○土橋
委員 そうしますと、
総裁はいまおっしゃったような
説明で、できるだけ角の立たないように、しかもそういう八割も増強していく
電話についてはそういう観点で他の面からカバーしながら、この住宅用
電話はけしからぬけしからぬというようなことから一歩ぬきんでておられる
説明をされておると私は思うのですよ。
そこで、
電電公社が今日までやってきた「住宅用
電話の“
赤字宣伝”」という題で新聞も報道しておりますが、この内容を見ますと、端的に言いますとこういうふうになっておるのですね。「
政府は五十一年度に
電話料金を大幅に
値上げすることにしていますが、
電電公社は“住宅用
電話は
料金収入が少なく経費ばかり食うから
赤字になる”として、「
電話は使っても使わなくてもかかる費用はあまり変らない。住宅用
電話は月平均収入二千六百円だが、これにかかる費用は事務用
電話と同じ」などと宣伝しています。」というふうにこの新聞は書いているわけですね。そしてまた「しかし実際の
電話の設備は、利用度に応じた規模になっています。したがって費用が「
電話は使っても使わなくても同じ」ということはありえません。
電電公社は「
赤字」だといいながら昨年、大企業などのデータ通信の専用
料金を値下げしましたが、この“住宅用は費用ばかり食う”という宣伝も、
電話事業の大企業の優遇の実態をごまかそうとする
一つです。
公社の
電話設備の実態を東京都内の例でみると、大企業の事務所の集中している千代田、中央区の加入一件当たりの設備は、三多摩・島部の場合の約四倍の規模になっています。このため保守・運用費、設備償却費など諸経費も当然、大きく違ってきます。全国の
電話網設備はこうした
電話局設備と市外通信路設備からなっています。そして、この市外通信路設備も「
電話の使用量」に応じて、大都市、大企業中心に設備されており、全国的にみても一日のうち、ビジネス通話の最盛時(午前九時〜十時がピーク)の通話をこなせるように設備されているのです。一方、住宅用
電話も一日のうちピークはありますが、夜間で、しかもビジネス通話よりずっと低いものです。つまり、全国的にみれば、千八百万世帯が加入している住宅用
電話は実際上、企業中心に設備された
電話網の「使われていない時間」を使って
料金を支払う仕組みになっているのです。したがって、
料金値上げによって住宅用
電話が増収になれば、
公社は大きくもうかり、大企業をますます優遇できるわけです。」こういう解説を加えておるわけですが、ここでこういうことを表として挙げておるわけです。「
電話加入数」というので千代田、中央区、これは七四年の末のちょっと古い資料ですが、この千代田、中央区では二十七万六千台の
電話があるわけです。それから豊島、板橋、北、練馬では五十二万七千台の
電話がついておるわけです。そして、三多摩と島のところ、これは八十二万九千台の
電話加入数があるといったわけですね。それで、今度「住宅用
電話比率」はどうかというと、千代田、中央区は六・八なんです。これが先ほど申し上げた豊島、練馬、板橋、北では六一・八%、三多摩と島部では七五・一%なんです。そして、「加入者当り呼率」というものが千代田、中央区では〇・一六〇なんです。ところが、豊島、板橋、北、練馬では〇・〇四七です。三多摩の場合ですと、〇・〇三五なんです。そして、「一〇〇加入当り交換設備数」を見ますと、千代田、中央区が五・七四くらいです。ところが、豊島、板橋、北、練馬は一・八六の状態です。片方、三多摩と島部は一・五二なんです。これらの事実から見まするならば、これは結局、住宅の多いところには、市外局間における
施設の問題あるいは市内局間におけるいわゆる通信の、たとえばA型交換機であるとかあるいはその線路であるとかそういう
施設、それから市内局から市外局に至るいわゆる路線ですね。たとえば、いろいろな
施設、そういうもの全体から見ますと、どうしても営業用の
電話の方が最も忙しい時期においては、その比率は住宅用の
電話と比べると大体二二・七%がいわゆる住宅用の
電話です。そして、それ以外のパーセントは大体業務用の
電話が使っている、こういうことがあらゆる資料に出ておるわけですよ。そうしますと、結局、
電電公社がいつも話しているように、自宅から中継する場所及び市内局までの一切の
電話機とかあるいは増幅機とか電線とかというものは、営業用も住宅用も全部同じわけです。それから市内局へ入ってきて、交換機からそういう一切の電力とか設備とか建物、それが今度市外局に行く、その間のいろいろな
施設、こういうものから見ると、いわゆる自宅につけておる
電話の部分というものはごく少数なものであって、大部分を
——どういうふうに営業用の
電話と住宅用
電話をピーク時に使うかという問題が一番大きな問題になりてくる。そうすると、コストの上から言いますと、営業用
電話の方が大体七割ぐらいで住宅用
電話が三割、正確に言うと二二・七%ぐらいの比率になっておるのですよ。
そうしますと、
電電公社のたてまえは、住宅用の
電話も営業用の
電話も一緒だから、同じように経費がかかっておるんだから、だからその差はない、こういう
説明を常にしておりますけれ
ども、実際のコストのそういう重要設備部分を使う割合から見ると、明らかに営業用の
電話が七〇%を使用しておる。そうすると、コストの効率
関係から見るならば、その重要な部分のすべてのものに対する保守あるいは管理あるいは改善あるいはそれに対する減価償却、そういうものに対する比率は明らかに営業用
電話が大きな比重を占めなければならない。そこを同じようについておるんだからほとんどその差は一〇%くらいしかないというような
説明をあなたの方でもしておるわけです。これは私は間違いだと思うが、専門家の方で結構です、あるいは
総裁でも結構です、どう思うのか。