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大出委員 いま
藤井総裁から長い
答弁をいただきましたが、
要点をしぼれば、
旧来の
佐藤総裁が
答弁をしてきたその
考え方というのはよく知っているし、
踏襲をしてきている。これは
藤井さんが
事務総長をやっておられた
時代があるのですから、当時の
総裁は
佐藤達夫さんなんだから、それが変わちゃ困るわけです。ところが、
人事院ができたのが
昭和二十三年ですから、私はそのときの
官公労中央の
事務局長ですから、以来今日まで二十八年間、今日の
総務長官の
西村さんも当時は郵政省においでになって、私はどうも
西村さんとは
人事院ができたころからのこれまた長いお
つき合いなんですから、いずれもよく知っている仲でありますから、この二十八年に及ぶお
つき合いの中で、一貫して
端数は
切り捨ててまいりまして、この
端数の
切り捨てというのは上げる方の
端数を
切り捨てたわけですからね、これは。四捨五入じゃないのですから。初めて今回
藤井総裁、記念すべきことをおやりになりまして、五・二カ月分というのを五カ月に〇・二削ったのですから、
人事院の歴史二十八年間で削った
総裁、これは
藤井さんをもって噛矢とするわけでございまして、
藤井さんの顔を見るたびに私は死ぬまで思い出すんじゃないかと思うのです、あの人が
総裁になったから〇・二削ったのだなということで。私はいつか
質問で、
総裁が入ってくるたびに恐らく皆さんが、おれの給料〇・二カ月削ったのはあの
藤井さんだということになるよと言ったのですけれども……。そういう歴史的な
総裁だけに、いま最後に言いわけがついているのですね。つまり、従来
民間は下がる
要素が出てこなかったというのですね。だが今回は下がったというのですね。ここだけが違うのですよね、いまの
答弁。
そこで申し上げますが、
佐藤総裁の
答弁、
幾つもありますが
一つだけ読み上げます。これは私の
質問に対する
佐藤総裁の
答弁、七十一
国会、四十八年八月二十八日です。「これは毎年御指摘を受けていること」なのですが、「基本的な
考え方は、たびたび申し上げておりますように、この
民間の
特別給というのは非常に浮動的で、その年その年の
景気に左右されるものだ。片やわがほうは、とにかく
法律の条文の中にこれが入りますことから申しましても、相当固定的な形になる。」
法定主義だというわけです。「だから下がった場合に、それじゃすぐそれに応じた
下げ方が気楽にできるかどうかというと、これもなかなかそうもいかないだろうというような、いろいろ
差し引き勘定してみますと、うまみもあるということで、ことしのような場合は、これはもう十分御容赦願えることと思っておるわけでございます。」今年削ったけれども、
民間が下がったからといってそれじゃやすやすと削るなんということはできないのだ、
法定主義だから。だから、ことしは削ったけれども、「広い
意味で見るとこの
差し引き勘定というのは損はないんだという、こういう実は
答弁なんですね、
法定主義だから。
ところが、いままで下がったことは一度もないのですよ、いま
総裁がいみじくもおっしゃるように。
官民比較をやると、全部
民間が〇・〇
幾つか高い。それをみんな削り続けて、よくも飽きずに削ったものだと私は思うのですがね、上がるべきものが削り
っぱなし。上がるべきものを削り
っぱなしにして、今回初めて下がったからというので今度下げちゃったという。これは
旧来の
総裁答弁が御都合主義で言ったのならいざ知らず、そうでないんだとすると、これは筋が通る筋合いのものじゃない、こういうふうに私は思う。
そこで念のために申し上げておきますが、
昭和二十七年からずっと集計をしまして、二十八年が〇・〇四
民間が高い。これは切ったわけですね。三十年が〇・〇一
民間が高い。これも切った。ここで一遍だけ三公社五現業との関係から三月に特別
手当〇・一五分の勧告をしたことがあります。このときだけは、これは下げたんじゃないからいいのですが、プラス〇・一一といって
公務員が高くなったときがある、一遍だけ。これは三公五現に横に並んだのですからしようがない。その後三十二年にまた〇・〇二切っている。三十三年が〇・〇七また切った。三十四年が〇・一、三十五年が〇・一九あって切っている。ずいぶん不合理だ。〇・一九もあるものを切っちゃった。今回〇・二切ったなんていったって、ここで三十五年だけで〇・一九切っているのですからね。上がるべきものを切っちゃっている。
差し引き勘定損はないはずだと前の
総裁は言っているのですけれども、大変な損ですよ。大損だ。三十六年は〇・〇八
民間が高い。これも切った。三十七年が〇・〇二高い。これも切った。三十八年が〇・〇四、三十九年は〇・〇六、四十年が〇・〇三、四十二年が〇・〇一、四十三年が〇・〇四、四十四年が〇・〇八、四十五年が〇・〇九、四十六年が〇・〇七、四十七年が〇・〇二、四十八年が〇・〇六、四十九年が〇・〇八、去年の五十年が〇・〇八、これは高くなるべきものを切りっ放しに切った。切りっ放しに切っておいて、今度は
民間が下がったからといって〇・二切ると言う。これを集計すると一・一カ月分になるのですよ。そうすると、
佐藤総裁の
答弁からすれば、
差し引き勘定して損はないじゃないか、だから勘弁しなさいよ、おわかりください、
法定主義なんだから、
民間が下がったからといってその容易に気楽に下げるわけにいかないのだから、広い
差し引き勘定をしてごらんなさい、下がった場合だって下げないのだから、だから損はないじゃないですか、と答えているでしょう。これは前の
佐藤総裁なら、あなたこう言ったじゃないかと言えるのだけれども、いやそれは前
総裁が言ったことだと言いそうだから、前の
総裁の
答弁を
踏襲なさるかと聞いたら、これは私も
人事院におったことがあるから
踏襲するとおっしゃる。
踏襲するのなら、いまの
答弁は撤回を願いたい。今回初めて下がったのを、いきなり切った。いまの
答弁で、従来
民間は下がる
要素が全く出てこなかった、だが今回は下がりましたのでと言う。長い間切りっ放しで切って、今回下がったからといっていきなり切ってしまっては、前
総裁が黄泉の国かなんかで泣いているんじゃないかと私は思うのですがいかがでございますか。筋が通らぬでしょう。