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島田(琢)
委員 私は、大臣のその誠意の部分はよく認めたいと思います。だから、非常に意地悪い
質問かもしれないとこっちも断わりました。
ただ、大臣、目を見張ってもらいたいのは、私がいま言ったように、砂糖に関しては政府の方針が、将来の目標は決まっているのです。
北海道のビートがどうあるべきか、あるいは沖繩のサトウキビはどうあるべきか、またでん粉を原料にしてつくられるいわゆるブドウ糖のあり方はいかにあるべきか、これも方針は決まっているのです。方針ですから、その方針が若干の変更を来すということについても、私
どもはかたくなにそのことを否定するつもりはありません。しかし、大事な基本にかかわる部分について、担当部局の食品流通局を
中心にして大臣のお
考えとは、あるいは閣議で決定されたこととはうらはらなことが持ち出されてくるようでは困るから、大臣、この基本のところはしっかりとあなたが持っていてくださらぬと困ります。
たとえば
一つの例を挙げると、いまお聞きした
北海道の六十年目標における七万七千ヘクタールの面積確保については、食品流通
局長以下の幹部は、それは無理だ、
北海道の適正な面積は四万五千ないしせいぜい五万ヘクタールだということがいま言われているのです。公式にはきょう初めて私が発言するのです。何ぼ高級官僚だって、大臣もお知りにならぬところで閣議決定の方針が覆されるというようなことは、これはいただけないことなんです。ですから、それは大いに合意を得て修正がなされたという時点でならいい、しかしそれは明らかに、先ほどの美濃
委員とのやりとりの中でも出されていたバレイショの問題にしても、方針を方針としてきちっとやはり大臣が指示をされて、その方針の範囲でもって担当の
局長以下仕事をされる、こういうきちっとした形がないと、そうでなくても日本はいまや官僚王国などと言われているのであります。官僚によってすべてが支配されていると諸外国からさえ
指摘を受けているのが、今日の日本の行政の
実態であります。砂糖の部分くらいはというお
考えをお持ちになると、やがては
農林大臣はあっても
農林大臣の威信はどこかへ吹っ飛んでしまうということになりかねない。だから私はちょっと時間をかけて、くどくどこのことを
指摘をしているのであります。失礼にわたる段は十分ひとつ御理解をいただきたい、こう思うのであります。
さて、今度は数字にわたる部分でありますから、
局長に
お尋ねをします。
これはあるいは担当でないからわからぬと言うかもしれませんが、きょうは官房長はお見えになっていないわけですね。実は、
昭和三十年、これを一〇〇として、
昭和五十年までのいわゆるてん菜の
価格アップ率は一体幾らになっていますか。——私の方でお教えします。一万六千円の
農家手取りで計算して三〇四・五%であります。基準
価格で、牛尾課長、後ろで後で割ってください。一万二千百四十円で割ると何%になるのか。これもわかっていますが、それくらいそちらで計算してみてください。
さて、そこで私が聞きたいのは、実は大臣、同じ方式で春闘の賃上げの率を調べてみました。同じ三十年を一〇〇として計算いたしますと、
昭和五十年でその上げ率は一一三七・九%であります。米はどうか。同じ計算で三八二・八%になります。小麦はどうか。四八八・九%であります。てん菜は、いま申し上げたように三〇四・五、これは昨年の
農家手取り
価格一万六千円で割り出した計算であります。
これだけ並べてまいりますと、いかにも行政の不公平が目立つではありませんか。春闘の賃上げ率とこのアップ率を同時に並行して比べてみるということは筋違いだと言われればそのとおりであります。しかし、
農家の一日当たりの労賃あるいは一時間当たりの労賃の極端に低いのがこのビートであります。米に比べても、そのほかの
農産物に比べても非常に低い。この不公平はぜひ改めるべきだというのが私の年来の主張です。少なくとも三木内閣は不公正是正ということを打ち出して、その旗はおろしていないと思うのです。三木内閣の閣員の一人であります大臣もこの
考え方を受けて、きのうから、農民の幸せをつくるためにと、こうおっしゃっているのだと思うのです。せめてこうした不公正を是正するという点については前向きに取り組んでもらいたいと思うし、
昭和三十年以降からこの方二十年の間、ビートは常に生産費をさえ下回るという状態で決められてきた。しかも
昭和三十年以降七年間にわたってビートの
価格は据え置きをされてきたのです。そういう面について、私
ども生産農民はこれを積み残し部分と言っています。言っていることが妥当かどうかはそれはいろいろの判断があるでしょう。いみじくも前食品流通
局長の森さんは、この積み残し部分についていろいろと御発言があった経緯もあります。私
どもは、この際やはりその積み残し部分をきちっと整理をするということが必要ではないか、こう森さんにも言ったのですが、そのときには完全積み残し部分を解消するに至らぬまま去年、ことしと経過をしました。ぜひこれはことしはやってもらいたいと思うのです。いまの私の
お話の趣旨は大臣おわかりになったかどうかわかりません。もし十分の御理解がないとすれば、
局長はよくこのことは御存じですから、
局長から答えてもらって結構です。しかし、私のいま
お話ししたことは、大臣、ひとつ時間を改めて、もしわからない部分があれば、また私は直接
お話もしたいと思っておりますが、時間の
関係で先に進ましてもらうので、いま
局長から答えてもらいます。