に告発をいたしまして、同日
起訴されたわけでございます。今回、九月の末に
起訴されました四十八年分、四十九年分の逋脱額につきましては、
公訴事動によりますと、逋脱税額ということでございますと四十八年分が二億八千七百万、四十九年分が四億五千百万、合計いたしまして七億三千八百万の通脱税額でございますが、これに、前に三月の十三日に告発、
起訴されました八億五千三百万を加えますと、現在のところ十五億九千二百万ということになるわけでございます。
なお、去る三月十三日に、四十七年分の告発、
起訴と同時に四十五、六、七年分につきまして所要の課税処理を行いましたが、四十八年分、四十九年分につきましても、九月三十日に所要の課税処理を行っておるわけでございます。ただ、五十年分につきましては現在まだ残っておりまして、今後とも東京地検と緊密な連絡をとりながら
調査を進めまして、できるだけ速やかに適正な処理を図る所存でございます。
なお、この児玉
関係につきましては、徴収面の問題が実はございまして、債権保全の措置といたしましては、四十五年分から四十七年分までの更正に係るものにつきましては去る三月の十三日に繰り上げ徴収を行いましたが、繰り上げ期限でございますところの三月の十五日までに完納しなかったので、同日以降におきまして不動産、預金等の差し押さえ
処分を行っております。また四十八年分及び四十九年分の更正分につきましては九月三十日に繰り上げ請求を行いまして、繰り上げ期限の十月一日正午までに完納がございませんものでしたので、同日以降におきまして新たに預金、債券の差し押さえ
処分、すでに差し押さえておりますところの不動産につきまして参加差し押さえを行っておるという状況でございます。
以上が大体児玉
関係の現在におきますところの
調査、処理の状況でございますけれ
ども、五十年分につきましては、先ほど申し上げましたように、現在まだ残っておりますので、鋭意
調査を続行いたしまして適正な処理を行いたいというふうに思っておるわけでございます。
以上が児玉
関係でございますが、
丸紅、
全日空の
関係につきましては、これは当
委員会でもお
答えしたかと思いますけれ
ども、大法人でございますので、毎年実地
調査を実は行っておるわけでございまして、今回、
丸紅につきましてはことしの一月、
全日空につきましては昨年の十一月から
調査に実は着手しておるわけでございますけれ
ども、その後、別途この
ロッキード事件によりまして
検察当局の
捜査が実は行われたわけでございます。現在
関係帳簿が
検察当局にまだ押収中でございます。こういうふうな事情もございまして、またこの
全日空、
丸紅というふうな大商社、大会社の
関係の取引は非常に複雑でございまして、両社につきましては現在なお
検討中でございます。
検討中でございまして、
調査をまだ終了するに至っておりません。事実
関係を今後とも
解明を急ぎまして、適切な課税処理を行っていきたいというふうに
考えているわけでございます。
また、この
全日空、
丸紅に関連いたしまして
田中前
総理の実は収賄という問題があるわけでございますが、この点につきましては
検察当局ですでに
起訴をされておられるところでございます。これの課税上の問題につきましては、これも当
委員会におきましてお
答え申し上げたかと思いますけれ
ども、税法上のいろいろな取り扱いの問題、それからこれが将来有罪が確定いたしますと没収、追徴になるというふうな問題、そういうふうな問題、あるいはもし課税ということになりますれば、今後所得区分というものが何所得になるかというふうな問題、そういう税法をめぐるいろいろな実は問題がございます。こういう問題を鋭意現在詰めておる
段階でございまして、これとあわせましてその実態、その授受の
趣旨等を
解明をいたしまして、今後適正な課税処理を行って適正な処理を行っていきたいというふうに
考えておるわけでございます。
以上、非常に大ざっぱでございますけれ
ども、現在、国税当局が
ロッキード事件に関連をいたしまして行っておる状況でございます。