○中路
委員 あと若干の時間ですので、これは外交問題じゃないのですけれ
ども、ちょっと
委員会で御質問したいと思うのです。
大臣は詳しく御存じないかもしれないと私は思うので、若干その問題に触れながら御質問したいと思うのですが、最近夏以来東京
新聞初め一般の
新聞にも
報道されておりますし、ごく最近では経済雑誌の財界展望の十一月号というのが「川崎の国際カントリーの謎」という六ページにわたる特集を組んでいます。その中に
大臣の顔も写真入りで「小坂新
外務大臣が焦点だ」というような記事が出ているわけです。
ちょっと経過を触れますと、川崎にあります国際カントリークラブという、通称生田緑地ゴルフ場という、
大臣も会員ですから行かれたこともあると思うのですが、ゴルフ場に関する問題なんですが、このゴルフ場は十五万坪、大変広大なゴルフ場ですが、ほとんどが川崎市の市有地なんですね、市の用地なんです。昭和十六年にすでに市民の緑地公園として都市計画
決定をしているところなわけですが、昭和二十六年に当時の神奈川県の内山知事等も中心になりまして、GHQ、米軍へのサービスを目的にして、ゴルフ場として十年間の契約で、川崎林園という株式会社をつくって、そこに貸すという形で、十年間の契約で一応米軍に川崎市がゴルフ場としての目的で貸与をしたという用地なわけです。ゴルフ場として十年間貸しても、返してもらうときに、いろいろ従業員の皆さんの問題やあるいは手続もありますから、その後三年間使用許可を延長して、さらに三年という、三年間二回にわたって使用許可を延長しました。四十二年の四月二十五日に、この許可の期限の満了に伴って正式返還の要請が川崎市から出されたわけですが、そしてなかなか立ち退かないので、当時市の職員がこのゴルフ場に、もう貸している任期が切れています、使用禁止の立て看板やくいを打ちに行ったわけですね。そうしましたら、このカントリークラブがいわゆる暴力団を雇って、自転車のチェーン等も振り回しながらこの所員の作業を妨害する、そして警察官が動員されるという、恐らく
大臣御存じないと思うのですが、こういう
事態まで起こしたところなんですね。それでやむを得ず川崎市が、当時自民党の金指市長でありましたけれ
ども、市有地を無法に占拠して居座っているということで、市が返還の訴訟を起こしたわけです。市議会でも、これは与党野党を問わず、現在は市長が与党、野党変わっていますけれ
ども、各会派満場一致で当然市民の――市有地ですから、期限も切れていますから、自然公園として都市計画
決定もしているということで、これを返してほしいという訴訟を起こして、現在なお九年間証人等で引き延ばされておりまして、訴訟がまだ続けられているというのが簡単に言いますとこのゴルフ場の経過なんです。
先日、このゴルフ場にいわゆるいまのロッキード問題と関連して検察庁が調査に入りました。これはゴルフ場の有力なメンバーに若狭全日空当時社長や、檜山丸紅前会長等も有力メンバーであったということから、税金その他の問題でこのゴルフ場に検察庁が調査に入りました。私もそのことと関連してたまたまこのゴルフ場にいろいろ調査に行きまして、いまの事情も詳しく聞きました。それとともに、このゴルフ場の有力な会員が、若狭あるいは檜山氏とともに、大平大蔵
大臣やあるいは河本通産
大臣、それから当時の竹下建設
大臣、そして小坂さん等もその有力メンバーであり、あるいは私が行ったときは公明党の矢野
書記長もそのメンバーであった。あるいはかつて民社党の代議士であった麻生さん、この方も出ていますけれ
ども、これがその後
新聞等にも大きく出まして、九年間も返還がおくれて訴訟が長引いているのは、こういう政財界の有力者がバックにいるから返還がおくれているのだというのがもっぱら一般
報道等で報じられて、市民の間でも返還が非常に大きな話題になっておる、世論になってきているというのが簡単に言いますと経過ですね。公明党の矢野
書記長はその後地元に来られまして、私は全くそういう事情を知らなかった、それから市の方が公明党も含めて満場一致で返還要求しているのも知らなかった、政治家としてはやはりまずいというので、その後一週間ほどしてから、会員も辞退をされる、やめるということで脱会をしております。実は、会員だけではなくて、私はここに会員名簿を持ってきているのですが、会員も川崎市民というのはほとんどいないのですね。一割もいない。ほとんどがほかからゴルフに来ている。会員名簿を見ましたら、この役員に小坂さんが入っておられる。会員だけではなくて、数人の
理事の中に小坂さんが名前を連ねられておられまして、麻生さんとともに中心の
理事に出ておられるというので、これは閣僚の場合に、こういうところの
理事を兼務されるのはどうかという問題もあるのですが、いずれにしても、これは五十一年五月一日現在の名簿であります。それによりますと、小坂さんが
理事をやっておられるというので、大平さんや河本さんや皆さんと違って特にこのカントリークラブの中心の
理事の一人だということから、最近の一般雑誌等も小坂さんの去就が非常に注目されているというような記事さえ出ているので、私は率直に言いますと、こういう経過等を余り御存じないのではないかというふうに考えていたのですけれ
ども、これだけ名前も出ている問題なのであえて御質問をして御見解もお聞きしておいた方がいいだろうと思っているのですが、このずっと
理事だったということはいつごろから
理事でおられたのか、その点の経過、いまも
理事なのか、その辺の経過から最初にお聞きしたいと思います。