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小林(政)
委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、
昭和五十一
年度の
公債の
発行の
特例に関する
法律案に
反対の討論を行います。
まず、本法案の
審議は、
参議院大蔵委員会において、わが党の再三にわたる要求にもかかわらず、公聴会も開かないなど、十分な
審議も行わず、自民党が一方的に採決を強行し、本日、衆議院においてもわずか数時間の
質疑で採決しようとしたものであります。
本法案は、大企業が強く要望している財界本位の景気回復の財源の調達を図ろうとするものであって、他方、不況と
インフレで苦しむ国民に対して、重税と福祉切り捨てを強要する悪法であります。このような反国民的法案に対して、十分
審議を尽くさず、採決に持ち込んだ自民党の態度は断じて許すことができないのであります。
反対理由の第一は、赤字
公債の大量
発行が国民に重税を強いる結果となることが明らかだからであります。
すでに
政府は、来
年度所得税について物価調整減税すら行いがたいことを言明していますが、このことは今後の消費者物価の上昇、
政府、財界の賃上げ抑制の方向を考えれば、国民には実質的増税を強いるということであります。それのみならず、
政府は莫大な
国債費を賄うために、物品税、自動車
関係税など間接税の強化を図り、史上最悪の悪税と言われている付加価値税さえ導入しようと画策しているのであります。これが不況下の国民生活を著しく圧迫することになることはいまさら申し上げるまでもないことと思うのであります。
第二に、本法案が
インフレを激化させることであります。
政府は、市中消化をやるのだから
インフレの心配はないと再三言っていますが、これまでの実績から見ても、市中消化された大量の
国債は、一年たつとそのほとんどを日銀が買い戻しており、事実上の日銀引き受けと大して変わらないということであります。しかも、民間資金の需要が増加してくると、民間の資金需給は逼迫し、日銀は一層市中銀行保有の
国債買い入れをふやしていくことになることは必至であります。すでにマネーサプライは昨年末以来大幅にふえ続けており、最近の卸売物価や公共料金の引き続く値上げに加えて、大量の
国債発行が
インフレを一層促進することは、火を見るよりも明らかとなっております。
第三に、本法案は財政の破綻に一層の拍車をかけるものであることであります。
政府は、
財政法の基本を踏みにじったにとどまらず、財政の単
年度主義をやめる意図を示し、赤字
公債発行の恒常化、大企業本位の財政経済政策を進めようとしているのであります。これは、赤字
公債発行を公然と続けるとともに、国民への支出の縮減を強要するものであるのみならず、財政破綻の元凶に触れない、きわめて反国民的で危険なものと言わざるを得ません。
わが党は、かねてから大企業本位の財政、
税制、
金融政策をやめて、国民本位の政策を進めることを要求し、今
年度予算に対して日本共産党の主張を公表し、これが国の財政を危機から救う道であることを
指摘し続けてきました。大型プロジェクトなど大企業のための投資を、住宅や学校などの国民生活向けに回すこと、大企業への特権的減免税をやめて、国税、地方税の四兆数千億の増収を図ることなどがそれであります。国の財政経済政策を国民本位に根本的に改めない限り、財政危機からの脱出、日本経済の再建はできません。
このことを強く
指摘し、一日も早い国政の革新をかち取る決意を披瀝して、私の
反対討論を終わります。(拍手)